資料4-1 これまでの意見のまとめ(たたき台) <拠点に関する施策全体に関する意見> (ビジョン・戦略の重要性) ○ 30年後の日本のあるべき姿を見据え、研究力強化に向けた研究拠点の在り方を 考えることが必要。 ○ 大学の主な機能は、教育、研究、産学連携を含む社会貢献の3つであり、これら 全体の機能を見据えた政策設計が必要。 ○ 大学の現状を踏まえ、事業の統合や新たな考えの導入が必要。 (効率性の弊害と多様性、独自性の重要性) ○ 米英独に比べ、日本の大学の層の厚みが急速に低下している。 ○ 支援を集中した方が効率的に成果が出るという思い込みで政策が行き詰っている。 ○ 企業もダイバーシティ(多様性)を求められている。研究も同様に、多様性を維 持しながら世界に向けて独自性を発揮していくことが重要。 (人材育成の視点の重要性) ○ イノベーティブなアイデアを考えるのは人であり、ここに焦点を当てる必要があ る。国民の納得を得て、今後の成長をけん引する人材への支援に対する予算の増額 が必要。 ○ 大学は、大部分を構成する学生が次々と入れ替わる特異な組織であり、新しい学 生の循環に研究の強みがある。 ○ 博士後期課程に進学する学生の減少が大きな問題。原因の一つである博士後期課 程の学生に対する経済的支援(奨学金等)の問題を解決し、 「博士離れ」を防ぐこと が必要。 ○ 地方大学における研究環境の劣化により、研究者の循環がなくなってきている。 人材の循環がなければアイデアも生まれない。大学全体の研究力を強化する際には 重要な視点。 ○ 若いポスドクの多くが任期付になっており、大学に残って研究者を目指すには相 当の覚悟がいる状況になっている。最も強化すべき人材育成が脆弱化している。 <研究拠点の厚層化の在り方に関する意見> ○ ○ 米英独に比べ、日本の大学の層の厚みが急速に低下している。(再掲) 極端な資源の集中は研究の発展を妨げる。トップに伍する層への支援が必要で、 そこにも鋭く光った研究がある。 ○ イノベーションの源泉は基礎研究にあり、それは必ずしもトップ層の大学だけで 1 はなく、一部の領域に強みを持つ大学の、自身の強みを生かすような拠点形成を支 援する方法がよい。 ○ 地方大学における研究環境の劣化により、研究者の循環がなくなってきている。 人材の循環がなければアイデアも生まれない。大学全体の研究力を強化する際には 重要な視点。(再掲) ○ その際、トップ層に対する施策とそれに伍する層に対する施策は別にすべき。 (厚層化による我が国の研究力強化への効果をどこまで求めるか) (大学全体の研究力強化との関係) (トップレベルの研究拠点) ○ 世界トップ層を作るWPIのような施策が20拠点程度の設立を目指すことは妥 当な目標。 ○ 学術研究の大型プロジェクトを充実させることが重要。成果がでている拠点が伸 び悩んでおり、全体の予算を増額すべき。 (トップに伍する潜在力を有する研究拠点) ○ 日本は米英独に比べて大学間の格差が大きい。極端な資源の集中は研究の発展を 妨げる。トップに伍する層への支援が必要で、そこにも鋭く光った研究がある。 (再 掲) ○ イノベーションの源泉は基礎研究にあり、それは必ずしもトップ層の大学だけで はなく、一部の領域に強みを持つ大学の、自身の強みを生かすような拠点形成を支 援する方法がよい。その際には、トップに伍する層がメインの支援対象となるよう にすべき。(再掲) <研究拠点のイメージに関する意見> (研究拠点の機能) ○ 支援対象となる組織や人について、どこを狙って、どこを変えていくのか、補助 する対象(組織)の在り方が非常に重要。 ○ イノベーションに向けた取組は、大学全体への波及効果を考慮して研究拠点内で はなく、別組織を作り推進すべき。 ○ 支援に当たっては、はっきりとしたミッションを掲げ、それをどうフォローアッ プしていくかが大事。WPIに学ぶべき点も多い。 (組織・研究支援体制) ○ WPIは、組織改革を重要なテーマとしている。また、内部で自由に議論できる 場を作ることを心掛けている。 2 ⇒トップに伍する層の研究拠点への支援においては、どのような事務・研究支援体制が 必要で、組織、研究体制についてどの程度求めるのか。 (国際性) ○ WPIでは、サイエンスと融合研究と国際化とシステム改革をミッションとして 掲げている。 ⇒トップに伍する層の研究拠点への支援においては、国際性をどの程度求めるのか。 ⇒トップに伍する層が国際水準の研究環境の整備を行うために必要となる支援はどの ようなものか。 <研究拠点の支援の在り方に関する意見> ○ ○ ○ ○ ○ これまでの拠点施策では、支援終了後の拠点継続の困難さ、連携不足による教育 研究インフラの確保が困難、有力大学に拠点が集中し多様性が縮小してきているこ とが課題。 [CRDS] 今後の方向性としては、既存拠点の改変・強化、資金規模の最適化、多様な中小 規模の拠点形成を重視すべき。今後の方向性を踏まえ、主なコンセプトとしては、 拠点事業の体系化、拠点の再編促進、ネットワークの構築などが考えられる。 [CRDS] 拠点事業の体系化については、大規模拠点事業は縮小し、大規模新規拠点形成は トップダウンの分野特定型に限定する、中小規模の拠点形成を重視する、各大学の 強みを生かす多様な研究分野への支援を重視する、広範囲の教育研究拠点に対する 支援を充実することが必要。[CRDS] 大学の規模によっては、現場の教員が、研究拠点、教育拠点、イノベーション創 出拠点を同時に担当しているケースもあり、この3つをうまく組み合わせて、各大 学が特色を出せるようなやり方ができれば良い。 共同利用・共同研究拠点でうまくいっているところは、人材育成の観点も重視し ながら長期間支援してきた部分が大きい。長い間実施している共同利用・共同研究 拠点、大学共同利用機関の良い点や弱点を検証し、新たな拠点づくりに生かしてい く必要がある。 ⇒トップに伍する層への支援方策と共同利用・共同研究拠点や大学共同利用機関との連 携をどう考えるか。 ⇒研究拠点の支援に人材育成の視点をどう取り込んでいくべきか。 (選定基準(どの程度の研究力を有することが必要か。)) ○ 必ずしも、TOP10%論文だけがイノベーションに関わっているわけでもない。 基礎的な研究を振興していくのであれば、TOP10%論文の数だけにこだわらな 3 いようにすべき。絶対的な基準として扱うべきではない。 ○ 大学改革を本気で進めている大学、中規模の事業をとって人材育成も含めて努力 をしている大学、過去5~10年を見て伸びしろが大きいと判断できる大学、など の観点を支援対象を選ぶ際の判断の材料とすることが重要。 ⇒選定にあたっての具体的な基準はどのようなものが考えられるか。 (支援単位(例:附置研究所、センター等)) ⇒支援する単位についてどう考えるべきか。 (支援形態) ○ トップレベルの大規模な共同利用施設に、そのトップに伍するようなところが共 同研究に加わる方法や全国にある中規模程度の施設をネットワークで結ぶ方法が考 えられる。大型プロジェクトとの連携型というのも考えられる。 ○ 拠点形成においては、ネットワーク化を重視していくべき。その際、大規模な共 同研究、研究インフラの共有、URAや教員等の人材資源の育成・確保と流動化を バランスよく実施していくことが重要。[CRDS] ○ 拠点の再編促進については、拠点の新陳代謝を促すため、既存組織の縮小・改変 によって新たな拠点を創出するとともに、事業支援期間中に拠点内に承継教員のポ ストを準備し、拠点の継続性を高めることも重要。[CRDS] ⇒従来からの機関間連携等、ネットワークの形成に必要な基盤(条件)についてどう考 えるか。 (支援内容) ○ 運営費交付金とは別に、研究大学強化促進事業のような比較的使い勝手が良いも のを、一定数の大学に対して同額規模で行えば、独自性も生まれてくる。安定的で 使い勝手の良い資金を増やしていく必要がある。 ○ 大学全体の研究力までを含めて強化するためには、研究費から学生へのサポート を義務化するなど、人に対する投資がどうあるべきかを考えた制度設計が必要。 (支援期間・支援規模) ○ 5年間程度ではなく、7年~10年程度の支援期間が必要。また、その期間途中 で評価し、支援対象拠点を入れ替える工夫や、良いところは当初支援期間を超えて 継続的に支援する仕組みも重要である。大学に支援した効果が蓄積していくことが 必要。 ○ 大規模拠点10億、中規模拠点5億、小規模拠点2億など、拠点の規模や大学の 希望によって金額規模も柔軟に選択できるようにし、10年規模で投資して拠点形 成をするということが重要。 4 (選定方法・対象機関数) ○ トップに伍する層の規模感を考える際に、アジアランキングは参考になるのでは ないか。アジアで200位にランクされている日本の大学は40大学程度である。 ○ ピークをより高くすることと同時に、裾野を引き上げトップに伍する層を厚くし ていくことが大事。ピークを作るWPIが将来的に20拠点程度を目指すのであれ ば、トップに伍する層は100拠点程度の規模ではないか ○ 例えば、トップ層の大学も含めて70~80の大学から拠点型の提案を出しても らい、その中から7~8割程度の大学を採択する、残った資金で追加の拠点を競争 的に採択する、ということも考えられる。 (組織マネジメント) ○ システムの整備だけでなく、実際の運用とそれを柔軟に実行するマネジメントが 非常に重要。 ⇒具体的にはどのようなマネジメント体制が必要となり、そのためにはどのような人材 が必要となるか。 (分野による配慮) ○ 人社系のように規模は小さくても継続的に研究、教育をすすめていくことが重要 な分野も多くある。また、人社系では、データの共有ができていないのが一番の問 題であり、全国の大学がデータを共有できる基盤が必要。 ○ 人社系は産学官が重要で、特に地方自治体にとっては人社系の必要性が高い。国 立大学を中心に、全国の地方大学はかなり自治体の施策形成へ貢献しているので、 人社系は、どれだけ社会に貢献しているかをベンチマークに入れるべき。 ⇒他の分野において配慮すべき事柄はないか。 ⇒強みのある分野以外への配慮は必要か。 <大学改革を踏まえた研究拠点の在り方に関する意見> ○ 大学が各事業、施策を選ぶにあたって自主性を発揮することは重要であるが、各 事業・施策にどのような関連があり、大学にとってどのように対応すれば良いのか ということについて一定の方向性がどこかに示されていることが重要。 ○ 例えば、システム改革が重要な観点の1つとなっているWPIについては、拠点 の中だけでなく、大学全体にどういう影響を与えていくのかも重要。 ○ 大学に拠点を形成する際には、大学におけるグランドデザインをもとに、大学内 でのスクラップ&ビルドが必要。 5 ⇒大学の教育機能への貢献についてどう考えるか。 ⇒卓越大学院プログラム(仮称)構想などの施策とどのように連携・強調していくべき か。例えば、研究拠点にスムーズに大学院生を受け入れられるような工夫などが必要 か。 <関連する施策に関する意見(過去の施策を含む)> (運営費交付金) ○ 運営費交付金を1%ずつ削減するというのは止めるべき。それがトップに伍する 層だけでなく、トップ大学でもかなり大きなひずみになっている。 (共同利用・共同研究拠点、大学共同利用機関) ○ 大学共同利用機関や共同利用・共同研究拠点は、大学や研究者に対してどう貢献 するのか、が問われなければならない。ベンチマークをどう設けるかが重要。 ○ 4つの大学共同利用機関法人の枠を超えて、一丸となって融合してやるべきこと は多くあるのではないか。 ○ トップに伍する層の大学の中にも、共同利用・共同研究拠点があるので、その中 でうまく伸びてきている大学、そうでない大学について検証する必要がある。 (附置研究所) ○ 国立大学附置研究所は研究費、運営費交付金が減っていて、基盤研究を維持する のが難しい状況。 ⇒新たな支援を実施する場合、既存施策との間で、どのような連携方策が考えられるか。 ⇒トップレベルの研究拠点の支援策と他施策との連携についてどのように考えるか。 (21 世紀 COE、グローバル COE) ○ 地方大学では、21世紀COEによる支援を生かし、現在も1つのセンターとし て十分利用されているものもある。そのような大学では、どのような学内支援が行 われてきたかを調査する必要がある。 ○ 21世紀COEとグローバルCOEは、大学の研究の下支えをしたことと、大学 院生に対する経済的支援ができたことの2つの点で重要だった。 ○ 効果については、単に論文数だけではなく、大学院生の就職先など社会にどれだ け有能な人材を輩出できているかが重要。 ○ 学生への経済的支援をしていた大学が多く、事業の終了に伴い今まで雇っていた 学生が雇えなくなってしまった。そのことによって、学生が博士に進学しないとい う悪循環が続いているのではないか。 6 <優れた研究拠点の継続性の確保について> ⇒優れた成果を上げている研究拠点についてどのように継続性を確保していくべきか。 <産業界との連携方策の在り方に関する意見> ⇒組織対組織の産学官連携が求められていることを踏まえ、研究拠点と産業界との連携 についてどうあるべきか。 7
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