平成28年度 北海道小学校長会地区活性化支援事業【実践事例レポート】 1報 告 地 区 : 日 高 地 区 2 事例報告学校名 : 新ひだか町立高静小学校 3報 告 者 : 校長 久 保 田 達 也 4キーワード : 教師と子どもが共によく学ぶ学校に 1 はじめに 本校は、明治5年に目名教育所として創設され、開校145年の歴史と伝統を誇る学校です。現在、学級 数21(特別支援学級4)児童数519名の管内一の学校規模となっています。 今年度は、子どもが、事故なく、元気に、楽しく学ぶ学校を目指して、知・徳・体の重点を明確にした学 校経営を進めています。中でも、学力向上を重点課題として、校内研修を学校経営の中核に据え、研修の日 常化を図りながら授業力の向上と授業改善に学校全体で取り組んでいます。 2 本校の教育活動 (1)確かな学力を育てる取組 本校では、教えるべきことはきちんと教え、それを徹底する学習指導で確かな学力を育てる取組を進めて います。校内に「学力向上推進教師」を位置付け、推進教師を中心にして「学力向上プラン」に基づく取組 を学校全体で進めています。 ① 研修の日常化による授業改善の取組 本校では、日常実践に生きる研修を進めるため、学年の研究 授業を行う際にプレ授業を位置付け、 全員が授業公開を行って 授業力を高めるよう取り組んでいます。また、学習会(年間5 回)とミニ研修(年間5回)を設定し、授業づくりの基本につ いて学習を深めています。子どもの思考を深める「書く活動」 を重点として、板書・ノート指導の取組、学習形態の工夫とし てペア学習と小グループ学習を位置付けた学習活動を進めて 授業研修会での道徳の時間の公開 います。さらに、学習規律や学習過程を学校全体で統一して取 り組んでいます。この取組により学習環境を整え、学習課題の 設定で学習を見通し、書く活動で思考を深め、まとめや確かめ の活動で学習内容を確実に定着できるようにしています。 11月には、教師が共に学び合う場として「授業研修会」を 開催しました。研究授業公開と研究協議を通して、参加者とと もに研修を深めることができました。 ② 学習状況に応じた指導とICT機器の活用の取組 本校では子どもの学力差に対応するため習熟度別指導を行 っています。3年生以上の算数科において、学力調査の結果等 を踏まえて、 課題のある単元において重点的に習熟度別指導を 算数教室の「ぐんぐんコース」 実施しています。学習の理解や定着の程度に応じて、子どもが 「ぐんぐんコース」 「じっくりコース」の2コースに分かれ、 算数担任と学級担任による指導を行っています。また、今年度 から全学級に書画カメラ・プロジェクターが導入され、ICT 機器を活用した指導を進めています。特に、算数の習熟度別指 導においては、 デジタル教科書を積極的に活用することにより、 指導方法の工夫改善を行うようにしています。 5年教室の「じっくりコース」 (2)豊かな心を育てる取組 本校では、子どもの心に寄り添う指導を行うことを基本に、道徳の時間の指導や特別活動の児童会活動な どにおいて、豊かな心を育てる取組を進めています。 ➀ 道徳の時間を要とした取組 本校の道徳教育の重点目標を「きまりを守って行動」 「思い やり、協力し合って活動」 「責任をもって行動」に設定し、道 徳教育の全体計画及び別葉の見直しと検討、 道徳の時間の年間 指導計画の改善を進め、 学校ぐるみで道徳実践に取り組んでい ます。特に、全学年35時間分の道徳の時間の指導略案、ワー クシート、読み物資料、掲示資料などを「道徳セット」として 整備し、学級担任が授業をしやすくする環境を整えています。 また、校内研修においては、 「考える道徳」の授業を目指し、 学習会やミニ研修の場を設定したり研究授業を行ったりして 上:道徳セット 下:提示資料 学習指導の改善を進めています。特に、ねらいに深く関わる発 問、書く活動、学習形態の在り方を視点に進めています。道徳 の時間は、全ての学級で参観日に公開することとしています。 また、学期1本、年間計3本の実践記録を書くことによって、 道徳の時間を振り返り改善に努めています。 11月の「授業研修会」においては、町内外に道徳及び教 科の授業を公開しました。 授業後の研究協議では、道徳と算 数の分科会ごとに小グループで協議を行い、 大変充実した研修 会を行うことができました。 ② 「笑顔いっぱい宣言」の取組 「笑顔いっぱい宣言」は、子ども自らが、仲良く楽しく過ご せる学校をつくるためにがんばることを宣言したものです。 今 年度は、児童会活動において、明るく元気なあいさつを呼びか ける「あいさつ運動」 、友達同士ですなおに気持ちを伝え合う 「ありがとう、ごめんね運動」 、みんなで協力して仲良く活動 する児童集会 「高静サマーフェスティバル」 に取り組みました。 子どもと教師が一つになって学校全体で取組を進めることが できました。 ③ 「ボランティア活動」の取組 本校の児童会では、ボランティア活動の一環として、 「リン グプル」と「ペットボトルキャップ」の収集に取り組んでいま す。集めたリングプルとキャップは換金して、社会福祉協議会 に寄付し、 町の社会福祉の充実に役立ててもらうことにしてい ます。子どもが進んで取り組む活動として大切にしています。 3 おわりに 本校では、今後、子ども、保護者、地域の願いに応えるべく、新しい教育に向けた移行の準備を確実に行 っていきます。特に、新たに教科となる英語や道徳については、学校全体で研修を深めます。特に、道徳の 時間については、次年度から町内一斉に「評価」の実施が予定されています。現在、 「評価」の学習をはじめ、 実施に向けた検討を行っています。また、今年度より導入されたICT機器の活用については、デジタル教 材の一層の整備を含め、有効な活用を図れるよう更に研修を深めていきます。
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