「福島市空家等対策計画」素案 概要版 1.計画策定の背景と目的 【背景】 近年、我が国において居住等に使用されない「空き家」が年々増加し、防災、衛生、景観 等の地域住民の生活環境に深刻な影響。 平成 27 年 2 月「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、 「法」)」施行 所有者自らの責任による空家等の適切な管理 市町村による空家等対策計画の策定、及びこれに基づく対策の実施 【目的】 法第 6 条に基づき、本市の空家等に関する基本的な考え方を明確にし、当該施策を総合的 かつ計画的に実施するために「福島市空家等対策計画」を策定。 2.対象とする空き家 【空家等】 (法第 2 条 1 項) 概ね年間を通して使用実績のない、建築物又はこれに付属する工作物、及びその敷地 ※建築物(住居、倉庫等) ・敷地のほか、付属する門扉、立木、看板、バルコニー等 【特定空家等】 (法第 2 条 2 項) ◇著しく保安上危険となるおそれのある状態 ◇著しく景観を損なっている状態 ◇著しく衛生上有害となるおそれのある状態 ◇その他放置することが不適切である状態 3.対象地域 市内全域 4.計画期間 平成29年度から33年度まで(5年間) 5.本市における空き家の現状 (1) 「住宅・土地統計調査(総務省) 」 空き家数 平成 20 年 全 空き家率 平成 25 年 増減 平成 20 年 平成 25 年 増減 国 7,567,900 戸 8,195,600 戸 627,700 戸 13.1% 13.5% 0.4P 福島市 17,520 戸 15,840 戸 ▲1,680 戸 13.5% 12.1% ▲1.4P 全国では、空き家数・空き家率ともに増加傾向。 一方、本市においては減少。⇒東日本大震災により避難してきた世帯が、賃貸住宅の空き家に住 むことにより、一時的に空き家数が減少したと考えられる。 (※福島県および県内主要都市も同様) (2) 「福島市空き家等実態調査(平成 26 年度)」 調査対象数 空き家数 91,705 棟 空き家率 2,888 棟 3.15% ※外観目視による市内一斉調査 <空き家の管理状態・老朽度の判断結果> 空き家の状態 棟 数 適切に管理されている 割 合 48 棟 1.7% 1,746 棟 60.5% 一部、建物に破損等が見られるもの 944 棟 32.7% 著しく建物に破損等が見られるもの 36 棟 1.2% 114 棟 3.9% 状態等に問題のないもの 詳細不明 合 計 2,888 棟 -1- (3) 「空き家所有者の意向調査(平成 28 年度)」 <主なアンケート調査の結果> ※配布数 3,105 回答数 1,495 回収率 48.1% 調査項目 回答結果(上位のもの) ①空き家となった理由 ○居住者の死亡 ○長期の入院 ○売却(賃借)希望・市または地域等での活用希望 ②空き家活用の意向 ○予定なし・現状のまま ③空き家活用の懸念点・ 心配点 ○特に困っていない ○固定資産税や解体費用の負担 ○維持管理(日常管理、リフォーム、荷物整理等) 所有者の不在(死亡、入院、転居、相続人の不在等)が、空き家化の大きな要因。 第3者による活用の意向(売却・賃借、行政や地域での活用)を持った所有者が多数。 維持管理(費用)に関する将来の不安感が顕著。 「予定なし・現状のまま」 「特に困っていない」⇒ 関心が無い、管理者意識欠如の表れ。 6.本市の空き家に関する将来予測 平成 25 年 平成 32 年 平成 37 年 総住宅数 131,390 戸 134,269 戸 133,171 戸 総世帯数 115,600 世帯 116,756 世帯 114,803 世帯 一世帯あたりの住宅数 1.14 戸 1.15 戸 1.16 戸 空き家数 15,840 戸 17,414 戸 18,323 戸 空き家率 12.1% 13.0% 13.8% ※野村総合研究所 による推計方式 一世帯あたりの住宅数が、1.00 以上で推移し、供給量(総住宅数)が需要量(総世帯数)を上回 る、住宅ストック超過の状況が続く。 総住宅数は平成 32 年にピークとなるものの、空き家数(空き家率)はその後も増加を続ける。 7.本市における空き家の課題 各種データ分析と将来予測、及び実態調査・意向調査等から抽出された5つの課題 課題1 所有者等の空き家管理に対する意識の啓発 課題2 市内の空き家実態や傾向の把握 課題3 市民がより連絡しやすい通報・相談、庁内連携体制の整備 課題4 空き家の発生抑制のための対策 課題5 空き家の利活用のための施策検討 8.空家等に対する基本方針と基本目標 ① 基本方針 ② 空家等の適切な管理は所有者の責務であることを基本としつつ、 行政・地域等の協働により、空家等の発生抑制に努めます。 管理不全の空家等に対し、実効性ある対策を推進することで、 地域生活環境の保全に努めます。 適正な管理を促し、管理者意識を啓発します。 ① 空家等発生予防 ② 空き家の把握と連携体制構築 ③ 管理不全の空家等への対策 ④ 空き家の利活用の促進 基本目標 -2- 空き家の把握と併せ、関係部署と連携体制を 構築することで、対策を推進します。 管理不全の空家等に対し、適切な管理依頼と ともに法に基づく対策を講じていきます。 良好な生活環境維持のほか、定住促進等に資する よう、空き家や空き家跡地の利活用を促進します。 9.空家等に対する基本的な施策 (1)基本的な施策の内容等 基本目標 ①空家等発生予防 基本的な施策 施策の内容等 ◆所有者等責任の明確化・管理 ○各広報媒体を通じた所有者管理意識 意識の啓発 の醸成と、空家等発生予防に関する市 民への普及啓発 ◆通報・相談体制の構築 ○相談窓口の一元化(空き家対策係) ○情報共有・対応の迅速化を図るための 庁内連携体制の構築 ◆空き家関連セミナー等の実施 ○各種団体等との連携によるセミナー 等の開催 ②空き家の把握と 連携体制構築 ◆空き家に関するデータベース の整備 ○地理情報システム(GIS)による空き 家情報の一元管理(空き家の所在・状 態、所有者等の実態・意向など) ○関係部局との情報共有の円滑化、対応 の迅速化、施策検討の基礎資料に活用 ◆空家等に関する調査 ○空家等実態調査の適宜実施等による 継続した実態の把握 ◆関係機関等との連携 ○各関係団体との連携強化(不動産関係 団体、金融機関、シルバー人材センター、警 察・消防、法律関係団体など) ③管理不全の空家等 ◆管理不全の空家等への対策 への対策 ○文書による適正管理依頼 ○相談窓口や支援制度の紹介 ◆特定空家等に対する措置等 ○特定空家等に該当するか否かの判断 を行うための市ガイドラインの作成 ○法第 14 条に基づく、特定空家等に対 する段階的な措置の実施(助言・指導、 勧告、命令、行政代執行) ◆他法令による措置 ○他法令(建築基準法、道路法、廃棄物 処理法、消防法など)による対応検討 ④空き家の利活用 ◆流通促進(空き家バンク) の促進 ○空き家の所有者と居住・利用希望者の マッチング・情報提供を行う「空き家 バンク」を創設し、市場流通を促進 ◆空き家の再生支援制度の検討 ○国庫補助事業の活用等による、空き家 のリフォームや耐震改修等の支援策 の検討 ◆空家等の除却及び除却後の 跡地活用の検討 ○地域コミュニティに寄与する跡地活 用策の検討 ◆空き家の公営住宅としての 活用の検討 ○国の新たな「住宅セーフティネット」 構築に伴う、空き家の公営住宅への活 用検討 ◆地域等による空き家の活用 ○小規模福祉施設や NPO 活動拠点等への 空き家の活用促進 ◆利活用の難しい空き家の検討 ○市街化調整区域や接道条件が悪い敷 地に建つ空き家への対応検討 -3- (2)空家等に対する措置フロー 特定空家等 空 家 等 行政処分 行政指導 情 報 提 供 現 地 調 査 等 適 正 管 理 依 頼 助 言 ・ 指 導 勧 命 告 令 行 政 代 執 行 10.空家等対策の実施体制 (1)各主体(地域・関係団体・行政・所有者等)の役割分担と連携体制 地域の役割 情報提供 ○空き家情報の提供 ○良好な地域生活環境の保全協力 ○空き家の地域での利活用 情報提供 相互協力 所有者等の役割 情報提供 技術的な支援 ○空き家の適正な管理 ○空き家化の予防 ○管理不全状態の防止・解消 ○空き家の解消・利活用 空き家の管理 ・修繕等依頼 関係団体の役割 ○空き家の適正な管理への対応 ○空き家の解消・利活用の協力 ○市場流通化の促進への協力 情報提供 情報提供・技術的支援 市場流通化促進 情報提供 各種支援 行政の役割 ○空家等対策計画の策定 ○空き家に関する相談窓口の設置 ○空き家等に関する対策の実施 ○対策の実施に関する支援 (2)庁内組織体制( 『福島市空き家等対策庁内検討委員会』 ) 【委員】副市長、政策統括監、関係部長(総務・財務・商工観光 ・市民安全・環境・建設・都市政策・消防・水道) 福島市空家等対策計画 ①空家等発生予防 基 本 目 標 ②空き家の把握と 連携体制構築 ③管理不全の空家 等への対策 ④空き家の利活用 の促進 開 発 建 築 指 導 課 財政課、生活課、商業労政課、観光コンベンション推進室 定住交流課、建築住宅課、清掃管理課、路政課 財政課、資産税課、納税課、生活課、市民課、危機管理室、環境課 清掃管理課、道路保全課、都市計画課、予防課、水道総務課 総務企画課、財政課、資産税課、納税課、危機管理室 清掃管理課、路政課、予防課 財政課、商業労政課、観光コンベンション推進室、定住交流課 建築住宅課、都市計画課 (3)地域連携体制( 『福島市空家等対策協議会』 ) 委 員 ◇市長(会長) ◇有識者 (法務、不動産、建築、都市・地域政策) ◇住民自治 (市自治振興協議会、市町内会連合会) ◇行政(福島地方法務局、市) 協議・ 意見聴取 -4- ○空き家等対策計画の作成・実施・変更 ○特定空家等に関する措置 ○特定空家等判定審査会の開催 ○特定空家等に該当するか否かの判断 ○その他空家等対策の実施
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