平成27年度 三宅町財務状況把握の結果概要

三宅町
平成27年度 三宅町財務状況把握の結果概要
都道府県名
団体名
奈良県
三宅町
財政力指数
0.29 標準財政規模(百万円)
H28.1.1人口(人)
2,395
7,095 平成27年度職員数(人)
面積(K㎡)
119
4.06 人口千人当たり職員数(人)
16.8
<人口構成の推移>
(単位:千人)
年齢別人口構成
総人口
年少
人口
(15歳未満)
構成比
生産年齢
人口
(15歳~64歳)
構成比
産業別人口構成
老年
人口
(65歳以上)
第一次
産業
就業人口
構成比
構成比
第二次
産業
就業人口
第三次
産業
就業人口
構成比
構成比
12年国調
8.0
1.1
13.6%
5.5
69.0%
1.4
17.4%
0.1
2.5%
1.5
38.4%
2.2
59.0%
17年国調
7.8
1.0
12.4%
5.1
65.2%
1.7
22.4%
0.1
2.4%
1.2
34.5%
2.2
62.9%
22年国調
7.4
0.8
11.4%
4.6
61.4%
2.0
27.2%
0.0
1.6%
1.0
32.5%
2.0
65.9%
22年国調
全国
13.2%
63.8%
23.0%
4.2%
25.2%
70.6%
奈良県
13.2%
62.8%
24.0%
2.7%
24.1%
73.2%
◆ヒアリング等の結果概要
【資金繰り状況】
【債務償還能力】
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
23年度
40%
債
務
償
還
可
能
年
数
30%
行
政
経
常
収
支
率
0月
20%
15
6月
12月
10%
18月
年
24月
30月
0月
10%
2月 3月
1月
-10%
実質債務月収倍率
5月
6月
7月
8月
9月
積立金等月収倍率
積立低水準
-
-
-
4月
[要因分析]
建設債
収支低水準
27年度
20%
債務高水準
積立低水準
26年度
0%
[財務上の問題]
債務高水準
25年度
30%
行
政
経
常
収
支
率
0%
-10%
24年度
40%
実質的な
債務
債務負担行為に基づく
支出予定額
公営企業会計等の
資金不足額
土地開発公社に係る
普通会計の負担見込額
第三セクター等に係る
普通会計の負担見込額
その他
その他
建設投資目的の
取崩し
資金繰り目的の
取崩し
収支低水準
-
地方税の減少
-
-
人件費・物件費の
増加
-
-
扶助費の増加
-
-
補助費等・
繰出金の増加
-
-
その他
-
-
-
その他
三宅町
◆財務指標の経年推移
類似団体区分
町村Ⅱ-2
<財務指標>
平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度
類似団体
平均値
全国
平均値
債務償還可能年数
5.1年
4.4年
3.1年
3.1年
1.5年
5.7年
7.2年
実質債務月収倍率
9.5月
8.0月
6.4月
5.1月
3.2月
7.5月
8.7月
積立金等月収倍率
4.5月
5.2月
6.6月
7.3月
8.1月
8.6月
7.3月
行政経常収支率
15.7%
15.2%
16.9%
13.5%
17.7%
15.3%
14.1%
(単位:年)
債務償還可能年数5ヵ年推移
当該団体指標
0
全国平均
実質債務月収倍率5ヵ年推移
(単位:月)
類似団体平均
当該団体指標
全国平均
類似団体平均
0
5
6
10
12
15
18
20
24
25
30
30
23年度
(単位:月)
24年度
25年度
26年度
27年度
積立金等月収倍率5ヵ年推移
当該団体指標
9
全国平均
23年度
(単位:%)
24年度
25年度
26年度
27年度
行政経常収支率5ヵ年推移
類似団体平均
当該団体指標
全国平均
類似団体平均
30
8
25
7
6
20
5
15
4
10
3
5
2
0
1
0
-5
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
<参考指標>
(単位:億円)
(27年度)
健全化判断比率
早期健全化
基準
団体値
財政再生
基準
-
15.00%
20.00%
連結実質赤字比率
-
20.00%
30.00%
2.3%
25.0%
35.0%
16.0%
350.0%
将来負担比率
24年度
25年度
26年度
27年度
基礎的財政収支(プライマリー・バランス)
5ヵ年推移
当該団体指標
全国平均
類似団体平均
40
20
実質赤字比率
実質公債費比率
23年度
-
0
-20
-40
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
基礎的財政収支 ={歳入-(地方債+繰越金+基金取崩)}
-{歳出-(公債費+基金積立(※))}
(※)基金積立には決算剰余金処分による積立額を含まない。
※1.債務償還可能年数について、分子(実質債務)がマイナスとなる場合は「0.0年」、分母(行政経常収支)がマイナスとなる場合は「-」(分子・分母ともマイナスの場合は「0.0年」)として表示している。
2.右上部表中の「類似団体平均値」及び「全国平均値」については、各団体の26年度計数を単純平均したものである。
3.上記グラフ中の「類似団体平均」の類型区分については、26年度の類型区分による。
4.平均値の算出において、債務償還可能年数と実質債務月収倍率における分子(実質債務)がマイナスの場合には「0(年・月)」として単純平均している。
三宅町
◆行政キャッシュフロー計算書
(百万円)
平23
平24
平25
平26
平27
■行政活動の部■
3,000
643
101
1,624
377
625
89
1,718
407
626
98
1,693
355
629
106
1,702
361
604
156
1,867
446
分担金及び負担金
・寄附金
39
35
33
35
34
使用料・手数料
75
24
75
11
78
25
78
20
74
20
行政経常収入
2,883
2,961
2,908
2,932
3,203
人件費
828
489
7
274
368
403
61
2,431
452
25
477
897
497
7
279
355
423
54
2,512
449
17
467
887
465
3
277
319
414
49
2,415
493
85
579
951
480
11
306
340
403
43
2,534
398
18
416
932
541
6
315
360
443
37
2,633
569
18
587
27
44
29
39
249
400
地方税
地方譲与税・交付金
地方交付税
国(県)支出金等
事業等収入
物件費
維持補修費
扶助費
補助費等
繰出金(建設費以外)
支払利息
(うち一時借入金利息)
行政経常支出
行政経常収支
特別収入
特別支出
行政収支(A)
分担金及び負担金
・寄附金
財産売払収入
貸付金回収
基金取崩
投資収入
普通建設事業費
繰出金(建設費)
投資及び出資金
貸付金
基金積立
投資支出
投資収支
(うち臨財債等)
翌年度繰上充用金
財務収入
元金償還額
(うち臨財債等)
前年度繰上充用金
財務支出(B)
財務収支
収支合計
償還後行政収支(A-B)
(うち地方債現在高)
積立金等残高
1,500
1,000
500
0
平23
平26
平27
地方税
地方交付税
国(県)支出金等
その他収入
人件費
扶助費
補助繰出
その他支出
(百万円)
800
1
-
-
300
7
17
0
70
212
0
212
▲ 142
11
12
0
55
249
10
260
▲ 205
4
12
0
55
153
69
222
▲ 167
26
18
0
294
490
0
182
672
▲ 378
200
163
( 145 )
163
769
( 92 )
769
▲ 606
96
▲ 292
213
( 150 )
213
333
( 101 )
333
▲ 120
205
134
261
( 137 )
261
307
( 111 )
307
▲ 46
327
271
178
( 132 )
178
310
( 130 )
310
▲ 132
116
106
272
( 126 )
272
297
( 124 )
297
▲ 26
183
290
投資収入と投資支出の経年推移
100
0
平23
(百万円)
900
1,570
( 3,192 )
1,621
1,254
( 3,059 )
1,806
863
( 3,034 )
2,171
平24
平25
平26
平27
貸付金回収
国(県)支出金
その他収入
貸付金
普通建設事業費
その他支出
財務収入と財務支出の経年推移
800
700
600
500
平11
平12
平13
平14
平15
平16
平17
400
300
200
100
0
平23
1,964
( 3,238 )
1,274
平25
600
2
2,288
( 3,357 )
1,069
平24
700
2
■参考■
実質債務
2,000
19
19
280
346
120
1
121
226
■財務活動の部■
地方債
2,500
500
■投資活動の部■
国(県)支出金
行政経常収入・支出の経年推移
(百万円)
3,500
平24
平25
建設債等
財務支出
平26
臨財債等
(注)棒グラフの左が収入を表し、右が支出を表している。
平27
三宅町
◆ヒアリングを踏まえた総合評価
◎債務償還能力について
債務償還能力は、債務償還可能年数及び債務償還可能年数を構成する実質債務月収倍率と行
政経常収支率を利用して、ストック面(債務の水準)とフロー面(償還原資の獲得状況)の両面から
分析したものである。
【債務償還能力】留意すべき状況にはないと考えられる。
ストック面において、実質債務月収倍率が18.0月未満であり低いことから問題はないと考えられ
る。また、フロー面においても、行政経常収支率が10.0%以上であり高いことから問題はないた
め、債務償還能力は留意すべき状況にはないと考えられる。
【財務指標】(補正なし)
実質債務月収倍率 3.2月
行政経常収支率 17.7%
債務償還可能年数 1.5年
◎資金繰り状況について
資金繰り状況は、積立金等月収倍率と行政経常収支率を利用してストック面(資金繰り余力の水
準)及びフロー面(経常的な資金繰りの余裕度)の両面から分析したものである。
【資金繰り状況】留意すべき状況にはないと考えられる。
ストック面において、積立金等月収倍率が3.0月以上であり高いことから問題はないと考えられ
る。また、フロー面においても、行政経常収支率が10.0%以上であり高いことから問題はないた
め、資金繰り状況は留意すべき状況にはないと考えられる。
【財務指標】(補正なし)
積立金等月収倍率 8.1月
行政経常収支率 17.7%
※ 年表示について、元号の記載のない場合は、「平成」とする。
※ 債務償還能力及び資金繰り状況について、以下のとおり計数補正を行っている。
(23年度以降において補正のあった科目・指標のみ記載)
○補正科目
投資収入(基金取崩) :23年度 669百万円減額補正
行政特別収入(誤差) :23年度 669百万円増額補正
(補正理由)
土地開発基金における土地分の取崩しに伴う収入が計上されていることから、現金入出金の実態に合わ
せるため。
○財務指標(補正前→補正後)
変更なし。
三宅町
◎財務の健全性等に関する事項
債務償還能力及び資金繰り状況に関する財務上の問題が生じていない要因は以下のとおりと
考えられる。
【債務高水準に該当していない要因】
貴町では、11年度から12年度にかけて保健福祉施設(あざさ苑)建設事業を実施(起債額:1,820
百万円)したことや15年度にかけて小集落地区改良事業(13年度から15年度の起債額:157百万
円)を実施したこと等に伴い多額の地方債を発行した結果、地方債残高は15年度に平成元年以降
で最も高い水準(5,533百万円)にあり、同年度時点の実質債務月収倍率は当局の基準(18.0月)を
上回り、かつ債務償還可能年数も当局の基準(15.0年)を上回ったため、債務高水準に該当してい
た。
16年度以降は、普通建設事業については予算査定時において必要性や緊急性を勘案して実施
し、抑制に努めてきたほか、国庫補助や県補助を積極的に活用し、交付税措置のない地方債につ
いては極力発行しないようにするなど起債の抑制に努めてきたことから地方債残高が一貫して減
少しているため、実質債務月収倍率は低下し、19年度に債務高水準を解消している。その後も、
引き続き起債の抑制に努めていることや、23年度に一般財源等の充当により繰上償還を行った
(437百万円)ことから、地方債残高の減少が進んでいる(27年度残高:3,034百万円、15年度比▲
45%)。加えて、後述のとおり積立金等残高も増加しているため、20年度以降、実質債務月収倍率
は一貫して低下しており、27年度は3.2月と当局の基準を大きく下回っていることから、債務高水準
に該当していない。
【積立低水準に該当していない要因】
貴町では、過去から災害等の発生による突発的な財政負担に対応するため決算剰余金を財政
調整基金へ積み立ててきたことや小集落地区改良事業等に係る地方債の償還に対応するため減
債基金を積み立ててきたこと等から、18年度時点において積立金等月収倍率は4.7月と当局の基
準(3.0月)を上回り、問題のない水準にあった。
その後は、保健福祉施設(あざさ苑)建設事業に係る地方債の繰上償還のための財源として22
年度に減債基金の取崩しを行ったものの、23年度以降は近鉄石見駅周辺整備事業に係る地方債
の償還に対応するため継続して積立てを行っているほか、財政調整基金についても決算剰余金を
原資に引き続き積立てを行っている。以上のことに加え、27年度に役場庁舎の耐震化及び改修費
用を賄うため決算剰余金を原資に公共施設等整備基金へ積み立てていること等から積立金等残
高は19年度以降増加傾向にある(27年度残高:2,171百万円、18年度比1,202百万円の増加)。
その結果、27年度の積立金等月収倍率は、8.1月まで上昇し、引き続き当局の基準を上回ってい
ることから、積立低水準に該当していない。
【収支低水準に該当していない要因】
貴町では、18年度時点において、収入面で地方交付税が国の三位一体改革により減少したこと
や、支出面で少子高齢化による扶助費の増加等により、行政経常収支率は当局の基準(10.0%)
を下回っていたことに加え、上述のとおり債務水準が高く、債務償還可能年数も当局の基準(15.0
年)を上回っていたことから、収支低水準に該当していた。
19年度以降は、保健福祉施設(あざさ苑)の建設に際し発行した地域総合整備事業債の償還額
について、基準財政需要額の算定上、補正係数の上乗せがあったことや、臨時財政対策債の元
金償還額が増加傾向となっていることなどから、地方交付税が増加傾向となっている。また、貴町
では18年度に策定した第1次三宅町集中改革プランに基づき、税の徴収率向上やごみ袋の有料
化等の手数料の見直しを行うなど自主財源の確保に努めてきた。
一方、支出面においても、上記集中改革プラン等に基づき、職員数の削減や常勤特別職給与の
カット、地域手当等の諸手当の見直しに取り組み、人件費の抑制に努めているほか、委託料の削
減のために契約内容の見直しを行い、職員での対応等に切り替えるなど、物件費の抑制にも努め
てきた(26年度人口一人当たりの物件費:16位/類似団体91団体中)。
その結果、20年度以降は行政経常収支率が改善し当局の基準を上回る水準で推移しており、27
年度も17.7%と問題のない水準となっていることから、収支低水準に該当していない。
三宅町
【今後の見通し】
○収支計画の名称、策定年月及び計画期間
「財政見通し」(策定年月:28年9月策定、計画期間:28~32年度)
○債務償還能力について
ヒアリングによれば、ストック面(債務の水準)については、近鉄石見駅周辺整備事業(23年度か
らの継続事業)等の必要な事業は実施するものの、引き続き普通建設事業を抑制するなど起債を
抑制しているため、約定償還が進むことから地方債残高の減少が見込まれている。そのため、後
述のとおり積立金等残高の減少を見込んでいるものの、実質債務月収倍率は低下し、当局の基
準を大きく下回っているため引き続き問題のない水準となる見通しである。
フロー面(償還原資の獲得状況)については、収入面では人口減少等により地方交付税が大幅
に減少することを見込んでいる。これに加え、支出面ではマイナンバー関連経費の増加等に伴い
物件費が増加することや、高齢化の進行により、介護保険特別会計や後期高齢者医療保険特別
会計への繰出金が増加することを見込んでいること等から行政経常収支率は大幅に低下し当局
の基準を下回るものの、債務償還可能年数が15.0年未満であることから、引き続き問題のない水
準となる見通しである。
以上より、債務償還能力の見通しについては、留意すべき状況にはないと考えられる。
[財務指標の見通し(計画最終年度)]
実質債務月収倍率 ▲1.0月 (低下する見通し)
行政経常収支率 5.9% (大幅に低下する見通し)
債務償還可能年数 0.0年 (短期化する見通し)
○資金繰り状況について
ヒアリングによれば、ストック面(資金繰り余力の水準)については、上記の近鉄石見駅周辺整備
事業等の財源として、財政調整基金を取り崩すことに加え、地方交付税の減少等により歳計現金
が減少することを見込んでいることから、積立金等残高の減少が見込まれているものの、積立金
等月収倍率は問題のない水準で推移する見通しである。
フロー面(経常的な資金繰りの余裕度)については、上述のとおり、行政経常収支率は大幅に低
下し、やや低い水準となるものの、0.0%を上回ることから問題のない水準となる見通しである。
以上より、資金繰り状況の見通しについては、留意すべき状況にはないと考えられる。
[財務指標の見通し(計画最終年度)]
積立金等月収倍率 8.2月 (概ね横ばいで推移する見通し)
行政経常収支率 5.9% (大幅に低下する見通し)
【その他の留意点】
○公共施設等総合管理計画について
貴町が現在策定中の同計画によれば、今後、大規模改修や建替時期を迎える公共施設の更新
費用について、66年度までの40年間の費用総額が109億円に達すると見込まれている。上述のと
おり、今後は人口減少等に伴う地方交付税の減少等により、一般財源の減少が見込まれる状況
下で、個別計画が策定され、事業を実施した場合には基金の取崩しや多額の起債が行われ、指
標値が悪化する可能性があることから、同事業の実施に伴う財政状況への影響について留意す
る必要がある。
○山辺・県北西部広域環境衛生組合について
28年4月にごみ処理広域化による行政効率の大幅な向上等を目指して、天理市を中心に山辺・
県北西部広域環境衛生組合(貴町を含め10市町村で構成)が発足し、今後、同市内に広域のごみ
処理施設の建設を予定している(事業費約160億円、35年度に稼働予定)。そのため、今後同組合
へのごみ処理施設の建設に係る多額の負担金が発生する可能性もあることから、同組合に対す
る補助費の増加による財政状況への影響には留意する必要がある。