Yoshiyuki Sugishita 健康安全部 profile 杉下 由行 1999.05 衛生局総務部地域保健課(東京都立広尾病院派遣) 2001.05 飾区 飾保健所予防課課務担当係長 2003.04 健康局医療サービス部感染症対策課課務担当係長 2005.04 福祉保健局健康安全室環境保健課課務担当係長 2007.04 福祉保健局健康安全部感染症対策課 (国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース派遣) 2009.04 福祉保健局島しょ保健所小笠原出張所副所長 2011.04 福祉保健局健康安全研究センター微生物部疫学情報室副参事研究員 2014.04 中央区保健所健康推進課長 2016.04 福祉保健局健康安全部感染症対策課長 研究活動:先天性風しん症候群児のウイルス排泄期間の評価に取り組む 公衆衛生の醍醐味 私は特に感染症に興味があり、実際に重症急性呼吸器症候 群(SARS)や新型インフルエンザの対応、結核対策、予防接 種の推進などに携わってきました。感染症は診断や治療がも ちろん大切ですが、感染拡大防止という点では行政による関 わりが非常に大きいものとなっています。公衆衛生は集団を 相手として疾病の予防を目指すもので、個人を相手とする臨 床とは違って実際に感謝されることはありません。しかし、 予算を獲得し、政策を立て、実行することで様々な疾病の予 防を図ることが可能です。それは集団を対象とした非常に大 きなやりがいのある仕事であると思います。 東京都の公衆衛生医師の特色 私は、1999 年に大学を卒業後すぐに公衆衛生医師として東 京都に入職し、現在まで派遣を含めて、保健所や本庁の公衆 衛生部局など9つの職場を経験しました。このように東京都 ではおよそ2年毎に異動があり、様々な分野の仕事に従事し ながらスキルアップしていきます。長期の派遣制度もあり、 私自身 2007 年から2年間、国立感染症研究所実地疫学専門 家養成コース(FETP-J)に国内留学し感染症疫学や感染症集 団発生時の対応を学びました。 入都希望者へのメッセージ 公衆衛生行政は医師にとってなじみのない分野ではありま すが、臨床にはない面白さがあり、予防や保健を志す方にとっ て選択肢の一つになると思います。また、規則的な勤務が可 能なことから子育て中の方にも適した職場環境であると思っ ています。ご希望があればぜひ見学にいらして下さい。いつ でもお待ちしております。 都 民 の 安 心 ・ 安 全 につ な がる 社 会 を 実 現 するため に これ からの 未 来 に 向 けて 公 衆 衛 生 の 力 を 発 揮した い 。 首都東京を感染症の脅威から 守る 世界で拡大したエボラ出血熱及び中東呼吸器症候群(MERS) 、 また約 70 年ぶりに国内感染が認められたデング熱は、人口移 動と物流取引の高速化を背景に、感染症が急速に世界中に伝播 することを証明しました。感染症は、生命健康に被害を及ぼす 他、地域の医療資源を逼迫させ、社会に不安をもたらし、経済活 動を停滞させます。 東京は人や物が一極集中する大都市であり、国際化も急速に 進む中で、新型インフルエンザ、デング熱やエボラ出血熱など の新興・再興感染症、輸入感染症の危機に常にさらされていま す。また、結核患者数も年間約 2,500 人が報告され、全国に比し て若年層に患者の発生が多い状況が続いています。HIV/AIDS に おいては、全国の約3割の患者が東京に集中しているほか、性 感染症についても若年層への感染が拡大しています。 こうした様々な感染症から都民の生命と健康を守るため、健 康安全部には感染症危機管理担当部長、感染症対策課長、課長 代理(感染症医療担当)等に公衆衛生医師が配置され、感染症対 策のより一層の充実・強化に取り組んでいます。 公衆衛生医師は、東京都感染症マニュアルの改訂、対応方針 の判断、個人防護服着脱訓練の指導、健康監視業務の従事、患者 搬送時の連絡調整や指揮など、対策の司令塔として重要な役割 を担っています。 2020 年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、 世界から多くの人が東京を訪れます。感染症のリスクも必然的 に高まりますが、 「おもてなし」の心を持って、取組を推進して いきます。 都庁編 08
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