資料1 政策金融機関の現状について 平成28年12月16日 財務省大臣官房政策金融課 1.融資の状況等 政策金融機関と民間金融機関の貸出の伸び率 (前年比) 15.0% リーマンショック 10.0% アジア通貨危機 5.0% 0.0% バブル崩壊 ‐5.0% ‐10.0% ‐15.0% 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 政府系⾦融機関 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 銀⾏等 (出所)日本銀行「資金循環統計」 (注1)1998年以前は、68SNAに準拠。1999年~2004年は93SNAに準拠。2005年以降は、08SNAに準拠。 1999年以降は、住宅ローンを含む。2005年以降 は、公的専属機関を除く。 (注2)2005年は統計改定に伴い、旧公営企業金融公庫が除かれること等による統計の断絶が生じているため点線で表示。 14 15 16 (年) 3 政策金融機関と民間金融機関の貸出金残高(推移) (兆円) 600 556 552 579 566 553 547 603 591 10.5% 10.0% 9.9% 10.0% 500 9.7% 273 9.6% 272 400 9.8% 9.7% 286 280 275 313 303 293 9.5% 9.2% 9.0% 300 200 8.5% 8.3% 226 237 231 228 224 219 220 235 8.0% 100 0 22 24 平成20年度末 46 24 29 平成21年度末 日本公庫 53 24 29 平成22年度末 53 24 29 平成23年度末 政策金融機関(日本公庫除く) 35 54 56 37 58 38 58 37 21 21 20 18 平成24年度末 平成25年度末 平成26年度末 平成27年度末 都銀等 地域金融機関 55 7.5% 政策金融機関の割合【右軸】 (注1)都銀等は、全国の銀行から地銀、第二地銀を除いたもの。地域金融機関は、地銀、第二地銀、信金、信組。政策金融機関は、日本政策金融公庫、国際協力銀行、沖縄振興開発金融公庫、日本政策 投資銀行、商工組合中央金庫。 (注2)日本公庫は、平成23年度末まで国際協力銀行業務を含む。 (注3)日本公庫は、危機対応等円滑化業務を含む 4 (出所)各機関HP、全国銀行協会、全国地方銀行協会、全国第二地方銀行協会、信金中金 地域・中小企業研究所、全国信用組合連合会 政策金融機関の貸出金残高の推移①(日本政策金融公庫) 事業別貸出残高推移 (兆円) 25 危機 20.4 20.6 21.3 16.8 2.7 10 国民 20.7 19.6 4.8 5.4 18.3 5.4 5.0 4.1 3.1 危機対応等円滑化業務 1.4 15 中小 21.2 20 4.7 農林 2.6 2.5 2.5 2.5 2.5 2.6 2.6 農林水産事業 中小企業事業 5.4 6.0 6.2 6.3 6.3 6.2 6.0 5.7 7.2 7.1 7.2 7.1 7.0 7.0 7.0 6.9 5 国民生活事業 0 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 (注)国際協力銀行(平成23年度まで日本政策金融公庫の一部)の貸出を除く。 平成26年度 平成27年度 5 政策金融機関の貸出金残高の推移②(沖縄公庫、国際協力銀行) (兆円) 沖縄振興開発金融公庫 国際協力銀行 (兆円) 1.2 16 1.1 14.5 1.1 1.0 13.6 14 1.0 12.7 0.9 0.9 12 0.8 0.8 0.8 10.6 0.8 10 8.8 0.6 8 8.4 8.1 7.2 6 0.4 4 0.2 2 0.0 0 (注)平成23年度までは日本政策金融公庫の一部。 6 政策金融機関の貸出金残高の推移③(日本政策投資銀行、商工中金) 日本政策投資銀行 (兆円) 16 14.0 14 13.5 13.7 13.1 12 商工組合中央金庫 (兆円) 12 14.0 13.4 13.1 10 9.5 9.2 12.0 9.5 9.6 9.5 9.5 9.5 9.5 8 10 8 6 6 4 4 2 2 0 0 7 政策金融機関と民間金融機関の貸出金残高(地域別①) <政策金融機関と民間金融機関における地域別融資残高の比較(平成27年度末)> 北海道 2.1 関東 55.4 国内銀行 政策金融機関 (日本公庫、商工中金) 関東 32.2 0.0 10.0 近畿 13.9 近畿 19.9 20.0 30.0 40.0 中部 7.7 中部 11.5 50.0 九州 9.8 60.0 (注1)事業所所在地別に振り分け。 (注2)国内銀行とは、都銀、地銀、第二地銀、信託銀等 九州 7.8 東北 7.8 70.0 中国 4.0 東北 4.0 中国 6.7 80.0 北陸 2.6 北陸 北海道 4.3 4.9 90.0 (出所)各機関データ、日本銀行「地域別貸出金」 四国 2.4 四国 3.0 100.0 (%) (参考)地域別の中小企業数構成比(単位:%) 関東 近畿 中部 九州 東北 中国 北陸 北海道 四国 30.6 16.8 15.4 11.6 7.3 5.9 5.0 4.0 3.5 (資料)平成28年中小企業白書(総務省 平成26年「経済センサス」再編加工) 8 政策金融機関と民間金融機関の貸出金残高(地域別) <政策金融機関の融資残高の全体に占める割合の推移> 14.0% 北海道 13.0% 12.0% 東北 11.0% 中国 10.0% 九州 9.0% 近畿 北陸 中部 8.0% 全国計 7.0% 四国 関東 6.0% 5.0% 北海道 東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州 計 4.0% 平成20年度末 平成21年度末 平成22年度末 平成23年度末 平成24年度末 (注1)事業所所在地別に振り分け。 (注2)政策金融機関は、日本公庫、沖縄公庫、政投銀、商工中金。国内銀行は、都銀、地銀、第二地銀、信託銀等 平成25年度末 平成26年度末 平成27年度末 (出所)各機関データ、日本銀行「地域別貸出金」 9 2.民業補完に向けた取組 日本政策投資銀行における民間金融機関との協調の徹底 ◯ 平成27年5月の日本政策投資銀行法の改正を受け、民間金融機関との協調の徹底のため、外部の有識者による助言 機関として設置していた「アドバイザリー・ボード」を取締役会の諮問機関へと変更し、適正な競争関係の確保を諮問事 項として追加。 ◯ あわせて、民間金融機関との定期的な意見交換会を実施(全銀協、地銀協、第二地銀協とすでに6回実施(平成28年 5月まで))。 ◯ 民間金融機関との意見交換の結果をアドバイザリー・ボード、モニタリング・ボードに報告し、適正な競争関係確保の状況 等について評価頂いた上で、結果を業務運営に反映させるという仕組みを構築。 業務運営(事業計画・事業報告書等)へ反映 議論を反映 特定投資業務モニタリング・ボード アドバイザリー・ボード DBJ業務全般の適正な競争関係確保の状況等を評価 原則年2回を想定 奥正之 SMFG取締役会長 釡和明 IHI相談役 橘・フクシマ・咲江 G&S Global Advisors Inc. 社長 中西勝則 静岡銀行頭取 根津 嘉澄 東武鉄道株式会社代表取締役社長 三村明夫 新日鐵住金相談役名誉会長 植田和男 東大経済学部教授 議論を反映 特定投資業務の適正な実施を評価 原則年2回を想定 奥正之 SMFG取締役会長 髙木伸 全銀協副会長 中西勝則 静岡銀行頭取 山内孝 マツダ相談役 横尾敬介 経済同友会専務理事 渡文明 JXHD名誉顧問 定期意見交換会 など(それぞれ年2回程度を想定) ○ 全国銀行協会、全国地方銀行協会及び第二地方銀行協会との間の定期意見交換会 議論を反映 ○ 地域金融機関との個別の意見交換 議論を反映 11 商工組合中央金庫における民間金融機関との協調の徹底 平成27年法改正を受け、他の事業者との間の適正な競争関係の確保の状況の検証及び地域金融機関と の多様な連携の在り方等の助言を行うための取締役会の諮問機関として業務運営委員会を設置(平成27 年12月)。 業務運営委員会での意見を取締役会に報告し、経営に反映。 ガバナンス体制図 適正な競争関係確保・地域活性化に向けたPDCA 12 指定金融機関を活用した危機対応制度の運用面の見直しについて ○ 危機対応制度においては、平成20年10月の制度運用開始以降、平成28年11月ま でに計64件の事案を認定。 ○ 株式会社日本政策金融公庫法附則第47条第2項や、行政改革推進会議等における民 間による安定的な資金供給に向けた条件整備に関する議論を踏まえ、平成27年7月、 現行の指定金融機関を活用した危機対応制度の下で、民間金融機関が指定金融機関にな るための申請手続きの簡素化や同機関の業務内容の一層の明確化等の運用改善を図っ た。 (参考)株式会社日本政策金融公庫法附則第47条第2項 (公庫の業務の在り方の検討) 第四十七条 (略) 2 政府は、公庫の成立後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案しつつ、指定金融機関に係る制度について検討を加え、必要があ ると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。 ○ 申請手続の簡素化 地銀等の指定申請手続について、現状規定されている財務局等と本省による二段階手続 を、本省のみの手続とした。【告示改正】 ○ 実施条件の一層の明確化 ・ ・ 危機対応業務に係るQ&Aを公表。【ウェブサイト掲載】 指定金融機関が策定する危機対応業務の実施要領や、主務大臣が個々の指定金融機関に 発出する危機対応業務に関する実施細目などの雛形を公表。【ウェブサイト掲載】 ・ 指定金融機関の指定及び監督に関する指針につき、内容の明確化を図るため、所要の改 正等を実施。【指定金融機関の監督指針改正】 13 3.民間金融機関との連携に向けた取組 企業のライフステージに応じた日本政策金融公庫の特別貸付制度(例) ◯ 民間金融機関が提供しにくい資金を提供することで、中小企業・小規模事業者の資金繰りを支援するとともに、民間融 資の呼び水となる効果。 利益・売上 創業期 成長期 安定・成熟期 衰退・再生期 海外展開・事業再編 新事業開拓 経営改善 事業再生 時間 ・新たに開業しようとする者 ・事業を開始して間もない者 新規開業資金 新創業融資制度 ・新しい技術の活用等 により、新事業分野の 開拓等を行う者 新事業育成資金 ・経済の構造的変化に 適応するために海外展 開をすることが経営上 必要である者 等 海外展開・ 事業再編資金 資 本 性 ロ ー ン ( 新 事 業 型 ) ・取引金融機関の支援を受けて企業再生を図る者 ・認定支援機関による経営改善計画策定支援事 業を利用して経営改善に取り組む者 等 企業再建資金 資本性ローン(再生型) 15 日本政策金融公庫における特別貸付制度の実績①(創業・新事業) ○創業前及び創業後1年以内の企業に対する融資実績 ○新事業育成資金の実績 (先) (億円) 金額 先数 3,500 3,000 35,000 (先) (億円) 800 30,000 26,010 2,500 1,600 先数 1,400 26,465 25,000 22,800 600 1,200 1,061 907 19,469 2,000 金額 1,000 20,000 16,465 2,214 1,500 400 1,926 677 800 15,000 600 1,821 1,000 10,000 1,332 1,012 500 200 400 200 0 0 24年度 480 5,000 0 23年度 478 357 25年度 26年度 0 25年度 27年度 26年度 27年度 ○資本性ローンの融資実績(新事業型) (億円) 600 中小企業事業 (件) 700 635 金額 500 600 件数(右軸) 500 400 330 300 274 200 200 205.74 248.4 100 134.15 0 0 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 金額 30 件数(右軸) 200 154 25 150 112 35.32 15 150 33 250 198 300 497.45 (件) 国民生活事業 35 20 287 106 100 400 (億円) 40 26年度 27年度 10 100 21.5 17.1 50 5 0 0 25年度 26年度 27年度 16 日本政策金融公庫における特別貸付制度の実績②(再生支援) ○企業再建資金の実績 (億円) 1,200 中小企業事業 金額 1,000 1,587 1,498 件数(右軸) 1,648 1,600 1,400 1,181 800 1,200 1,024 1,000 844 600 603 (件) 1,800 707 1,006.6 995.1 968.8 800 600 400 651.2 200 299.4 422.1 380.8 400 486.7 200 0 0 (億円) 国民生活事業 60 425 (件) 450 金額 400 件数(右軸) 350 50 40 300 199 30 171 220 250 52.7 148 20 200 150 76 10 17.6 75 30.1 32.3 42 16.9 8.6 100 50 12.4 0 0 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 ○資本性ローンの融資実績(再生型) (億円) 中小企業事業 600 675 金額 551 536 400 200 100 314 410.7 176 600 300 353.5 270.2 176.5 2.5 166.9 0 22年度 23年度 24年度 25年度 国民生活事業 金額 件数(右軸) 14 12 12 10 9 10 1.5 8 26年度 27年度 1 200 100 0 21年度 2 (件) 400 560.2 244 183.1 800 500 413 300 (億円) 700 500 件数(右軸) (件) 2.0 1.3 1.6 6 4 0.5 2 0 0 25年度 26年度 27年度 17 日本政策金融公庫の民間金融機関との連携 ○業務提携・協力にかかる覚書締結状況(平成28年3月末時点) 都市銀行 地方銀行 第二 信用金庫 信用組合 地方銀行 その他 合計 3 62 40 260 84 43 492 4 64 41 265 109 - 483 75% 97% 98% 98% 77% - 93% 機関数 (参考) 全金融機関数 業態別締結割合 (注)信用組合の全金融機関数は、業域信用組合及び職域信用組合を除く。 ○協調融資の実績 (件) 前年度比 41%増 <協調融資実績(件数)の推移> <協調融資実績(金額)の推移> (億円) 16,000 15,130 14,000 7,000 6,071 6,000 12,000 平成26年度 10,000 平成27年度 10,714 5,354 5,000 平成26年度 4,000 平成27年度 8,000 6,000 4,558 3,385 4,000 2,000 0 885 1,057 2,620 2,278 3,000 5,765 3,972 2,000 2,247 1,488 973 502 482 530 前年度比 13%増 1,000 988 1,120 563 695 906 1,120 105 142 512 371 0 18 商工組合中央金庫の民間金融機関との連携 ○業務提携・協力にかかる覚書締結状況(平成28年3月末時点) 地方銀行 覚書締結機関数 第二 信用金庫 信用組合 地方銀行 合計 60 40 199 119 418 64 41 265 153 523 94% 98% 75% 78% 80% (参考) 全機関数 業態別締結割合 19 4.経済成長と地方創生のための金融連携 都道府県別の預貸率の推移 預貸率= 貸出残高 預金残高 (注)預金、貸出金とも国内銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫及び農業協同組合の合計。 都銀等については当該都道府県内の支店別に集計。 (出所)大和総研「日本の各都道府県における地域の資金循環及び流出入についての調査研究」図表20都道府県別預貸率の推移 21 金融機関の調達・運用の推移 (出所)大和総研「日本の各都道府県における地域の資金循環及び流出入についての調査研究」図表21金融機関の調達と運用 22 政府方針における位置づけ① ●経済財政運営と改革の基本方針2016~600兆円経済への道筋~(平成28年6月2日閣議決定)(抄) 第2章 成長と分配の好循環の実現 2.成長戦略の加速等 (1)生産性革命に向けた取組の加速 ④ 企業の成長力・収益力の強化と活用 過去最高水準の経常利益を背景に、企業の保有する現預金等は増加している。日本経済を持続的な成長軌道に 乗せるためには、企業の内部資金を投資につなげていくことが必要である。また、ESG(環境、社会、ガバナ ンス)や人材投資、研究開発投資などの無形資産への投資を含む取組や、資本効率の向上に向けた取組により、 中長期的な成長力や収益力を強化することが重要である。そのため、取引所等の関係者と協力し、コーポレー ト・ガバナンスの実効性の向上に向けて取り組むとともに、企業と投資家の対話の充実に向けた具体策を検討す る。また、民間からの成長資金の供給を促すため、官民ファンド、政府系金融機関を積極的に活用する。さらに、 現下の低金利環境を活かし必要な投資を進める道筋を検討する。(後略) ●日本再興戦略2016―第4次産業革命に向けて―(平成28年6月2日閣議決定)(抄) 第2 具体的施策 Ⅱ 生産性革命を実現する規制・制度改革 2.未来投資に向けた制度改革 2-2.活力ある金融・資本市場の実現 (1)新たに講ずべき具体的施策 ⅰ)成長資金の供給に資するポートフォリオ・リバランスの促進と市場環境の整備等 ⑦ 官民ファンド等による成長資金の供給 官民ファンド、政府系金融機関に求められる、補完性の原則、外部性の原則に留意しつつも、依然として 成長資金供給に対する呼び水的効果の発揮が強く求められている現状に鑑み、更なる機能発揮に向けた取組 みを検討する。 23 政府方針における位置づけ② ●まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015改訂版)(平成27年12月24日閣議決定)(抄) (1)地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする (ア)生産性の高い、活力に溢れた地域経済実現に向けた総合的取組 D 地域企業の経営体制の改善・人材確保等 【主な施策】 ◎ (1)-(ア)-D-③ リスク性資金の充実に向けた環境整備 地方に投資を呼び込み、生産性が高く活力に溢れた産 業を取り戻すためには、地域企業の経営改善・ガバナン スの強化が進められるとともにリスク性資金の充実が重 要である。 このため、地域企業が更なる成長を目指し「攻めの経 営」に転じることができるよう、金融機関や支援機関等 によるローカルベンチマーク等の活用により、地域企業 の経営改善・ガバナンスの強化を図る。 また、株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」とい う。)や株式会社日本政策金融公庫、株式会社商工組合 中 央 金 庫 、 株 式 会 社 地 域 経 済 活 性 化 支 援 機 構 ( 以下 「REVIC」という。)等の官民ファンドや地域金融機関 等設立の地域ファンド等によるエクイティファイナン ス・メザニンファイナンス等、既に整備されている枠組 みの活用を促すことに加え、証券会社やプライベートエ クイティファンド等にそれぞれの機能をいかした取組を 促す。 さらに、地域企業の経営改善や、観光業・農林水産業 の強化・成長を促すべく、民間金融機関、政府系金融機 関、官民ファンド等が設立するファンドの活用を図る。 ◎ (1)-(ア)-D-④ 創業支援・起業家教育 地域に新たなビジネスや雇用を創出し、域内経済を活 性化させるためには、リスク性資金の充実と併せ、官民 一体となった創業支援や起業家教育及び第二創業支援を 通じた新陳代謝の促進が必要である。 そのため、DBJによるオープンイノベーションを通じ たビジネス創造についての地方への普及・展開、第二創 業者に対する支援、ベンチャー企業や大企業等からなる ベンチャー創造協議会の活用によるビジネスマッチング の促進等を進めると同時に、国内外のベンチャーキャピ タル等と連携した創業期のベンチャー企業への実用化開 発支援、クラウドファンディングなどの手法を用いた小 口投資・寄附等(ふるさと投資)の活性化等を通じ、各 種創業を支援する。創業希望者、とりわけ新しいタイプ の事業などリスクの観点から官の補完的役割が必要な ケースについては、政府系金融機関による創業者向け融 資の一層の活用や民間金融機関の協調を通じて官民の適 切なリスク分担を図る。 また、株式会社日本政策金融公庫等が開催する「ビジ ネスプラン・グランプリ」・出張授業やDBJが開催する 「DBJ女性新ビジネスプランコンペティション」等を通 じて、創業マインドの向上を図るとともに、起業家教育 の充実を図る。 24 政府方針における位置づけ③ ●まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015改訂版)(平成27年12月24日閣議決定)(抄)(続き) (1)地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする (ア)生産性の高い、活力に溢れた地域経済実現に向けた総合的取組 H 総合的な支援体制の改善 【主な施策】 ◎ (1)-(ア)-H-③ 民間金融機関と政府系金融機関との連携強化 地域経済にプラスの外部効果を及ぼす新しいタイプの事 業や技術革新につながる事業支援は、相対的にリスクが高 いため、一定の範囲で、官が補完的な役割を果たすことが 必要である。 創業支援などの分野において、地域における金融機能の 高度化を図るなどの観点から、民間金融機関と政府系金融 機関による共同商品・協働ファンドの組成等を通じた協働 案件の発掘、組成によるノウハウシェアなどの連携を促進 する。このため、政府の支援体制の整備を進める。 基本的な方向性として、中長期的に民間が自立的に資金 を供給することを目指し、官民の金融に関わるプレイヤー が、適切に役割分担し、企業側の多様な需要に応えられる ような資金供給パターンを数多くつくり上げていくととも に、協働により企業の成長に資する成功事例を1件1件積 み上げ、成長資金の供給規模を拡大し、各プレイヤーが協 働するベストプラクティスを構築するよう取り組む。 ◎ (1)-(ア)-H-④ 「地域企業応援パッケージ」のPDCA サイクルの確立 (1)-(ア)の関係施策を有効に実施していくため、産業・ 金融・地方公共団体が一体となった総合支援体制の整 備・改善を進める。具体的には、産業・金融両面からの 政府の支援等を総合的に実施し、様々なライフステージ にある企業の課題解決に向けた自主的な取組を官民一体 で支援する。この際、企業の課題解決に向けた支援策は、 可能な限りのワンストップ化を進めつつ、その内容や具 体的な活用方法について、企業や地域金融機関、政府系 金融機関、地方公共団体への更なる周知を図る。 また、地域企業を応援するためのパッケージとなるよ うな施策を実施・拡充しながら、各施策の取組成果や利 用者目線に基づく継続的な改善を行う(PDCAサイクルの 確立)。 地方公共団体が「地方版総合戦略」に織り込んだ(1)(ア)の各施策を的確に実施するため、国の人的支援や財政 上の支援体制を整備する。 25 民間金融機関との連携・協調のための「連絡窓口」の設置 ◯ 現場レベル(支店)でのコミュニケーションの充実を図る目的で、平成27年3月以降、政府系金融 機関(日本政策金融公庫、商工中金)と地銀(地銀協会員行)との間に、「連絡窓口」を設置。 ◯ 「連絡窓口」を通じた意見交換等により、更なる連携・協調に向けた取組や民業補完を進め、地域 経済の活性化を図る。 ※ その他の民間金融機関においても、政策金融機関との間で締結している覚書に基づく窓口を通じて、 連携・協調に向けた意見交換を実施している。 ③現場レベルでの 意見交換 地 銀 日本公庫・商工中金 支 店 (連絡窓口) 支 店 ①本部に報告 本 部 (連絡窓口) ②窓口を通じて連絡 本 部 26 日本公庫の創業支援ネットワークの構築 <ななお創業応援カルテット(石川県七尾市)> 日本公庫の創業支援ネットワークの構築数 : 累計682ヵ所(平成27年度末) ※このうち自治体は669ヵ所、民間金融機関は611ヵ所に参加している。 27
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