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メッセージ
2016
ENVIRONMENTAL REPORT
Message
日本製薬工業協会 会長 あいさつ
環境安全委員会 委員長 あいさつ
日本製薬工業協会(製薬協)
は、
革新的で有用性の高い医薬品の開発と製薬産業の健全な
2015年12月12日にフランス・パリで開催されましたCOP21
(国連気候変動枠組条約第21回締約国
発展を通じて、
日本および世界の人々の健康と医療の向上に貢献することを目指す研究開発志
会議)
において、
2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が採択され、
2016年
向型製薬企業より成る団体です。
11月4日に発効されました。
この枠組みにより、
米国や中国、
インドなどの途上国を含む196か国・地域の
すべてが、
温暖化ガス削減の自主目標を作成し、
国内対策を実施する義務を負い、
また、
5年ごとに目
製薬産業を取り巻く環境は、
少子高齢化、
医薬品市場のグローバル化、
再生医療などの新規産
標を見直し、
世界全体で検証する仕組みも導入されます。
これらは、
地球温暖化の阻止へ歴史的な
業の進展、
薬価制度・税制に関わる様々な政策導入、
各国における政治的環境変化などの社会的
一歩を踏み出したと言えます。
世界的な温室効果ガス削減の取り組みがスタートする中、
各業界およ
日本製薬工業協会 会長
要因や政治的要因により、
日々目まぐるしく変わっています。
このような変化の激しい環境にあっても、
畑中 好彦
私たちに課せられた生命関連産業としての使命は今後も変わることはありません。
日本製薬工業協会
環境安全委員会 委員長
猪口 時男
び各企業が社会の要請に応え、
温室効果ガス削減に取り組むとともに気候変動による自然災害の防
止や生態系の保全に、
より一層積極的に取り組むことが重要になってくることは言うまでもありません。
日本製薬工業協会
(製薬協)
では、
製薬協および製薬協会員会社が目指すべき姿として
「製薬協
昨年度、
製薬協および製薬協会員会社が目指すべき姿として「製薬協 産業ビジョン2025」
を策定しました。本年度はこのビジョンの柱である
「世界に届ける創薬イノベーション」
を具現化する第一歩として、
次の4つの
産業ビジョン2025」
を策定しました。
そのビジョンの一つである
「志高き信頼される産業となる」
ため、
環境安全委員会では、
活動推
テーマを重要課題として取り組んでまいりました。
進のための人材育成を図りつつ、
持続可能な社会構築に向けた環境保全活動および安全衛生活動をより強化してまいります。
(1)
イノベーションの促進による医療の質の向上、
経済発展への貢献
また、
製薬協会員会社に留まらず、
日薬連傘下の他団体を牽引し製薬業界全体として、
豊かな地球環境を次世代の子供たちに
(2)国際展開の推進とグローバルヘルスへの貢献
引き継ぐために、
より一層貢献していきたいと考えております。
(3)
コンプライアンスの更なる徹底と国民の信頼感の一層の醸成
(4)産業理解の一層の推進
私たち、
製薬協では、
1996年に
「環境委員会」
を設置し、
一貫して地球温暖化対策、
廃棄物削減などに取り組んでまいりまし
た。
現在では労働安全衛生にも活動の範囲を広げ、
「環境安全委員会」
として環境部会、
安全衛生部会の2つの専門部会を
今後も、
常に世界に目を向け、
研究開発費の投資を通じて会員会社それぞれがイノベーションの促進に尽力するとともに、
中心に活動しています。
厚生労働省、
医薬品医療機器総合機構
(PMDA)
、
関連各団体やアカデミアとの連携を一層強化し、
ビジョン実現に向けたあら
地球温暖化対策では、
日本製薬団体連合会を通じて日本経済団体連合会(経団連)低炭素社会実行計画に参画し、
ゆる活動を通じて、
社会に対する価値・貢献への理解促進のために努めてまいります。
「2020年度の製薬企業のCO2排出量を、
2005年度を基準に23%削減する」
という目標を掲げ、
会員会社の積極的な取り組み
により順調に成果を上げております。
また、
低炭素社会実行計画フェーズⅡとして、
2030年度の目標「2005年度を基準に、
2030
事業活動を推進する上で、
地球規模での環境問題は、
喫緊の課題の一つです。
製薬協は、
2015年12月に開催された国連気
年度の炭素効率性を3倍に改善、
または、
CO2の排出量を40%削減することを目指す」
を、
新たに策定し取り組んでおります。
候変動枠組条約第21回締約国会議
(COP21)
で採択された「パリ協定」
を踏まえ、
業界としてさらなる低炭素社会の実現に向
省資源・廃棄物対策においても、
経団連の環境自主行動計画
(循環型社会形成編)
に参画し、
「2015年度の産業廃棄物最
けた環境保全の取り組みにまい進するとともに、
環境負荷を低減し、
自然環境と事業活動が調和した「持続可能な社会」の構築
終処分量を、
2000年度を基準に65%程度削減する」
という目標を掲げて3R
(リデュース、
リユース、
リサイクル)
活動を推進してき
と進展に貢献してまいります。
ました。
こちらも会員会社の積極的且つ継続的な取り組みにより、2015年度の会員会社の最終処分量は、基準年度である
2000年度実績から83.6%の減少となり、
目標を大幅に上回るとともに新たに循環型社会形成自主行動計画として2020年度目
今年度は、
1)
省エネルギー・地球温暖化対策、
2)
省資源・廃棄物対策、
3)
化学物質管理、
4)
労働安全衛生管理に関する取
標も策定し取り組んでおります。
り組みを事業計画に掲げ、
環境安全委員会が中心となって計画を推進いたしました。
特に、
省エネルギー・地球温暖化対策、
省
安全衛生活動においては、
工場、
研究所だけではなく、
すべての従業員が心身ともに健康で安全に仕事に取り組むための
資源・廃棄物対策については、
今後も日本製薬団体連合会と連携し、
経団連低炭素社会実行計画や循環型社会形成自主行
職場環境づくりを目指して、
労働災害および営業車両の調査研究を行っています。
その中で、
各社のデータを分析し考察を加
動計画を達成する責任を果たしてまいります。
えて情報共有し、
各社の取り組み事例についても紹介しています。
また、
従業員のメンタルヘルスへの対応や営業車両の交通
事故に関して研修会を実施しています。
製薬協は、
今後も「世界の人々の健康と福祉」および「日本の経済成長」への貢献を目指すとともに、
環境・安全に関する活動
を積極的に推進し、
患者さんを始めとする様々なステークホルダーの皆様との対話を通じて、
社会からの期待に応えてまいります。
製薬協では、
1999年から毎年「環境報告書」
を作成しています。
「環境報告書2016」
には、
上記で述べました製薬協の環境
保全・安全衛生に関する活動の概要や成果を掲載しております。
本報告書を通じて、
ステークホルダーの皆様に私たちの活動
について、
より一層理解を深めていただければ幸いです。
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日本製薬工業協会 環境報告書 2016
日本製薬工業協会 環境報告書 2016
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