土砂災害防止に関する絵画・作文入賞作品【作文部門・中学生の部

土砂災害防止に関する絵画・作文入賞作品【作文部門・中学生の部】
(敬称略・原文のまま掲載)
1
最優秀賞(1 名)
「防災
中学生の私にできること」
岩倉市立岩倉中学校
1年
吉田
美岬
最近、土砂災害警戒情報を見る事が以前より多くなっている。日本はもともと土砂災
害の多い国と言われる。その日本に住む私たちはどの様に災害に立ち向かって行くべき
なのか、土砂災害が多い理由を探り、何をして行くべきかを考えて行きたい。
日本は世界でも有数の土砂災害が多い国と言われている。発生件数は年によってかな
りのばらつきがあるが、土石流・地すべり・がけくずれを合わせて平均すると、年に約
一〇〇件もの土砂災害が発生している。
日本列島の地形や地質・気象などの自然条件が大きな原因である。また、日本は国土
の六割が山地であり、平地がせまいため、山の斜面や谷の出口など災害が起こりやすい
場所にもたくさんの人が住んでおり、土砂災害が発生した時に大きな被害が出る原因と
なっている。他にも原因は多々あるが、その中でも大きな原因となっているのが、雨や
地震である。日本は世界の国々の中でも特に雨の多い国で、日本の年間平均雨量は約一
七〇〇ミリで、世界の平均九七〇ミリと比較してもその違いが明らかである。更に一年
を通じて平均して降るのではなく、梅雨や台風、秋雨などの季節にまとまって大量に降
ると言う特徴があるため、土砂災害もそれらの季節に起きやすいのである。また、日本
は地震がとても多い国でもある。この地震が原因で、がけくずれや地すべりが起こりく
ずれた土が川の水や雨水などとまざり土石流が起きたり、河川閉塞というくずれた土砂
が川をせき止めて洪水や土石流を引き起こしたりするのである。
以前、北海道の札幌市に住んでいた際に、ゲリラ豪雨がおそってきて、川は増水し、
風も強く外に出られないというような状況があった。私の従姉は山の近くに住んでおり、
このゲリラ豪雨が起きた時に一時連絡がつかず非常に心配をしたことがあった。まさに
土砂災害の起こりやすいがけくずれが発生する可能性があったと思うととてもぞっと
するが、この時は幸い何もなく一時間後には電話で無事も確認できたのでよかったと思
う。また、二年前には北海道の礼文島において五十年に一度の大雨で土砂くずれが発生
し、二名亡くなると言う災害が発生したのを覚えている。今になって調べてみると二十
四時間の降水量が百八十三ミリに達し、土砂災害警戒情報が出されていたのにも関わら
ず、避難勧告が出ていないがために自宅待機をしていた親子が土砂くずれにより住宅一
棟全壊してしまったと言う災害であった。
冒頭で土砂災害警戒情報を見る機会が多くなっていると述べたが、実際にテレビの速
報や最近では携帯電話の防災速報などが大きな音で鳴った場合、本当に指示に従って動
く事が出来るのであろうか。私は何か出ていると思いながらも身に大きな危険が迫って
いると感じない限り他人事のように流してしまっている事が多いように感じる。大きな
揺れなど体感するものに反応するが、まさか雨で住宅街の地盤がくずれるとは思わな
かったのが実際である。最近では、「経験した事の無い大雨が降る可能性があります」
と言う様な緊急速報が流れる事がある。実際にはそれ程でも無い場合があったりするた
め、そもそもこの様な防災速報に対する信用度が低下している事もあるのではないか。
実際私自信は大げさのように感じることもあり、自分の身に何か起きるとは感じなくな
る一因にもなっていたと思う。
ここまで、土砂災害が多い理由を調べ、実際に自身の周りや住んでいた地域で起きた
事例を思い出し、自らの災害に対する意識を振り返ってみた。住みよいと思っていた日
本が実は災害の多い国であった事に驚き、確かに自分の近くでも災害は起きていたのに
も関わらず、自分としては災害に対する意識が非常に低かった事がわかった。
今回私は土砂災害について調べ、考察する機会を得て、土砂に限らず災害が自分の身
にもいつ起こり得るかわからない事であり、実際に発生した時にどうするべきなのか、
また日頃から防災への意識を高める必要があると強く感じた。自分の居る地域で起こり
得る災害を調べて想定しておく事、日々天気予報にも関心を持って情報を得る事、災害
時の避難場所を確認して知っておく事、防災グッズを用意し最低でも三ヶ月に一回は中
身を確認する事、地域や市の防災訓練がある時には積極的に参加して防災の知識を蓄え
ておく事。ほんの小さい事でも自分で意識を高めて行く事で本当に起きた時には落ち着
いて動く事が出来ると思う。中学生の私でも出来る防災を周りの友人にも伝えて災害に
強い人間になっていきたい。
2 優秀賞(1 名)
「土砂災害とは」
犬山市立南部中学校
3年
緒方
小桃
私は、この作文を書くにあたって、土砂災害とはなにかを調べてみました。それにより
今私たちが知っておかなければいけないこと、これから必ず役に立つだろうということを
たくさん知ることができました。
土砂災害は、全国で発生し、人的被害がとても大きいものです。原因には豪雨・地震な
どがあります。雨が降ることはいつでもありえることです。なので、たとえ少しの雨だと
いえ、安心できるものではないと思いました。地すべりや崖崩れ、土石流など、たくさん
の被害がありますが、土砂災害が起こる場合はそれだけでは済みません。なぜかというと、
前にも言ったように、豪雨や地震などが原因で起こる二次被害だからです。ニュースなど
では、地震などの大きな被害を第一に写すため、土砂災害だけを大きく取りあつかってい
るところはあまり見たことがありません。しかし、だからといって被害が小さいわけでは
ありません。土砂災害は広域にわたり、長期化することもあるからです。最近では、二十
六年八月に広島で豪雨により土石流災害が起き、七十四名の方が死亡・行方不明になって
しまいました。そして、三宅島では二〇〇〇年九月から二〇〇五年二月までの約4年半に
わたり、土砂災害が起こりました。
土砂災害がどれだけ危険なものかわかりましたが、私たちでどうにかできるものではあ
りません。ですが、だからといって何も知らないままでいては、いつ自分が被害にあうか
わかりません。私たちは、土砂災害から身を守るためにどのようなことを知っておけば良
いのでしょう。
降雨は、とても予想が難しく、真夜中に降ることが多いです。そのため、避難すること
が難しいと言われています。ですが、大丈夫です。まずは、自分の住んでいる地域が避難
する必要のある地域なのかを知っておくことが一番大切なことだと思います。ただ、家の
近くに山などがあるかだけではなく、自分の家は「土砂災害危険箇所」ではないか、確認
することが必要です。実際に日本では、約9割の市町村が土砂災害の危険と隣り合わせの
なか、生活しているようです。自分の身は自分で守るためにも、土砂災害ハザードマップ
を作ったり、都道府県のホームページ情報などで確認することが大切だと思いました。
そして、もう一つ大切なことは、雨が降ってきたときの、避難のタイミングを知ること
です。いつもこれぐらいの雨なら降っているから大丈夫、と考えるのではなく、いつ私た
ちが被害にあうかわからないので、今は大丈夫か確認しておこう、と思うことが一番大切
だと思います。今の私たちは、たくさんのことから情報を得ることができます。テレビや
インターネットなどを随時確認し、避難するタイミングを見つけることも大切なことだと
思います。
そして、土砂災害には、たくさんの課題が残っています。防災情報が伝わらないことが
あること、土砂災害の危険区域を知らない人が多いこと、安全な場所が全くない所がある
こと、重要交通網の保全が必要なことなどです。まだまだたくさんの課題が残っている土
砂災害の危険。少しでも課題をなくしていき、安全で住みやすい地域が増えたら良いので
はないかと考えます。交通の整備などは、土砂災害に関係なく、必要なことです。少しで
も安全な地域に近付いていくことを願っています。
中学校では、年に何度か防災訓練が行われています。土砂災害のための防災訓練ではな
いけれど、地震などの訓練ならば、役に立つことがたくさんあると思います。なので、た
だ走って逃げるだけでなく、もし今、土砂災害も一緒におきたらどうすればいいのかなど、
たくさんのことを考えながら訓練に取り組むと、今までとは全くちがう訓練になってくる
と思います。このような一人一人の気持ちから改めていけば、本当に災害にあった時に、
少しでも被害を小さく済ませることができるのではないか、と思いました。
私の家は坂の上の方にあり、山が近くに多くあります。土砂災害について調べていたら、
私の家も土砂災害警戒区域だということがわかりました。今までは雨が降ったりしていて
も、なにも考えていませんでした。しかし、土砂災害警戒区域だと知り、少しは怖くなっ
てしまいました。ですが、今回調べた、ハザードマップを使ったり、テレビなどで確認を
し、実際に土砂災害が起きてしまっても、被害を小さくできたらうれしいです。
今回調べたことを全国の人が知っていたら、土砂災害で亡くなってしまう人、行方不明
になってしまう人が少しでも減ると思います。少しずつでも、土砂災害が危険なものだと
いうことを知り、安心・安全に生活することができたら、とても良いことだと思いました。
3 佳作(4 名)
「土砂災害について」
岩倉市立岩倉中学校
1年
酒井
深冬
私たちの住む日本は、雨が多く、地震の多い国です。そのため、土砂災害が多く発生し
ます。土砂災害が起きたら、私たちは何をするべきなのでしょうか。
平成二十六年八月、広島豪雨がありました。大雨により、雷が鳴り始め、雨が強くなり、
一時間に四十一・五ミリの強い雨が降りました。また、広島市内の約九四〇〇軒が停電し、
平和大通りなどでは膝下まで道路が冠水していました。こうして問題となったのが、土砂
災害警戒情報と避難勧告の遅れです。
土砂災害には土砂災害警戒情報がありますが、これは警報なのでしょうか。私がインター
ネットで調べてみたところ、大雨警報が発表された状況で、土砂災害発生の危険度がさら
に高まったときに、市町村の避難勧告等の判断を支援するよう、また、住民の自主避難の
参考となるよう、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける情報で、都道府県と気象
庁が共同で発表しているそうです。つまり、警戒ではないらしいのですが、大雨警報が出
た上でないと出ませんので、大雨警報より危険な状況と捉えても良いそうです。
次に、私たちに土砂災害警戒警報が出たらどうすれば良いのか、土砂災害警戒区域や土
砂災害危険箇所に住んでいるのであれば、特に早めの避難が必要で、土砂災害警戒情報の
発表を市町村が避難勧告を出す一つの参考としていることから、警戒情報と避難勧告が出
るのが同じようなタイミングになることが多いと思われるそうです。
犠牲者の行動で最も多かったのが、「避難行動を行わずに被災してしまった。」と言った
ことでした。なぜ避難をしなかったのでしょうか。住民の理由は、「自分が被害を受けると
は思わなかった」といったことが多かったそうです。やはり、自分自身の命を考えて行動
をした方が私は良いと思います。しかし、そう行動した方たちにも、被害が出た場合が少
しですが、あったそうです。「避難先が土石流、洪水などに見舞われた」または、「いった
ん避難場所を離れて遭難した」といったことがあり、また、避難中の時に「避難の目的で
移動中に土石流、洪水などに見舞われた」ということが出てきました。私はこのようなこ
とになってしまうのであれば、最初に自主避難行動をとったり、事前に調べるのも必要で
はないのかと考えます。
土砂崩れには予兆があります。崖から小石がパラパラと落ちてくる。普段出ないところ
から水が湧く、普段湧いている水が止まる。湧き水が異常に濁っている。石がボロボロ落
ちてくる。木の根が切れる音がする。斜面に亀裂が入っているなど、色々な予兆がありま
す。一時間に二十ミリ以上の雨が降る、降り始めてから百ミリ以上の雨量となったら要注
意です。短時間に集中して降る場合のほうが発生しやすく、地中に染み込んだ水の量が多
いほど、発生数や規模も増すと言われています。また、雨が止んでから二~三時間後に発
生することもあるので、油断は禁物です。
私が今回調べてみて思ったことは、色々な災害、地震、台風、土砂災害、何に関しても
「油断をする」ということが、一番いけないことが分かりました。私は夏休みのお盆休み
で出かけたとき、山の道路で、砂が崩れていて、葉や枝が落ちているのを一度だけ見まし
た。そのときは、崖が崩れて大分直りかけていたのかもしれませんがそこで土砂に巻き込
まれた車がいるのであれば、どうなっていたのでしょう。ほんの一歩のことで、巻き込ま
れるか、巻き込まれてないのかが、分かれてしまうことだって、無いことはありません。
いつも油断をして生きるのでなく、きちんと日頃から考えて行動していかなくてはなり
ません。そのために、色々な訓練にはきちんと取り組み、まさか自分が巻き込まれるとは
思わなかった。そのような心を持たずに、毎日を真剣に生きていくことが大切です。警報
や避難勧告がでたら、すぐに避難をすること、私自信も頭に入れて、自分の命を大切にし
て行動したいです。「油断をしない」
「日頃から頭に入れておく」「すぐ避難する」このこと
が、今回私が思った大切なことです。
「土砂災害を考える」
犬山市立南部中学校
1年
倉田
葵
私の家の裏には、山があります。その山は今にも崩れてきそうで、私がまだ幼かった頃
は、寝ている時に崩れて、家が下敷きになるのではないかなど、いろいろ考えてしまって
とても怖かったです。
私が幼かった頃、土砂災害にあって、亡くなってしまった人が大勢いるというニュース
を見ました。私はその時「ドキッ」としてショックを受けました。土砂崩れで亡くなって
しまった人が大勢いると知り、とても悲しい気持ちになった事を今も鮮明に覚えています。
私はどうしたら土砂災害から、人の命を守れるのか考えてみたら、五つ思いつきました。
一つ目は、
「危険な場所を知ること」です。自分が住んでいる町で、危険な場所はどこな
のか知ることが、第一に大切だと思いました。また、自分が住んでいない町に出掛けた時
は、危険な場所を知らないので、そこに看板を立てれば、注意して出掛けられるので、こ
のアイデアも一つのポイントだと思います。
二つ目は、
「雨に注意すること」です。インターネットに“土砂災害の多くは、大雨が原
因で起こる”と書いてありました。なので、大雨や長雨の時、外に出ないように注意する
ことが大切です。
三つ目は、
「土砂災害の前ぶれを知ること」です。土砂災害が起きる前に、前ぶれとなる
現象が見られることがあります。「いつもと違う」「なにかが変だ」という前兆に気付いた
ら、直ぐに役場や近隣の人に知らせ、安全な場所に避難することが大切です。特に大雨や
長雨、また雪どけ水、地震、地震の後の余震に注意が必要です。
四つ目は、
「気象情報を知ること」です。土砂災害警戒情報は、気象庁のホームページや、
各都道府県の砂防課などのホームページで確認できるほか、テレビやラジオの気象情報で
も発表されます。また、都道府県や市町村によっては、携帯電話に自動的に土砂災害警戒
情報を送ってくれるサービスもあるそうです。これらを見たり聞いたりして、きちんと理
解するためには、気象予報のことばの意味を理解することが必要だと思います。
五つ目は、
「避難のしかたを身につけること」です。土砂災害の危険がせまったとき、身
を守るために一番大切なことは「早めに避難すること」です。しかし、避難の仕方がわか
らないと、すばやく安全に避難することはできません。普段から、避難の仕方や避難場所
について、家族で話し合って決めておくことが大切だと思いました。ここでは、二つのポ
イントがあります。一つ目は、「家族で避難場所を確認すること」です。まず、避難場所が
どこなのか、家族みんなで確認するといいと思います。そして、どの道を通っていくのか、
大雨が降っているときなどに安全に避難することはできるか、実際に歩いて確かめること
が大切だと思います。例えば、途中に大雨であふれそうな川やふたのないどぶがないか、
崩れそうな崖がないか、確認するといいと思います。避難場所までの道が危険と思われる
ときは、他の避難場所を探すことも必要だと思います。二つ目は、「非常持ち出し袋を準備
すること」です。いざという時に備えて、非常持ち出し袋を用意しておきましょう。中に
入れるものは、家族の構成や季節によって違ってきますので、何が必要か、家族で話し合っ
て決めることが大切だと思います。食料や水は、家族の三日分を用意しておくといいと思
います。ちなみに、一日に人間一人が必要とする水は、およそ二リットルと言われていま
す。せっかく非常持ち出し袋を用意しても、すぐに取り出せない押入れなどにしまったの
では、役に立ちません。避難する時に、すぐに持ち出せるよう、茶の間や玄関などに備え
ておくことをオススメします。また、誰が何を持ち出すのか、家族の中で係を決めておく
ことも大切だと思います。
これら五つのことに、特に注意して、危険に気をつけて、自分の身は自分で守ります。
そして、自分の身を守ると同時に、一人でも多くの命を救うために、災害が起こったら、
一番大切なことは、土砂災害に限らず、全ての災害に対して情報から得た予測と、事前の
準備が大切だという結論にいたりました。
「土砂災害の被害を少なくするためには」
犬山市立犬山中学校
2年
佐竹
直樹
土砂災害。それは、自然に発生してしまうものだから、完全に防ぐことはできない。し
かし、死者やけが人などの、人的被害を少なくすることはできるのではないだろうか。イ
ンターネットなどで調べてみて、私はこの感じた。
今から二年前の、平成二十六年八月。広島市の安佐北区や安佐南区で一時間に百ミリ以
上の大雨が降り、大規模な土砂災害が発生した。死者七十四人、重軽傷者は四十四人と、
とても多くの人が被害を受けた。私もこのニュースをテレビでよく見ていた。映像を見た
とき、土砂災害の怖さや恐ろしさをとても感じさせた。また、ボランティアの方々が一生
懸命活動している姿を見ると、自分も広島に行って力になりたいと思った。調べてみると
この災害は、いくつかの原因が重なって発生してしまったことが分かった。私はその中の
二つが気になった。
一つ目は、宅地の開発だ。山を切り開いて住宅を建てていくと、山と住宅との距離が近
くなる。よって、宅地の開発をすると、土砂災害が発生しやすくなり、被害も受けやすく
なると思う。だから、土砂災害の危険がある場所には、住宅を建てないこと、もし建って
いるのであれば、移動することが一番だと思う。
二つ目は、避難勧告を発令するのが遅かったことだ。土砂災害から自分の身を守るため
には、早めの避難が一番良い方法だと思う。勧告が有るのと無いのでは、危機感が違って
くると思う。しかし、このときのように、勧告が発令されなかった場合は、自主的に避難
しなければならない。そんなときのために、どのようなタイミングで避難をすればいいの
か、知っておくべきではないだとうか。
土砂災害は、発生してしまうのは仕方が無いと思う。しかし、日頃の備えがあれば、自
分の身を守ることはできるのではないだろうか。例えば、いつでも避難できる準備をして
おく、雨の降り方に注意する、ハザードマップなどで危険な場所を確認しておく、避難訓
練に積極的に参加するなど、いろいろな方法がある。また、大雨警報や、土砂災害警戒情
報などの、気象情報を確認することも有効である。これらの方法は、山の近くに住んでい
る人だけが知っておくべきことではなく、都市部から山に出かけたりする人も、絶対に知っ
ておかなけばならにないことだと思う。私も今まではあまり興味を持っていなかったけれ
ど、山を登ったり、キャンプをしたりすることがたまにあるので、他人事にしてはいけな
いと感じた。
土砂災害の発生を防ぐためにできることはあるのか、私は疑問に思っていた。調べてみ
ると二つ方法があることが分かった。
一つ目は砂防ダムをつくることだ。砂防ダムを建設すると、災害を防止したり、下流に
ある貯水ダムに土砂が堆積したりするのを防ぐことができる。しかし、土砂といっしょに
養分もせき止めてしまうため、生物への影響がある。また、川を分断してしまうため、魚
の移動を妨げることになる。災害の防止と環境保護のバランスをとるのは、とても難しい
ことだと感じた。
二つ目は、森林を守ることだ。森林は、「緑のダム」とも言われ、雨水や雪解け水を多く
蓄えられるようになっている。また、木の根が土を固定して、崩れにくくなっている。し
かし、森林が無くなると、雨は勢いよく地表を流れるようになって、土砂災害が発生しや
すくなる。しかし、最近は山の開発が進んでしまっている。また、木が一部分生えておら
ず、山肌が見えている山をよく見かける。しかし、これでは土砂災害が発生してしまうか
もしれない。その対策を調べていると、「山腹工」という方法を見つけた。それは、山肌が
露出していることろに、草や木を植えて安定した地盤を作るというものだった。これは、
とても良い方法だと思う。森林は、土砂災害を防ぐという点で、大きな役割を果たしてい
ることを強く感じた。
私は、土砂災害が発生するのはそもそも集中豪雨があるからだと思い、調べてみた。す
ると、集中豪雨は少なからず、地球温暖化と関係していることが分かった。だから、その
対策として、節電や節水は誰でもできると思う。
「土砂災害の被害にまさか自分があうわけない。」今まで私はそう思っていた。しかし、
いつ、どこで発生するかは分からない。家のすぐ近くで、もしくは出かけた先で発生する
かもしれない。「大丈夫」と思っている人は、「かもしれない」と考えを変えて、日頃から
備えをしていかなければいけないと思う。いざ土砂災害が発生したとき、いかに落ち着い
て行動するかが大切だと思う。
「土砂災害を防ぐには」
みよし市立北中学校
3年
平山
祐輔
南阿蘇村で土砂災害が起きました。何人もの死者が出てしまいました。以前には広島で
も土砂災害が起きています。最近、集中豪雨や観測史上最大の大雨が降ることが増えてい
ます。それによって、土砂災害が起きる可能性が高まっています。
テレビで土砂災害という単語を耳にしたことは誰でもあると思います。そもそもどのよ
うなものか調べてみました。土砂災害には、がけ崩れ、土石流、地すべりの三種類があり
ます。それに伴う生命や財産が脅かされることを土砂災害といいます。土砂災害は集中豪
雨や台風を原因として発生します。また、日本は山や崖などの斜面が多いです。それによ
り土砂災害の危険性は他国に比べて高いです。土砂災害の危険箇所は五十三万か所ありま
す。つまり、どこで土砂災害が起こっても不思議ではありません。
また、そのほかの原因として山を切り開いて住宅地を作ったことがあります。森林には
斜面が崩れるのを防ぐ働きがあります。住宅地を作ったことにより土砂災害を食い止める
力が弱くなっています。今、様々な要因が重なり、日本は土砂災害が起きる可能性は高ま
りつつあります。
土砂災害がどこで起きるか分かりません。まず、僕は身の回りにどのような危険がある
のか調べてみました。そのためにハザードマップを見てみました。ハザードマップを真剣
に見るのは初めてでした。僕の家の周りには崖や山などはあまりありません。だから、ハ
ザードマップには何も書かれていないと思っていました。しかし、少ないながらもいくつ
か危険なところがありました。ハザードマップを見ることで初めて土砂災害の危険性を自
分にもあるのだと認識しました。
そして、土砂災害による被害を減らすにはどうすればよいのか自分なりに考えてみまし
た。山に木を植えたり砂防ダムに設置したりすることなどは土砂災害に対する対策として
は有効だと思います。
しかし、これは自治体などが行うことです。自分の身を自分で守るにはどうすればいい
のか。僕は土砂災害の発生を予測することだと思います。地震や噴火などはいつ、どこで
発生するかを自分で予測することは難しいと思います。しかし、土砂災害は集中豪雨や台
風等をきっかけとして発生します。つまり、自分である程度発生を予測することができる
と思います。土砂災害の発生を予測し、自分から行動することで土砂災害の被害を減らす
ことができます。
もし、集中豪雨などで土砂災害が来ると分かったら真っ先に避難すべきです。土砂災害
の避難は早めに決断することが大切だと思います。その場にいる人にしか分からないこと
があるはずです。だから、自治体から出る警戒情報だけでなく、自分が危ないと思ったら
すぐに避難したほうがいいと思います。土砂災害の原因の一つは大雨です。もし判断が遅
いと洪水などで避難はさらに難しくなります。避難するにしても家にとどまるにしても危
険は高くなってしまいます。大雨で何回何十回と避難しても空振りに終わることのほうが
多いと思います。それでも避難することを続ければ土砂災害の被害は減らせると思います。
大雨が降っても土砂災害は必ずしも起きるものではありません。だから、避難しても空振
りになる可能性は高いと思います。自分で判断して避難するという意識。その意識が根付
いていれば自分の身を守れると思います。自分の避難の空振りの回数と自分の命を比べて
みてください。どちらが重いかは言うまでもないと思います。
そして、土砂災害を防ぐ一番の方法は地域とのつながりだと思います。もし、巻き込ま
れてしまったときに気づいてもらえると思います。普段のつながりがあることで災害の際
も地域の人が気づいてくれる可能性が高くなります。救助活動もスムーズになり命を救わ
れる可能性は高くなるはずだからです。だから、僕自身も地域とのつながりを大切にした
いです。
土砂災害のみならず様々な災害の後で「教訓を生かす」ということはよく言います。し
かし、それは自治体だけではなく一人一人の意識も変える必要があると思います。地震な
どの対策はしていても土砂災害に関する意識を持っている人はあまりいないかもしれませ
ん。土砂災害による被害を減らすため国や自治体は様々な努力や対策をしています。それ
を聞き流すのではなく、自分のこととして聞けるようになったらそれこそ「教訓を生かす」
ということになるはずです。