花と泉のふるさと 金流川流域プラン

∼育もう恵み豊かな森と水∼
花と泉のふるさと
金流川流域プラン
平成18年3月
一関地方振興局
はじめに
近 年 、 都 市 部 へ の 人 口 や 産 業 の 集 中 、 農 村 部 に お け る 過 疎 化、 高 齢 化 の 進 行
及び気象の変化等を背景として、全国的に、平時の河川流量の減少、湧水の
枯渇、各種排水による水質汚濁、水により育まれてきた文化の喪失などが問
題 と なっ て いま す 。
本 県 に お い て も 、 森林 の 公 益 的 機能 ( 水 資 源の 貯 留 、 自然 環 境 の 保 全な ど )
の 低 下や 閉 鎖性 水 域 の富 栄 養化 に 伴う 水 質の 汚 濁 など が 心配 さ れて い ま す。
県では、これらの問題に重点的に取り組み、ふるさとの森と川と海を次の
世 代 に引 き 継い で い くた め 、平 成 15 年 10 月「 岩 手県 ふ る さと の 森と 川 と海 の
保全及び創造に関する条例」を制定し、それぞれの流域(地域)において、
県民、事業者、民間団体の方々と県や市町村、国がそれぞれの役割を果たし
ながら、連携・協働して、健全な水循環を確保し本県の水と緑を守り育てる
こ と を目 指 すこ と と しま し た。
今後は、森と川と海を一体的に捉え、森と川と海に親しみながらその恵み
に感謝し、これらを大切にする取組みが地域の習慣として生活にとけこんで
い る 流域 = 「森 川 海 保全 ・ 創造 文 化」 を 育ん で い く必 要 があ り ます 。
一 関 地 方 振 興 局 で は 、 平成 17年 3月 、 N P Oや 住 民 団 体、 企 業 、 関 係団 体 、
行政機関に公募委員4名を加えた「きらめく水環境を保全創造する協議会」
を組織し、西磐井地域における森川海の保全及び創造のための方策を検討し
て き まし た 。
本 計 画 は 、 協 議 会 で の 意見 を 取 り ま と め 、ま た 、 平 成 17年 12月 ∼ 平 成 18年 2
月 に か け て 50日 間 パ ブ リ ッ ク コ メ ン ト の 募 集 を 行 い 、 金 流 川 流 域 に つ い て 、
ふるさとの森と川と海の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な目標及び
施 策 の方 向 を定 め た もの で す。
金 流 川 流 域 の 環 境 を守 り 次 の 世 代に 伝 え る ため 、 住 民 、事 業 者 、 関 係団 体 、
行 政 が手 を たず さ え て地 域 から 行 動し て いき ま し ょう 。
平成 1 8 年3 月
一 関地 方 振 興局 長
藤尾
善一
目
第1章
次
流域の現状と課題
第1節
第2節
1
流域の概況
1
金流川流域の河川
2
流域の現状
3
1
森林の状況
3
2
河川の状況
4
3
水質の状況
5
4
水利用の状況
6
5
汚水処理施設等の整備状況
7
6
水害の状況
8
7
住民の取組み
8
流域の課題
10
第3節
1
森
10
2
川
10
第2章
目指すべき流域の姿
12
第3章
計画の目標
13
第1節
計画の目標
13
第2節
計画の期間
13
第3節
計画の性格
13
第4節
計画の体系
14
第4章
取組みの基本的方向
15
第5章
重点取組み事項
16
1
森のプロジェクト
16
2
川のプロジェクト
17
3
連携・環境学習プロジェクト
18
第6章
主要な指標
19
第7章
森と川と海の保全・ 創造 のた めに私たちができること
20
参考資料1
「ふるさと花泉
金流川流域プラン」策定に係る経緯
参考資料2
きらめく水環境を保全・創造する協議会委員名簿
− Ⅰ −
22
23
第1章
第1節
流域の現状と課題
流域の概況
金流川流域は、岩手県の最南端に位置し、流域の河川はすべて北上川に注いでい
ます。
最 大 の 支 川 で あ る 金 流 川 は 、宮 城 県 栗 原 市 金 成 の 自 鏡 山 に 源 を 発 し 、途 中 有 馬 川 、
田野沢川の二次支川を合わせながら、一関市花泉町川ノ口において一級河川北上川
に 合 流 す る 指 定 区 間 延 長 約 15 km の 一 級 河 川 で す 。 天 神 橋 か ら 新 老 松 橋 の 区 間 は 、
河川公園として散策路などが整備され、市民の憩いの場として利用されています。
刈生沢川は、金沢に源を発し、日形沼田地区において一級河川北上川に合流する
指 定 区 間 延 長 約 6 km の 一 級 河 川 で す 。
磯田川は、油島に源を発し、途中上油田川などの二次支川を合わせながら、西風
谷 地 地 区 に お い て 宮 城 県 境 の 夏 川 に 合 流 す る 指 定 区 間 延 長 約 5.9 km の 一 級 河 川 で
す。夏川は、宮城県登米市中田町石森において迫川に合流し、登米市豊里町剣先で
一級河川北上川に合流します。
この流域は、内陸性気候で県内では比較的温暖な気候ですが、年間降水量は約
1,000mm 前 後 と 少 な く 干 ば つ が 多 い た め 、 流 域 に は 先 人 た ち が 築 い た 多 く の た め 池
があります。ため池は、農業用水に利用されているほか、カモ、サギなどの水鳥、
蛍やトンボなどの昆虫、カエルやサンショウウオなどの両生類が生息し、また、白
鳥やガンが飛来するなど豊かな生態系を築いています。
特に、磯田川付近の蒲沢ため池は県内でも有数の白鳥飛来地です。
ま た 、 た め 池 で は 、「 き ゃ ほ ず 」( た め 池 等 の 水 を 干 あ げ た 後 に 魚 類 を 捕 獲 す る 行
事)などの伝統行事が行われています。
こ の 流 域 の 人 口 は 約 1 万 6 千 人 で 、流 域 の 表 流 水 や 地 下 水 は 、上 水 道 、簡 易 水 道 、
専用水道などの水源として利用されているほか、農業用水として取水され主に下流
の 水 田 を 潤 し て い ま す が 、 こ の 流 域 の 下 流 部 は 、 藩 政 時 代 に は 「 流 ( な が れ )」 と
呼ばれ、一旦増水すると濁水が一挙に平坦地を水没させる洪水の常習地帯であった
ため、集落が河川周辺を避けて山沿いに発達する独特の景観を呈しています。現在
は河川改修が進んだため洪水は少なくなりましたが、代掻き時期には、河川周辺の
水田が一面きらめく湖水と見まがう景色に一変します。
-1-
図1
金 流川流域の河 川
-2-
第2節
1
流域の現状
森林の状況
表1
流域 の 森 林 面 積( 一 関 市 花 泉町 )
流域の森林の状況は、表1、表2のと
お り で 、 森 林 率 は 県 平 均 の 77 .3 % を 大 き 区 域 面
森 林 面 積 (ha)
く 下 回 る 3 8.3 % で す 。 こ の た め 、 水 田 の 積 (ha)
森林率
(% )
水源としてため池を利用するなどの工夫
国 有林
民有 林
計
がされており、ため池の周辺に森林が分
布する独特の景観を呈しています。
表2
12,683
4,835 4,857
22
38.3
流 域 の 民有 林 の現 況 ( 一関 市 花泉 町 民 有林 ( 単 位 ha))
総面積
人工 林
天然 林
針葉 樹 計 広 葉樹 計
竹林
無立木地
針葉 樹 広 葉 樹 針葉 樹 広 葉 樹
4,835
1,473
割合 ( %)
49
1,040 2,164
2,513
2,213
24
85
66.3
52.0
45.8
0.5
1.7
31.5
出 典 : 平 成 16年 度 岩 手 県 林 業 動 向 年 報
民 有 林 の う ち 人 工 林 は 1,522haで 、 そ の う ち 間 伐 対 象 林 齢 ( 16年 生 か ら 45年 生 ) の
も の が 約 55% ( 835ha) と な っ て お り 、 平 成 12年 度 か ら 5 カ 年 計 画 を 策 定 し て 杉 等 の
人工林を主体に間伐を実施していますが、必要な間伐作業が実施されない状況にあり
ま す ( 一 関 地 方 振 興 局 管 内 で 66.3% の 実 行 率 。)。
松 く い 虫 被 害 に つ い て は 、 昭 和 54年 に 初 め て 被 害 が 発 生 し 、 こ れ ま で 懸 命 な 防 除 対
策を行ってきましたが、被害を防除することができずに現在に至っています。
平 成 16年 度 の 被 害 量 は 、 3,090m 3と 平 成 15年 度 の 被 害 量 ( 3,814m 3) を 若 干 下 回 っ
て い ま す が 、 平 成 16年 度 の 夏 が 猛 暑 で あ っ た た め 、 松 く い 虫 を 媒 介 す る マ ツ ノ マ ダ ラ
カ ミ キ リ の 活 動 が 活 発 と な り 、 平 成 17年 度 は 再 び 被 害 が 増 加 す る こ と が 懸 念 さ れ て い
ます。
図2
松くい虫被害量の推移
5000
4500
4000
3500
被害量?
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63
元
H2
-3-
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16
ま た 、 上 流 部 の 宮 城 県 側 の 森 林 の 状 況 は 、 表 3 の と お り で 、 約 2,000haの 民 有 林 が
あり、天然林と広葉樹林が多いのが特徴です。
表3
金 流 川 上 流 部 ( 宮 城 県 部 分 ) の 森 林 ( 民 有 林 ) の 現 況 ( 単 位 ha )
総 面積
人工 林
天然 林
針葉 樹 計 広 葉樹 計
(ha)
竹林
無立木地
針葉 樹 広 葉 樹 針葉 樹 広 葉 樹
2,092
577
割合 ( %)
21
28.6
182 1,228
67.4
759
1,249
6
78
36.3
59.7
0.3
3.7
出典:宮城県栗原地方振興事務所調べ
2
河川の状況
流域には、金流川と刈生沢川の2つの第一次支川があり、北上川に注いでいます。
支川をすべて含めれば、7河川があります。
表4
流域の河川の状況(一級河川)
水系(幹線)
北上川
計
第一次支川
第二次支川
第三次支川
第四次支川
刈生沢川
−
−
−
金流川
(上 流 宮 城 県 )
田 野沢 川
−
−
有馬川
(上 流 宮 城 県 )
−
−
( 迫 川 :宮 城 県 )
夏川
(上 流 宮 城 県 )
磯田川
(上 流 宮 城 県 )
上油田川
2
3
1
1
7 川 ( 国 管 理 区 間 約 13 km 、 一 関 地 方 振 興 局 管 理 区 間 約 約 46 km )
表5
流域の河川の状況(準用河川)
河川 名
流 域 延 長 ( km ) 支 川( 普 通 河 川 ) 接続 一 級河 川 名
一 級 河川 へ の 接
続場所
大江 川
1.0
大江 川 、 石畑 川
北 上川
日形
藤田 川
1.0
藤田川
金流川
藤田
蛭沢 川
1.5
蛭沢川
金 流川
水沢
小 山 沢川
1.5
小 山沢 川
金 流川
上金 森
奈 良 坂川
1.5
奈 良坂 川
金 流川
西風
内沢 川
3.0
内沢川
金 流川
南町
計
6川
河川流量については、この流域では、特に観測されていませんが、水田で水を利用
する時期にはかなりの渇水になります。
河川工事等において自然生態系に対する配慮が求められており、魚道の整備、水質
-4-
汚濁の未然防止など環境に配慮して施工されています。
農 村 整 備 工 事 施 工 時 に お い て も 、自 然 生 態 系 に 配 慮 し た 工 事 が 実 施 さ れ て い る ほ か 、
希少動植物保護のための移植活動や、メダカの放流、ため池における外来魚の駆除実
施等、環境に配慮した事業がNPOなどと協働で実施されています。
3
水質の状況
県では主要な河川について毎年有害物質や有機物の汚 濁の状況を調査しています
が、金流川流域では、有害物質による汚濁は認められず、水質は概ね良好に保全され
ています。
有機物汚濁に係る代表的な水質指標であるBOD(生物化学的酸素要求量)の経年
変化の状況は次のとおりであり、地点によっては環境基準を超過する年があります。
図3
流域の河川水質
金流川川ノ口橋BOD(75%値)の推移
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
BOD(mg/l)
BOD(mg/l)
金流川天神橋BOD(75%値)の推移
度
度
度
度
度
度
度
度
度
度
年
年
年
年
年
年
6年
8年 成9年
7年
10
11
12
13
14
15
成
成
成
成
成
成
成
成
成
平
平
平
平
平
平
平
平
平
平
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
平
平
7年
成
度
平
8年
成
度
平
9年
成
度
平
年
10
成
度
平
年
11
成
度
平
年
12
成
度
平
年
13
成
度
平
年
14
成
度
平
年
15
成
度
6.0
5.0
BOD(mg/l)
BOD(mg/l)
度
磯田川沼畑橋BOD(75%値)の推移
有馬川金流橋BOD(75%値)の推移
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
6年
成
4.0
3.0
2.0
1.0
度
度
度
度
度
度
度
度
度
度
年
年
年
年
年
年
6年
9年
7年
8年
10
11
12
13
14
15
成
成
成
成
成
成
成
成
成
成
平
平
平
平
平
平
平
平
平
平
0.0
平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度
(金流川天神橋付近での河
川
採 水)
-5-
また、一関市では流域の農業排水路の水質を定期的に測定していますが、時期によ
りかなりの汚濁が見られ、生活排水対策などを推進する必要があります。
図4
農業排水路の水質
農業排水路の水質検査結果
COD(mg/l)
25
20
15
10
5
0
1 2 13 .3 1 5 1 9 . 8 2 5 31 18 18 2 9 21
.6. .12. 13 .7 .1 0 4 .6. 4 .10 5 .6. .10. .10. .10. 7.6. .10.
2
3
H 1 H12 H h1 H1 H1 H1 H 15 H16 H16 H1 H 17
4
花泉
金沢
老松
日形
涌津
油島
永井
水利用の状況
流域の主な取水状況は、次のとおりです。
表6
上水道の取水状況
名
称
花泉 町 上水 道
表7
計 画 給 水 水 源 種別
人口
16,000
浅井戸
計画 取 水 量
( m 3/ 日 )
11,055
取水 位 置
110
100
一関市花泉町永井字大森
地内
同 花 泉 字寺 沢 地内
同 老 松 字汁 足 地内
深井戸
495
同 花 泉 字寺 沢 地内
用途
許可 (慣行 )水 量
農業用水の主な取水状況
名
称
夏川 沿 岸
土地 改 良区
大堤 土 地改 良 区
金流川沿岸涌津土
地改 良 区
金流川東部土地改
良区
末野 土 地改 良 区
地 区面 積 ( ha )
634
78
206
635
22
か ん が 0.48m3/s
い 用 水 ( 41,472 m 3/ 日 )
0.006m3/s
( 518.4 m 3/ 日 )
取 水位 置
石崎 樋 管 ( 夏 川 )
( 慣 行 水利 権 )
郷 の目 揚 水機 場
( 金 流川 )
( 許 可 水利 権 )
0.086m3/s
( 7,430.4 m 3/ 日 )
金 沢 堰 頭首 工 ( 金 流 川 )
( 慣 行 水利 権 )
0.023m3/s
( 1,987.2 m 3/ 日 )
大 町 揚 水機 場 ( 金 流 川 )
( 慣 行 水利 権 )
0.0242m3/s
( 2,090 m 3/ 日 )
-6-
三嶽堂堰
( 金 流 川: 宮 城県 分 )
( 慣 行 水利 権 )
5
汚水処理施設等の整備状況
流 域 の 汚 水 処 理 施 設 整 備 状 況 は 、 48.9% と 県 全 体 の 62.2% を 下 回 っ て い ま す 。
表8
汚水処理施設整備率
(平 成 17 年3 月 31 日 現在 )
汚水処理施設
整備率(%) 下 水 道 整 備 率 農 業 集 落 排 水 整 浄 化 槽 整 備 率 コミュニティプラント整 備 率
(%)
48.9
備率(%)
20.2
(%)
(%)
17.5
0
11.1
流域の主な汚水処理施設の設置状況は次のとおりで、放流水の水質は設計値を下回
り、良好に保たれています。
表9
流域の主な汚水処理施設
施
設
名
称
施設能力
( m3/日 )
花 泉地 区 ク リー ン セン タ ー
2,150
放流先
放 流水 BOD 設
計 値 ( mg/l )
涌 津 排水 路
→金 流 川
20mg/l
公 共 下水 道
農業集落排
水 処 理施 設
白 崖ク リ ー ンセ ン ター
314
夏川
20mg/l
日 形ク リ ー ンセ ン ター
189
大江川
20mg/l
原 前地 区 ク リー ン セン タ ー
276
磯田川
20mg/l
備
考
こ の流 域 で は洪 水 から ほ 場 を守 る ため 、 大 規模 な 農 業排 水 機場 が 設 置さ れ てい ま す 。
表 10
流域の農業排水機場の設置状況
名
称
対 象 面 積 ( ha )
処理能力
設置場所
排水先河川
石崎排水機場
1,880
1.948 m 3/ s 1 基
1.776 m 3/ s 2 基
3.400 m 3/ s 1 基
永井字神明
夏川
夏川排水機場
1,800
3.7 m 3/ s
3基
永井字鹿沼
夏川
内之目排水機場
430
4.0 m 3/ s
2基
永井字内之目
金流川
日形排水機場
575
1.317 m 3/ s 1 基
日形字小野
北上川
-7-
6
水害の状況
表 11
過去の水害の発生状況
被
年月
害
状
況
水 害 の名 称
死者 数
−
床 上浸 水
床下 浸 水 農 地冠 水 ( ha )
備
考
S22.9
カ ス リン 台 風
323 戸 521 棟
−
142
流出 全 壊 73 戸 、
397 棟
S23.9
ア イ オン 台 風 死1 不 3 230 戸 682 棟
−
116
流出 全 壊 25 戸 、
467 棟
−
75
−
31
S25.
不明
−
S30
不明
−
23 戸 7 棟
S33.9
台 風 20 号
−
28 戸 5 棟
−
S61.8
台 風 10 号
−
11 戸
−
S63.8
集 中 豪雨
−
1戸
57 棟
H3
台 風 19 号
−
1戸
−
141
H10.8
集 中 豪雨
−
−
−
349
H14.7
台 風 6号
0
13 戸
47 棟
468
7
362
住民の取組み
(1)各種団体が流域の森や川の保全のために様々な取組みを実施しています。
表 12
流域の環境保全団体
団
体
名
活
動
内
容
代 表者
連絡先
特定非営利活動法人里山自 里地の環境保全・整備活動、野生
然学 校 はず み の 里
生物の生息状況調査、自然観察会
等
滝 田 一郎
0191-82-3857
特定非営利活動法人グリー 資源循環型社会の促進活動(地球
ンハ ー ト
温暖化防止推進、自然エネルギー
利活 用 促進 )
高 橋 利巳
0191-82-2056
花泉 町 金沢 自 然 愛護 少 年団 里山 清 掃、 自 然 観察
加 藤 早人
0191-82-1596
金沢 生 産森 林 組 合
内沢 川 の水 源 環 境の 保 全 、整 備
加 藤 早人
0191-82-1596
花泉 町 道路 河 川 愛護 会
道路 清 掃、 河 川 清掃
花泉 町 地域 婦 人 団体 協 議会 明る い まち づ く りの 推 進
-8-
田野 崎 捷 吾 0191-82-2211
小野 紀 久 子 0191-82-1605
( 2 )旧 花 泉 町 内 の 小 中 学 校 で は 、
『 生 活 科 』、
『 総 合 的 な 学 習 の 時 間 』、
『 生 徒 会 活 動 』、
『 学 校 行 事 』を 利 用 し て 、河 川 環 境 の『 観 察 ・ 調 査 』や『 観 察 ・ 遊 び ・ 河 川 清 掃 』
な ど の 複 合 し た 活 動 が 盛 ん に 行 わ れ て い ま す ( 小 学 校 : 6 校 / 7 校 ( 86% )、 中
学 校 : 1 校 / 2 校 ( 50% ))。
表13
小中学校の環境学習の取組み河川(平成16年度一関教育事務所調査)
水系(幹川名)
第1次支川
北上川
金流川
日形小
涌津小
花泉小
金沢小
花泉北中
迫川
第2次支川
有馬川
金沢小
藤田川(準用河川)
老松小
夏川
第3次支川
磯田川
油島小
( 金 流川 下 流 部)
-9-
第4次支川
第3節
1
流域の課題
森
森林は、水資源の貯留、河川の水量や水質の保持、土砂崩れや山地災害の防止等の
公 益 的 な 機 能 に 加 え 、温 室 効 果 ガ ス で あ る 二 酸 化 炭 素 の 固 定 等 の 機 能 を 有 し て い ま す 。
人 類 が こ の 地球 上 で 快 適 で安 全 な 生 活 環 境を 保 持 し て いく た め に は 、こ の 森 林 を 適切 に
管 理 し次 の 世 代に 確 実に 引 き 継い で いく こ と が世 界 的 に重 要 な課 題 で す。
森 林 の 整 備 は 、 森 林 所 有 者 が行 う 生 産 活 動 の 中 で 行 わ れ る こ と が 基 本 で す が 、社 会 ・ 経
済 の グ ロ ー バ ル化 の 中 で 木 材価 格 の 長 期 に わた る 低 迷 等 から 森 林 所 有 者の 自 助 努 力 のみ で
は 適 切 な 森 林 の管 理 が 難 し い状 況 に あ り 、 今後 は 森 林 を 県民 共 通 の 公 共的 財 産 と し て位 置
づ け 、幅 広い 住 民の 参 加を 求 め 、森 林の 管 理 を継 続 して 適 切に 行 っ てい く 必 要が あ りま す 。
こ の よ う な こと か ら 、 次 のよ う に 森 林 を 適切 に 管 理 す るこ と に よ り 、緑 の ダ ム と いわ れ
る 森 林 の 機 能 を高 度 に 発 揮 させ 、 森 と 川 と 海を 一 体 的 に 捉え て 健 全 な 水循 環 を 確 保 し、 豊
か な 水と 緑 を 創造 し てい く 必 要が あ りま す 。
( 1 ) 間 伐 等 森林 の 整 備
間伐は人工林を健全に育成するために欠かせない大事な作業です。間伐を行わない
と細い木や曲がった木などが増加し、その森林から生産される木材の価値が下がると
ともに、下草等の植生が消失することにより水資源貯留や土砂流出防止機能の低下に
つ なが り ま す。
こ のた め 平成 12 年 度 に 間伐 緊 急 5 カ 年 計画 を 策 定し 、 間伐 に 取 り組 ん で きま し たが
実 績は 66.3%と な っ てい ま す( 一 関 地方 振 興局 管 内 )。
木材価格の低迷等林業を巡る情勢が引き続き厳しさを増す中、一部森林所有者の経
営意欲の減退や作業路等の路網整備が遅れているため間伐の採算が合わないこと等か
ら 、必 要 な 間伐 が 実 施さ れ ない 森 林 が依 然 とし て 見 られ る 状 況と な って い ま す。
今後も計画的に間伐を推進するとともに、間伐材の搬出費用を低減するための森林
管 理道 や 作 業路 等 の 路網 の 整備 を 進 める 必 要が あ り ます 。
( 2 ) 住 民 参 加に よ る 森林 整 備
近年、森林・林業に対する関心が高まる中、森林・林業についてもっと知りたいと
いう要望や自ら森林ボランティアとして間伐等の森林作業を行う者が増加する傾向に
あ りま す 。
今後は、森林・林業に関する普及啓発や森林ボランティア活動を行うためのフィー
ルドの確保、活動の資金的裏づけ、間伐等に関する技術の習得等活動基盤の整備を進
め る こ と に よ り、 NPO 等 の森 林 ボ ラ ン ティ ア の 自 主 的な 活 動 を 支 援し 、 住 民 参 加に よ
る 森林 づ く りを 進 め る必 要 があ り ま す。
( 3 ) 松 く い 虫の 防 除
松くい虫被害の防除については、被害対策の技術的な問題及び事業主体となる行政
機関の資金確保の面から、激害地においては被害の全量を駆除することが困難な状況
に あり ま す 。
しかしながら、地域の松林を保全することは森林の公益的機能を確保するために重
- 10 -
要なことであることから、今後は、効果的・効率的な新しい防除対策の研究に期待を
かけるとともに、周辺樹種の転換や松くい虫に強いマツの植栽等を行うほか、史跡名
勝地の松林等、重要な松林を中心に松くい虫被害対策を継続して実施していく必要が
あ りま す 。
( 4 ) 土 砂 流 出等 の 防 止
間伐等を実施し森林が持っている土砂流出防止機能を高めるほか、新たに発生した
崩壊地の復旧対策事業や崩壊を未然に防ぐための予防治山事業を実施していく必要が
あ りま す 。
2
川
河 川 は 、森 と 海 を つ な ぐ と い う 役 割 を 担 い 、多 く の た め 池 と と も に 、流 域 の 生 活 や 、
農業、産業の発展のために使用されるほか、地域の文化や人々の憩いの場としても機
能を果たしていますが、流域の河川やため池では次のような課題があります。
(1)水環境負荷の低減
水質汚濁事故が発生するとその影響は多方面に広がり、私たちの生活に多大な影
響 を 与 え ま す 。金 流 川 の 流 域 で は 、特 に 夏 季 に お け る 河 川 水 量 の 減 少 が 著 し い た め 、
水環境負荷の低減のためのいっそうの取り組みが求められており、流域住民の意識
啓発を進めるほか、関係機関が連携し、緊急時も含めて水質保全のための適切な対
応が必要です。
( 2 )多 様 な 水辺 空 間の 確 保 と住 民 の協 働
河 川 の 緑 地空 間 や 多 様 な水 辺 空 間 の 確 保を 求 め る 声 が高 ま っ て い るほ か 、 河 川 管理 ・
改 修 ( 保 全 と整 備 ) に お ける 住 民 と の 協 働が 求 め ら れ てお り 、 適 切 に対 応 す る 必 要が あ
り ます 。
(3)宮城県との交流・連携強化
金流川流域は上流及び下流が宮城県と接しているため、いっそう交流を進め、お
互いの理解を深めながら、森川海の保全に向けた取組を進める必要があります。
(4)ため池の保全と活用
た め 池 は 川 に 繋 が っ て お り 、そ の 保 全 を 図 る こ と が 川 の 保 全 に も 通 じ ま す 。最 近 、
休耕田の増加等により草刈りや堤干しなどの管理が放棄されたり、ブラックバスな
どの外来種が放流されるケースが増えています。ため池の生態系の保全を図るとと
もに、ため池文化を将来の世代に伝える必要があります。
- 11 -
第2章
目指すべき流域の姿
金流川流域は、降水量が少なく、大きな河川がないため、かんがい用水の高度利用
を進めたり、ため池を設置するなど先人の知恵が生かされています。
一方、ひとたび洪水になれば、上流の降水及び下流河川の水位上昇により、被害を
受けやすい地域特性があり、早くから治水対策に取り組んできました。
最近、水資源の貯留、河川の水量・水質の保持、土砂崩れや山地災害の防止などの
森林の公益的な機能の低下が心配されるとともに、ため池の生態系に変化が生じてい
ることが指摘されています。
今 後は、 森と川と海を一体的に捉え、健全な水循環を確保し、豊かな水と緑を保全・
創造していく必要があり、森と 川と海に親 しみながらその 恵みに感謝し、 これらを大
切にする取組みが地域の習慣として生活にとけこんでいる流域=森川海保全・創造文
化を育んでいく必要があります。
流域の現状と課題を踏まえ、本計画の、30年後100年後の目指す流域の姿を次
のとおりとします。
○
里山での散策、水遊びや川原での遊びなど、市民が自然に親しんでいる流域
○
カワセミ、チュウヒ、ハヤブサ、ミサゴなどの鳥類、キキョウ、ワレモコウな
どの植物をはじめとして、多様な生き物たちが生息している流域
○
安定した量のきれいな水が流れ、市民生活や産業に必要な水が供給されている
流域
○
ため池の草刈りや堤干しなどの管理が適正に行われ、ため池の生態系が保全さ
れている流域
○
ごみの不法投棄がなく、美しい自然環境が保全されている流域
○
災害に対し安全・安心な流域
○
川上と川下が交流・連携し、住民と企業が森と川と海の保全・創造に協働して
取り組んでいる流域
- 12 -
第3章
第1節
計画の目標
計画の目標
将 来 の 目 指 す べ き 流 域 の 姿 を 念 頭 に 、 こ の 流 域 の 10年 後 の 目 標 を 、 次 の と お り と し
ます。
多様な生態系を育むふるさとの水と緑との共生
第2節
計画の期間
計 画 の 期 間 は 、 平 成 17年 度 を 初 年 度 と し て 平 成 26年 度 ( 10年 後 ) を 目 標 と す る 10年
計画とします。
第3節
計画の性格
この計画は、私たちのふるさとの豊かな森と川を保全及び創造し、その恵みを将来
に引き継ぐために、住民、事業者及び行政それぞれの主体が一体となって取り組むた
めの指針とするもので、それぞれの主体の自主的、積極的な取組みを期待するもので
す。
( 金 流川 新 老 松橋 付 近)
- 13 -
第4節
計画の体系
目 指 す べ き 流 域 の 姿 ( 30∼ 100年 後 の 姿 )
○
里山での散策、水遊びや川原での遊びなど、市民が自然に親しんでいる流域
○
カワセミ、チュウヒ、ハヤブサ、ミサゴなどの鳥類、キキョウ、ワレモコウな
ど希少な植物をはじめとして、多様な生き物たちが生息している流域
○
安定した量のきれいな水が流れ、市民生活や産業に必要な水が供給されている
流域
○
ため池の草刈りや堤干しなどの管理が適正に行われ、ため池の生態系が保全さ
れている流域
○
ごみの不法投棄がなく、美しい自然環境が保全されている流域
○
災害に対し安全・安心な流域
○
川上と川下が交流・連携し、住民と企業が森と川と海の保全・創造に協働して
取り組んでいる流域
計 画 の 目 標 ( 10年 後 の 流 域 の 目 標 )
多様な生態系を育むふるさとの水と緑との共生
10年後の目標に向けた取組みの基本的方向
①
住 民 、 事 業 者 、 行 政 の 連 携 ・ 協 働 と 川 上 川下 の 交流 ・ 連 携
②
森林等の公益的機能の増進
③
水環境保全対策の推進
④
環境学習の推進
重点取組事項(この2∼3年間で重点的に取り組む事項)
①
森のプロジェクト
②
川のプロジェクト
③
連携・環境学習プロジェクト
- 14 -
第4章
取組みの基本的方向
現状と課題、計画の目標を踏まえ、森と川と海の保全と創造に向けた取組みの基本
的方向を次のとおりとします。
住 民 、 事 業 者 、 行 政 の 連 携 ・ 協 働 と 川 上 川下 の 交流 ・ 連 携
流域の森林及び水環境の保全と創造を進めるに当たって、地域において、住民、
事業者、行政が、役割を自覚しながら連携し、対等の立場で取組み(協働)を進め
ます。この際、生物学や環境学、土木学などの専門家とも連携します。
また、水循環の視点に立って、川上が川下に、川下が川上に想いをはせ、交流を
通して互いに理解し合いながら、連携して取組みを進めます。
この際、隣県(宮城県)との連携も積極的に行います。
森林等の公益的機能の増進
水資源の貯留、河川の水量・水質の保持、土砂崩れや山地災害の防止等の森林の
公益的な機能に対する理解を深め、森林とその環境を保全する取組みを協働で進め
るほか、里山の適正管理と利用を促進することにより、森林の公益的機能増進に努
めます。
また、地下水貯留や河川流量の安定化など、農地の公益的機能の維持に向けた取
組みを進めます。
水環境保全対策の推進
流域の水環境を保全し、かつ水害などから人々の生命や財産を守るために、森と
川と海への負荷を最小限とする産業活動や生活様式の普及に努めるほか、自然生態
系に配慮した河川管理や下水道、浄化槽等汚水処理施設の整備普及と適正管理を進
めます。また、川づくりにあたっては、自然の回復力を最大限利用します。
堆肥の適正利用や農薬の適正使用を推進します。
環境学習の推進
森や川の現状把握に努めるほか、小中学校における環境学習の取組みを促進し、
環境アドバイザーや地球温暖化防止活動推進員等による地域での環境学習活動や森
や川と親しむ取組みを進めます。
特に、ため池の水質変化や生態系の変化を把握し、その保全を図るとともに、た
め池文化を将来の世代に伝えます。
- 15 -
第5章
重点取組み事項
取組みの基本的方向のうち、特に重点的、優先的に取り組むべき事項を次のとおり
とします。
1
森のプロジェクト
県民共有の公共的財産である森林を次の世代に確実に引き継いでいくため、森林
ボランティアをはじめとして住民参加による森林整備等を促進するほか、松くい虫
防除対策を促進するなど、森林の公益的機能を保全する取組みを進めます。
【 主 な取 組 み 】
項
目
間伐等適切な森林管
理の促進
住民参加による森林
整備 の 推進
取
組
内
容
中心 と なる 実 施 主体
間 伐 推 進 計 画 に 基 づ き 、 適 切 に 間 伐 を 実 森 林所 有 者 、市 、県 、
施し 、 森 林の 公 益 的機 能 を発 揮 さ せま す 。 国
森林ボランティア等住民の参加・協働に 住 民 、 N P O 、 森 林
よる 森 林 整備 を 推 進し ま す。
ボランティア、市、
県 、国
森 林 ボ ラ ン テ ィ ア 等 の 自 主 的 な 活 動 を 促 N PO 、 市、 県 、 国
進するため、フィールドの確保・整備や技
術習 得 等 を支 援 し ます 。
森 林 の 公 益 的 機 能 や 林 業 に 係 る 理 解 を 醸 N PO 、 市、 県 、 国
成するため、小中学生等を対象として、森
林教 室 等 を開 催 し ます 。
川上と川下の住民が共通理解のもとに森 住 民 、 N P O 、 森 林
林整 備 を 行い ま す 。
松くい虫防除対策の
促進
ボ ラン テ ィア
水 源 か ん 養 地 や 史 跡 名 勝 地 等 の 重 要 な 松 森 林所 有 者 、市 、県 、
林を中心に、松くい虫被害の防除対策を実 国
施し ま す 。
土砂流出等防止対策
の推進
森 林 内 の 崩 壊 地 の 復 旧 等 を 適 切 に 実 施 県 、国
し、 土 砂 流出 災 害 の防 止 に努 め ま す。
- 16 -
2
川のプロジェクト
住民との協働のもと、多様な水辺空間の確保や河川の水質保全対策を推進します。
【 主 な取 組 み 】
項
目
多様な水辺空間の確
取
組
内
容
中 心 とな る 実施 主 体
堆積土砂の適切な撤去等河川の治水機能 市、県、国
保 と 住 民 と の 協 働 推 の良好な維持管理に努めるほか、住民との
進
協働により、生態系の保全・回復を図ると
ともに、水辺空間に住民の憩いの場を積極
的に創造し、森と海をつなぐ緑と水の回廊
の形 成 を 推進 し ま す。
河川清掃など、水環境保全等のための地 住民、市、県、国
域住 民 の 自主 的 な 取組 み を推 進 し ます 。
水質保全対策の推進
下 水 道 の整 備 ・ 接続 を 推進 し ま す。
住 民、 市 、県
河 川 の 水 質 を 把 握 し 、 適 切 な 水 質 保 全 対 住 民、 市 、県
策を推進します。また、河川の自浄能力向
上に 取 り 組み ま す 。
水害のない安全・安
心な流域の創出
水害を防止するため、適切に河川改修事 市、県、国
業を 推 進 しま す 。
ハザードマップの作成等住民に適切な情
報提 供 を 実施 し ま す。
- 17 -
3
連携・環境学習プロジェクト
住民、事業者、行政が、役割を自覚しながら、また、川上と川下が交流を通して
互いに理解し合いながら連携して取組みを進めます。
特に、NPOや地域づくり団体、学校等と連携し、流域の生態系の把握や外来種
の排除を進めるとともに、環境学習や自然にふれあう機会を拡大し、未来を担う子
供たちが流域の森と川と海を大切にする心を育みます。
【 主 な取 組 み 】
項
目
流域 連 携事 業 の 実施
取
組
内
容
中心 と なる 実 施 主体
流域連携フォーラムの開催など、森と川 住 民 、 N P O 、 市 、
と海の保全・創造に向けた連携・協力を推 県
進す る た めに 必 要 な事 業 を実 施 し ます 。
小中学校における環
境学 習
流域ホームページの
作成
環境アドバイザー等
の派 遣
水生 生 物調 査
総 合 的 な 学 習 の 時 間 で の 取 り 組 み や 学 校 市 、県
林の 積 極 的な 活 用 を推 進 しま す 。
地 域 の 森 、 川 、 海 の 保 全 ・ 創 造 に 関 す る 市 、県
情報 を 収 集し ホ ー ムペ ー ジで 提 供 しま す 。
地域における環境学習に環境アドバイザ 住 民 、 N P O 、 市 、
ー等 を 派 遣す る 事 業を 活 発に し ま す。
県
学校や自治会、団体による、河川の水生 住 民 、 N P O 、 市 、
生物調査や身近な生き物調査の実施を促進 県
しま す 。
流域 の 生態 系 の 維持
流域の生態系の把握と保全に努めるとと 住 民 、 N P O 、 市 、
もに 、 外 来種 の 排 除を 進 めま す 。
- 18 -
県
第6章
主要な指標
計画の目標に向かって、施策が着実に推進されていることや、流域の森、川が健全
に保全されていることを検証するために、次の指標を設定します。
な お 、目 標 は 、原 則 と し て 計 画 の 中 間 年( 平 成 22年 度 )の 数 値 を 計 上 し て い ま す が 、
計 画 目 標 年 度 の 数 値 に つ い て は 、中 間 年 の 達 成 状 況 を 見 な が ら 設 定 す る こ と と し ま す 。
この指標は、毎年度最新の状況を把握し、公表することとします。
区分
項
目
現 状 (H16)
目 標 (H22)
288ha
1,160ha
岩 手 県 間 伐推 進 平 成 17∼ 19年 度
計画 の目 標値
の 実 施面 積
2 ha
17ha
平 成 18年 度 か ら 累 積
現 状 の 1.5倍 活
動
森 林 ボランティア延 べ
活 動 人数
100人
850人
平 成 18年 度 か ら 累 積
現 状 の 1.5倍 活
動
森林・林業教室
開 催 日数
2回
12回
平 成 18年 度 か ら 累 積 回数
年 2回 開 催
森 林 ボランティア活 動
フィールド確 保 数
1 カ所
2 カ所
計画期間内に1
カ 所増
0
5回
平 成 18年 度 か ら 累 積 回数
年 1回 開 催
森 林 の 公 間 伐 実施 面 積
益的機能
の増 進
森 林 ボランティアに よ
る 森 林整 備 面積
交流 ・連 携 川 上 ・ 川 下 交 流
・ 連 携行 事
水 環 境 保 河 川 水 の BOD環 境
全対 策 の 基 準 達成 率
推進
汚水処理施設整
備率
1 0 0%
48.9%
目標 の 考 え方
備
考
10 0 % 現 状 の 良 好 な 状
態 を維 持
64.9%
水辺環境施設整
備率
59.6%
77.7%
環 境 学 習 水生生物調査団
の推 進
体数
0団 体
2団 体
環境アドバイザ
ー 利 用団 体 数
1団 体
2団 体
ホームページア
ク セ ス件 数
0
1,000
全県汚水適正処 旧 花 泉 町 管 内 の
理 構想 の 目標
目標
県全体の目標値であり、達成に向
け て地 域 でも 取 り 組む
旧花泉町の参加団体
現 状の 2 倍
旧花泉町の参加団体
年間 1,000件
注 ) 特 に 断 り が な い 場 合 、 平 成 22 年 度 の 目 標 値 は 、 一 関 地 方 振 興 局 管 内 の 数 を 表 す 。 管
内 の数 値 目 標達 成 に向 け て 地域 で 取り 組 む もの と す る。
- 19 -
第7章
森 と川 と 海 の保 全 のた め に私 た ちが で き るこ と
流 域 の 森 林 や 河 川 の 保 全 の た め に 、 計 画 の 目 標 に 向 か っ て 、「 き ら め く 水 環 境 を 保
全・創造する協議会」が中心となって取り組んでいきますが、計画の目標達成のため
には、流域に住むすべての人々の具体的な行動による協力が欠かせません。
各家庭や事業所において、森と川と海の保全のために、具体的な行動に取り組みま
しょう。
環 境に つ いて 学 び 実践 活 動 に参 加 する
○学校や 地域での 環境学習活 動や環境 講座に積 極的に参 加しまし ょう。
○ご みの ポイ捨 ては やめ 、河 川清 掃活 動や 環境 美化 活動、 資源 回収 活動 など の地 域の環 境保
全活動 に積極的 に参加しま しょう。
○環境家 計簿をつ けて、環境 への負荷 を管理・ 減量化し ましょう 。
自
然
を
大
切
に
す
る
○自然と のふれあ い活動や緑 を守り増 やすため の地域活 動等に積 極的に参加 しましょ う。
○自然の 生態系に 配慮し、野 生生物の 生息環境 を大切に しましょ う。
○希少な 野生生物 を素材にし た品物は 、買わな いように しましょ う。
○自 然と のふれ あい を大 切に し、 ハイ キン グ、 釣り 、キャ ンプ など のレ ジャ ーの 際は、 自然
環境へ の配慮を 心掛け、自 然の保護 に努めま しょう。
森 林 資 源 を 大 切 に す る
○家 具等 は、長 く使 うと とも に、 不用 にな った 場合 は、不 用品 交換 など で再 利用 を図り まし
ょう 。
○トイレ ットペー パーは、古 紙を原料 としたも のを使用 しましょ う。
○再資源 化のため 、新聞紙、 牛乳パッ クなどの 分別収集 に協力し ましょう。
○割り箸 など間伐 材を使用し た製品を 利用しま しょう。
○植林活 動に積極 的に参加し ましょう 。
- 20 -
水
資
源
を
大
切
に
す
る
○節 水機 器の導 入や 水の 使い 方の 工夫 など によ り、 日常生 活で 使用 する 水の 量を できる 限り
節約し ましょう 。
○生 活排 水によ る水 質汚 濁を 防止 する ため 、洗 剤を 過剰に 使用 した り、 使用 済み の油や 生ご
み を 下 水 等 に 流 し た り し な い よ う に 心 掛 け ま し ょ う (廃 油 は 、 回 収 に 回 し た り 、 不 要 な 紙
に吸収 させ、燃 えるごみと して処理 しましょ う 。)
○水切り 袋を使用 しましょう 。
○台所や トイレの 洗剤は、使 い過ぎな いように しましょ う。
○風呂の 残り湯を 洗濯に使用 しましょ う。
○歯磨き 、シャン プー時は水 を流しっ ぱなしに しないよ うにしま しょう。
○下 水道 や集落 排水 処理 施設 の整 備地 域で は速 やか に排水 設備 工事 を行 い下 水道 等に接 続し
ましょ う。
○下水道 等の整備 が当分見込 まれない 地域では 、合併浄 化槽の設 置に努めま しょう。
○地 下水 をかん 養し 、都 市の 乾燥 化を 防ぐ ため 、雨 水浸透 ます 等を 設置 し、 雨水 をでき るだ
け地下 に浸透さ せましょう 。
もの を 大切 に し 、ご み 減量 化 や リサ イ ク ルに 協 力し 、 環 境に や さし い 製 品を 利 用 する
○できる だけ耐久 性の高い製 品を購入 し、修理 しながら 長期利用 を心がけま しょう。
○簡易包 装された 商品を選択 するとと もに、過 剰包装の 辞退に努 めましょう 。
○食 べ物 を無駄 にし ない よう にす ると とも に、 生ゴ ミはコ ンポ スト 化し 堆肥 など に利用 する
など、 家庭ごみ の減量化に つとめま しょう。
○リ サイ クルの ため の収 集に 協力 する とと もに 、再 生資源 を活 用し た製 品の 使用 に努め まし
ょう。
エ ネ ルギ ー を 大切 に し地 球 温暖 化 防 止に 協 力 する
○机、椅 子など木 材製品の利 用を進め ましょう 。
○照明を 高効率な ものに切り 換え、不 必要な照 明はこま めに消し ましょう。
○冷暖房 の温度を 適正に保つ とともに 、運転時 間の短縮 に心掛け ましょう。
○冷 暖房 機器等 を購 入す る際 、エ ネル ギー 効率 等を 確認す ると とも に適 正な 能力 のもの を選
択しま しょう。
○冷暖房 機器や給 湯機器等の 過度な使 用を避け 、こまめ な手入れ を心がけま しょう。
○住 宅の 建築等 に当 たっ ては 、断 熱材 の使 用、 二重 窓ガラ スや 二重 サッ シの 使用 、太陽 光発
電など の太陽エ ネルギーの 利用等に 努めまし ょう。
○湯沸か し器の口 火は、その 都度消し ましょう 。
○冷蔵庫 にものを 詰めすぎな いように しましょ う。
○風呂は わかしす ぎないよう にして、 続けて入 浴しまし ょう。
- 21 -
《参 考 資料 1 》
「ふるさと花泉
金流川流域プラン」策定に係る経緯
年月日
内
容
17. 3. 9
協議会設立、趣旨説明
17. 6.17
第2回協議会、部会設置
17. 7. 6
環境フォーラム「海は森の恋人」開催
(畠山重篤氏、一関文化センター、山目中学校)
17. 7.28
川の交流会開催(吸川、磐井川、北上川、あいぽーと)
17. 9.28
第3回協議会、骨子案協議
17. 9.28
第1回金流川部会、現状と課題協議
17.10. 8
森 の 交 流 会 開 催 (「 森 守 倶 楽 部 」 と 併 催 )
17.11. 1
金 流 川 、刈 生 沢 川 、 有 馬 川 、 上 油 田 川 、 磯 田 川 、 夏 川 現 地 調 査
17.12. 2
第2回金流川部会、目指すべき流域像、基本目標、取組みの
基本的方向、重点取組事項、主要な指標等協議
17.12.21
17.12.27
∼ 18.2.14
第4回協議会、パブリックコメント案協議
パブリックコメント実施
6名の方から、計画内容全般にわたって貴重なご提言をいた
だき、計画策定の参考とさせていただきました。
18.3.16
第5回協議会、最終案協議
18.3.
計画策定
- 22 -
《参考資料2》
きらめく水環境を保全創造する協議会委員名簿
区
分
NPO
住民団体
協同組合
公募委員
団
体 名
職 名
委 員 名
備
考
特定非営利活動法人
理事長
須川の自然を考える会
熊谷 健
磐井川部会
特定非営利活動法人
理事長
里山自然学校はずみの
里
滝田 一郎
金流川部会長
特定非営利活動法人
グリーンハート
高橋 利巳
金流川部会
特定非営利活動法人
事務局長
北上川流域連携交流会
小山田
太田川部会長
厳美をきれいにする会 会長
藤原 孝夫
磐井川部会
北上川流域の歴史と文 会長
化を考える会
千坂 嵃峰
磐井川部会
一関釣りクラブ
千葉 英志
磐井川部会
吸川をきれいにする会 会長
小野寺
磐井川部会
食のむら推進委員会
代表
佐藤 晄僖
協議会長、磐井川部会長
一関市地域婦人団体協 会長
議会
阿部 トシ
磐井川部会
花泉町地域婦人団体協 会長
議会
小野 紀久子
金流川部会
平泉メビウスの会
阿部 慶元
磐井川部会
一関地方森林組合青年 部長
部
千葉 康生
磐井川部会
水環境ネット磐井川
会長
千葉 登
磐井川部会
岩手南農業協同組合
営農部農政企 千葉 眞義
画課課長
磐井川部会、金流川部会
太田川部会
一関地方森林組合
参事
阿部 政夫
磐井川部会、金流川部会
太田川部会
磐井川上流漁業協同組合 代表理事組合 小岩 昭司
長
磐井川部会、金流川部会
太田川部会
代表理事
会長
代表世話人
準
博人
−
−
千田 典文
磐井川部会
−
−
千葉 夏枝
金流川部会
−
−
遠藤 富士子
磐井川部会
- 23 -
−
事業者
−
菅原 勝保
太田川部会
川嶋印刷㈱
工場長
阿部 茂
太田川部会
東北日本電気㈱
事業支援部マネ 佐藤 潔
ージャー
磐井川部会
日本端子㈱花泉工場
管理課主事
千葉 賢治
金流川部会
北上製紙㈱
技術環境室室 沓澤 義治
長
磐井川部会
教育関係
一関工業高等専門学校 助教授
佐藤 きよ子
磐井川部会、金流川部会
太田川部会
行政機関
一関市
生活環境課
課長
宮田 文夫
磐井川部会
花泉町
保健センター 加藤 富久子
所長
金流川部会
(H17.9.20 まで)
一関市花泉支 千葉 信夫
所市民課長
金流川部会
(H17.9.20 から)
平泉町
町民福祉課課長 山田 一
太田川部会
岩手南部森林管理署
流域管理調整官 渡辺 勝治
磐井川部会、金流川部会
太田川部会
国土交通省岩手河川国 所長
道事務所一関出張所
宮﨑 伸一郎
一関地方振興局
藤尾 善一
局長
磐井川部会、金流川部会
太田川部会
協議会及び部会の規約の規定に基づき、それぞれ会長、部会長が認めるものとして、次の方々に協
議会や部会に参加いただきました。
①水土里ネットてるい(照井土地改良区)工務課長阿部克郎(協議会、磐井川部会、金流川部会)
②金流川東部土地改良区事務局長田野崎哲朗(協議会、金流川部会)
③花泉淡水漁業特産組合理事長須藤敏昭(金流川部会)
④社団法人岩手県建設業協会一関支部理事三浦英樹(金流川部会)
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