(LoY大賞受賞)(PDF:1.2MB)

号 外
発 行 所
伊丹市立図書館ことば蔵
〒 6 6 4 0 8 9 5
伊丹市宮ノ前3 7 4
☎ 0 7 2 7 8 4 ・ 8 1 7 0
編 集
年に行基町(今
﹁公園のような図書館﹂
市立図書館に受け継がれました。
の市立伊丹高校敷地内)に開館した
書の一部は、昭和
蔵書4万冊は伊丹市に寄贈。その蔵
伊丹公論編集委員会
館日本一︶に選ばれました。これもひとえに当
平成 年(2012)にオープン
したことば蔵の原点は、そのちょう
年( 1 9 1 2)
、
ど
年前の明治
館を利用いただいたり、運営に参加いただいた
お
ぶ
せ
県・ 小 布 施 町 立 図 書 館 な ど を 視 察。
た賞であり、非常に感慨深い。これ
LoYは平成 年、学識経験者ら
でつくるNPO法人「知的資源イニ
木下誠教育長の話 「ことばと読書
の推進」を教育目標に掲げ活動して
からも、市民力が最大限活かせる環
シ ア テ ィ ブ 」( 東 京 都 ) が 創 設。 全
市民とともに日本一!
のヒントにつなげました。また、こ
国 3 千 を 超 え る 公 立 図 書 館 の ほ か、
ア」の活用方法を話し合う運営会議
ことば蔵は、市民の交流拠点とす
るため、1階に新設した「交流フロ
「大賞」を決める最終選考会に向
け、ことば蔵は、プレゼンテーショ
ど4機関が優秀賞に選ばれました。
1次・2次審査により、ことば蔵な
用してもらいたい。
の交流拠点として、今後も気軽に利
りを進めていく。
境を整備しつつ、活力あるまちづく
とば蔵がLoYを獲得し、市民と一
きたことが、受賞に結びつき、嬉し
自由に市民が参加し、やりたいこと
緒に日本一の図書館を作ることを目
大学図書館や関連プロジェクトなど
い限り。読書をツールに多くの人々
や運営について話し合えるシステム
標に据えました。
回目となる
から毎年選ばれます。
今年は、審査基準などが見直される
を毎月開催。予約不要で誰でも参加
ンの内容を運営会議で話し合い、シ
市民発のイベント続々
機関の中から、
できるようにし、この会議に集まっ
ミュレーションも実施、直前まで市
なか、自薦・他薦の
回を超えるイベントが開催され
た参加者のアイデアから、今では年
間
LoY大賞受賞を記念し、次の事
業を、ことば蔵1階で行います。い
市立図書館は昭和 年、千僧(市
役所東側)に移転、その地で 年間
親しまれました。しかし、蔵書の増
民と知恵を出し合いました。そして
ずれも無料。当日直接、会場へ。
年前
ています。
も 駆 け つ け る な か、「 創 造 的 な 活 動
【受賞祝ブックカバー配布】来館者
原点は
加で手狭になったことや中心市街地
また、小林の遺志を引き継ごうと、
市民が中心となって「三余学寮」と
を市民と共に実践している」点が高
先着5千人に、特製のブックカバー
ザ・イヤー︵LoY︶2016﹂の大賞︵図書
り に 出 発 の 地 で あ る 宮 ノ 前 に 移 転、
「 伊 丹 公 論 」 を 現 代 に 蘇 ら せ、 伊 丹
く評価され、ことば蔵が大賞を受賞。
をプレゼント。
月9日、横浜市の会場に伊丹市民
市内在住の芥川賞作家・田辺聖子さ
の歴史・文化の発信拠点として活動
ついに「図書館日本一」の栄誉を市
年ぶ
伊丹市宮ノ前に開設された私立「伊
ん が 名 誉 館 長 に 就 任 し、 公 募 で 決
民とともに勝ち取りました。表彰状
年、
りした市民のみなさんのおかげです。ことば蔵
丹図書館」です。大阪医学校(現大
しています。新たな機能として、受
さん よ
【記念横断幕をつくろう】
ずと人は生き生きする。
日
日(土)
受賞記念のブックカバーと横断幕
絵本と音楽を融合させた生公演。
リ ス ト・ わ た な べ ゆ う さ ん に よ る 、
午後3時半。アコースティックギタ
【記念コンサート】
来年1月
念トークイベントなど。
子館長らを招き、両館による合同記
( エ ル・ ラ イ ブ ラ リ ー) の 谷 合 佳 代
たに あい
秀賞を受賞した大阪産業労働資料館
【記念シンポジウム】来年1月
日
と楯はことば蔵交流フロアで展示し
たのだろう。その結果が「LoY大
ことば蔵で本を眺める。触ってみ
る。 そ の 気 に な っ た ら 借 り て 読 む。
月
販 売 す る「 帯 ワ ン グ ラ ン プ リ 」、 地
こ と ば は 空 気 や 水 に 似 て い る。
私たちのまわりに自然にある、と
賞」になったのではないか。
い。
あるいはことば蔵の活動に参加す
28
の活性化のため、平成
では、感謝の印としてささやかながら受賞記念
阪大医学部)で教授を務めた小林杖
賞した帯を市内の書店で本に巻いて
ものでした。
「ことば蔵」の愛称で市民に呼びか
いう感じだ。もっとも、近年、空
きたのでしょう。その蔵の中に秘め
ところが、伊丹市はきわめて例
ひょう ぼう
外 だ。 こ と ば 文 化 都 市 を 標 榜 し、
る。それだけで私たちの言葉の流れ
セージを記入できます。
ま で に 来 館 す る と、 横 断 幕 に メ ッ
開館前、ことば蔵は基本コンセプ
トを誰もが気軽に訪れることができ
ています。ぜひ、ご覧ください。
る「公園のような図書館」とし、そ
「まちゼミ」などで地域経済にも寄
元商店主が講師となってプロならで
の実現方法を探るため、市民参加で
はの知識と店の情報を無料で伝える
号を発行しました。伊丹図
同 館 で は、
「郷土研究伊丹公論」
を創刊し、昭和 年(1940)ま
でに計
( 土 ) 午 後 4 時。 L o Y 2 0 1 6 優
このたび、わが伊丹の市立図書
館「ことば蔵」が「ライブラリー・
けた卓越したネーミングに由来する
気や水は環境問題などの観点から
与しています。
*
*
藤原保幸市長の話 伊丹にとって最
大の強みである「市民力」で勝ち取っ
LoY2011大賞を受賞した長野
オブ・ザ・イヤー」に県内で初め
ものと思われます。
私たちはことばを通して見たり感
じたり考えたりしている。いわゆる
書館は昭和
て選ばれたことは、
嬉しくもあり、
重 視 さ れ る よ う に な っ た。 だ が、
化をことば文化の伝統として継承し
誇らしい限りです。おめでとうご
五官の活動はことばによって行われ
られたこころをみんなが味わい、ふ
ことば特区になって学校にことば
ざいます。
る。だから、ことばが生き生きとし
行こう、ことば蔵へ
つふつともえたぎる新しい伊丹文化
科 を 設 け た。 こ と ば 蔵 も で き た。
ていると、五官も活発になり、おの
スタッフのみなさんが利用者と
年間どんな催事を展開されている
のエネルギーに醸成したいと思いま
は新鮮になる。行こう、ことば蔵へ。
なが
のかを知るのは楽しいことです。
す。今回の受賞は伊丹文化の土壌が
畏敬の念をもって柔軟な形で運営で
い けい
伊丹文化への受賞
自 覚 が あ る か ら こ そ、 伊 丹 文 化 を、
ことばについてはまださほどでな
努力がみられます。それは図書館を
11
ことば蔵の活動には、単なる読
書推進活動だけではなく、根源的
坪内稔典
21
100
江戸時代の酒蔵を中心に栄えた文
「ことば文化都市伊丹」
提唱者
「伊丹俳壇」選者
12
24
年 に 閉 館 し ま し た が、
よみがえ
のブックカバーを配布中︵他の受賞記念事業は
まった「ことば蔵」の愛称で開館し
LoY受 賞 で
記念4事業
18
ました。
蔵出し
ニュース
-
吉が、私塾「三余学寮」に併設した
ことば蔵はこのほど、先進的な活動を実践す
る図書館などを表彰する﹁ライブラリー・オブ・
40
11
-
26
47
53
-
スタッフの皆さんには図書館では
なく大切なことばを蓄えた蔵という
18
19
豊かな表れと楽しく思いました。
田辺聖子
28
45
15
100
なことばの大切さまで掘り下げた
ことば蔵名誉館長
芥川賞作家
伊丹市立図書館 ことば蔵
市民 と と も に 図 書 館 日 本 一
ことば蔵が
Library of the Year
大賞受賞
・
下段記事参照︶
。ぜひ、ご来館ください。
24 100
200
交流フロア運営会議から生まれた市民企画「英語で子育て交流会」に参加する親子
平成 28 年(2016年)12月9日
伊 丹 公 論
復 刊
(1) 号 外
「郷土研究伊丹公論」は、私立伊丹図書館を開設した小林杖吉(筆名「丹城」)が、昭和11年(1936)1月20日に創刊し、19号まで発行された地域紙。ことば蔵では、伊丹公論を73年ぶりに復刊し、伊丹の歴史・文化を全国に発信するため、市民と共に発行しています。
伊丹市マスコット たみまる
交流フロア運営会議。まず名
前がカタい。こんな会議はだい
らできますかね。みなさんいい
ろだが、ここでは「どうやった
には丁重にお引き取り願うとこ
を付けて本棚に並べます。その
に、メッセージを書いた〝オビ〟
や誰かに読んでもらいたい本
まれました。自分が感動した本
わたしが企画している『カエ
ボン』の活動も運営会議から生
ブックレビューを読めば出会え
し ま す。 新 刊 本 や 流 行 の 本 は、
いジャンルが新たに広がったり
本を教えてもらえたり、読みた
い ま す。 自 分 の 知 ら な か っ た
企画することです。zine専
主な活動はzine作りの
ワークショップを2カ月に1度
る部活動を運営しています。
私は、開館当初より、仲間と
ジ
ン
zineという手作りの本を作
品はことば蔵でも展示していま
ineを作って帰られます。作
があり、それぞれ想い想いのz
たいつまらないと相場は決まっ
アイデアないですか」と一緒に
テーマに沿った本を紹介し合
ている。会議メンバーはいつも
考 え る。
「プロジェクターで花
るし、インターネットで簡単に
こにこと話を聞いたあと、彼ら
流動的だし、職員と数人だけと
1冊を他の誰かが持ってきた本
本の情報が手に入ります。でも、
想いやアイデアを表現、実現
できる場があり、本や人との出
作った本が図書館に並ぶ
す。
ことは本当に素晴らしいことで
みを、公立図書館で実現できる
館に並ぶという画期的な取り組
本 を 読 む、 借 り る だ け で な
く、本を作る、作った本が図書
すので、ぜひご覧ください。
いうさみしい日もあった。それ
火の映像みたらどう」
「ノンア
ルコールカクテルならええんと
誰かに教えてもらった、その人
断然、読みたくなります。
おすすめの一冊
の 感 想 に 共 感 で き た 本 の 方 が、
ちゃう」など、毎月の運営会議
はまるで大喜利。今では職員も
まるで大喜利
地元で暮らす人たちも、毎回
人くらいが輪になって「ここが
会い、交流が生まれることば蔵。
挑んでいる。
ただくみなさんの善意で成り
ありません。あくまでも利用い
ン」です。貸出記録や期限など
と交換できる、それが「カエボ
合って交流できる、ゆるく温か
士 が 一 冊 の 本 を、 お す す め し
ボン』は見知らぬご近所さん同
の 輪 が 広 が っ て い ま す。『 カ エ
置されて、市内各所でカエボン
交流フロアで開催しています。
の 堺 達 朗 さ ん を 講 師 に 招 い て、
門書店・ブックスダンタリオン
しいし、訪れてほしいです。ぜ
を、もっと多くの人に知ってほ
待っている図書館であること
様々な形で利用でき、出会いも
名前が固くて参加をためらっ
ていた皆さん、そんな会議なの
立っている本棚です。
昨年は、中央公民館、図書館
南・北分館にもカエボン棚が設
で 気 軽 に 遊 び に 来 て く だ さ い。
楽しくなるには」というお題に
と、奇跡のような伊丹の逸材が
ここが日本の図書館の最前線に
でも、毎月欠かさず続けている
現 れ る。
「図書館で花火大会が
市 内 の 方 だ け で な く、 市 外、
県外から、そして、小学生から
い取り組みです。
にご参加ください。
代から
分、約
歳ま
濵昌央︶
︵元高校英語科教員
です。
企画力との融合の賜物
たまもの
「運営会議」出席者の
今 回 の 大 賞 受 賞 は、
ことば蔵職員の熱意と
ます。
食材が講座内容になり
器 が「 こ と ば 蔵 」 で、
す。 和 食 に 喩 え れ ば、
たと
践」の場となっていま
を学び、英語講座が「実
で す。 大 学 で「 理 論 」
研究生としての
「学び」
も う 一 つ の 幸 せ は、
京都大学2015年度
講されています。
での受講者が熱心に聴
人の
す。毎月1回
鹿嶋孝子︶
ひ、zineのワークショップ
したいです」
「ここでお酒を飲
なりました。
すみか
高齢の方まで、様々な方の参加
つい
歳で、終の棲家に伊丹を選
︵ウェブデザイナー
三皷由希子︶
び、「ことば蔵」と出会いました。
︵古書店主
ただき、みんなで体験。その場
90
90
そして、月に1回の〝カエボ
ン部〟では、集まったみんなで
私がことば蔵に係わったの
は、オープン前に、1階交流フ
20
若狭健作︶
ロアの使い方を考えるため、こ
なって、二つの幸せを打ち出し
回となりま
ここで私は一生涯の大望を実現したいのです
︵プランナー
「伊丹公論」は昭和 年に創
刊された郷土新聞である。主筆
てくれました。
こ づち
に仲間も増え、現在にいたって
月で
40
学校英語教育から引退したの
の小林杖吉(筆名:丹城)は鳥
この図書館が「打出の小槌」と
います。その輪は市内の学生た
が
「ビッグニュース!タンジョー
先生、ことば蔵が日本一の大賞
で自然に部員ができ、開催ごと
たのがきっかけです。
ちにも広がっています。
大切さを再び感じました。
今回、大賞になって、運営会
議の面白さや続けていくことの
人を通して本を知るイベント
をしようと、数人のバトラーが
プレイベントでは、吉野さん
からビブリオバトルをご紹介い
を受賞しましたよ」
、喜びが編
とば蔵から声をかけていただい
またた
取 出 身 の 大 阪 大 学 医 学 部 教 授。
年、 阪 神 間 初 の 私 立 図 書 館 を
すみか
集仲間に瞬く間に広がった。
伊丹を終の棲家と決め、明治
つい
「 こ と ば 蔵 」 と は、 こ と ば 文
ひょうぼう
化都市を標榜する伊丹市の図書
作った。図書収集には、大隈重
かたわ
信らが協力した。その傍ら郷土
紙「伊丹公論」を発行、その後
廃刊となったが、ことば蔵誕生
人を通して本を知る
これからも、いつでも家族を
迎えるように接してくれる優秀
のサポートを受けながら、無理
号を数えて
年、志を継いで市民
ふるさと愛する市民力
の翌平成
の手で復刊、通巻
お気に入りの本を紹介し、観衆
なく楽しく継続しつつ、更にや
であたたかいことば蔵スタッフ
の投票でチャンプ本が決まる知
いる。
タンジョー先生の目指したふ
るさとを愛する豊かな市民力の
館のことだ。俳聖上島鬼貫を生
論 」。 本 年
再発見」、「日本文学を英語で味
は、「 こ と ば と 表 現 の 面 白 さ、
一 つ は、「 コ ト バ ー シ テ ィ 英
語読解講座」です。コンセプト
思い、ビブリオバトル普及委員
りたいことをこの場で実現して
の な い 未 来 へ 続 く 宝 で あ ろ う。
的 書 評 合 戦「 ビ ブ リ オ バ ト ル 」
んだ伊丹は万葉の昔から歌枕の
「伊丹公論」をつくる楽しい編
結集、これこそ伊丹のかけがえ
聖地として名を知られた。小学
村上有紀子︶
が図書館に合うのではないかと
校では美味しい言葉と美味しく
︵主婦
I'm here to achieve my lifelong ambitions.
普通の図書館なら、職員がに
みたいんやけど」など。
zine ワークショップ
60
コトバーシティ英語読解講座
読快読」、「英語を精読和訳深化
さんに教えを乞いました。
会の立ち上げメンバー吉野英知
森本啓一︶
20
集仲間にあなたもぜひどうぞ。
︵郷土史研究家
12
伊丹市立図書館 ことば蔵
カエボン
ビブリオバトル
図書館運営に市民の意見を取り入れるため、開
館前に設置したのが「交流フロア運営会議」です。
誰でも出入り自由なオープンな会議で、毎月第1
水曜午後6時半から8時まで開催しています。
ことば蔵でやってみたいことなどを自由に話し
合い、
「カエボン」など年間 200 回を超えるイベン
トが開催されています。また、
「伊丹公論」を復刊
させるためのプロジェクトにもつながりました。
この運営会議を通してイベントを実現させた企
画者などから、活動内容や魅力などについて寄稿
いただきました。
受賞で士気上がる
運営メンバーたち
15
45
11
いきたいと思っています。
だってここは、みんなの公園
なんですから!
33
25
ない言葉など、独特のことば科
の授業が行われる。
この印刷物は1万部作成し、印刷経費は1部あたり7円です。
交流フロア運営会議
「伊丹公論」編集会議
号 外 (2)
伊 丹 公 論
復 刊
平成 28 年(2016年)12月9日