2017 春季生活闘争 第 2 回中央闘争委員会確認/2017.1.19 2017 春季生活闘争 第 2 回中央闘争委員会 確認事項 連合は本日、2017 春季生活闘争の第 2 回中央闘争委員会を開催し、2017 春季生活 闘争の今後の進め方について協議し、以下の通り確認した。 Ⅰ.最近の特徴的な動き 1.至近の経済情勢について 12 月のグローバル製造業PMI(購買担当者指数)は 52.71と 13 か月連続で回 復基調にある。また、多くの地域で改善が見られ世界経済が活性化していること を示している。懸念されていた英国の欧州連合(EU)からの離脱による世界経 済への悪影響もほとんど現れていない。さらに米国のトランプ次期大統領の選挙 期間中に訴えた拡張的な財政政策への期待などから、世界的にドル高、長期金利 上昇、株高が続いている。 わが国でも、円安、株高、原油高が進んでおり、輸出産業の業績回復期待も報 道されている。しかし、円安、原油高が続くとするならば、輸入物価の上昇は家 計を疲弊させる動きとなる。 家計への影響が内需縮小とならない取り組み、すなわち「自律的な経済成長に よる持続可能な社会の構築」に向けた取り組みを継続していかなければならない。 2.第 193 通常国会に向けた対応等について 1 月 20 日に招集される予定の第 193 通常国会では、政府予算案・税制改正関連 法案や育児・介護など社会保障に関わる各種法案に加え、 「高度プロフェッショナ ル制度」の創設や裁量労働制の対象業務の拡大など、働く者の命と健康を脅かし かねない課題も挙がっている。連合は「2017 年度 重点政策実現の取り組み方針(補 強)」に沿って民進党との連携を中心に政府・政党への働きかけを一層強化し、連 合本部・構成組織・地方連合会が一体となって、「働くことを軸とする安心社会」 の実現に向けて全力を尽くす。 3. 「働き方改革実現会議」等について (1)いわゆる「同一労働同一賃金」に関するガイドライン(案)について 連合は、2016 年 12 月 20 日に開催された「働き方改革実現会議」において「ガ イドライン(案)」に対する見解をすでに述べている。しかしながら、記載され ている項目だけを取り上げればよいという誤解を生みかねない報道が出ている。 1 この指標は企業に対して、実際の「生産」「受注」「雇用」「在庫」などが前月に比べて、どのように推 移したかを「増加・不変・減少」で回答してもらい、それを数値化したもの。グローバル製造業PMIと は、英マークイット社が、日米欧をはじめ主要国で毎月公表している。一般的にこの指標が 50 を上 回っていると、経済活動が活発化している目安とされており、その速報性の高さから多くの市場参加 者に注目されている。 連合は、すべての職場において非正規労働者の処遇改善の取り組みを進める「非 正規共闘方針」を確認しているが、改めて現場の労使が混乱を来たさないよう に事例等を調査しまとめる作業を進めていく。 (2)プレミアムフライデーについて 経済産業省と経済界が協力して取り組みを進めるとされている「プレミアム フライデー」について、12 月 12 日に「プレミアムフライデー推進協議会」の第 1 回会合が開催され、実施方針などが決定された。その実施目的は、個人が幸せ や楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時 間の創出を促すことで、①充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革へ の機会になる、②地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる、 ③(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる、であ り、全国的・継続的な取り組みを推進するとしている(別紙経済産業省ニュー スリリース参照)。 連合は、2017 春季生活闘争方針で掲げた「長時間労働の是正」や「家計所得 の向上」につながる実効性のある取り組みとなることが重要であると認識する。 したがって、実施にあたっては労使で十分な協議を行うことを求める。 Ⅱ.経団連「2017 年版経営労働政策委員会報告」に対する連合見解 経団連は 1 月 17 日、 「2017 年版 経営労働政策特別委員会報告-人口減少下での 経済の好循環と企業の持続的成長の実現」 (以下「報告」)を発表した。連合は「報 告」に対し総括的に以下の見解を示すとともに、経営側に対して労働組合の主張を 徹底していく。(別紙「経団連「2017 年版 経営労働政策特別委員会報告」に対す る連合見解」参照) 「報告」は冒頭「序文」において、「デフレから脱却し、経済の好循環の歯車を 力強く回していく主体は企業」であり、「経営者が強いリーダーシップを発揮」す べきと、力強く宣言している。「伸び悩んでいる個人消費を喚起するには、消費マ インドの醸成と高揚が肝要」とし、また、「将来不安の払拭に欠かせない持続的な 社会保障制度の確立に向けた改革や、働き方に中立な税制の構築・見直し」への取 組を政府に求めている。これらは連合も同様の考えをもっており、その実現に向け て労使が積極的に取り組みを進めていきたい。 「一人当たりの生産性向上と企業収益の拡大を実現し、それを雇用の安定・拡大 と社員の処遇改善へとつなげていく」「就労面での安心と生涯所得・世帯所得を高 める取組みを推進することは、社員の将来不安の払拭に大きく寄与する」「生産性 の向上と長時間労働の是正に取り組む」などは、労使共通課題として取り組む必要 がある。先人がさまざまな工夫を重ねて築き上げてきた「春季生活闘争」という日 本全体の賃金決定システムを十分に活用して、経済の自律的成長につながる「底上 げ・底支え」「格差是正」の実現に資する月例賃金の引上げを行わなければならな い。 個別産業・企業における建設的な労使関係をベースに自社の従業員・組合員への 投資と、マクロの観点から求められる社会的役割を強く意識した取り組みと結果が 求められている。かつて日本経済の先行きを懸念し、その危機からの脱出に寄与し た労使交渉の歴史的経過を今こそ思い起こす時である。 Ⅲ.当面の闘い方 1.2 月末までの要求提出と回答引き出しに向けた交渉配置 構成組織・単組は 2 月末までの要求提出と、可能な限り第 1 先行組合回答ゾー ン(3 月 13 日~17 日、ヤマ場:3 月 15 日)で回答を引き出すべく、準備と交渉配 置を進める。部門別共闘連絡会議における情報共有を通じて、中核組合を中心と した回答の集中化を進め、月例賃金引き上げの裾野の拡大に努める。 2.共闘連絡会議の取り組み 部門別共闘連絡会議は書記長・事務局長会議を開催し、各構成組織の取り組み などについて情報交換を行い、労使交渉における争点や情勢についての共通認識 を深める。 また、共闘連絡会議毎に要求内容をまとめ、随時公表していく。 3.中小・地場共闘強化の具体的進め方 (1)中小共闘の取り組み 構成組織は、中小組合の賃金の底上げ・格差是正に向けて、要求・交渉状況 の情報共有をはかるとともに、中小労組の主体的な運動展開や交渉を支援する 体制を整備する。同時に、中小組合の多くが地方に所在することを踏まえ、地 方連合会が設置する「共闘連絡会議」に積極的に参加し、地域における賃金相 場形成と波及に役割を果たす。 (2)地方連合会の対応 ① 地方共闘連絡会議の設置 地場共闘の強化に向けて県単位の「共闘連絡会議」を設置する。既存の協議 体の参加組織拡大などによりその機能を代替することも可とする。 なお、設置した機関の名称と開催要領の大綱について本部に報告する(2 月 末日まで)。 ② 取り組み状況の報告 地方連合会は、地場共闘に参加する組合から取り組み内容・状況の報告を受 け、闘争推進の情報共有をはかる。同時に、連合本部に対しても随時その内容 を報告する(3 月以降 7 月まで)。 ③ 春季生活闘争を通じた組織拡大 2017 春季生活闘争は、未組織労働者も含めた「すべての働く者の処遇改善」 の闘いと位置づけている。交渉期間の前後を通じ組織拡大、組織強化・点検活 動を進めるとともに、未組織・未加盟組合への情報提供、相談対応を積極的に 進める。「クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン」との連動をは かりながら、街宣活動など「目に見える連合」をアピールしつつ、組織拡大の 運動に寄与させていく。 ④ 地場における賃金の相場観を高める取り組み 地域ミニマム運動で集約した加盟組合賃金水準の特性値や都道府県別連合 リビングウェイジにもとづく「最低到達水準」を公表し、地場における賃金の 相場観を高める運動を進めていく。 4.非正規労働者の労働条件改善に向けた取り組み (1)非正規共闘の取り組み 非正規労働者の労働条件改善に向けて、産業特性を踏まえた取り組みを強化 する。また 2018 年 4 月 1 日に改正労働契約法施行から 5 年となることを踏まえ、 非正規労働者の雇用不安・雇止め不安に焦点を当てた取り組みとして、2 月 9~ 11 日に「~雇用の不安・雇止めの不安はありませんか~パート・アルバイト・ 契約・派遣などで働くみなさんのための連合労働相談ホットライン」 (電話相談)、 および「-労働契約法改正(無期転換ルール)への対応- 労働者・経営者の ためのお悩み解消セミナー」を実施する(2 月 14 日および 28 日)。 (2)社会的な波及と組織拡大をめざした取り組み 労働組合のない職場で働く労働者も含めた社会的賃金相場の形成をめざし、 代表・中堅銘柄や都道府県別産業特性値および短時間労働者時給など各種デー タを積極的に開示し、賃金水準の相場観醸成に努める。同時に、 「職場から始め よう運動」を積極的に展開し組織拡大をめざす。 5.最低賃金の取り組み 最低賃金と同程度の時給で働く多くの未組織労働者への波及効果を意識し、 「す べての働く者の処遇改善」を下支えする賃金のセーフティネット機能を果たす最 低賃金の引き上げに向けて取り組みを強化していく。(「2017 年度最低賃金取り組 み方針」参照) Ⅳ.当面の日程 1.機関会議 2017年 1月 19日 25日 30日 2月 1日 14日 16日 23日 28日 3月 2日 第2回中央闘争委員会(第16回中央執行委員会後) 流通・サービス・金融共闘連絡会議第1回書記長・事務局長会議 化学・食品製造等共闘連絡会議第1回書記長・事務局長会議 インフラ・公益共闘連絡会議第1回書記長・事務局長会議 第3回戦術委員会(第21回三役会後) 第3回中央闘争委員会(第17回中央執行委員会後) 金属共闘連絡会議第1回書記長・事務局長会議 第4回戦術委員会(第22回三役会後) 第4回中央闘争委員会(第18回中央執行委員会後) 2.諸行動 2017年 2月中 経営者団体との協議 2月 3日 2017春季生活闘争 闘争開始宣言2・3中央総決起集会 9-11日 ~雇用の不安・雇止めの不安はありませんか?~パート・ アルバイト・契約・派遣などで働くみなさんのための連合 労働相談ホットライン 14日 -労働契約法改正(無期転換ルール)への対応- 労働 者・経営者のためのお悩み解消セミナー 28日 3月 6日 8日 31日 同上 2017春季生活闘争・政策制度 要求実現3.6中央集会 2017春季生活闘争 3.8国際女性デー全国統一行動・中央 集会 2017春季生活闘争 共闘推進集会(仮) 以 上 平成 28 年 12 月 12 日 プレミアムフライデーの実施方針・ロゴマークが決定しました プレミアムフライデーの実施に向け、官民連携の「プレミアムフライデー推進協議 会」が設立されました。本日(12 月 12 日)、第 1 回協議会が開催され、実施方針・ 統一ロゴマーク等が決定されました。 1.プレミアムフライデーとは 個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのため の時間の創出を促すことで、 ① 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる ② 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる ③ (単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる といった効果につなげていく取組です。 官民で連携し、全国的・継続的な取組となるよう、この取組を推進するための「プレミ アムフライデー推進協議会」が設立されました。本日、第 1 回会合が開催され、実施 方針・ロゴマーク等が決定しました。また、本取り組みを進めるに当たっては、働き方 改革などライフスタイルの変革ともあわせて推進してまいります。 2.プレミアムフライデーの実施方針 (1)実施時期 ・平成 29 年 2 月 24 日(金曜日) (2 回目以降も「月末」の「金曜日」を軸に実施) (2)実施主体 ・買物・観光・ボランティア・家族との時間など、多くの方が「生活の豊かさ」や「幸 せ」を感じられるよう、付随する商品・サービス、イベントなどを地域・コミュニティ・企 業等で検討 (3)対象地域・業種 ・全国各地で、業種にとらわれずに実施 (4)実施期間 ・金曜日を核とし、金曜日から日曜日の 3 日間とするなど、柔軟に設定 3.統一ロゴマーク 取組の推進のため、一定の使用基準の下、プレミアムフライデー推進協議会事務局 のホームページから企業等が自由に使用できる統一ロゴマークを無償提供します。 統一ロゴマークには、複数の活用バリエーションを用意します。 統一ロゴマーク プレミアムフライデー推進協議会事務局ホームページ URL: http://premium-friday.go.jp/ (参考):プレミアムフライデー推進協議会について プレミアムフライデーを国民運動として一体感をもって推進していくための実施方針等 の検討、普及啓発活動等を実施する母体として官民連携体制で設立された協議会で す。(メンバーは別添参照) (本発表資料のお問い合わせ先) 商務流通保安グループ 流通政策課長 林 担当者: 橋爪、渡邊 電 話:03-3501-1511(内線 64153) 03-3501-1708(直通) 03-3501-6204(FAX)
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