「かなた」望遠鏡による ブレーザー BL Lac の 可視近赤外線偏光観測

「かなた」望遠鏡による
ブレーザー BL Lac の
可視近赤外線偏光観測:
光度曲線と変動偏光成分の相関関係
広島大学 博士課程前期一年 先本清志
植村誠、笹田真人、池尻祐輝、山中雅之、新井彰、
大杉節、深澤泰司、川端弘治 (広島大学)
山下卓也 磯貝瑞希(国立天文台)
山下卓也、磯貝瑞希(国立天文台)
佐藤修二、木野勝(名古屋大学)
目次
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ブレーザーについて
ブ
ザ
BL Lacについて
観測機器
偏光解析①~ストークスパラメータ~
偏光解析②~BL
偏光解析②
BL Lacの偏光データ~
Lacの偏光デ タ
偏光解析③~偏光データの補正結果~
まとめと今後
ブレーザーについて
blazar
中心ブラックホールから出ている
中心
ラックホ ル ら出て る
相対論的プラズマ流が
視線方向を向いている天体
シンクロトロン放射
観測的特徴
①激しい光度変動
②可視光でシンクロトロン放射
が卓越
③強い偏光
逆
逆コンプトン散乱
プト 散乱
BL Lacについて
• Blazarの一つで、BL Lac型変光星のプロトタイプ。
型変光
プ
タ プ
• フレア=内部衝撃波ならば、衝撃波面で磁場が揃うと
光度に偏光度が相関するはず。
光度に偏光度が相関するはず
• 高い偏光度を持っているが、光度変動と相関があるかは分
かっていない。
かっていない
• 他のBlazarにも言えるが、密で長期的な偏光情報が
得られていない。
⇒
長期的で密な偏光観測を行う必要がある!!
我々がモニターをした期間
我々がモニタ
をした期間
2008年7月~2009年2月
観測装置
「かなた」望遠鏡
1.5mの主鏡を持ち
常時観測ができる環境
TRISPEC
偏光撮像が可能
偏光撮像
可能
密で長期的に偏光観測ができる環境
偏光解析①~ストークスパラメータ~
観測量
U
I(総強度)
(直線)偏光度
Q,U(直線偏光成分)
⇒I=(Q^2+U^2)^(1/2)
(
)^( )
PD = (Q
Q^2+U^2
2 U 2))^(1/2)
(1/2) / I
PA = arctan(U/Q)/2
偏光方位角(×2)
Q
偏光解析②~BL Lacの偏光データ~
原点
原点から離れたところで
常に変動
↓
平均偏光ベクトル
を差し引いてみる
偏光解析③~偏光データの補正結果①~
偏光度
度[%]
数日スケールの変動
について
光度の増減と共に
偏光度の増減が同期
しかし、
増減が同期していない
場所もあり
まとめと今後
・BL Lacの長期偏光観測を行い、
光度と偏光度に明らかな相関がないことがわかった。
・偏光の解析手法として、全体の偏光度から
平均偏光 クトルを差し引きQ,Uを再定義した。
平均偏光ベクトルを差し引きQ,Uを再定義した。
↓
数日スケールから数週間スケールで数箇所
光度と偏光度が同期して変動している期間が存在
同期していない時期
↓
衝撃波面で必ずしも磁場がそろっていない
or
多数の細かいフレアが重なっている
・今後も継続して長期の偏光変動を観測する