この世において最も尊敬されるべき小さなカリフ-子供たち

東京ジャーミイ金曜日のホトバ
2016 年 12 月 09 日
この世において最も尊敬されるべき小さなカリフ-子供たちについて
」
兄弟、姉妹の皆様!
私たちの預言者(彼の上に平安と祝福あれ)がお育てに
なったアナス様には、アブー・ウマイルという名の
兄弟がおりました。アブー・ウマイルは鳥が大好き
で、一羽のツバメを飼っていました。ある日のこと
です。ウマイルがとても悲しそうにしているのが、
私たちの預言者の目にとまりました。そこで彼は、
どうして悲しそうにしているのか、その理由をお尋
ねになりました。するとウマイルが悲しんでいたの
は、飼っていたツバメが死んでしまったからだとい
うことが分かりました。預言者は、ウマイルに歩み
寄って彼の頭を撫でてやり、慰めようとなさいまし
誰がそれをもたらしますか
た。しかしそれだけで済ませようとはなさいません
でした。彼はウマイルの家を訪れ、この小さな男の
子のために、礼儀を尽くして哀悼の意を示されたの
であります。私たちの預言者は、慈しみの運び手で
ありました。彼は慈悲の川でありました。過ぎ去っ
た子供時代を、私たちに思い出させて下さいました。
ずっと昔に失われた純粋さを、私たちに再びお示し
下さいました。子供たちや子供時代というものは、
彼にとっては天国にそよぐ風だったのであります。
親愛なる信仰者の皆様!
子供たちは一筋(ひとすじ)の神聖な光であり、まるで
天国のように輝いています。クルアーンが、私たち
にそう教えてくれています。目から光が失われてし
まえば、もはや何ものをも見ることができなくなり
ます。子供たちとは、家族やコミュニティの未来そ
OF ISLAM
のものであります。子供がないがしろにされ、追い
やられ、忘れられてしまったなら、家族もコミュニ
ティも、自分たちの未来を思い描くことはできませ
ん。未来について考えることを怠り(おこたり)、子供
たちのために未来を残すことが出来ないようでは、
人類は平和を手にすることも出来ないでしょう。私
たちが、子供たちを、「この世において、最も尊敬
されるべき小さなカリフたち」という眼差しをもっ
て見ない限り、そこに救済はあり得ません。すべて
の子供たちは純粋無垢な存在であり、またこの世の
差し出すあらゆる善と美にふさわしい存在であるこ
とは、まぎれもない真実なのであります。
と虐殺の下(もと)に失われつつあります。私たちは子
供たちのために、平和な世界を築いて手渡さねばな
りません。にも関わらず、私たちが子供たちに与え
ているのは、ただ暴力と残酷さばかりであります。
新たな土地に、新たな希望を見出そうとした人々が、
浜辺にたどりついた時には、あのアイラン君という
名の幼な子(おさなご)のように、命を奪 われたなきが
らとなって波にさらされています。しかし実際に波
にさらされているのは、命を奪われた子供たちの遺
体だけではなく、人類の良心そのものなのです。ア
レッポのオムラン君のように、大勢の子供たちが、
降り注ぐ爆撃の下で救助の手を待ち望んでいます。
しかし実際に破壊の石つぶての下で、罠にかけられ
ているのは全人類の良心と慈悲であります。虐げら
れ、見捨てられた大勢の人々がいます。そして全能
の神に、日々、私たちの至らなさについて嘆ながら
過ごしています。
兄弟、姉妹の皆様!
私たちの子供たちの存在とは、私たちに対する試験
であるということを忘れずにいましょう。残念なが
ら私たちは、一日、また一日と、この試験に合格で
きないまま過ごしています。私たちには、子供たち
の流す涙の一粒、一粒に対する責任があるのです。
最後の審判の日、私たちは全能の主に、孤児たちや
恵まれない人々、家を失った人々に対して、何をな
したのかと問われることでしょう。ですから私たち
兄弟、姉妹は、今こそ目を覚まさねばなりません。
EASY
子供たちに対して、より高潔な人間性と、より良い
世界を残してゆくためにも、私たちは努力しなくて
はなりません。一日ごとに度合いを増してゆく、私
たちを取り囲む悪と戦うためにも、共に力を合わせ
てゆかねばなりません。特に私たちのウンマにおけ
る、親を失った子供たちについては、庇護の翼の下
に守ってやらねばなりません。慈悲こそが私たちの
立ち返るべき原則であり、それは私たちの預言者が、
「自らの仲間である人類に対し、慈悲を示さない者
には、神は慈悲を示したまわない」と、警告なさっ
た通りであります。私たちは子供たちを、愛と優し
さに包まれた環境の中で育まねばなりません。子供
たちには、神を慕う心がすでに備わっています。私
たちは、それを深めてやらねばなりません。私たち
は子供たちに、手本とするべき預言者の美徳を教え
てゆかなければなりません。
全体規則)
親愛なる信仰者の皆様!
私たちの心の地に住まう子供たちの泣き叫ぶ声が、
空に響き渡っています。これは非常に悲しむべきこ
とであります。モスルで、アレッポで、ラカインで、
そうしたムスリムの住まう地域の多くにおいて、今
日も何百、何千という子供たちが、恐るべき困難に
さらされ、苦しんでいます。あまりにも多くが体に
深い傷を負い、親を失い、命を奪われているのです。
今日(こんにち)、ウンマの未来が、虐待と暴力、戦争
IS
兄弟、姉妹の皆様!
子供たちのために、より安心で、より美しい世界を
築けるよう、神のご援助があるように祈りましょう。
www.tokyocamii.org