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暮 ら し が 息 づ く 住 ま い
暮らしが息づく住まい
b
これまでの住宅
住まうことは、場所とつながりを持つことである。
a
aʼ
風の道をつくる大きな間口
人々の暮らしは、環境との応答を何度も繰り返すことで構築されてきた。
南西立面図
住まい手の行為によって、場所への帰属意識が育まれることが、
深い軒をもつ半屋外のデッキ
周辺環境への思いやりを生みだすと考える。
S=1/100
南東立面図
S=1/100
a-aʼ 断面図
S=1/100
装置を作り出す工具と材料たち
思いやりのある住宅
冬場に使用するビニールカーテン
商品としての閉鎖的な住宅ではなく、
小さく、必要に応じて柔軟に変化することで、暮らしが場所に息づく住まい。
【提案】 常設と仮設を組み合わせた、緩やかな構造をもつ空間
半私的 ( 外部 )
私的 ( 半内部 )
プライベート
半私的 ( 外部 )
半公的 ( 半外部 )
2階平面図
連続する敷石
組立式テーブル
移動式コンロ
組み立て式テーブル
ロケットストーブ
持ち運びが容易な丸椅子
屋外キッチン用シンク ( 水やり、洗車兼 )
パタパタ扉
グリーンカーテン
内と外、私的空間と公的空間の境界に厚みを
持たせることで、空間の伸び縮みを助ける。
作業台にもなる平たい塀
BBQ 用移動式コンロ
道まで影を落とす樹木
■常設:ゆるやかで段階的な領域性
S=1/50
ロケットストーブ
影をおとすタープ
ハンモック
私的 ( 内部 )
夏場に出現するゴーヤカーテン
小さな丸いす
屋台
■仮設:持ち運び、設置が容易な装置
環境に対する自発的な意識を助け、その都度 場所つくる。
座れる高さの仕切り
【構成】 建物のつくりかた
簡単に設置が可能なタープ
常設の支柱
■: 場 所 を 生 み 出 す 仮 設 的 な 装 置
■: 境 界 を 緩 や か に す る 構 造 物 と 設 備
【 S 1 区 画 】
配 置 兼 1 階 平 面 図
b-bʼ 断面パース
S = 1 / 5 0
bʼ
住居ユニット 抜けをつくる
深い軒で半外部空間をつくる
外部の居場所
場所をつくりだす装置
散歩の休憩場所になっている
収穫祭
道沿いで BBQ
内外が連続する
風の通り道
寒いときは小さく暮らす
羅
生
門
余
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の 囲 独
中 の 居
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独 民 人
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住 門 り宅
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の こ う 住一
住 の の 宅角
宅 住 が 地を
か 宅 独 全独
ら か 居 体居
自 ら 老 を老
宅 外 人 取人
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と 出 住 囲住
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独居老人を思いやる住宅:
居間
食事室
周囲と関係を
持てる住宅が必要
近年問題視されている
独居老人の孤独死
門としての機能を
持った住宅を提案
人の帰りをむかえ、
老人を見守る場となる
門としての住宅:
X
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羅
生
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1. 個々の住宅が塀によって
囲まれている現状
門
門
建蔽率
空地率
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S1
S2
2. 住宅間の塀を無くし、
1区画にまとめる
敷地の利用方法:
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平面図 1/100
S3
50%
50%
30%
70%
独居老人が住むことで
使用する面積を減らす
3. 区画全体の門となる
住宅を造る
この残余面積を
共有地とする
4. それぞれの住宅への
アプローチとなる
野菜と見守り
共有地
入会地を
農園とする
周囲の住民が
農園を利用する
入会地の提供
育った野菜は老人に
おすそ分けをする
老人が亡くなった後は
共用門として利用
門としての住宅が老人を思いやる
X-X 断面図 1/100
独居老人
南側立面図 1/100
北側立面図 1/100
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ENTRANCE
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First floor plan S=1:50
Second floor plan S=1:50
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独居老人を思いやる住宅:
居間
食事室
独居老人の孤独死
生
生
1. 個々の住宅が塀によって
囲まれている現状
門
門
建蔽率
空地率
家
家
BATH
LDK
AA’ Section S=1:100
門としての機能を
持った住宅を提案
S2
2. 住宅間の塀を無くし、
1区画にまとめる
敷地の利用方法:
の
の
S1
BED ROOM
周囲と関係を
持てる住宅が必要
近年問題視されている
人の帰りをむかえ、
老人を見守る場となる
門としての住宅:
X
羅
羅
平面図 1/100
S3
50%
50%
30%
70%
3. 区画全体の門となる
住宅を造る
4. それぞれの住宅への
アプローチとなる
野菜と見守り
共有地
この残余面積を
共有地とする
独居老人が住むことで
使用する面積を減らす
周囲の住民が
農園を利用する
入会地を
農園とする
入会地の提供
育った野菜は老人に
おすそ分けをする
老人が亡くなった後は
共用門として利用
門としての住宅が老人を思いやる
West Elevation S=1:100
South Elevation S=1:100
X-X 断面図 1/100
独居老人
北側立面図 1/100
南側立面図 1/100
塀を裾分ける
塀は住宅の利己性をつくる要素ですが、
同時に日本の住宅の重要なタイポロジーでもあります。その塀を今までと同じく、
敷地の周りにめぐらせますが、周辺に対して、居場所を「お裾分け」するように、表面積を大きくし、窪みをつくってい
きながらめぐらせます。塀を裾分ける、つまり、他人に与えるものとしてつくることによって、場所によって塀の高さや
窪みの大きさ、
そして視線に配慮したものになります。裾分けた塀によってできた窪みを「パブリックインテリア」と呼び、
街を引き込む羅生門、広場が引き込む生活
その窪みで囲われた隙間が敷地から敷地へ通り抜けできる道になっていきます。そして、住人が豊かに住むためには「プ
ライベートインテリア」も必要です。これも、塀によってつくっていくため、全体として、立体的な塀になっていきます。
ここでは内に窪んだ部分を家族の居場所にし、テラスが周りに取り付いていきます。塀によって、生活の一部をお裾分け
することで、家の中で小さく暮らす感覚を持ちながら、同時にまちの中で大きく暮らしていきます。
「裾分ける」 →
共有スペース
多重化する所有の概念
N1
N2
S1
S2
N3
S
L
独居老人が住む羅生門の家
M
S3
羅生門の家を抜けると共有スペースがある、という敷地の設定
街
⇩
S
自分の敷地
M
お隣さんの敷地の一部
L
街
畑
[所有のスケール]
住宅地
街
街
北側の道路に対してもう一つの門をもうける
6 つの敷地の新たな中心性が生まれる
⇩
まちの敷地の一部
デッキ
広場
周りの住宅に侵食していく
6 つの敷地の中心が自分の
デッキを門の両側から張り出すことで広場を生む
敷地の一部になる
⇩
独居老人が周囲に支えら
れる暮らしをする
それぞれの敷地の個性が広場に向かって引き込まれていく
1 階平面図
1/100