「ハイドランExp.CP-8080」を開発[606KB]

News Release
2017 年 1 月 13 日
報道関係者各位
〒103-8233
東京都中央区日本橋 3-7-20
ディーアイシービル
親水性の保持とプラスチックなどの基材への高密着を実現した
防曇性コーティング剤「ハイドラン Exp.CP-8080」を開発
DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:中西義之)は、高い親水性(水のなじ
みやすさ)と親水性の保持、プラスチックなど様々な基材への高密着を実現した、鏡や窓ガラス、
ゴーグルなどに用いる防曇性コーティング剤「ハイドラン Exp.CP-8080」を開発しました。同開
発品は、2017 年 1 月よりサンプルワークを開始します。
ハイドラン Exp.CP-8080
開発品の接触角(小さいほど親水性が高い)
ガラスやプラスチックの曇りは、表面に結露した微細な水滴に光が乱反射することで発生しま
す。防曇性能を出すためには、結露した水分を水滴化させないことが求められるため、表面に親
水性や保水性が付与されています。従来、親水性の付与には、界面活性剤や親水性高分子の塗布、
あるいは基材表面に親水基を形成する加水分解処理が行われてきましたが、界面活性剤や親水性
高分子は基材との密着性が弱いため流出しやすく、加水分解処理は基材が限定されることが課題
でした。
同開発品は、当社独自の樹脂設計技術を駆使することで、優れた密着性を有するウレタン樹脂
と親水性樹脂が加熱処理により網目(ネットワーク)構造を形成し、空気界面側に親水性樹脂、
基材界面側にウレタン樹脂が配向した状態で相互に架橋することで親水性樹脂の基材からの流出
を防ぎます。その配向が維持されることにより、空気界面では親水性が保持され、基材面ではウ
レタン樹脂の特性を生かし基材への密着性を高めるとともに基材の曲げや反りなどへの追従性も
News Release
実現しています。また、同開発品は、ウレタン樹脂も水性化し、水性コーティング剤としている
ため、揮発性有機化合物(VOC)削減を実現した環境対応型製品です。
ウレタン樹脂と親水性樹脂の架橋イメージ
当社にて、同開発品と一般的な親水性コーティング剤を塗布したガラス板を冷凍庫で-10℃に冷
却し、25℃湿度 50%の室内に取り出した 5 分後の外観写真を確認した結果、同開発品を塗布した
ガラス板は優れた防曇効果を示しました。また、水浸漬 10 日後でも同等の防曇性を示しており、
親水性樹脂が基材から流出していないことを確認しています。
同開発品は、親水性樹脂の配合比率などを基材に合わせて製品設計とすることで、従来、密着
させることが難しかった本製品の主なターゲットとしているポリカーボネートや PET などのプ
ラスチックにも対応可能です。
当社グループでは、中期経営計画「DIC108」の中で、国内ポリマ事業においてウレタン樹脂を
はじめとした高機能テーマに取り組むことを掲げています。今後も研究開発を鋭意進め、同開発
品を含むウレタン樹脂事業において 2020 年に売上高+20%(2015 年比)を目指す所存です。
以上
報道機関からのお問い合わせ
コーポレートコミュニケーション部
TEL 03-6733-3033
お客様からのお問い合わせ
ディスパージョン営業部
TEL 03-6733-6161