6.施策体系 施策体系 各視点から課題を整理し、その改善方策を体系的に整理しました。 図表 53 各課題及び施策の基本方針 視点 課題 施策の基本方針 • 維持管理業務の効率化 基本方針①:官民連携の推進 • • 施設の老朽化状況の把握 ストックマネジメントの導入 基本方針②:投資の平準化と予防保全型の維持管理 • • 既存資産のさらなる活用 下水道資源の見える化 基本方針③:資産・資源の有効活用 • 災害時のBCPの実効性の確保 基本方針④:防災対策の充実、危機管理等の体制整備 • 最適な施設規模の検討 基本方針⑤:広域化・共同化・最適化 資産・ 業務 52 具体的な施策 管渠の維持管理業務の包括的民間委託の研究 処理場の包括的民間委託の発注方法等の研究 農業集落排水事業の民間委託の研究 産学官パートナーシップの研究 民間資金及びノウハウの活用 ストックマネジメントの導入 成果 修繕及び点検の優先順位付け ●業務効率化 長寿命化計画の策定及び実施 ●維持管理費の低減 消化ガス発電設備の稼働率向上 ●資産安全性の向上 ●リスク管理強化 下水熱の研究 保有資産の活用 大規模地震や大雨等の災害発生時の対応 事故や災害発生時の体制強化(委託業者との連携拡充) 下水道BCPに基づく訓練等の実施と継続的な見直し (広域化) 行政区域の境界地域の下水道整備の調査研究 (共同化) 汚泥の共同処理に係る調査研究 (最適化) し尿処理場の処理水の受入 53 視点 組織・ 人材 課題 施策の基本方針 • 技術やノウハウの継承 基本方針①:技術やノウハウを次世代へ継承する • • 組織のさらなる活性化 若手職員の育成強化 基本方針②:職員のモチベーションの維持及び向上 • • • 下水道経験が浅い職員の育成 幹部職員の人材育成 職種の垣根を超えた知識習得 基本方針③:各種研修の充実 • 課題や改善策の他自治体との 共有化 基本方針④:近隣事業体及び中核市との連携 • • • 概成後の人員配置の検討 中長期的に中堅層が不足 さらなる事務の効率化 基本方針⑤:下水道サービスを維持するための mmmmmm組織体制の研究 54 具体的な施策 (仮称)「技術継承講演会」の開催 新技術や新工法を習得するための技術講習会への参加 再雇用等の活用により、技能やノウハウの円滑な継承 各業務のマニュアル化を進め、引継ぎ事項を定型化 各課が取り組んでいる「カイゼン活動」の情報共有 成果 若手職員や女性職員によるプロジェクトの企画実施 幹部職員と若手職員によるフリートークの実施 ●技術力の維持継承 (仮称)「職場レポート」の作成 ●組織活性化 職員満足度アンケートを実施し課題の解決を行う 下水処理場での現場研修 経営感覚のある職員の育成や他都市職員との交流促進 抱える課題の共有や意見交換会の実施 中核市等との情報共有の効率化 コア業務などの検討 適切な人員体制の研究 55 視点 課題 • 将来的な下水道使用料の減少 大口需要家の減少を受けやす い料金体系 低い有収率及び水洗化率 • • • 多額の借入金残高 流動比率が低い 中長期的な収支ギャップ • • 更新事業費の財源確保 保有資金の有効活用 • • 施策の基本方針 基本方針①:経営基盤の強化 財務 基本方針②:経営の効率化 基本方針①:広報・広聴活動の充実 広報 • • • • • • • 情報発信の機会が不足 情報発信の内容の充実 将来の課題などの周知 下水道の仕事内容の見える化 お客様意識の視点 広聴の充実 広報に対する職員意識の向上 基本方針②:下水道情報の見える化の推進 基本方針③:お客様サービスの充実 56 具体的な施策 効率的な接続勧奨の検討 滞納整理や電話催告の実施による未収金の減少 成果 迅速かつ定期的な顧客動向の把握 費用対効果を考慮した不明水対策 ●健全経営の維持 将来の財源確保の検討 ●借入金の削減 新たな収入の確保 ●将来の財源確保 資本費の削減 投資以外の経費の削減 省エネ・省CO2機器の導入 市内小学校の出前講座等の充実 処理場見学の受入の推進 お客様に対する積極的な情報公開及び発信 成果 発信方法及び内容の継続的な見直し ●説明責任 ホームページの内容を充実 ●理解向上 各種人材育成への取組の公開 ●サービス向上 経営成績などの公開と将来の課題の見える化 お客様対応業務委託の拡大の研究 幅広い層のお客様ニーズの把握 新たな支払方法の費用対効果の検証 57 下水道資源の活用事例 下水道資源*は宝の山? 下水バイオマスは我が国バイオマス発生量の約3割を占める約 7,500 万 トン、下水熱*は、例えば東京都区部の未利用エネルギーの約4割を占めるとの 試算があり、下水道資源*には大きな可能性があります。 ① 下水汚泥のバイオガス化 下水汚泥をメタン発酵して得られるバイオガスを利用し、ガス発電や天然ガ ス自動車の燃料として利用されています。 【出典:国土交通省】 ② 下水汚泥からのリン資源活用 リン鉱石は、産出が中国・米国・モロッコ等に限られている戦略物資であり、 全量輸入に依存している我が国にとって、リンは貴重です。下水汚泥から希少資 源であるリンを回収し、肥料として利用する取組も行われています。 【出典:国土交通省】 58
© Copyright 2024 ExpyDoc