鈴鹿大使挨拶 - 在アフガニスタン日本国大使館

【鈴鹿大使挨拶】
皆さん、こんにちは。このたび在アフガニスタン日本国大使を命じられました鈴鹿でございます。
中村先生、このたびの旭日双光章の受章、まことにおめでとうございます。心よりお祝い申し上げ
ます。
中村先生が受賞された賞はこれだけではございません。これまでにも、外務大臣賞、厚生大臣賞、
その他、ジャーナリズム関係の賞や、いろいろな賞を、数多く受賞されております。そして、このた
びは、天皇陛下から旭日双光章を受章されました。
中村先生の受章の理由でございますけれども、これは非常に、語れば尽きないほど多くの功績を
挙げられたわけですが、30年以上にわたって、アフガニスタン、それからパキスタンにおいて医療
活動を行い、また、2000年のアフガニスタンの大旱魃以来は、沙漠の緑化を通じて地域の農業
の振興に功績を挙げられました。また、それ以前には、1984年にペシャワールでアフガニスタン
難民のキャンプに入られまして、ハンセン病や感染症の治療、また医療サービスを、さまざまな地
域に、あるいは遠く離れた遠隔の地に届けてこられました。そういったことによりまして、アフガニ
スタン国民の皆さんの中で日本に対する信頼を非常に高められた。また、このような現地におけ
る活動を通じまして、何よりも、日本とアフガニスタンの間の友好関係の深化・拡大に非常に大き
な功績を収められた。そういうことが、大きな受章理由でございました。
のちほど、先生の方から、特にガンベリ沙漠の緑化プロジェクトについてお話がありますので、私
がここでたくさんのことを申し上げるわけにはいかないのですが、ちょっと皆さん、後ろの方をご覧
になっていただければと思います。
ここに、写真を4枚掲げさせていただいております。
私がお客様をこちらの公邸にお迎えするときには、必ずこの写真をご紹介します。向かって左側
の写真、水はあっても周りは全くの沙漠であったところが、現在は、右下に掲げられておりますよ
うに緑で覆われた土地に変貌しています。
それからまた、向かって右側の写真は、山裾の、これは何もないところです。ここに灌漑を行って、
見事に右下の写真のように緑化された。こういうことを、私からお客様方に申し上げるわけですね。
プロジェクト前、プロジェクト後と。それで、最後には、真ん中の山の絵を示して、将来的にはこの
ような緑豊かな地になるんだと。こういうことを申し上げております。これをご覧になるお客様は、
アフガニスタンの方、外交団の方を問わず驚嘆の声を上げられます。
この治水・灌漑事業の特徴は、のちほど先生から詳しいご説明があると思いますが、日本の350
年前の技術、九州の山田堰で使用された技術を応用したものです。これを導入して、「暴れ川」と
いわれるクナール川を治水し、灌漑設備を築かれました。
また、特筆すべきことですが、これは一部の日本人がやっているのではなく、地域住民をすべて巻
き込んで、いわゆる我々が今言うところの「オーナーシップ」を最大限に発揮して、プロジェクトを計
画し、実施し、見事に成功させたということです。そういった意味で非常に大きな意義があります。
これらの功績は、もちろん、功績自体もさることながら、中村先生の情熱と、その誠実なお人柄、こ
れが地域住民の心を揺り動かしてこそ可能になったものである。このように思っております。
結びにあたりまして、中村先生のますますのご健勝と、ご家族のご多幸をお祈り申し上げて、私か
らの挨拶にさせていただきます。
どうもありがとうございました。