資料2-6 IRRSにおいて明らかになった課題 「人材育成・確保(№31)に対する取組状況について 平 成 29 年 1 月 5 日 長 官 官 房 人 事 課 原子力安全人材育成センター 1.経緯 本年 4 月 25 日に開催された原子力規制委員会において、 「日本への総合規制評価 サービス(IRRS)ミッション報告書について」が審議され、IRRSにおいて 明らかになった課題とその対応方針が決定された。その課題の一つである人材育 成・確保に対する取組状況について報告するもの。 【IRRS において明らかとなった課題】 ○課された責任を果たすための能力及び経験のある職員を確保するため、研修の 充実、職員の確保、そのための職場の魅力の向上。 ○人的資源の活用状況の把握と強化が必要な分野への対応。 【課題に対する本年度の対応】 ○「職員の人材育成に係る施策の進め方」のフォローアップとこれに基づく研修 の実施、研修体系の整備 ○継続的な経験者採用及び新規学卒者の採用の実施と人材確保に資する処遇確 保への取組み ○人事評価プロセスの確実な実施と本人の適性や業務状況を踏まえた人事ロー テーションの実施と主要業務量の把握 ○検査制度見直しに伴い必要となる教育・訓練体系の検討 2.取組状況 (1)「職員の人材育成に係る施策の進め方」のフォローアップとこれに基づく研 修の実施、研修体系の整備 ・原子力安全人材育成センターでは、「職員の人材育成に係る施策の進め方」 に基づき研修計画を策定し、平成 28 年度はこれまで全 61 コース(96 回)の 1 べ 787 人の研修を実施している。また、新たに導入した研修用原子炉プラン トシミュレータについて、これを用いた研修を本年 5 月から開始し、平成 29 年 1 月 1 日現在で 4 コース 18 回のべ 91 人の検査官をはじめとする職員が受 講した。 ・今年度から検査官に対する力量の管理に関する試行を開始した。さらに、検 査官の力量管理活動を支援するため、検査官を対象としたOJTに係るガイ ドを平成 28 年 4 月に整備した。今後は庁内各部と連絡を密にし、試行を通 じた成果を研修計画等に反映させることとしている。力量の評価項目につい ては、今後、新検査官育成の検討の結果をもとに見直していく。 ・外部との人的交流について、今年度は国内留学、海外留学(人事院留学)に 2 名、国際機関へ 3 名、英国大使館、在ウイーン代表部へ 2 名の職員を新た に派遣している。また、国内研究機関に外来研究員として 10 名を追加登録 し交流を実施。 (2)継続的な経験者採用及び新規学卒者の採用の実施と人材確保に資する処遇の 確保への取組み ・技術職に加えて研究職、事務系職員を含め、今年度に公募を5回実施し、26 人の内定者を得た。(うち1件公募中・1件選考中) 新規学卒者の採用は、試験採用については 6 月及び 8 月に官庁訪問を実施 し、また規制庁独自に行う原子力工学系職員採用試験及び研究職選考採用試 験を実施し、19 名(総合職 4 名、一般職 15 名)の内定者を得た。 ・組織の強化、処遇の見直しについては平成 29 年度機構定員要求を行い、関 係省庁との調整を進め、局長級ポストである原子力規制技監(仮称)の新設 のほか、原子力施設の検査を行う部門、検査官を育成する部門、放射線同位 元素の規制を行う部門、法令業務を行う部門を増員した。また、処遇につい ても現在調整を行っている。 (3)人事評価プロセスの確実な実施と本人の適性や業務状況を踏まえた人事ロ ーテーションの実施と主要業務量の把握 ・平成 27 年度下期及び平成 28 年度上期の職員の能力評価、業績評価に係る人 2 事評価プロセスを実施するとともに、職員の希望調査や、業務の状況・見込 みを踏まえて課室とのヒアリングを行い、職員の適切な職務ローテーション を検討している。 ・平成 28 年 4 月より毎月各職員及び各課等の主要な業務について業務量の調 査を開始し、上半期における結果により、業務量の把握が可能であることが 確認できた。下期についても調査を継続し、人的資源の配分などに活用でき るよう検討を行う。 (4)検査制度見直しに伴う教育・訓練体系の検討 ・新たな検査制度の検討を踏まえ、原子力安全人材育成センターとともに、米 国NRCの検査官育成システムを参考に、保安検査官と施設検査官の研修体 系を一元化した新検査官育成の仕組みを構築することとし、平成 28 年 10 月より検討に着手した。(別紙参照) ・平成 28 年 7 月からNRCに派遣している調査チームからの情報収集や派遣 者との意見交換を行いながら、必要な共通知識や資格認定の仕組みなどにつ いて検討を行っている。また、平成 28 年 12 月には別途研修部門に特化して NRCの現地調査を実施した。この調査結果を今後の新検査官育成の制度設 計に反映させる。 3 別紙 原子力規制委員会職員の専門人材育成体系のイメージ 放射線検査官 原子力検査官 安全審査官 危機管理対策官 基礎レベルの研修(共通)(研修期間:6ヶ月) サイトアクセス、原子炉の概念、PRA、放射線、危機管理・原子力防災の基礎知識、法令の概要など 原子力検査官補 放射線検査官補 危機管理対策官補 安全審査官補 専門レベルの研修(研修期間:18ヶ月) 共通習熟研修 ○個人及び対人のスキルに係る研修:事業者・自治体等の関係者とのコミュニケーション、情報の収集、メディア対応等 ○一般習熟に係る研修 :検査・審査・危機管理業務の実施方法、根本原因分析等 技術習熟研修(各官職ごと) ○各官職の専門分野ごとの業務に必要な知識・技術の習得 オンザジョブ活動 個人学習活動 集合研修 ・座学研修 ・シミュレータ研修 ・研修用機器・装置などを用い た研修 ・各種規程、法令、マニュアル、 e-ラーニング等を自学習 ・現場における教育・訓練 資格認定審査(研修修了者に対し、審査を実施) 原子力検査官の資格認定 危機管理対策官 の資格認定 放射線検査官 の資格認定 再研修・レベルアップ研修 4 安全審査官(種類毎) の資格認定
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