【素案全体版】分割2(6ページから15ページ)(PDF:616KB)

3
(2)
1
今後 5 年間の主要施策
今後5年間の主要施策
学校等と地域における子どものスポーツ機会の充実
目 標
子どものスポーツ機会の充実を目指し、学校等や地域において、すべての子ど
もがスポーツを楽しむことができるような環境の整備を図ります。
≪ 指 標 ≫
① 平成33年度までに子どもの体力が昭和60年頃の水準を上回る。
② 今後5年間、子どもの体力の向上傾向が維持される。
※ 文部科学省が実施する「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」での検
証による。
基本施策1 家庭とともに幼児期から取り組む体力向上
ア 現状と課題
○
本市の子どもの体力は、文部科学省が実施している「全国体力・運動能力、運動習慣等調
査」によると、ほぼ横ばい状態が続いているといえますが、全国的に体力水準が高かった昭
和60年頃と比較すると、基礎的運動能力は依然として低い状況にあります。
子ども(小・中学生)の体力・運動能力の推移
【男子】
50M走
ボール投げ
(秒)
(m)
5年
小学校
2年
中学校
昭和60
平成25
平成26
平成27
昭和60
平成25
平成26
平成27
全
9.10
9.38
9.38
9.38
29.85
23.19
22.90
22.52
県
9.18
9.39
9.36
9.40
28.55
23.99
23.96
23.36
市
9.21
9.39
9.34
9.40
28.20
23.49
23.42
22.63
全
8.13
8.04
8.03
8.01
22.39
21.01
20.86
20.65
県
8.05
8.16
8.13
8.12
21.81
20.76
20.81
20.52
市
8.01
8.11
8.10
8.09
21.57
20.70
20.55
20.67
-6-
3
今後 5 年間の主要施策
【女子】
50M走
ボール投げ
(秒)
(m)
5年
小学校
2年
中学校
昭和60
平成25
平成26
平成27
昭和60
平成25
平成26
平成27
全
9.41
9.64
9.64
9.62
17.04
13.94
13.90
13.77
県
9.40
9.64
9.61
9.60
17.47
14.53
14.53
14.34
市
9.41
9.61
9.60
9.61
16.98
13.77
13.87
13.86
全
8.81
8.88
8.87
8.84
15.42
12.97
12.88
12.83
県
8.74
9.00
8.92
8.94
15.05
13.09
13.04
12.96
市
8.72
9.00
8.92
8.96
14.86
12.72
12.65
12.44
<分析>
〇 指標①(今後10年以内に子どもの体力が昭和60年頃の水準を上回る。)
50M走については、全国・県・本市いずれも0.2秒ほど下回っている状況が続いている。ボール投げ
についても同様である。
〇 指標②(今後5年間、子どもの体力の向上傾向が維持される。)
50M走については、特に、中学生が向上傾向にある。ボール投げについては、小学生女子を除き、
やや低下傾向にある。
(出典)全国体力・運動能力、運動習慣等調査
※
ボール投げ:小学校はソフトボール投げ、中学校はハンドボール投げを実施している。
○
幼児期の運動は、子どもの意欲や協調性、認知的能力の発達を促して、望ましい生
活習慣づくりに資するとともに、生涯にわたる体力や健康、運動能力の基礎を養いま
す。また、体を動かすという人間の本源的な欲求を、遊びを通じて、今後のスポーツ
活動のスタートにつなぐものです。
○
運動は、食事や睡眠と連環して互いに効果的に作用しており、幼児の運動習慣づく
りには、生活習慣全般に関する家庭の理解や積極的な取組が重要となります。
イ
○
施策の方向性
幼児期の運動の重要性について、文部科学省の「幼児期運動指針」及びそのガイド
ブックの活用などにより、保護者に対する理解を促進するとともに、幼稚園、保育所
など保育に関わる人々に対して、意識の共有化を図ります。
○ 家庭における運動のきっかけを作り、習慣的に継続させるため、大人も楽しさを共
有できるような手法・手段の情報や機会を提供します。
-7-
3
ウ
今後 5 年間の主要施策
主な事業や取組
事
業
や
取
組
◇ 幼稚園や保育所などでの身体活動や外遊
びの有効性の啓発
担
当
課
・保健体育課
・学校教育課
・保育幼稚園課
◇ 親子向けのスポーツ教室や地域公民館の
健康づくり講座等の開催
《
市
民
み
ん
な
で
・保健体育課
・生涯学習課
》
日常生活の中で、子どもが家族といっしょに楽しく体を動かす取組に努めまし
ょう。
-8-
3
今後 5 年間の主要施策
基本施策2 学校体育の充実
ア 現状と課題
○
学校における体育に関する活動は、生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現す
るための基礎となるものであり、児童生徒が、スポーツの楽しさや喜びを味わえる
ようにするとともに、体力の向上を図ることが必要です。
○
体力の向上を図るには、運動とともに食事や睡眠など生活全般における望ましい
習慣を身に付けることが必要であり、家庭の理解や積極的な取組が重要です。
○
小学校においては、適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、生
涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てることが求められています。ま
た、中学校においては更に、運動や健康・安全についての理解と運動の合理的な実
践を通して、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育てることが求められてい
ます。
○
小学校では、運動の楽しさを十分に味わう授業を目指し、個別の指導や身体活動
の素晴らしさの紹介などを通して、運動への興味関心を高めることが必要です。中
学校では、必修化された武道をはじめ、スポーツへの興味関心を高めるとともに、
安全に体育の授業を行うための方策が必要です。
○
中学校の運動部活動では、生徒の参加率は一定水準を保っていますが、少子化に
伴う所属生徒数の減少等やスポーツ指導者の確保の困難さなどがあり、その解決や
望ましい運営と指導の充実を目指し、専門的な指導者の配置などが求められていま
す。
(出典) 鹿児島市教育委員会 保健体育課
-9-
3
○
今後 5 年間の主要施策
学校体育施設の耐震化は完了しています。今後は、事故の防止など安全面を配慮す
る点検や整備が必要となります。
イ
施策の方向性
○
体育の授業を充実するために、研修会や実技講習会等を充実させ、教員の指導力向
上を図ります。
○
体育の授業や運動部活動の充実と安全の確保のため、地域のスポーツ指導者などを
活用した指導協力体制の充実を図ります。
○
安全性の向上やスポーツ事故防止等についての教員等の研修の充実や、学校のスポ
ーツ用具の適切な保管管理に関する啓発等を図ります。
○ 子どもの体力の重要性に関して、家庭の理解促進を図る取組を推進します。
ウ
主な事業や取組
事
業
や
取
組
◇ 教員の資質・能力を高める講習会・研修会
担
当
課
・保健体育課
の実施
◇ 授業の安全・充実を図るための指導協力者
・保健体育課
の派遣
◇ 運動部活動の充実を図る「中・高等学校運
・保健体育課
動部活動活性化事業」
◇ 学校の体育活動の充実につながる「学校支
・生涯学習課
援ボランティア」の派遣
◇ 学校体育施設の整備
《
市
民
み
ん
な
・施設課、保健体育課
で
》
子ども一人一人が運動を好きになり、継続できるように見守り励ますとともに、
様々な形で学校との協力や連携を図りましょう。
- 10 -
3
今後 5 年間の主要施策
基本施策 3 地域社会において子どもがスポーツに親しむことができる環境整備
ア 現状と課題
○
価値観やライフスタイルの多様化が進む中、積極的にスポーツをする子どもとそう
でない子どもの二極化は本市においても同様で、特に小学生では平日の運動時間が少
ない状況にあります。
子どもの運動習慣(平成27年)
男子
平日
(分)
女子
土曜日
日曜日
総時間
平日
土曜日
日曜日
総時間
5年
小学校
2年
中学校
全
64.0
145.6
137.8
597.5
41.9
78.0
65.9
351.7
県
95.5
126.8
112.5
562.9
42.2
77.1
59.3
346.5
市
59.2
123.7
109.9
522.8
36.4
75.2
60.2
316.9
全
107.2
206.2
172.9
914.0
78.9
148.7
112.0
654.0
県
104.9
205.5
163.0
892.3
78.2
152.7
99.6
643.1
市
101.1
212.2
175.9
893.2
74.0
143.6
102.0
615.3
(出典)全国体力・運動能力、運動習慣等調査(平成27年実施)
- 11 -
今後 5 年間の主要施策
3
○
しかしながら、本市においては、運動やスポーツに対して「得意」という意識を持
つ子どもの割合に対して「好き」という意識を持つ子どもの割合が大きく、不得意意
識があっても運動やスポーツへの意欲をもっている子どもが存在することが推測さ
れます。
【小学校5年男子】
運動の得意・不得意
43.9
H 22
33.7
15.5
6.9
得意
やや得意
46.9
H 27
35.4
13.1
4.6 やや不得意
不得意
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
運動やスポーツの好き嫌い
71.5
H22
21.3
4.7 2.5
好き
やや好き
74.2
H27
19.3
4.52.0
やや嫌い
嫌い
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
【小学校5年女子】
運動の得意・不得意
32.0
H 22
36.7
21.9
9.4
得意
や や得意
29.0
H 27
0.0
39.8
20.0
40.0
23.0
60.0
80.0
8.2
や や不得 意
不 得意
100.0
勉強やスポーツの好き嫌い
H 22
60.5
26.8
8.7 4.0
好き
やや好き
54.2
H 27
0.0
20.0
32.7
40.0
- 12 -
60.0
9.3 3.8
80.0
100.0
やや嫌い
嫌い
今後 5 年間の主要施策
3
【中学校2年男子】
運動の得意・不得意
35.3
H22
38.5
17.7
8.5
得意
やや得意
33.3
H27
0.0
40.0
20.0
40.0
19.1
60.0
やや不得意
7.7
80.0
不得意
100.0
勉強やスポーツの好き嫌い
70.9
H 22
20.7
5.82.6 好き
やや好き
H 27
65.8
24.3
やや嫌い
6.0 3.9
嫌い
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
【中学校2年女子】
運動の得意・不得意
19.2
H 22
33.0
28.7
得意
19.0
やや得意
H 27
20.0
0.0
34.9
20.0
40.0
29.0
60.0
やや不得意
16.2
80.0
不得意
100.0
勉強やスポーツの好き嫌い
50.0
H 22
29.1
13.1
7.8
好き
やや好き
H 27
49.6
32.5
12.2
5.7
やや嫌い
嫌い
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
(出典)全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(平成22・27年実施)
- 13 -
100.0
3
○
今後 5 年間の主要施策
子どもが遊びやスポーツを通して自ら体を動かすことの楽しさを見出し、スポー
ツに継続的に親しむことができるために、地域においてスポーツ環境の充実を図る
ことが重要です。
○
地域における子どものスポーツの受け皿である地域スポーツクラブやスポーツ少
年団の活動には、指導者の確保や、学校の体育に関する活動との連携が望まれてい
ます。
○
障害のある子どものスポーツについて、障害の種別や程度に応じた配慮が求めら
れています。
イ
施策の方向性
○
幼児期において、運動習慣につながるような様々な外遊びが、身近な生活圏で気
軽に安心して楽しくできるよう、公園などの整備を行います。
○
運動習慣が身に付いていない子どもやスポーツが苦手な子どもが様々な身体活動
の中で運動を好きになるきっかけをつかむとともに、子ども一人一人がたくましく
生きる力を培うために、本市の豊かな自然環境を活かした野外体験活動やスポー
ツ・レクリエーション活動を促進します。
○
子どもの関心や適正等に応じて、多様なスポーツ活動が身近な生活圏で行われる
よう、学校、校区を取り巻く様々なスポーツ・レクリエーションの実施団体(地域
スポーツクラブやスポーツ少年団、あいご会や町内会など)及びその他のスポーツ
団体(総合型地域スポーツクラブや学校体育団体、競技団体、障害者スポーツ団体、
スポーツ・レクリエーション活動団体、野外活動団体など)などが連携する取組を
支援します。
○
障害者スポーツ団体等と連携を図りつつ、地域において障害のある子どもがスポ
ーツに親しめる機会の充実に努めます。
- 14 -
3
ウ
今後 5 年間の主要施策
主な事業や取組
事
業
や
取
組
担
◇ 公園の整備・適正な維持管理
・公園緑化課
◇ 野外体験活動を行える宮川野外活動セン
・青少年課
ターや冒険ランドいおうじま、少年自然の
当
課
・少年自然の家
家など青少年教育施設の運営
◇ スポーツ少年団活動の促進
・保健体育課
◇ 地域の体育館や海洋性スポーツ施設での
・保健体育課
少年向けスポーツ教室等の開催
◇ 地域スポーツクラブによる地域スポーツ
・保健体育課
教室等の運営
◇ 障害の種別や目的などに応じた各種スポ
・障害福祉課
ーツ・レクリエーション大会の開催
《
市
民
み
ん
な
で
》
身近な地域にある様々な場所や機会を積極的に利用して、子どもも大人もいっし
ょに体を動かしましょう。
- 15 -