修士論文中間発表 KAGRA 用レーザーの強度安定化 21541107 杉本裕介 現在、重力波の直接観測を目指し重 力波望遠鏡 KAGRA が岐阜県の神岡 町に建設されている。 2016 年 2 月に、アメリカの重力波 望遠鏡 LIGO が重力波の観測に成功 したと発表した。重力波観測の国際ネ ットワークにいち早く参入するため、 本 格 的 な 観 測 運 転 が 始 ま る baseline-KAGRA(bKAGRA )の建 設が 2020 年度完成にむけ進められて いる。 bKAGRA では最終的に 200W の高 図: 強度安定化セットアップ 出力のレーザーの使用が予定されている。レーザーの相対強度雑音が大きいと、干渉計に 使用されるミラーを揺らす原因となり重力波の測定に支障をきたす。そのためレーザー強 度の安定化が必要不可欠である。 本研究では図のような音響光学素子(AOM)を用いた強度安定化システムを構築し、レ ーザー強度の安定化を行っている。 bKAGRA でのレーザーの要求値達成にむけ、地面振動によるノイズや、電源ライン、配 線などからのノイズの低減のための光学系の改善、Relative shot noise を低下させ、ゲイン を稼ぐための制御回路の最適化などを行っている。 今後は現在発生しているノイズのピークの低減のためのノイズハンティング、制御回路 のフィルターの最適化を進めるほか、クリーンルームで実験を行うなどしてさらなる安定 度実現のために実験をおこなっていく。
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