(仮称)札幌市墓地等の経営の許可等に関する条例・同条例施行規則(案) の制定についてご意見を募集します。 札幌市では墓地、納骨堂及び火葬場の経営の許可等について、墓地埋葬法等に基づき審査 を行っているところですが、審査にあたって様々な課題があり、これらの課題に対応するた めに「 (仮称)札幌市墓地等の経営の許可等に関する条例・同条例施行規則(以下「新条例 等」という。 )」の制定を検討しております。 この度、新条例等の素案をまとめましたので、この素案に対するご意見を募集します。 お寄せいただいたご意見を考慮して、札幌市議会に条例案を提出する予定です。 また、いただいたご意見に対する札幌市の考え方については、趣旨が同じご意見について は集約した上で、後日公表します。 意見募集要領 1 意見募集期間 平成 28 年(2016 年)12 月8日(木)から平成 29 年(2017 年)1月6日(金)まで(必着) 2 意見提出方法 ・ご持参・郵送・FAXの場合 「ご意見記入用紙」をご利用いただき、募集期間内必着(最終日の 17 時 15 分必着) で下記提出先までご提出ください。 ・電子メールの場合 メールの件名を「札幌市墓地等の経営の許可等に関する条例(案)に対する意見」と 記載のうえ、メール本文に住所、氏名、ご意見内容を入力のうえ、募集期間内必着(最 終日の 17 時 15 分必着)で、下記提出先のメールアドレスに送信してください。 3 留意事項 ・電話、口頭によるご意見は受け付けておりませんので、あらかじめご了承ください。 ・ご意見提出にあたっては、お名前・ご住所の記入をお願いします。 (意見概要を公表する場合、お名前・ご住所は公表いたしません。) ・ご意見に対する個別の回答はいたしませんので、あらかじめご了承ください。 4 資料の配布・公表場所 ・札幌市役所本庁舎 2階 市政刊行物コーナー ・札幌市保健所 ・各区役所総務企画課広聴係 ・札幌市公式ホームページ 提出先・お問い合わせ先 札幌市保健福祉局保健所生活環境課 〒060-0042 札幌市中央区大通西 19 丁目 WEST19 3階 TEL:011-622-5182 FAX:011-622-7311 電子メールアドレス:[email protected] 市政等資料番号 01-F06-16-1864 1 条例制定の背景 札幌市では墓地、埋葬等に関する法律(昭和 23 年法律第 48 号。以下「墓地埋葬法」と いう。 )第 10 条の規定による墓地、納骨堂及び火葬場(以下「墓地等」という。 )の経営の 許可等について、札幌市墓地、埋葬等に関する法律施行細則(昭和 47 年札幌市規則第 71 号。以下「市規則」という。 )において公衆衛生に必要な最低限の基準と必要な手続きを定 め、これに加えて、付近住民の宗教的感情への配慮や良好な生活環境の保全に必要な基準 を札幌市民間墓地取扱要綱(以下「墓地要綱」という。 )及び札幌市納骨堂設置に関する指 導要綱(以下「納骨堂要綱」という。 )において定めており、墓地等の経営許可にあたって は、墓地埋葬法の趣旨に則り、市民の宗教的感情に適合し、公衆衛生その他公共の福祉の 見地から支障がないかといった観点や、経営の永続性、非営利性が確保されているかとい った観点から審査を行っているところです。 近年では、市民の葬送意識の変化や墓地、納骨堂に関するニーズが多様化しており、こ れにあわせて墓地や納骨堂の経営許可に関する相談も多様化・複雑化してきています。 そのような中、他都市では宗教法人の規模に対して過大な納骨堂を設置したことで、経 営が立ち行かなくなり宗教法人が破綻した事例や、墓地の経営許可申請にあたって宗教法 人がいわゆる名義貸しを行って許可を受けていたことが判明し、許可を取り消された事例 もあります。このような問題事例を未然に防ぐためには、これまでの審査の観点に加え、 市内の需要に基づく適正な施設規模であって、永続的な経営や需給バランスの確保が可能 かどうか、いわゆる名義貸しが行われていないかなどを厳格に審査することが求められて います。 この度、札幌市では実情に合わせ、永続性が担保されない経営計画やいわゆる名義貸し を未然に防止するため、墓地等の許可審査にあたって、必要な経営主体や設置場所、構造 設備等の基準を明確にし、審査に必要な手続き及び附属機関の設置を定め、墓地等の安定 的かつ永続的な経営と生活環境の保全及びその向上を図り、もって市民の福祉に寄与する ことを目的とし、 「 (仮称)札幌市墓地等の経営の許可等に関する条例(以下「新条例」と いう。 ) 」及び「 (仮称)札幌市墓地等の経営の許可等に関する条例施行規則(以下「新規則」 という。 ) 」を制定することといたしました。 新条例の目的 新条例は、墓地埋葬法第 10 条の規定による墓地等の経営の許可等の基準、その他墓地等 の経営に関し公共の福祉の見地から必要な事項を定め、適正な指導を行うことにより墓地 等の安定的かつ永続的な経営と生活環境の保全及びその向上を図り、もって市民の福祉に 寄与することを目的とします。 新条例案の概要 新条例は、既存の市規則及び要綱で規定されている事項を概ね踏襲するとともに、札幌 市の実情に合わせ、一部内容を拡充するなどしております。新条例の概要は、次のとおり です。 2 1 墓地等の経営の基本原則 墓地埋葬法の趣旨に則り、利用者の安定的な利用に資するため、墓地等の経営にあ たっては、その永続性及び非営利性を確保し、かつ周辺の生活環境との調和に十分配 慮しなければならないことを経営者に義務付けます。 2 経営等の許可の決定 市内の墓地等が安定的かつ永続的な経営を行うためには、市内の墓地等の数が需要 に対して適切な数であり、需給バランスが確保される必要があります。 そこで、墓地等の許可にあたっては、その許可申請が基本原則及び条例に定める基 準に適合していることに加え、許可をしても市内の需給バランスが確保されると認め る場合に限り許可することを原則とします。 3 経営主体の制限 これまで札幌市では、墓地又は納骨堂の経営主体については、永続性・非営利性が 確保されることの観点等から、墓地要綱や納骨堂要綱において、国、地方公共団体、 宗教法人(宗教法人法(昭和 26 年法律第 126 号)第4条第2項に規定する宗教法人 をいう。以下同じ。)又は公益法人(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関す る法律 (平成 18 年法律第 49 号) 第2条第3号に規定する公益法人をいう。 以下同じ。) と定めていることを踏まえ、条例においても同様に定めることとします。 また、宗教法人ではない者が宗教法人の名を借りて墓地等の経営の許可を得ようと するいわゆる名義貸しでは休眠状態の宗教法人が利用されることがあることや札幌 市内での活動実績がまったくない宗教法人が札幌市内に突然墓地等を設置すること については近隣住民の理解が得られないものと判断されることなどから、経営主体を 宗教法人とする場合には3年以上継続して事務所を札幌市内に有し活動している法 人であることを要件とします。 経営主体を公益法人とする場合には、法人に対して確実な指導を行うため市内に事 務所を有している法人であることを要件とします。 経営主体の基準は別表のとおりです。 4 財務状況と墓地等の用地の基準 安定的かつ永続的な墓地等の経営には、墓地等の設置及び経営に係る財務状況が適 切であること、また、墓地等の用地が自己所有であって抵当権等が設定されていない ことが必要であるため、これを基準として定めます。 5 墓地等の設置場所、構造設備等の基準 近隣住民の継続的な反対を受けるような施設では、安定的かつ永続的な墓地等の経 営はできません。近隣住民の墓地等の経営に対する一定の理解が必要です。そこで近 隣住民の理解が得られるよう配慮し、良好な生活環境を保全するために必要な墓地等 の設置場所と構造設備等の基準を定めます。各基準については、別表のとおりです。 3 6 墓地等の経営の許可等を受けようとする際の事前協議の義務付け 認可を受けて設置された墓地等が永続性・非営利性を確保した経営を行うためには、 墓地等の計画の段階で各基準に適合しているかどうか、墓地等を運営しようとする者 の資金計画や財務状況が適切であり、さらにいわゆる名義貸しが行われていないかど うかなどを審査する必要があります。 現在も納骨堂要綱に基づき納骨堂の設置をしようとする者に対して、墓地等の認可 等に係る申請を行う前に市長に、当該認可等に関する計画内容を明らかにした上で事 前協議するよう求めているところですが、これを条例で義務付けることとします。 また、墓地の区域や納骨堂の施設の変更など変更許可が必要となる場合についても 同様に事前協議を義務付けます。 事前協議では墓地等の財務状況等を下記 11 で説明する附属機関に諮る必要がある ことから、審査会開催の 30 日前までに事前協議書の提出を求めます。 市長は、上記の事前協議の内容を審査し、下記 11 の附属機関の意見も踏まえて、そ の内容が適当と認めた場合には、事前協議をした者にその旨を通知しますが、事前協 議の内容が適当であるとの通知を受領した後に墓地等の計画の内容を変更した場合 や通知後1年以内に許可申請や建築確認申請がなされない場合には、周辺の状況や財 務状況に変更が生じていると考えられるため、改めて事前協議を行うことを義務付け ます。 7 墓地等の経営の許可等を受けようとする際の近隣住民への説明の義務付け 墓地等については、市民等にとって必ず必要とされる施設ではありますが、その設 置に当たっては、近隣に与える影響が大きいことや安定的かつ永続的な運営のために は近隣住民の理解を得て設置されることが望ましいことから、墓地等の経営の許可を 受けようとする者に対し、墓地等の計画の段階でその計画内容を原則として墓地等を 設置する敷地に隣接(道路を挟んで隣接する場合も含む。)する敷地に居住する住民 に説明するとともに、当該住民の理解を得られるよう努めることを義務付けます。 8 変更の届出の義務付け 墓地等の許可後も墓地等の運営状況等を適切に把握するため、変更許可が必要な場 合を除き、施設名称や法人代表者の変更など許可申請等の内容に変更が生じた場合に は、その旨を届け出ることを墓地等の経営者に義務付けます。 9 経営状況の報告の義務付け 墓地等の許可後も安定的な経営が行われているか確認し指導を行うために、墓地埋 葬法第 17 条に規定する報告とは別に、事業型の墓地・納骨堂(利用者の宗派を限定 せず、広く利用者を募集する墓地・納骨堂をいいます。 )と設置壇数が 500 壇以上の 納骨堂には、墓所や納骨壇の使用状況と墓地・納骨堂の経営に係る財務状況等につい て定期的な報告を義務付けます。 4 10 立入調査権の新設 墓地埋葬法の規定により、墓地又は納骨堂の管理者から必要な報告を求めることが できることとされていますが、これらの施設への立入り調査権は定められていないこ とから、必要に応じて立入り調査ができることとします。 11 改善勧告、経営者の公表 新条例の各規定の実効性を担保するため、新条例の各規定に適合しない場合や事前 協議等の手続きを行わない場合に、墓地等の設置予定者や経営者に対して改善を勧告 することができることとし、さらに、この勧告に従わない場合には、経営者名を公表 することができることとします。 12 附属機関の設置 安定的かつ永続的な墓地等の経営が行える計画かどうか、いわゆる名義貸しが行わ れていないかどうかの審査をするためには、事前協議等における申請者等の財務状況 等の審査が必要となりますが、審査には専門的な知識が必要であることから、財務状 況等について、法律や財務の学識経験者からなる第三者機関へ諮問するために、 「 (仮 称)札幌市墓地等財務状況審査委員会」を設置することとします。 新条例等の施行時期 新条例等の施行は、平成 29 年(2017 年)4月1日を予定しています。 経過措置として、新条例の施行の際に、墓地要綱、納骨堂要綱に基づく事前協議を行い、 適合通知を受けているものについては、新条例に規定する事前協議を行ったものとみなし ますが、新条例の施行後1年以上許可申請や建築確認申請が行われない場合は、改めて新 条例に基づき事前協議を行うこととします。 また、新条例の施行前に許可を受けている施設であって新条例の構造設備基準に不適合 部分がある場合については、不適合部分の変更を行うまでの間は基準を適用しません。 5 別表1 墓地の規制に係る基準 項 目 経営主体 設置場所 構造設備等 規模 内 容 ・地方公共団体 ・宗教法人で、宗教法人法の規定により登記された主たる事務所 又は従たる事務所を3年以上継続して札幌市内に有し、活動し ている法人 ・墓地の経営を目的として設立された公益法人で、主たる事務所 又は従たる事務所を札幌市内に有する法人 ただし、市長が特別の理由があると認めるときは、この限り でない。 ・国道、道道その他交通頻繁な道路、鉄道(鉄道事業法) 、軌道(軌 道法) 、河川(河川法) 、公園(都市公園法) 、学校(学校教育法) 、 病院(医療法)及び人家から 110 メートル以上離れていること。 ただし、市長が公衆衛生上支障がないと認めたときは、この限 りでない。 ・飲用に供する井戸等に支障のない場所 ・その他公衆衛生上害を生ずるおそれがないと認められる場所 ・周囲は樹木等を植え、風致を保持すること。 ・墓地内の通路は、小石を敷く等欠壊を防ぐ措置を講じ、その有 効幅員は1メートル以上とすること。 ・墓地内には適当な排水路を設け、雨水又は流水が停滞しないよ うにすること。 ただし、市長が公衆衛生上その他公益を害するおそれがない と認めるときは、この限りでない。 墓地の面積は 10 ヘクタール以上とする。 6 別表2 納骨堂に係る規制の基準 項 目 内 容 経営主体 ・地方公共団体 ・宗教法人で、宗教法人法の規定により登記された主たる事務所 又は従たる事務所を3年以上継続して札幌市内に有し、活動し ている法人 ただし、市長が特別の理由があると認めるときは、この限り でない。 設置場所 第1種及び第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、 工業専用地域並びに市街化調整区域以外の地域 近隣商業地域、商業地域 準工業地域、工業地域及び 工業専用地域 以外の地域 近隣商業地域、商業地域 準工業地域、工業地域及び 工業専用地域 納骨堂の高さ 敷地境界線までの水平距離 +5m以下(限度 15m) 敷地境界線までの水平距離 +10m以下(限度 20m) 外壁の後退距離 5m以上 3m以上 60m以上 30m以上 用途地域 用途地域により 基準が異なります 病院等の施設との距離 敷地と道路との関係 敷地内の空地の緑化等 駐車施設の規模 《対象施設》 ・病院、診療所(入院施設を有するもの) 、 助産所(入所施設を有するもの) (医療法) ・養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、 有料老人ホーム(老人福祉法) ・障害児入所施設(児童福祉法) ・障害者支援施設、福祉ホーム(障害者総合支援法) ・介護老人保健施設(介護保険法) 幅員 10m以上の道路と接すること 納骨堂の周囲は緑化に努める等風致を保持すること 《台数》納骨壇数 1,000 壇以上:200 壇ごとに1台分以上 納骨壇数 1,000 壇未満:5台分以上 《寸法》1台につき幅 2.5m以上、奥行6m以上 そのうち1台以上は車いす利用者用として、 1台につき幅 3.5m以上、奥行6m以上 《接道》車路により幅員6m以上の道路に通じていること その他の基準 ・堅固な建物とし、防火設備を設けること。 ・出入口又は堂内納骨装置には施錠装置等を設け、委託者の意に 反して他の焼骨と混合するおそれのない施設とすること。 緩和規定 地方公共団体が経営しようとする納骨堂又は宗教法人が経営し ようとする納骨堂のうち宗教法人法第6条に規定する事業に該当 しない納骨堂については、市長が必要と認めるときは上記規定の 一部又は全部を適用しないことができる。 ※他の法令等にこの表に定める基準よりも厳しい基準がある場合には、当該基準が適用になります。 7 別表3 火葬場の規制に係る基準 項 目 経営主体 その他の基準 内 容 ・地方公共団体 ・経営主体を地方公共団体に限定することから、その他の基準は 条例では定めません。 別表4 墓地等の管理に係る基準 項 目 経営者の遵守事項 埋葬の条件 内 容 ・墓地等の清潔を保持し、破損の箇所を、速やかに修復すること。 ・墓地内の露出した遺骨及び火葬場の残骨灰等については、これ を一定の場所に埋没し、標木を建てること。 ・その他、市長が必要と認めた事項 死体を埋葬し、又は改葬しようとするときは、その穴の深さは 地表から棺の上面まで 1.5 メートル以上としなければならない。 8
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