患者は風邪に注意 寺川 風邪をひきやす い 季 節 で す が、 私 も 含 め、ぜんそく患者が注意 すべきことは何ですか。 木原 風邪はぜんそく の症状を悪化させるケー スが多いので、できるだ けひかないように気をつ けてください。ぜんそく は気道が炎症を起こす病 気ですが、風邪などウイ ルスの感染があると、炎 症を起こしている細胞が 活性化し発作を起こしや すくなるのです。ぜんそ くの治療をきちんとして いない場合、より発作を 起こしやすくなることも 知っておいてください。 寺川 治療は大事です ね。私も治療を始めてか ら練習の際の苦しさがか なり軽減され、記録も一 気に伸びた印象がありま す。そしてそのことがメ 親から言われたことがあり 寺川 私も鼻の通りが悪 く、口呼吸になっていると いよう気をつけています。 が、「まずは低い山から練 標を立てた人がいました 山に登ってみたいという目 り添うことだと思っていま 子が気管に直接入りやすく で、ほこりやさまざまな粒 ようにフィルターがないの 杉原 その可能性はある と思います。口呼吸は鼻の しれません。 そくと関係があったのかも 杉原 私の患者さんにも 「マラソンを走りたい」と きなカギだと思います。 目標を持つことが継続の大 療を継続してくれました。 向かって頑張りましょう」 習しましょう。その目標に す。私の患者さんに、高い ます。もしかしたら、ぜん なり、ぜんそくを悪化させ いう人がいて、「最初は と励ましたら、きちんと治 ることにもつながります。 ㌔のロードレースからやっ ていきましょう」とアドバ することが大事だと知りま ールするには、治療を継続 寺川 私も自分の治療を 通じ、ぜんそくをコントロ ました。 ホノルルマラソンを完走し ングも頑張り、最終的には イスしたら治療もトレーニ したが、木原先生は多くの だと考えますか。 は、どのようなことが重要 しょうか。 リットがあるのではないで るなど、治療によって、体 木原 気持ちも前向きに なり、何事にも積極的にな ら、治療を続けてもらうに 木原 それぞれの人に合 った目標を立て、それが達 だけでなく心にも大きなメ 成できるよう医師として寄 患者さんを診てきた経験か 寺川 皆さん前向きに頑 張っていますね。 できる目標から 10 すぎはら・なるひこ 杏林大学医学部大学院修了。東京都立府中病院 (現・東京都立多摩総合医療センター)呼吸器科 勤務後、祖父が開院した仁友クリニック(東京都 中野区)でぜんそくを中心に治療。全日本スキー 連盟アンチドーピング委員も務める ダルにまでつながってい ます。ぜんそくと合併す るような病気で注意すべ きものはありますか。 「蓄膿症」 との関係 杉原 副鼻腔炎、いわ ゆる蓄膿症ですが、重症 のぜんそくと合併してい る場合が結構あります。 その治療を行うと、ぜん そくの症状も格段に落ち 着くケースが多いです。 けれども蓄膿症は自覚症 状があまりなく、悪化し ても風邪の症状と勘違い する人も多いのです。ま た、アレルギー性鼻炎も ぜんそくの症状と関連し ています。私のクリニッ 仁友クリニック院長 zensoku.jp/athlete/ 詳細は ゼンソク人間学 提供:グラクソ・スミスクライン株式会社 <企画・制作> 産経新聞社営業局 PR クでは鼻の検査も行い、 先生 〔写真中央〕 キャスターとしても活躍 千束呼吸器アレルギークリニック顧問 そういう人を見落とさな 杉原徳彦 さん 先生 〔写真左〕 てらかわ・あや 大阪府出身。近畿大学附属高校、近畿 大学卒業。2004年アテネ五輪200㍍背 泳ぎで8位入賞。12年ロンドン五輪では 100㍍背泳ぎと4×100㍍メドレーリレ ーでそれぞれ銅メダルを獲得。今年から スポーツキャスターとして活躍。1児の 母。ミズノ所属 きはら・のりお 東邦大学医学部卒業。東京共済病院内科、都立 広尾病院呼吸器科医長、木原病院院長を経て、 2008年から千束呼吸器アレルギークリニック顧 問。日本体育協会公認スポーツドクター、首都医 校アスレティックトレーナー学科講師 寺川綾 木原令夫 ゼンソク人間学 ぜんそく…目標持って医師とともに 五輪メダリストで現在はスポーツキャスター として活躍する寺川綾さん=ミズノ。シリーズ 「ゼンソク人間学」の今回は、ともにスポーツ ドクターの資格を持つ木原令夫先生と杉原徳彦 先生のお2人に話を聞いた。 治療継続でつらい症状から解放を
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