(案)の概要(PDF:459KB)

清須市公共施設等総合管理計画(案)【概要版】
1.
Ⅰ 序論
5 公共施設等の保有量に関する類似団体との比較
本市の公共施設等(公共建築物及びインフラ資産)については、老朽化
が進んでおり、修繕・更新等に係る費用の増大と一定の年度への集中が懸
念されます。
こうした中、今後の本市の財政状況は、合併に伴う普通交付税の合併算
定替の終了や、少子高齢化の進行に伴う扶助費の増加等により、厳しさを
増すことが予想されます。
これらの背景を踏まえ、
人口の見通しや財政状況等を踏まえた長期的な
視点をもって、公共施設等の更新・統廃合・長寿命化などを総合的かつ計
画的に行うことの必要性から、公共施設等総合管理計画を策定します。
計画期間
2017 年度から 2031 年度までの 15 年間
(平成 29)
(平成 43)
※進捗状況に応じて、原則 5 年ごとに見直し
対象施設
公共施設等
公共建築物
市役所、体育館、学校等
※延床面積 50 ㎡以上を対象
インフラ資産
道路、橋梁、横断歩道橋、
上水道、下水道、公園等
2.
Ⅱ 公共施設等の現況等
1 公共建築物の状況
計画の対象とする公共建築物の保有総数は、全 93 施設(158 棟)であり、総延床面積は約 18 万㎡です。そのう
ち、学校教育系施設(小・中学校等)が 50.1%を占めています。また、公共建築物の延床面積を建築年度ごとに
見ると、63.0%の建物が建設されてから 30 年を超えています。
(㎡)
16000
※類似団体は市町村類型Ⅱ-1 とし、
「市町村経年比較表(公共施設状況調)」
(総務省)に
おける 2014(平成 26)年度の値を使用
築10年超
17,024㎡ 9.2%
築20年超
36,974㎡ 20.1%
築10年以内
11,949㎡ 6.5%
現在保有する全ての公共施設等を維持していく場合に、今後
40 年間に必要な更新等に係る経費の見込額を試算すると、
1,498 億円(37.5 億円/年)となります。また、過去 5 年間の
実績をもとに充当可能な財源の見込額を試算すると 1,152 億円
(28.8 億円/年)となり、今後 40 年間で 346 億円(8.7 億円/
年)の財源が不足することが見込まれます。
9,000
経費の見込額
充当可能な
37.5 億円/年
スポーツ・レクリエーション系施設
6000
学校教育系施設
全国類似団体平均
3.8 ㎡/人
試算条件
更新等に係る経費の見込額
充当可能な財源の見込額
総務省の試算ソフト等に基づき
普通建設事業費(普通会計)
更新等に係る経費を試算
と資本的支出(企業会計)
例:公共建築物
の合計とし、それぞれ直近 5
建築後 30 年で大規模改修
年間の実績額の平均値
8.7 億円/年
公共建築物
公共建築物
道路
道路
農業施設
農業施設
4,000
公園
公園
上水道
3,000
上水道
産業系施設
年度不明
2,202㎡ 1.2%
2.9 ㎡/人
財源の見込額
市民文化系施設
8000
愛知県類似団体平均
財源不足額
28.8 億円/年
社会教育系施設
2.8 ㎡/人
更新等に係る
8,000
5,000
10000
清須市
建築後 60 年で建替え(更新)
(百万円)
6,000
築30年超
116,266㎡ 63.0%
12000
公共建築物の一人当たり面積
4.
Ⅲ 公共施設等の更新等に係る中長期的な経費の見込額
7,000
14000
下水道
下水道
2,000
子育て支援施設
保健・福祉施設
4000
1,000
行政系施設
~1950(昭和25)
1951(昭和26)
1952(昭和27)
1953(昭和28)
1954(昭和29)
1955(昭和30)
1956(昭和31)
1957(昭和32)
1958(昭和33)
1959(昭和34)
1960(昭和35)
1961(昭和36)
1962(昭和37)
1963(昭和38)
1964(昭和39)
1965(昭和40)
1966(昭和41)
1967(昭和42)
1968(昭和43)
1969(昭和44)
1970(昭和45)
1971(昭和46)
1972(昭和47)
1973(昭和48)
1974(昭和49)
1975(昭和50)
1976(昭和51)
1977(昭和52)
1978(昭和53)
1979(昭和54)
1980(昭和55)
1981(昭和56)
1982(昭和57)
1983(昭和58)
1984(昭和59)
1985(昭和60)
1986(昭和61)
1987(昭和62)
1988(昭和63)
1989(平成元)
1990(平成2)
1991(平成3)
1992(平成4)
1993(平成5)
1994(平成6)
1995(平成7)
1996(平成8)
1997(平成9)
1998(平成10)
1999(平成11)
2000(平成12)
2001(平成13)
2002(平成14)
2003(平成15)
2004(平成16)
2005(平成17)
2006(平成18)
2007(平成19)
2008(平成20)
2009(平成21)
2010(平成22)
2011(平成23)
2012(平成24)
2013(平成25)
2014(平成26)
2015(平成27)
2016(平成28)
年度不明
0
【施設区分別の年度別整備状況】
施設区分
道路
主な施設
Ⅳ
現状
道路:344,251m
整備後 30 年を超える道路が約 6 割
20 年後、耐用年数(50 年)を超える橋梁が半数以上
上水道管路:62,573m
20 年後、耐用年数(40 年)を超える管路が 6 割以上
下水道
下水道管路:83,063m
20 年後、耐用年数(50 年)を超える雨水管路が 6 割以上
3 人口の今後の見通し
人口構造の変化
(2015(平成 27)年から 2060(平成 72)年)
老年人口(65 歳以上)
25%増加
生産年齢人口(15~64 歳)
15%減少
年少人口(0~14 歳)
24%減少
高齢化率
8%上昇
※「清須市人口ビジョン」より
4 財政の現状等
本市の歳入規模は、おおむね 200~240 億円台で推移しており、構成としては市税が約半分を占めています。
本市の歳出規模は、おおむね 200~230 億円台で推移しており、構成としては扶助費が年々増加している
一方、人件費は減少傾向にあります。今後は高齢化の進展に伴って、介護保険特別会計と後期高齢者医療
特別会計への繰出金の増加が見込まれるとともに、公共施設の老朽化へ対応するため、普通建設事業費の
増加も見込まれます。
公共施設等の管理に関する現状と課題
本市においては、これまでも、合併による施設機能の重複等を踏まえた「公共施設のあり方基本方針」に基づ
く公共施設等の統廃合や、個別の長寿命化計画による長寿命化の取り組みを進めてきましたが、公共施設等にお
いて市民サービスを安定的かつ継続的に提供していくためには、次の課題への対応が必要です。
公共施設等の管理に関する課題
橋梁:5,006 ㎡(59 橋)
上水道
本市における 2015(平成 27)年から 2060(平成 72)年までの将
来人口の見通しは、2020(平成 32)年をピークに緩やかに減少す
る見込みとなっています。また、人口構造については、生産年齢人
口及び年少人口が減少する一方、老年人口は増加し、少子高齢化が
進む見通しとなっています。
(年度)
※現在、普通建設事業費等に充当している全ての財源を
公共施設等の更新等に充当した場合の試算であり、新
規整備等は見込んでいない。
【更新等に係る経費の見込額と充当可能な財源の見込額との比較】
2 主なインフラ資産の状況
本市では、道路、農業施設、公園、
上水道、下水道といったインフラ資
産を保有していますが、道路の約 6
割が整備後 30 年を超えるなど、老朽
化が進行しています。
0
2017(平成29)
2018(平成30)
2019(平成31)
2020(平成32)
2021(平成33)
2022(平成34)
2023(平成35)
2024(平成36)
2025(平成37)
2026(平成38)
2027(平成39)
2028(平成40)
2029(平成41)
2030(平成42)
2031(平成43)
2032(平成44)
2033(平成45)
2034(平成46)
2035(平成47)
2036(平成48)
2037(平成49)
2038(平成50)
2039(平成51)
2040(平成52)
2041(平成53)
2042(平成54)
2043(平成55)
2044(平成56)
2045(平成57)
2046(平成58)
2047(平成59)
2048(平成60)
2049(平成61)
2050(平成62)
2051(平成63)
2052(平成64)
2053(平成65)
2054(平成66)
2055(平成67)
2056(平成68)
その他
2000
【歳入
【歳出
市民一人当たりの公共建築物の延床面積を、愛知県内の類似団体及び全国
の類似団体と比較すると、愛知県内の類似団体の平均と同等であるものの、
全国の類似団体の平均より少ないと言えます。
1.日常的な点検・修繕等の実施状況
予防的な修繕に資する点検・診断等が十分にできているとは言い難い状況です。
2.安全性及び機能性の確保
公共施設等の老朽化が進行する中、引き続き安全性及び機能性の確保が求められます。
3.財政負担の軽減及び平準化
厳しい財政状況の中、公共施設等の更新等に係る財政負担の軽減及び平準化が不可欠です。
4.更なる公共施設等の統廃合
公共施設等において提供する市民サービスのあり方を不断に検証し、更なる公共施設等の統廃
合の検討をしていく必要があります。
5.効率的な施設の維持管理の推進
施設の維持管理費についても、効率化による一層の削減が必要です。
清須市公共施設等総合管理計画(案)【概要版】
Ⅴ
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針
縮減目標の設定
以上の試算結果を踏まえ、本市では次のとおり公共施設等の縮減目標を掲げます。
1 基本的な考え方
管理に関する基本的な考え方
公共施設等を総合的かつ計画的に管理し、公共施設等において市民サービスを安定的かつ継続的に提供してい
くため、今後の公共施設等の管理に関する基本的な考え方を次のとおり定めます。
事後的管理から予防保全型維持管理への転換
日常的な点検・診断等の実施体制を強化するとともに、予防的・計画的な修繕・更新等を推進
し、事後的管理から予防保全型維持管理への転換を図ります。
1
施設総量の最適化
公共施設等の老朽化状況を踏まえつつ、公共施設等において提供する市民サービスのあり方を
不断に検証し、公共施設等の統廃合等に取り組むことにより、施設総量の最適化に努めます。
2
3 効果的・効率的な維持管理の推進
指定管理者制度などの民間活力の導入や、公共施設等の維持管理や運営状況等の一元的な管理
により、一層効果的・効率的な公共施設等の維持管理を推進します。
今後 40 年間で、公共建築物の延床⾯積を 17.7%縮減することを⽬標とします。
目標の実現に向けて、本計画期間である 15 年間は、今後策定を予定している個別施設計画の策定過程におい
て、施設総量の最適化に取り組むとともに、効果的・効率的な維持管理の推進を図ることにより、公共施設の
更新等に係る財源不足の解消に努めます。
なお、道路、橋梁、公園などの普通会計に係るインフラ資産は、保有量等の縮減による経費削減を検討し、
財源不足額を補っていきます。
また、上水道や下水道といった企業会計に係るインフラ資産は、新規整備や修繕・更新等に係る投資の見通
しと財源の見通しの均衡を図りながら、経営的な管理を行うものであるため、縮減目標は設定しません。
3 具体的な方針
2 公共施設等の縮減目標
「1 基本的な考え方」に即して、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進していく上で、更新・統廃合・
今後 40 年間において現在保有する全ての公共施設等を更新等により維持していくためには、多額の財源の不足
が見込まれる中、長期的な視点から財源と経費の調和を図りながら、公共施設等の管理を進めるため、
「施設総量
の最適化」に向けた公共施設等の縮減目標を次のとおり定めます。
公共施設等の長寿命化による効果の検討
更新等に係る経費の見込額の試算条件(長寿命化を図る場合)
(百万円)
9,000
更新等に係る
予防保全型維持管理による長寿命化を実施すると仮定し、修
経費の見込額
8,000
7,000
更新等に係る
(長寿命化前)
経費の見込額
37.5 億円/年
繕・更新等費用を試算
例:公共建築物に係る長寿命化の考え方
長寿命化前
(長寿命化後)
6,000
建築後 30 年で大規模改修
28.8 億円/年
長寿命化後
建築後 40 年で長寿命化改修
建築後 60 年で建替え(更新) 建築後 80 年で建替え(更新)
5,000
公共建築物
公共建築物
23%縮減
道路
道路
4,000
農業施設
農業施設
公園
公園
3,000
上水道
上水道
下水道
下水道
2,000
1,000
2017(平成29)
2018(平成30)
2019(平成31)
2020(平成32)
2021(平成33)
2022(平成34)
2023(平成35)
2024(平成36)
2025(平成37)
2026(平成38)
2027(平成39)
2028(平成40)
2029(平成41)
2030(平成42)
2031(平成43)
2032(平成44)
2033(平成45)
2034(平成46)
2035(平成47)
2036(平成48)
2037(平成49)
2038(平成50)
2039(平成51)
2040(平成52)
2041(平成53)
2042(平成54)
2043(平成55)
2044(平成56)
2045(平成57)
2046(平成58)
2047(平成59)
2048(平成60)
2049(平成61)
2050(平成62)
2051(平成63)
2052(平成64)
2053(平成65)
2054(平成66)
2055(平成67)
2056(平成68)
0
(年度)
【更新等に係る経費の見込額と充当可能な財源
の見込額との比較(長寿命化を図る場合)】
長寿命化などに関する具体的な方針を次のとおり定めます。
1.点検・診断等の実施方針
①自主点検体制の確立
②施設管理職員に対する技術的な支援体制の構築
③点検・診断結果等の集積・蓄積
2.維持管理・修繕・更新等の
①個別施設計画に基づく予防的・計画的な修繕・更新等の推進
②指定管理者制度の活用 ③PPP/PFI の導入の検討
実施方針
④公共建築物の運営状況等に関する情報の一元管理
⑤維持管理契約の最適化 ⑥公共施設使用料の適正化
3.安全確保の実施方針
①安全確保を最重視した点検・修繕等の実施
②供用を廃止した施設への適切な対処
4.耐震化の実施方針
①耐震化の推進
5.長寿命化の実施方針
①個別施設計画に基づく長寿命化改修の実施
②長寿命化改修に併せた機能性の向上の検討
6.統合や廃止の推進方針
①施設の状態と機能の両面からの統廃合に向けた検討
7.総合的かつ計画的な管理を
①公共施設等マネジメント推進体制の構築
実現するための体制の構築方針 ②施設管理職員に対する技術的な支援体制の構築 [再掲]
③財政部門との連携強化
4 施設類型ごとの具体的な方針
「3 具体的な方針」に基づき、各公共施設等の特性や管理主体等を踏まえて、次のとおり施設類型を定め、
縮減目標を設定するための試算
【a】
更新等に係る
経費の見込額
769 億円
【d】
【c】
上乗せ額
496 億円
財源
不足額
224 億円
【b】
更新等に充当可能
な財源の見込額
545 億円
17.7%
(財源不足額が解消)
◆試算の考え方
・インフラ資産(普通会計)の総量の縮減は想定せず、長寿命化を図
る場合のインフラ資産(普通会計)に係る財源不足額(△15 億円)
については、公共建築物に係る充当可能な財源の見込額(560 億円)
で補うと仮定します。→公共建築物の更新等に充当可能な財源の見
込額(545 億円(b))
・インフラ資産(企業会計)については、試算の対象外とします。
・長寿命化を図る場合の公共建築物の更新等に係る経費の見込額
(769 億円(a))に対して、公共建築物の更新等に充当可能な財源の
見込額は 545 億円(b)であり、財源不足額は 224 億円(c)となります。
この財源不足額を、公共建築物の縮減による更新費用等の削減によ
り解消を図るものとします。
・更新費用等は、公共建築物の延床面積の縮減に比例して削減できる
ものとします。また、公共建築物に係る維持管理経費(人件費・光
熱水費・維持管理に係る委託費等)についても、公共建築物の延床
面積の縮減に比例して削減できるものとし、この削減額について
は、更新等に充当可能な財源の見込額に上乗せするものとします。
・維持管理経費は過去 3 年間の実績値の平均値(12.4 億円/年)とし、
延床面積を 100%縮減した場合、12.4 億円×40 年=496 億円(d)を
最大で上乗せするものとします。
・以上の考え方により、公共建築物の延床面積の縮減に比例して減少
する更新費用等と、更新等に充当可能な財源の見込額(上乗せする
維持管理経費の削減額を含む。)の交点(=財源不足額の解消)と
なる、延床面積の縮減率を算出します。
当該類型ごとの管理に関する具体的な方針を定めます。
1.学校施設
5.都市公園
Ⅵ
2.その他公共建築物
6.上水道
3.道路
7.下水道
4.橋梁
計画の進捗管理
最初の 5 年間で重点的に取り組むべき項目を「重点取組項目」として整理し、当該項目については、5 年間の実
施工程を立てた上で、着実に取り組みの推進を図ります。
計画の進捗管理については、重点取組項目の実施工程を中心として、毎年度、計画に基づく取り組み状況のフ
ォローアップを行い、その結果を市のホームページ等により公表するとともに、計画の見直し(原則として 5 年
ごと)に反映させます。
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
重要取組項目(2017(平成 29)年~2021(平成 33)年)
個別施設計画(学校以外のその他公共建築物)の策定・推進
点検・診断等の実施体制の強化
維持管理業務の適正化