港区子どもの未来応援施策(調査結果から見えた課題及び支援の方向性)について 別 紙 港区では、平成28年3月に「港区子どもの未来応援施策の方向性について」を策定し、平成28年度に「子どもの未来応援施策基礎調査」と「学びの未来応 援施策実態調査」の2つの調査を実施しました。港区においては、子どもの貧困対策を、経済的問題を有する家庭・子どもの問題だけにとどまることなく、その 家庭環境等において様々な問題を抱える家庭・子どもの問題にも積極的に取り組むこととし、「港区子どもの未来応援施策」として総合的に実施していきます。 課題と支援の方向性 1 教育・学習の支援 就学の援助、学習の支援その他の教育・学習に関する支援のために必要な施策により、その家 庭環境等において様々な問題を抱える子どもが、自らの能力・可能性を最大限に伸ばし、それぞ れの夢に挑戦できるよう、学習環境の安定を支援します。 子どもの未来応援施策基礎調査から見えた課題 【子どもの学習】 ヒアリング調査において、自宅が片付いていない、不衛生であ る、学習スペースがない、保護者の健康状態が不安定である等の 様々な家庭環境の影響による学習環境の不十分さにより、学習の 遅れが深刻な子どもの事例が見られました。 【支援の方向性(1)】 学びの未来応援施策実態調査から見えた課題 【子どもの将来への不安】 保護者アンケートでは、小学 4 年生の保護者で 4 割弱、中学 2 年生の保護者では約 5 割が子どもの将来について不安を抱えて おり、保護者からは学力保障が強く望まれています。特に中学2 年生の保護者からは、進路選択の時期が近づくことから、学力向 上への支援が切実に求められています。 2 ➤学習支援の推進 生活環境の安定の支援 子ども及びその保護者に対する生活に関する相談、子どもに対する社会との交流の機会の提供 その他の生活に関する支援により、その家庭環境等において様々な問題を抱える子どもが、毎日 の生活を身体的・精神的に安定して送れるよう、住環境も視野に入れながら、生活環境の安定を 支援します。 子どもの未来応援施策基礎調査から見えた課題 【子育ての状況】 子育てにおいて、まわりに頼れる人がおらず孤立している保護 者がいる現状が見えました。 また、ヒアリング調査で、衣食を十分に世話しない等のネグレ クトに近い養育力の低い保護者の事例が見られました。 【親と子どもの関係】 ヒアリング調査で、健康状態やDV、成育歴等による精神的な 不安定さなどによる保護者の不安や余裕のなさが影響して、子ど もが精神的に不安定となっている事例が多く見られました。 【子どもがおかれている状況】 ヒアリング調査の中で、近くに思いを受け止めてくれる信頼で きる大人がいない子ども、見本となる大人がまわりにいない子ど も、居場所がない子ども、親への愛情欲求が顕著な子ども等の状 況が見られました。 【地域での子育て】 ヒアリング調査において、子どもの支援にあたっている施設の 職員から、支援にあたって必要なこととして、地域のあたたかい 目が子どもたちや子育て家庭に向けられること、地域で子どもを 見守るためのネットワークづくり等があげられました。 【支援の方向性(2)】 学びの未来応援施策実態調査から見えた課題 【家庭教育環境、相談環境】 学校事例集では、家庭教育力の低い家庭で育つことにより起 きる生活習慣の乱れや家庭学習が定着していないなど様々な 課題があげられています。 3 【支援の方向性(4)】 ➤家庭教育の支援 【支援の方向性(5)】 ➤相談の充実 経済的安定の支援 (1)経済的支援 各種の手当等の支給、貸付金の貸付けその他の経済的支援により、その家庭環境等において 様々な問題を抱える家族の経済的安定を支援します。 子どもの未来応援施策基礎調査から見えた課題 【家計の状況と教育・進学にかかる費用】 【支援の方向性(6)】 アンケート調査の親や子ども自身の自由意見で、教育や進 ➤教育にかかる経済的 学についての経済的な不安が多く寄せられ、多くの家庭が、 支援の充実 教育・進学にかかる費用の負担の重さを感じており、子ども も深刻に悩んでいます。 また、ヒアリング調査においても、経済的な問題で子ども が塾に行ったり、進学したりすることを諦めなければならな い等の問題が多く見られました。 (2)保護者に対する就労の支援 保護者に対する職業訓練の実施及び就職のあっせんその他の保護者の自立を図るための就労 の支援により、家庭が経済的に安定できるよう支援します。 子どもの未来応援施策基礎調査から見えた課題 【支援の方向性(7)】 ➤ひとり親家庭への 【保護者の就労】 就労が長続きしない、子どもを抱えているため短時間労働に 就労支援の強化 ならざるを得ない、健康面で就労できないなどの就労の問題を 抱え、経済的に自立するための就労支援が必要な保護者が多く 見られました。 ➤子育て家庭の生活 や社会参加の支援 子どもの未来応援施策の基盤整備 【支援の方向性(3)】 ➤子どもの見本とな る大人の存在・地域 による支援 すべての子どもたちが環境に左右されず夢と希望をもって成長していける地域社会を実現する ために、地域の中で子どもの未来応援施策を推進していけるよう基盤を整備します。 子どもの未来応援施策基礎調査から見えた課題 【情報発信】 アンケート調査における子ども自身の自由意見で、進学費用 等の情報を求める声がありました。 また、ヒアリング調査において、子どもの支援にあたってい る施設の職員から、支援にあたって必要なこととして、地域に 対する「子どもの貧困」への理解促進があげられました。 【支援の方向性(8)】 ➤子どもに対する情報 発信 【支援の方向性(9)】 ➤地域に対する情報 発信
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