海外安全対策情報(平成28年10月~12月) 1 社会・治安情勢 (1

海外安全対策情報(平成28年10月~12月)
1 社会・治安情勢
(1)タジク・アフガン国境付近での武装麻薬密輸集団との銃撃戦
10月22日,ハトロン州タジク・アフガン国境付近で,タジク国境警備隊
と武装麻薬密輸集団による銃撃戦が発生。
(2)ISILとの接触を試みた青年の逮捕
10月26日,ソグド州において,インターネットを通じ,ISILメンバ
ーから爆弾の製造方法を受領したとされる青年3名が逮捕。
(3)タジキスタンへのアフガニスタンからの外国人勢力潜入の可能性
11月8日,アフガン北部警察司令官は,タリバーンが,アフガニスタンから
タジキスタン及びウズベキスタンへ外国人勢力を潜入させようと試みている旨
発言。
(4)ISILへの資金援助に関する有罪判決
12月3日,イスマイリ・ソモニ地区裁判所は,ヴァフダット市住民に対し,
ISILへの資金援助の罪で懲役17年の有罪判決を下した。
(5)ISIL参加容疑のソグド州住民の指名手配
12月12日,ISIL参加容疑のあるソグド州ザファラバード州住民10
名が指名手配された。
(6)ソグド州住民のISIL参加状況
12月15日,北部ソグド州チョルギーシュローク村から100名を超える
青年がISILに参加している旨発表。
(7)大量の麻薬押収
12月20日,タジク大統領付属麻薬取締庁は,208キロを超える麻薬の
押収及び密売人の逮捕につき発表。
(8)2016年の麻薬押収状況等発表
12月23日,タジク国境警備隊は,2016年に約904キロの麻薬を押
収し,違法越境者14名の殺害,6名の負傷,18名の違法麻薬業者の拘束し
た旨発表。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1) 内務省発表の2016年(1月~6月)犯罪認知件数の対前年比は以下の
とおり。
(出典「国家統計局発行タジキスタン社会経済情勢2016年1月~6月」)
2015年
2016年 増減比(%)
犯罪認知件数
12,147 12,519 103.1
重犯罪
2,889
3,006 104.0
殺人
55
43
78.2
傷害
44
59 134.1
強姦及び同未遂
16
19 118.8
窃盗
2,747
2,840 103.4
うち侵入盗
411
418 101.7
ひったくり
68
90 132.4
強盗
25
31 124.0
詐欺
2,198
2,317 105.4
乱闘
599
544
90.8
銃器及び弾薬の横流し
-
3
-
薬物事犯
543
475
87.5
誘拐
8
1
12.5
人身売買
11
8
72.7
テロ
-
8
-
道路交通法違反
451
452 100.2
上記違反による死傷者数
240
242 100.8
経済犯罪総合件数
1,802
1,639
91.0
汚職
105
77
73.3
脱税
4
-
-
(2) 昨今,ロシア経済の低迷,労働移民による送金額の減少,現地通貨の対米
ドル価格下落等の影響を受けてタジク国内経済は低迷しており,国内の各種
一般犯罪が増加傾向にある。また,当地では急速なインフレが進んでおり,
農産品以外の生活需要品を他国からの輸入に頼る当地国民の経済生活に多大
な影響を与えている。このような中で,タジク政府は雇用創出等の対策に乗
り出しているが,帰国者のための十分な雇用を確保するには至っておらず,
生活苦を背景にした一般犯罪等の増加による治安悪化が懸念されている。
3 テロ・爆弾事件発生状況
事案の発生はなし。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
事案の発生はなし。
5 日本企業の安全に関する諸問題
関連情報なし。