2016年12月15日 米FOMCは全会一致で0.25%の利上げを決定 米連邦公開市場委員会(FOMC)は全会一致で0.25%の利上げを決定。声明文では雇用環境の底堅さに言及。 FOMC参加者は2017年以降の利上げ見通しを小幅上方修正。FOMC参加者は今後、年3回ずつの利上げを想定。 FOMC参加者の米経済見通しは9月時点から概ね据え置き。米実質GDPは2%前後の緩やかな成長を見込む。 今後、トランプ次期政権の財政政策の詳細が明らかになるに連れ、FOMCの経済・金利見通しも修正される可能性。 FOMCは全会一致で0.25%の利上げを決定 米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月14日(現地時 間)、大方の市場予想通り、フェデラル・ファンド(FF)金利 の誘導目標を0.25%引き上げ、0.50-0.75%とする決定 図1:FF金利誘導目標とFOMC参加者の金利見通し (%) 3.5 FOMC参加者の 政策金利見通し(中央値) 3.0 を下しました。今回は10名のFOMC投票メンバー全員が賛 成し、全会一致での利上げ決定となりました。 FOMC声明文では、最近数か月の底堅い雇用増と失業 2.5 2.0 率低下に関する言及がなされ、「雇用環境とインフレの実 FOMC参加者は利上げ見通しを小幅上方修正 今回公表されたFOMC参加者の政策金利見通し(中央 値)は、2017年末が1.375%、2018年末が2.125%、 2019年末が2.875%となり、2016年9月時点の見通しか 1.875 1.375 績と見通しを考慮し、利上げを決定した」と述べられました。 1.5 2.625 2.125 2016年12月時点 2.875 1.125 1.0 2016年9月時点 0.50-0.75% FF金利 誘導目標 0.5 0.0 13 14 15 16 17 18 19 (年) ら小幅上方修正されました(図1)。今後、利上げが 0.25%刻みで実施されると仮定すると、FOMC参加者が (出所)米連邦準備制度理事会(FRB) (期間)2013年1月~2016年12月 2017年以降、年3回ずつのペースで利上げを想定してい ることが示唆されています。 イエレン議長による記者会見によれば、トランプ次期政 図2:FOMC参加者の米経済見通し(中間予想値) (単位:%) 予想時点 2016年 2017年 2018年 2019年 今回 1.8~1.9 1.9~2.3 1.8~2.2 1.8~2.0 2016年 9月時点 1.7~1.9 1.9~2.2 1.8~2.1 1.7~2.0 今回 4.7~4.8 4.5~4.6 4.3~4.7 4.3~4.8 2016年 9月時点 4.7~4.9 4.5~4.7 4.4~4.7 4.4~4.8 今回 1.5 1.7~2.0 1.9~2.0 2.0~2.1 2016年 9月時点 1.2~1.4 1.7~1.9 1.8~2.0 1.9~2.0 今回 1.7~1.8 1.8~1.9 1.9~2.0 2.0 2016年 9月時点 1.6~1.8 1.7~1.9 1.9~2.0 2.0 権による財政刺激策や失業率の低下がFOMCによる金利 見通しの小幅引き上げに繋がった模様です。 実質GDP成長率 (前年比) 利上げ見通しは財政政策次第で変わる可能性も もっとも、FOMC参加者の米経済見通しは、2016年9月 失業率 時点から概ね据え置かれました(図2)。FOMC参加者の 最新見通しでは、米国の実質GDPは2017年から2019年 にかけて2%前後の緩やかな成長が見込まれています。 インフレ率 (前年比) 今後は、減税策やインフラ投資などのトランプ次期政権 の財政政策の詳細が明らかになり、FOMC参加者の米経 コア・インフレ率 (前年比) 済見通しが修正されるに連れて、今後の利上げ見通しも 上方修正(または下方修正)される可能性が残されている (出所)FRB (注)コア・インフレ率は食品・エネルギーを除く個人消費支出 (PCE)価格指数。GDPとインフレ率は各年第4四半期の前年比、失業率は と考えられます。 第4四半期の平均。 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種 データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、 将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予 告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面に よる同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作 成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。 1
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