<1 回生の専門科目概要> 【学域共通】 ・東アジア研究入門講義(コア科目) 本講義は、東洋研究学域に含まれる中国文学・思想専攻、東洋史学専攻、現代東アジア 言語・文化専攻それぞれの研究内容を知るための授業です。初めに東アジアにおける歴史 展開や文化について概観した上で、東アジア研究学域所属の中国文学・思想、東洋史学、 現代東アジア言語・文化の 3 専攻における研究対象、研究課題、研究方法などについて紹 介します。2 回生進級時の専攻選択に向けて、この講義を通して自分の興味のある研究分 野やテーマを見つけてください。 ・東洋学のための言語入門(コア科目) 古代から現代におよぶ東洋の歴史や文化を理解するためには、その言語に習熟する必要 があること、言うまでもありません。学域での幅広い学習のためには、現代中国語と朝鮮 語、さらに古典中国語(漢文)について理解することが必要であり、本講義ではその基礎 的な知識や語法などについて学びます。 ・研究入門Ⅰ・Ⅱ(コア科目) 本学域で4年間、さまざまな学問や研究テーマを楽しく学んでゆくための基礎を作るの がこの科目です。個人単位やグループ単位で与えられるいくつかの課題に取り組むことで、 文献や資料の調査法や読解の技術、口頭発表や討論のしかたなど、具体的な研究の方法に ついて学んでいきます。詳しくは後掲の「研究入門の学び方」を参照して下さい。 ・中国イニシエーション実習(実習科目) 主として中国に初めて行く人のための実習です。中国に 10 日から 15 日間程度滞在し、 中国語の授業を受けるほか、学生交流、フィールドワークなどを行います。 ・韓国イニシエーション実習(実習科目) はじめて韓国を訪れるビギナーのための実習です。韓国で 1 ~ 2 週間のフィールドワー クや文化体験、学生交流をはじめとする現地学習を行います。 【中国文学・思想専攻】 ・中国文学概論Ⅰ・Ⅱ(講義科目) (コア科目) 中国では古くから文学が発達してさまざまなジャンルが生まれ、世界の文学に大きな位 置を占めています。この科目では、古代から近世までの詩歌や散文、小説、文芸批評など、 各ジャンルについて系統的な解説が行われ、代表的作品や作家の紹介などもなされます。 東アジアに大きな影響を及ぼした中国古典文学を概観する講義です。 ・中国思想概論Ⅰ・Ⅱ(講義科目) (コア科目) 「諸子百家」と称されるように中国は思想の分野も古代から多様な発達を見せています。 この科目では、主として孔子・孟子が説いた儒家や老子・荘子の道家の思想など、中国の みならず東アジア世界に深く根付き、東洋的精神をはぐくんだ中国思想の特色、またその 思想史的展開などについて解説します。 【東洋史学専攻】 ・東洋史概論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ(講義科目)(コア科目) この科目は東アジアの歴史についての概説講義です。近代以前の東アジアは、漢字文化 圏とも呼ばれるように、中国を中心とした文化圏を形成していました。本講義では、前近 代を 4 つの時期に分けて、中国を中心とする東アジア世界の歴史展開を概観します。ただ し、専門科目としての概説ですから、歴史事実を並べただけの通史ではなく、学習者の視 野を広げ、問題意識を養うことを目的とします。したがってテーマを特定した講義の場合 もあります。ここで養われた問題意識は卒業論文で取り上げる時代を大まかに絞り込むの にも役立ちます。 【中国文学・思想専攻、東洋史学専攻】 ・「漢文入門」(講義科目)(コア科目) 近年、高校で漢文の学習が不足していることを考慮して、基礎的な漢文読解力をつける 目的で設けられた科目です。古典漢語で記された文学・思想作品や歴史書を読む力をつけ ることを目指し、学びの重要な基礎作りを行います。漢字と漢語の基礎知識・漢文訓読の 方法・漢文法の基本を習得し、訓点本、標点本さらに進んでは白文で散文を読み実力を養 成します。また、現代語の語法と比較して古典漢語の文法を深く理解するよう留意します。 【現代東アジア言語・文化専攻】 ・現代東アジア言語・文化概論Ⅰ(講義科目) (コア科目) この科目は、現代の東アジアにおける文化・社会・歴史に関する基礎的な知識を着実に 修得することを目的としています。対象地域は、主として中国(台湾・香港などを含む)・ 朝鮮半島ですが、日本との関係という視点を忘れるわけにはいきません。現代東アジアの 課題を立体的に学びます。 ・「現代東アジア言語・文化概論Ⅱ」 (講義科目) (コア科目) 東アジアという枠組を据えた上で、主として中国語圏(台湾・香港なども含みます)の 現代における文化・歴史・社会・政治・経済などについて概説する授業です。1 回生前期 に履修した「現代東アジア言語・文化概論Ⅰ」を踏まえて、特に中国における問題群を深 めていきます。ただし概論といっても専門科目としての概論ですので、視野を広げ問題意 識を養うことを目的としている点に留意して下さい。 ・「現代東アジア言語・文化概論Ⅲ」 (講義科目) (コア科目) 東アジアという枠組を据えた上で、主として朝鮮語圏の現代における文化・歴史・社会・ 政治・経済などについて概説する授業です。1 回生前期に履修した「現代東アジア言語・ 文化概論Ⅰ」を踏まえて、特に朝鮮半島における問題群を深めていきます。ただし概論と いっても専門科目としての概論ですので、視野を広げ問題意識を養うことを目的としてい る点に留意して下さい。 <2回生(以上)配当科目> [小集団科目] 「基礎講読Ⅰ・Ⅱ」(コア科目) 詩や散文の歴史と各作家の特徴・問題点を学ぶことを通し、正確で緻密な読解力の養成 と基礎的な研究法を獲得することを目標とするゼミです。漢文や中国語で書かれた文献に よりつつ、漢から近世の各種の作品を読解することを通じて、その歴史的変遷を学習しま す。専攻だけで受講し、グループ研究の発表形式で行うものですから、ぜひ読解力の向上 のみならず、研究方法の習得にも努め、活気あるクラスづくりを目指してください。 [講読科目] 「漢文文献読解」(コア科目) 1 回生配当の「東洋学のための言語入門」 「漢文入門」を承けて、漢文を読み理解する力 をさらに養成するための演習授業です。中国の古典文学や思想を理解するためには、漢文 文献の正確な読解が不可欠であり、その実践的なトレーニングは「中国文学・思想講読演 習」で行いますが、この授業では漢文を読むための基礎的な文法や語法、知識等について 習得することを目指します。 「中国文学・思想講読演習」(コア科目) 中国文学・思想で扱う文献は主として漢文あるいは中国語で書かれています。翻訳に頼 るのではなく、原文を正確に読解する力がなければ、研究に支障をきたします。この中国 文学・思想研究必須の正確な読解力を養成するために「中国文学・思想講読演習」が設け られています。「中国文学・思想講読演習」は複数開講され、古典の韻文、散文を対象とす るものに分かれます。ただし、この原則は担当教員の専門分野や学生諸君の要望などを勘 案して変更する場合があります。なお「中国文学・思想講読演習」は、4 科目 8 単位が必 修となります。 [講義科目] 「中国文学史Ⅰ・Ⅱ」 古代以降長い歴史をもつ中国文学の変遷を概説する講義です。文学史を色どる重要な作 家や有名作品の紹介もまじえ、それら作家・作品がもつ文学史的な意義について説明がな され、中国の文学の特色が一段と理解できるようになります。「中国文学概論」が中国文学 の概要についての講義であるのに対して、この「中国文学史Ⅰ・Ⅱ」では、時代やジャン ルを絞った専門的で高度な内容について習得します。単に知識だけではなく、研究対象へ の迫り方についても学んで下さい。 「アジアの文学」 中国の文学は、中国において高度に発展するとともに、周辺の諸国へも大きな影響を与 えました。この科目では、中国のみならず日本を始めとする周辺諸国の文学状況にも目を 配りながら、比較文学的な内容についての講義を行います。比較文学的な視点を養うこと によって、中国文学の共通性と独自性について学びとって下さい。 [特殊講義科目] 「中国文化特殊講義」 中国の文化に関する専門的な講義です。中国の文学や思想を学ぶ上で、その背景にある 文化を知ることはきわめて重要です。この科目では、音楽、飲食、茶、書道、服飾、風俗 など、中国のさまざまな文化について、専門の担当教員が講義を行います。 「中国文学・思想特殊講義」 中国文学・思想には多岐な研究分野があり、研究対象となる時代も広範ですが、この講 義は特定の研究分野に焦点を当て、これまでに、どのようなことがらが問題に取り上げら れ、それが如何に研究され、現在どのような研究情況にあるのか、そしてどのような課題 があるのかなどについて解説が行われる講義です。古典文学・思想だけでなく、漢字につ いての講義が行われることもあります。 [講義・スキル系科目] 「東洋学のための情報処理」 近年のコンピュータとネットワークの発達に伴い、東洋学の学習においてもこれらを積 極的に活用する技術が求められています。この授業では、1 回生の「リテラシー入門」で 学習した情報リテラシーの基礎にもとづいて、さらに中国語や朝鮮語の入力法、論文や書 籍の検索、東洋学向けのデータベースの利用法など、東洋学を学ぶために必要な技術につ いての講義と実習を行います。 [実習エリアスタディ] 学域の 2 回生以上配当科目として、 「東アジア現地実習」があります。詳細は現代東アジ ア言語・文化専攻のページを参照してください。 <3 回生(以上)配当科目> [小集団科目] 「専門演習Ⅰ・Ⅱ」(コア科目) 2 回生までに中国文学の基礎知識を修得したものが、さらに一歩進めて、作家や作品の 真相を究明するために必要な知識や方法を修得するべく、さまざまな訓練をする場です。 具体的には各種文献の調査や閲読を通じて原典を正確に読解し、また先行研究の成果を把 握し、文学史上の問題点を見つけ出し、それを追究することを目標としています。この演 習で得たものを、ぜひ卒業論文へとつなげてほしいと思います。 <4 回生(以上)配当科目> [小集団科目] 「専門演習Ⅲ・Ⅳ」(コア科目) 四年間の総決算である卒業論文を独自性のあるものに仕上げるとともに、他者の多様な 考え方を学び、柔軟な思考力を修得し、その成果を口頭発表や文章化できる能力を養い、 社会に適応する有用な人材に成長することを目標としています。授業の進め方は、各自の テーマにそった資料の収集と整理、文献資料の読解、関連論文の批評などを通じて、問題 点を整理し、論文の書き方を学ぶとともに、順次中間発表をしていく形式をとります。そ れぞれの発表に対して、受講生全員による質疑応答や、担当教員による講評などが行われ ます。 [卒業論文] 「卒業論文」 (コア科目) 卒業論文は、研究入門・リテラシー入門から基礎講読を経て演習に至る一連の学修過程 で体得した知識と方法を活用し、各人の具体的な研究主題を自分の力で掘り下げて究明し、 その成果を一つの体系だった論文という形にまとめるものです。 以上
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