特集 最新判例からみる 労働法重要論点 Ⅰ 就業規 則変 更と労 働 者の同意の 効力 ̶̶ 山 梨県 民 信 用 組合事件 Ⅱ 淺野高宏 北海学園大学准教授・弁護士 病気情 報の不申告と使 用者の安 全配慮義 務 ̶̶ 東 芝うつ 病 事件 6 6 東京大学講師 定額 残業代の適 法 性 ̶̶ テックジャパン事件ほか Ⅲ 土岐将仁 法 法学 学教 教室 室 JJaann.. 22001177 N Noo..443366 所 浩代 福岡大学准教授 最新判例からみる労働法重要論点 最新判例からみる労働法重要論点 特 特集 集 判例は突然やってくる。 展開されている論点もきちんと理解しておかな たしかにロースクールができて以降,交流の いと,今の「生きた」問題の解決に向けた道 ある弁護士の先生方からいま訴訟でこういう点 筋を見誤ることにもなりかねない。こうした新 が争われていますという話を耳にすることも多 たに浮上した問題の分析と理解の重要性は,研 くなった。しかし,われわれ労働法を専門とす 究者や実務家のあいだで共有されている。しか る研究者であっても,そうして事前に察知でき し,このような「できたて」の論点は,その新 る判決ばかりではない。新聞記事や公刊された しさゆえに,一 般的な教科書や概説書ではま 判例集をみて,初めて判決の存在や内容を知 だ十分に検討されていないことも多い。 ることも少なくない。 そのうえ,これまで学説であまり議論されて 本特集では,最近の判例や裁判例のなかで こなかった問題が,判決で争点とされているこ 争点とされた 6 つの新しい問題を取り上げてい とも稀ではない。社会の変化が速くなるなかで, る。これらは,企業 組 織再編,過 重労 働,労 これまで想定されなかったようなさまざまな問 働 者のプライバシー,ワークライフバランス, 題が発生し,学説の議論が追いつかないまま, 正規・非正規格差など,近年の労働問題の動 裁判所のオリジナルな判断で判決が出るという きを反映して浮上してきた重要な争点であるが, 事態がたびたび生じている。かつてもこのよう その真新しさゆえ,これまで必ずしも十分に議 なことがなかったわけではないが,その傾向は 論が蓄積されてこなかった問題でもある。これ 近年顕著になっているように思える。 らの問題を詳しく解説した本特集の 6 つの論考 このような状況のなか,判例として確立して を通して,労働法の新たな重要論点への理 解 いる,あるいは学説上議論が十分に蓄積され を深めるとともに,労働法の「生きた」問題へ ているお決まりの論点を知っているだけでは, のアプローチの仕方を習得してほしい。 現在の「生きた」問題を解決することが難しく (水町勇一郎) なってきている。裁判所において現在進行形で Ⅳ 育児休業・短時間勤務による不昇給・昇給 抑制の適 法 性 ̶̶ 社 会 福 祉 法 人 全 国 重 症心 身障 害児(者)を守る会事件ほか 長谷川珠子 福島大学准教授 Ⅴ 正社員と契 約社 員等の労 働 条 件格 差の不合 理性 沼田雅之 ̶̶ 長 澤 運 輸 事件ほか 法政大学教授 Ⅵ Ⅲ 親会 社・派 遣 先会 社の労組 法 上の 使 用者 性 ̶̶ 国・中労 委( 高見 澤電 機 製 作 所ほか 2 社 )事件ほか 根本 到 法学教室 7 7 大阪市立大学教授 an n .. 2 20 01 17 7 N No o .. 4 43 36 6 JJ a
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