国内新車販売統計(2016年12月)

浜銀総合研究所 調査部
2017年1月5日
調 査 速 報
国内新車販売統計(2016年12月)
内需の増勢は 2017 年度に入り一服する見込み:輸出
下押しリスクもあり、国内生産の楽観見通しは禁物
主任研究員
深尾 三四郎
045-225-2375
[email protected]
要 約
 16年国内新車販売台数は500万台割れ。後半に盛り上がった買替え需要は新年度に入り一服する公算。
 健全な在庫水準が続き、生産も堅調に推移しているが、17年は輸出の減速リスクにも要警戒。
 中古車輸出の持ち直し続くが、17年はミャンマー市場が「消滅」。スリランカが回復するかに要注目。
1.12 月の国内新車販売台数は季節調整済年率換算値で 569 万台と5か月連続の 500 万台超え
1月5日発表の 2016 年 12 月の国内新車販売台数(登録車+軽自動車、貨物車含む)は前年同月比 7.6%
増となり、また、季調済年率換算値(X-12-ARIMA にて当社試算、以下 SAAR)でみた 12 月の販売台数も前月
比 3.4%増の 569 万台と5か月連続で年率 500 万台超えとなって、持ち直しの動きが続いている(図表
1)
。この増勢の背景には、車検更新車両台数が増加し、買い替え需要が盛り上がっていることが挙げられ
る(図表2)
。継続検査件数(車検)は8月以降、前年超えが続き、3か月後方移動平均値でみた車検の季
調値は増加トレンドが続いている。とりわけ、初回(3年目)車検更新車両の台数が大きく(図表3)
、こ
れは一部メーカーの基幹モデルがちょうど車検更新期を迎えていることが背景にある。4~12 月の新車販
売台数の平均 SAAR は 508 万台と 15 年度実績(494 万台)を上回っている。
内訳をみると、12 月の乗用車(登録車+軽)販売台数の SAAR は前月比 3.8%増の 478 万台となり(図表
4)
、このうち登録乗用車は同 2.7%増の 321 万台と増加し(図表5)
、軽乗用車の販売台数(SAAR)も前
月比 6.1%増の 156 万台となった(図表6)
。貨物車(普通+小型トラック)販売台数の 12 月の SAAR も前
月比 11.3%増の 47.7 万台と堅調であった(図表7)
。
16 年(暦年)の国内新車販売台数は前年比 1.5%減の 497 万台と 500 万台を割り込み、震災後の5年間
で最低となった(図表8)
。内訳は、4ページの図表9~13 で示すが、とりわけ、軽自動車の販売不振が
大きく響き、同セグメントの市場シェアが2年連続の低下で、6年ぶりに 35%を割り込み、軽から登録車
への需要シフトが進んだことが特徴的である。
鉱工業指数をみると、11 月の生産は3か月連続で上昇した。国内販売と輸出の増加(後述)が増産の背
景にある。今後、米国を中心に海外主要市場向けの輸出減速が国内生産への下押し圧力となるリスクは依
然として残るが、今年度いっぱいは堅調な買い替え需要を背景とした国内販売の持ち直しを下支えに、生
産は堅調に推移するものとみられる。
もっとも、足元で国内販売は堅調に推移しているものの、内需回復の背景にある車検台数の盛り上がり
は 17 年4月頃から一巡すると推測され(図表3)
、17 年度の国内新車市場を取り巻く環境は楽観できる状
況ではないと考える。また、米国を中心に海外市場の減速懸念が高まり、輸出に関しても下押し圧力が強
まることから、17 年度の国内生産台数見通しに関して、自動車関連企業からは慎重な声が聞かれ始めよう。
中古乗用車の 11 月の輸出台数(SAAR)は3か月連続で増加した。輸出金額は前年比2桁%の減少が9か
月も続いており、中古車輸出市場を取り巻く環境は引き続き厳しいが、台数面で持ち直しの動きが出始め
ていることは明るい材料である。しかし、ここにきて主要市場のひとつであるミャンマーにて、17 年1月
から右ハンドル中古車の輸入が原則禁止となったことが決まり、中古車輸出市場は 17 年も苦しい年となり
そうだ。新興国の景気不振が続き、全般的に輸出環境が厳しいなか、足元で在庫補充の動きがみられると
いう声が聞かれるスリランカが、17 年の中古輸出市場の数少ない回復市場となるかに要注目である。
1
浜 銀 総 研
調 査 速 報
図表1 国内新車販売(SAAR)は6か月連続の増加
新車販売台数(登録車+軽自動車、貨物車含む)
前年同月比、%
16年12月SAAR 569万台
100
前月比+3.4%
80
16年4~12月SAAR平均
508万台 60
(15年度実績494万台)
40
季調済、千台
7,000
6,500
6,000
5,500
5,000
20
4,500
0
4,000
-20
-40
3,500
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
前年同月比(右軸)
3,000
2,500
-60
-80
.
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会より作成
図表2 継続検査件数(車検)の増加基調が続く
百万台
30
前年同月比、%
25
継続検査件数(車検)の推移
28
20
26
15
24
10
22
5
20
0
18
-5
16
-10
原数値年率換算
14
-15
SAAR(季節調整済年率換算値)
12
-20
SAARの後方3か月移動平均値
YoY
10
-25
.
.
2010年
11
12
13
14
15
.
16
注1: 赤いマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARはX-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が算出。
出所: 国土交通省のデータを基に作成
図表3 車検更新車両台数の盛り上がりは 17 年度に入ると一服すると推察
車検更新期を迎える乗用車(軽含む)の推移
千台
16,000
千台
SAAR(t-36か月)、(右軸)
SAAR(t-60か月)、(右軸)
2016年12月
10,000
SAAR(t-84か月)、(右軸)
乗用車SAAR(t-36か月)+(t-60か月)+(t-84か月)、(左軸)
14,000
8,000
12,000
車検更新車両台数は
17年1月をピークに減速
10,000
特に初回(3年目)車検更新車両の増加が顕著
6,000
8,000
4,000
6,000
4,000
2,000
2,000
0
0
.
2011年
12
13
14
15
.
16
.
17
注1: 赤いマーカーは各年の1月実績値。
赤いマーカーは各年の1月実績値
注2: SAARはX-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が算出。
SAARはX-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が算出
出所: 日本自動車販売協会連合会のデータを基に作成
2
浜 銀 総 研
調 査 速 報
図表4 乗用車販売(SAAR)は6か月連続の増加
季調済、千台
6,500
乗用車新車販売台数(登録車+軽)
6,000
前年同月比、% 季調済、千台
16年12月SAAR 478万台
前月比+3.8%
5,500
図表5 登録乗用車販売の伸長が続く
120
4,500
100
4,000
80
60
4,500
40
4,000
3,500
3,000
-20
2,000
20
2,500
20
0
2,000
0
-80
-20
1,500
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
前年同月比(右軸)
1,000
-40
-60
500
.
.
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 日本自動車販売協会連合会より作成
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 日本自動車販売協会連合会及び全国軽自動車協会連合会より作成
図表6 12 月の軽乗用車販売は前月比増加に転じた
軽乗用車販売台数
図表7 貨物車販売も 12 月は大幅増
2,500
前年同月比、%
80
16年12月SAAR 156万台
前月比+6.1% 60
2,000
40
1,500
20
1,000
0
季調済、千台
3,000
季調済、千台
500
80
400
60
300
0
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
前年同月比(右軸)
前年同月比、%
100
貨物車販売台数
450
350
500
60
40
-60
1,500
80
16年12月SAAR 321万台
前月比+2.7%
3,000
-40
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
前年同月比(右軸)
前年同月比、%
100
3,500
5,000
2,500
登録乗用車新車販売台数
16年12月SAAR 47.7万台
前月比+11.3%
250
-20
200
-40
150
-20
-40
.
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 日本自動車販売協会連合会より作成
3
20
0
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
.
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 全国軽自動車協会連合会より作成
40
浜 銀 総 研
調 査 速 報
図表8 16 年新車販売は前年比 1.5%減の 497 万台
新車販売台数(登録車+軽自動車、貨物車含む)
図表9 登録乗用車は同 3.6%増と4年ぶりの増加
前年比、%
30
万台
400
650
25
350
600
20
万台
700
550
新車販売台数(左軸)
前年比(右軸)
574
535
500
450
537
508
556
538
505
496
497
461
400
421
-20
0
13
14
15
10
100
-20
12
239
20
-10
50
11
280
270
150
-15
10
286
0
250
09
287
264
200
-10
08
280
301
293
0
300
07
30
295
5
-5
2006
313
250
10
350
200
40
300
15
前年比、%
登録乗用車新車販売台数
16
-30
新車販売台数(左軸)
前年比(右軸)
-40
2006
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
出所: 日本自動車販売協会連合会のデータより作成
出所: 日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会のデータより作成
図表 10 軽乗用車は同 11.0%減の 134 万台
軽乗用車新車販売台数
万台
400
図表 11 軽自動車は同 9.0%減の 173 万台
軽自動車販売台数
前年比、%
前年比、%
40
万台
400
350
30
350
30
300
20
300
20
250
10
200
150
151
145 143
156
128
128
169
184
114
134
100
新車販売台数(左軸)
前年比(右軸)
192
187
200
-10
07
08
09
11
12
13
14
15
173
152
16
0
-10
-20
50
10
173
10
190
新車販売台数(左軸)
前年比(右軸)
-40
2006
169
211 227
100
-30
0
198
150
-20
50
202
250
0
151
40
-30
0
-40
2006
出所: 全国軽自動車協会連合会のデータより作成
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
出所: 全国軽自動車協会連合会のデータより作成
図表 12 軽シェアが2年連続の低下で 35%割れ
シェア、%
図表 13 貨物車・バスは同 1.1%減の 42.8 万台
万台
国内新車販売に占める軽自動車販売シェア
50
45
40.9
40
35.9
35
36.8
36.6
36.1
35.3
37.6
39.3
34.8
36.9
34.7
30
25
20
2006
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
60
55
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
40
56.4
30
46.5
41.8 43.2 42.8
36.4
39.6
37.9
29.2
0
26.8
-10
-20
新車販売台数(左軸)
前年比(右軸)
-30
-40
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
出所: 日本自動車販売協会連合会のデータより作成
4
20
10
28.9
2006
出所: 日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会のデータより作成
前年比、%
貨物車新車販売台数
浜 銀 総 研
調 査 速 報
2.11 月の乗用車生産指数は3か月連続の上昇
鉱工業指数(速報値)を見ると、11 月の乗用車生産は3か月連続の上昇となったが、出荷が堅調だった
ため、在庫水準は2か月連続で低下した。在庫循環図上では(注)、10 月に続き 11 月も乗用車生産は「意図
せざる在庫減局面」にあり、在庫は健全な水準を維持している(図表 14)
。内需拡大や輸出の増加(後述)
が増産を後押ししている。米国を中心とした海外での自動車需要の減速懸念が払しょくできないことか
ら、乗用車生産に対する下方圧力が高まるリスクは依然として残るが、在庫水準が健全である中、買い替
え需要の盛り上がりを背景とした国内販売の持ち直しが続くため、目先、生産は堅調に推移すると考える。
図表 15~17 では鉱工業指数から、普通、小型、軽乗用車別の各指数(生産、出荷、在庫)の推移と在庫
循環図を示している。11 月の普通乗用車の在庫(季調値)は増加したが、生産活動は「在庫積み増し局面」
にあり、メーカーは需要増加に備え在庫を積極的に積み増す状況となっている。
大幅な出荷増加を背景に、11 月の小型乗用車の在庫は大きく減少した。生産活動は「在庫調整局面」か
ら「意図せざる在庫減局面」に移行し、在庫水準が健全化したことで、減産圧力が緩和した。
軽乗用車は販売減少に併せて生産が抑制されたため、在庫は2か月連続で減少した。生産は「意図せざ
る在庫減局面」に止まっており、在庫水準は適正である。
(注)新モデルが発売されるタイミングで乗用車の出荷と在庫は大きく振れるため、各月の出荷・在庫(原数値)を3か月
後方移動平均で均してから前年同月比と比較し、それぞれ変化率を X-軸(出荷)と Y-軸(在庫)でプロットしている。
図表 14 11 月の生産指数は3か月連続の上昇
季調済、2010年平均
140
鉱工業指数の推移:乗用車
乗用車の在庫循環図
60
在庫積み上がり局面
在
庫
40
(
(
120
3
か
月
後
方
移
動
平
均 -60
値
100
80
)
)
・
前
年
同
月
比
%
60
生産
出荷
在庫
.
40
2011
2012
2013
2014
2015
2010年
注: 赤いマーカーは各年の1月実績。
出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成
2016
20
在
庫
調
整
局
面
直近月
(2016年11月)
0
-40
-20
0
20
40
2009年1月
-20
在
庫
積
み
増 60
し
局
面
-40
意図せざる在庫減局面
-60
出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比%
注: 2014年実績値は□(黄色)、15年は○(赤)、16年は◇(緑)でハイライト。
出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成
5
浜 銀 総 研
調 査 速 報
図表 15 普通乗用車の生産は「在庫積み増し局面」が続く
普通乗用車の在庫循環図
20
鉱工業指数の推移:普通乗用車
在庫積み上がり局面
季調済、2010年平均=100
120
(
在
庫
2011年1月
3
か
月
後
方
在
移
庫
動
調
平
整
-20
均
局
値
100
80
)
・
前
年
同
月
比
%
60
生産
出荷
在庫
直近月
(2016年11月)
在
庫
積
み
増 20
し
局
面
0
0
面
40
.
意図せざる在庫減局面
2010年
2011
2012
2013
2014
2015
-20
出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比%
2016
注: 2014年実績値は□(黄色)、15年は○(赤)、16年は◇(緑)でハイライト。
出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成
注: 赤いマーカーは各年の1月実績。
出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成
図表 16 小型乗用車は「在庫調整局面」から「意図せざる在庫減局面」へ移行
鉱工業指数の推移:小型乗用車
小型乗用車の在庫循環図
100
季調済、2010年平均=100
200
在庫積み上がり局面
出荷
在
在
庫
庫
3
3
か
か
月
月
後
後
方
方
移
移
動
動
平
平
均-100
均
値
値
在庫
(
(
生産
180
160
140
120
)
)
100
・・
前
前
年
年
同
同
月
月
比
比
%
%
80
60
在
庫
調
整
局
面
在
庫
積
み
増
し
局
面
0
0
100
直近月
(2016年11月)
意図せざる在庫減局面
.
40
2011
2012
2013
2014
2015
2010年
注: 赤いマーカーは各年の1月実績。
出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成
-100
出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比%
2016
注: 2014年実績値は□(黄色)、15年は○(赤)、16年は◇(緑)でハイライト。
出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成
図表 17 軽乗用車の在庫減少が続く:
「意図せざる在庫減局面」が続き、在庫水準は健全
軽乗用車の在庫循環図
鉱工業指数の推移:軽乗用車
100
季調済、2010年平均=100
在庫積み上がり局面
400
在
庫
(
360
3
か
月
後
方
移
動
平
均 -100
値
320
280
240
生産
出荷
在庫
200
)
160
・
前
年
同
月
比
%
120
80
在
庫
調
整
局
面
0
-50
0
50
在
庫
積
み
増
し
局
面
100
-50
直近月
(2016年11月)
.
40
50
2010年
2011
2012
2013
2014
2015
意図せざる在庫減局面
2016
-100
出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比%
注: 赤いマーカーは各年の1月実績。
出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成
注: 2014年実績値は□(黄色)、15年は○(赤)、16年は◇(緑)でハイライト。
出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成
6
浜 銀 総 研
調 査 速 報
3.11 月新車乗用車輸出(季調値)は前月比ほぼフラット
12 月 27 日に公表された 11 月の乗用車輸出台数
(軽乗用車と中古車を除く)
は前年同月比 3.8%増と 18 か
月連続で前年超えとなったが、
SAAR は前月比 0.1%減の 429 万台とほぼ前月並みに落ち着いた
(図表 18)
。
こ
このところ大きな幅で一進一退が続いているが、3か月後方移動平均値でみたトレンドは緩やかに持ち直
している。主要仕向地別でみると(図表 19)
、米国向け輸出の堅調が続き、中国向け輸出も2か月連続の
増加となったが、欧州向けや中近東向けの輸出減少が相殺したかたちだ。
日本にとって最大の輸出先である米国の新車販売台数(SAAR)は、11 月に前月比 0.7%増の 1,816 万台
(当社試算)となった(図表 20)
。ここ3か月、需要は伸び続けているが、メーカー各社による販売奨励
金の積み増しが続いていることから、脆弱性の高い販売増加が続いていると言えよう。長らく拡大基調に
あった米国新車市場は、2017 年に「息切れ」する可能性が高く、引き続き、同国向けの輸出が今後一段と
切り上がって、輸出の大きな押し上げ要因になると期待するのは難しい状況と考える。
米国に次ぐ主要仕向け地である欧州では、11 月の販売台数(SAAR)は前月比 2.2%増と増加したが、3
か月後方移動平均値でみたトレンドには頭打ち感がある(図表 21)
。欧州の新車販売は 16 年に入ってから
浮揚感に欠ける重い展開が続いており、同地域向けの輸出も今後更に上向いていくと予想するのは難しい。
最後に、中国の 11 月の乗用車小売台数は7か月連続で前年同月比2桁増と堅調で、流通在庫は適正水準
にある(図表 22)
。乗用車販売台数(生産に近い工場出荷ベース)に目を向けると、11 月の SAAR は前月比
0.7%増となり、3か月後方移動平均値で見る増加基調は続いている(図表 23)
。中国の内需は小型車減税
を背景に堅調に推移している。もっとも、昨年末に終了予定の同減税措置が1年間延長されることが決ま
ったが、延長決定前に駆け込み需要が発生したことや、減税幅が半分にされることから、駆け込み需要の
反動減及び実質増税が逆風となり、内需が減少するリスクは大きい。従って、中国向けの輸出に関しても
楽観できる状況ではない。
上記のように、米国および欧州の新車市場の減速及び中国での内需減少懸念から、今後、日本からの自
動車輸出に対し下方圧力が高まる可能性がある点には引き続き要警戒である。
図表 18 11 月乗用車輸出(SAAR)は前月並み
季調済、千台
5,000
新車乗用車輸出台数:全国
前年同月比、%
100
16年11月SAAR 429万台
前月比▲0.1%
4,500
80
4,000
60
3,500
40
3,000
20
2,500
0
2,000
-20
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
1,500
1,000
500
12年 399万台
前年比+8.6%
13年 391万台
前年比▲1.9%
14年 372万台
前年比▲4.8%
-40
-60
-80
15年 387万台
前年比+4.1%
-100
.
0
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: ノックダウンを除く。
注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
7
浜 銀 総 研
調 査 速 報
図表 19 米中向け輸出増加も欧州・中近東向けの減少が相殺
季調済、千台
2,000
米国向け新車乗用車輸出台数
EU圏(28か国)向け新車乗用車輸出台数
季調済、千台
800
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
前年同月比、%
80
700
60
1,500
40
20
1,000
500
0
-20
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
12年 167万台
前年比+19%
13年 170万台
前年比+2%
16年11月SAAR 193万台
前月比+7.2%
14年 151万
前年比▲11%
-40
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
600
40
500
20
400
0
300
-20
200
-40
100
-60
15年 158万台
前年比+4%
前年同月比、%
16年11月SAAR66万台 80
前月比▲4.3% 60
12年 40万台
前年比▲24%
13年 37万台
前年比▲7%
14年 45万台
前年比+23%
-60
15年 51万台
前年比+12%
0
-80
.
-80
.
0
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: ノックダウンを除く。
注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: ノックダウンを除く。
注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
中東向け新車乗用車輸出台数
季調済、千台
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
600
500
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
豪州向け新車乗用車輸出台数
季調済、千台
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
500
前年同月比、%
80
450
60
300
200
100
12年 36万台
前年比+26%
13年 41万台
前年比+13%
14年 43万台
前年比+5%
15年 50万台
前年比+15%
0
40
20
300
20
0
250
0
-80
-20
-40
12年 36万台
前年比+19%
13年 33万台
前年比▲10%
14年 29万台
前年比▲10%
-60
15年 31万台
前年比+4%
-80
0
.
.
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: ノックダウンを除く。
注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: ノックダウンを除く。
注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
ASEAN向け新車乗用車輸出台数
季調済、千台
前年同月比、%
120
80
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
16年11月SAAR 5.3万台
中国向け新車乗用車輸出台数
季調済、千台
前年同月比、%
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 16年11月SAAR 22万台
400
80
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前月比+13.7%
350
60
前年同月比(右軸)
100
40
250
20
200
0
60
150
-20
40
100
-40
12年 17万台
前年比▲12%
13年 18万台
前年比+3%
14年 22万台
前年比+22%
0
前月比+8.2%
60
80
20
0
-20
-40
20
-60
15年 17万台
前年比▲21%
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
40
300
50
60
350
-20 200
150
-40
100
-60 50
16年11月SAAR 35万台
前月比▲11.1%
前年同月比、%
80
16年11月SAAR 30万台
前月比▲5.6%
400
40
400
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
12年 7.4万台
前年比×1.3
13年 5.2万台
前年比▲30%
14年 5.0万台
前年比▲5%
-60
15年 5.7万台
前年比+16%
0
-80
-80
.
.
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: ノックダウンを除く。
注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
12
13
14
15
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: ノックダウンを除く。
注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
8
浜 銀 総 研
調 査 速 報
図表 20 米国新車販売は3か月連続の増加
米国新車販売台数
季調済、百万台
19
前年同月比、%
40
18
30
17
20
16
10
15
0
-10
14
16年11月SAAR 1,816万台
前月比+0.7%
-20
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
-40
13
12
11
10
9
-30
-50
-60
.
09
10
11
12
13
14
15
16
2007年 08
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: Autodata、Bloombergのデータより作成
図表 21 欧州の販売は一進一退で停滞感強い
季調済、百万台
EU27か国乗用車新車登録台数
前年同月比、%
16年11月SAAR 1,457万台
30
前月比+2.2%
16
14
20
12
10
10
0
-10
8
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
6
4
-20
-30
.
2008年
09
10
11
12
13
14
15
16
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 欧州自動車工業会(ACEA)のデータより作成
図表 22 中国乗用車小売販売は堅調:在庫水準は適正
VIA指数
中国:在庫早期警戒指数(VIA)と乗用車小売台数の推移
季調済、百万台
前年同月比、%
75
50
70
40
65
30
60
20
55
10
50
0
45
-10
40
-20
35
VIA:在庫早期警戒指数(左軸)
-30
30
乗用車小売台数前年同月比(右軸)
-40
30
28
26
24
22
20
18
16
14
12
10
8
6
-50
25
.
14
15
前年同月比、%
中国乗用車販売台数
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
2013年
1,793万台
前年比+16%
16
80
70
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
16年11月SAAR 2,804万台
前月比+0.7%
2014年
1,970万台
前年比+10%
2015年
2,111万台
前年比+7%
.
.
2013年
図表 23 中国乗用車販売は増加基調が続く
.
11
12
13
14
15
16
2010年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: 工場出荷ベース。
注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。
出所: 中国汽車工業協会(CAAM)のデータより作成
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: 乗用車小売台数は微型バン(軽自動車バン)を除く。
注3: VIAは50を下回る場合がディーラーでの在庫水準が適正、50を上回る場合が在庫過多。
出所: 中国汽車流通協会(CADA)、全国乗用車市場信息連席会(CPCA)データより浜銀総合研究所作成
9
浜 銀 総 研
調 査 速 報
4.ミャンマー市場の「消滅」が決まり 2017 年も苦しい年に:スリランカ向け輸出回復が浮上のカギに
国内流通業者に注目されている中古乗用車の輸出市場に目を向けると、11 月の中古車輸出台数は前年同
月比 0.5%増と9か月ぶりに前年超えとなり、SAAR も前月比 5.4%増の 101 万台と3か月連続の増加とな
った。トレンドをみると、3か月後方移動平均値は9月を底に上向いてきており、長らく底の見えない状
況が続いていた中古車輸出台数に回復の兆しが出始めている(図表 24)
。同月の中古乗用車の輸出金額は
前年同月比 18.3%減と9か月連続の大幅減となり、中古車輸出市場を取り巻く環境は引き続き厳しい状況
が続いているが(図表 25)
、台数面で持ち直しの動きが続いていることは明るい材料である。
しかし、ここにきて中古車輸出市場に大きな逆風となる材料が現れた。主要仕向け地のひとつであるミ
ャンマーにて、同国政府が 17 年1月より右ハンドル車の輸入を原則禁じる方針を発表したのである。日本
からミャンマーへ輸出される中古乗用車の台数はおよそ6万台
(16 年1~11 月 SAAR 平均)
となっており、
中
古乗用車輸出市場全体(同期間 SAAR 平均 95 万台)の約6%と無視できない規模である。ミャンマー向け
中古車輸出市場がほぼ「消滅」する方向であり、2017 年の中古車輸出市場に大きな逆風となる点には要注
意である。
話を 11 月の統計に戻す。11 月の中古乗用車輸出台数を仕向地別で見ると、ニュージーランド向けとア
ラブ首長国連邦(UAE)向け、そしてミャンマー向けの輸出が増加した(図表 26)
。輸出価格に目を向ける
と、全世界向け中古乗用車の FOB 平均価格は軟調に推移している。単価の低い UAE 向けの輸出構成比が上
昇したことが、FOB 平均価格の下落に繋がる要因のひとつとなったと考えられる。台数ベースで最大の仕
向先であるアフリカ地域向け中古乗用車の FOB 平均価格は7月(37.0 万円)に大きく値崩れしたが、その
後、平均価格は底這い推移となっており、収益性を犠牲にした激しい価格競争が収まっている様子は統計
からは見受けられない(図表 27)
。
中古車流通業者の間で高成長市場として注目されてきたスリランカ向けの 11 月の輸出台数(SAAR)は前
月比 17.1%減の 1.8 万台となり、一進一退が続いている(図表 28)
。とりわけ、同国固有で人気が高い軽
乗用車の日本からの輸出台数は、横ばい推移で重い展開が続いていることに加え、11 月は FOB 平均単価が
大幅に下落し、苦しい状況である(図表 29)
。もっとも、トランプ米新大統領の就任が決まったことで円
安が進行している足元では、同国向け輸出に持ち直しの動きがあるという業者からの声が聞かれており、長
らく輸入を抑えてきたスリランカ側で在庫補充の動きが出始めていることが考えられる。
上記のミャンマー市場の消滅により、中古車輸出市場は 2017 年も前年割れの苦しい年を迎える可能性が
高いが、台数規模は大きくないものの、高単価・高収益市場であるスリランカ向け中古車輸出が回復する
となれば、業界関係者にとって数少ない拠り所となろう。今年の中古車輸出市場の回復の鍵はスリランカ
が握っていると考える。前述したように、国内新車市場は 17 年度に入ってから買い替え需要が減速するリ
スクが高まる。一方で、大手軽自動車メーカーによる基幹モデルのフルモデルチェンジが行われる見込み
であり、スリランカ業者からの同モデルへの関心は極めて強い。軽乗用車の高年式中古車(特に型式 DAA-の
ハイブリッド車)の輸出が盛り上がるかどうかに要注目である。
最後に、スリランカに代わって高単価車両の輸出先として期待されているシンガポール向けの 11 月の輸
出台数(SAAR)は、前月比 4.1%減の 1.4 万台と5か月連続の減少となった(図表 30)
。同国では自動車所
有権証(COE: Certificate of Entitlement)の発行数が増加しており、自動車の買い替え需要が盛り上が
っていたが(注)、マクロ景気の悪化が足かせとなり、減少トレンドが続いている。
(注)COE の詳細及び買い替え需要発生との関係性は、下記リンク先の「国内新車販売統計(2016 年2月)
」ページ 10~11 を
参照されたい。https://www.yokohama-ri.co.jp/html/report/pdf/shinsha1602.pdf
10
浜 銀 総 研
調 査 速 報
図表 24 中古乗用車輸出台数(SAAR)は3か月連続増
中古乗用車輸出台数の推移
季調済、万台
140
16年11月 SAAR 101万台
前月比+5.4%
中古乗用車輸出金額の推移
億円
前年同月比、%
800
80
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
SAARの3か月後方移動平均値(左軸)
前年同月比(右軸)
120
前年同月比、%
図表 25 輸出金額は8か月連続の前年割れ
80
輸出金額
前年同月比(右軸)
16年11月435億円
前年同月比▲18.3%
60
700
100
40
600
40
80
20
500
20
60
0
400
0
40
-20
300
-20
20
-40
11年 70.0万台
前年比+4.1%
12年 83.1万台
前年比+18.7%
13年 94.8万台 14年 106.0万台
前年比+14.1% 前年比+11.8%
15年 102.2万台
前年比▲3.2%
0
200
-40
11年 3,529億円 12年 3,933億円
前年比+2.2% 前年比+11.4%
-60
.
2011年
12
13
14
15年 6,614億円
前年比+10.0%
-60
.
16
2011年
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
12
13
14
.
15
16
注:
赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
出所: 財務省「貿易統計」より浜銀総合研究所が作成
図表 26 ミャンマー、NZ、UAE 向け輸出が伸長
図表 27 中古乗用車の単価下落が続く
仕向地別中古乗用車輸出台数の推移
季調済、万台
ロシア(16年11月SAAR 5.3万台)
25
ミャンマー(7.7万台)
チリ(6.6万台)
スリランカ(1.8万台)
バングラデシュ(2.3万台)
20
13年 4,959億円 14年 6,013億円
前年比+26.1% 前年比+21.2%
100
.
15
60
仕向地別中古乗用車FOB平均価格の推移
千円
ニュージーランド(13.6万台)
アラブ首長国連邦(12.6万台)
アフリカ南部・東部6か国(16.4万台)
シンガポール(1.4万台)
15
10
千円
800
800
700
700
600
600
500
500
400
400
300
300
200
200
5
ロシア
アラブ首長国連邦
全世界
100
0
0
.
2011年
12
13
14
ニュージーランド
チリ
ミャンマー
アフリカ南部・東部6か国
0
.
.
15
12
2011年
16
100
13
14
15
.
16
注:
アフリカ南部3か国:南アフリカ、モザンビーク、ザンビア、東部3か国:ケニア、タンザニア、ウガンダ。 注1: アフリカ南部3か国:南アフリカ、モザンビーク、ザンビア、東部3か国:ケニア、タンザニア、ウガンダ。
注2: FOB平均価格は輸出金額を輸出数量で除した。
注:
SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
出所: 財務省「貿易統計」より浜銀総合研究所が作成
図表 28 スリランカ向けは低位横ばいが続く
季調済、千台
80
70
図表 29 スリランカ向け中古軽乗用車輸出は軟調推移
スリランカ向け中古乗用車輸出台数とFOB平均価格の推移
千円/台
5,000
16年11月 SAAR 1.8万台 3,000
4,500
前月比▲17.1%
FOB平均価格(右軸)
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
2,500 4,000
60
3,500
2,000
50
12年 0.7万台
前年比▲74.1%
40
1,500
2,500
中古軽乗用車輸出台数とスリランカ向けFOB平均単価の推移 万円
140
その他地域向け輸出台数(左軸)
スリランカ向け輸出台数(左軸)
スリランカ向けFOB平均単価(右軸)
120
100
スリランカ中古軽乗用車輸出台数
2015年累計 13,825台
FOB平均価格 112万円
(新車43位 福井県13,777台)
80
60
2,000
30
1,000 1,500
20
10
3,000
台
40
過去最高
15年7月
2,185台
1,000
500
11年 2.7万台
前年比+20.3%
15年 5.2万台
13年 1.7万台
14年 3.2万台
前年比×1.4% 前年比+90.5% 前年比+62.1%
.
2011年
12
13
14
15
20
0
0
0
500
0
.
.
2012
16
13
14
15
16
注1: スリランカ向けFOB平均単価が計算できない月は輸出台数が0台であった。
出所: 財務省「貿易統計」を基に浜銀総合研究所が作成
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
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浜 銀 総 研
調 査 速 報
図表 30 シンガポール向け輸出(SAAR)は5か月連続の減少
シンガポール向け中古乗用車輸出台数とFOB平均価格の推移
季調済、千台
80
70
FOB平均価格(右軸)
季節調整済年率換算値:SAAR(左軸)
千円/台
4,000
3,500
16年11月 SAAR 1.4万台
前月比▲4.1%
60
3,000
50
2,500
40
2,000
15年 14,885台
前年比4.2倍
30
20
11年 1,403台
12年 996台
前年比▲1.1% 前年比▲29.0%
13年 1,186台
前年比+19.1%
1,500
1,000
14年 2,857台
前年比1.4倍
10
500
0
0
.
2011年
12
13
14
15
.
16
注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。
注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。
出所: 財務省「貿易統計」より作成
本レポートの目的は情報の提供であり、売買の勧誘ではありません。本レポートに記載されている情報は、浜
銀総合研究所・調査部が信頼できると考える情報源に基づいたものですが、その正確性、完全性を保証する
ものではありません。
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