賃貸経営最大の課題は入居率の低迷と市況の軟調

ここ１年の賃貸経営は弱含みの市場環境を反映
賃貸経営最大の課題は入居率の低迷と市況の軟調
今後の経営にはあらゆる手だてと方策が求められる
平成年も早や月、残り１ヵ月となりました。世界の政治、
経済が激動する中、わが国経済は堅調な雇用環境等を反映して、
れでも所有する物件は１００％
すでに時代は一変して、今日
では「賃貸経営即
｣満
｢室経営」
とはなかなかいきませんが、そ
ではないでしょうか。
題は入居率の低迷と市況の軟調
ここ１年の賃貸経営を振り返
ってみますと、やはり最大の課
者は数多い物件の中から予算、
態にあるということです。入居
今日の賃貸市場の特色は、や
はり物件が豊富に揃い、飽和状
空室で収入ゼロとなっているの
もそも収入を生むはずの部屋が
ているのと少し性格が違い、そ
に目立っています。
恒常的に続く現況の対策
新築が増えはじめるきっかけ
は、年１月からスタートした
向上を図るのが原則です。
給されるスピード・量が市場の
なぜ物件が多いかといえば、供
い投資用の賃貸マンションの活
ます。また、統計的に表れにく
賃貸経営に対する投資機運は、
発な取引きもあります。さらに
映していないとこ
今後も衰えることはないと思わ
実態を必ずしも反
ろにあります。
譲住宅の建設が鈍
通し、持ち家、分
限らず全国的に共
の傾向は首都圏に
なっています。こ
去
ヵ月で最高と
８４００戸と、過
単月を見ると３万
５千戸です。９月
９・６％増の
万
築合計は、前年比
月の全国の貸家新
すが、今年１〜９
を握る新築動向で
住宅流通量のカギ
求められます。
営にはあらゆる手だて、方策が
継続すると見られるだけに、経
の賃貸経営は、今現在の現況が
ことが予想されます。これから
の対策はこれから恒常的に続く
ます。オーナー様にとって、そ
いずれにしましても、新築の
増加傾向は今後も続くと見られ
明確になったと思われます。
課題であることが、今年は一層
中での賃貸経営が今後の大きな
がちとなります。新築が増える
ですが、その分、古物が苦戦し
市場全体の活性化に結びつくの
新築はよく知られている通り
部屋を探す入居者の人気が高く、
れます。
っている分、とく
例えば、市場に
強い影響を及ぼす
賃貸市場の動きは活発で、
新築に対しても経営者の供給意欲は “弱い・強い ”
がバランス良く拮抗し、全体の DI値も部分的に上向きを見せています
賃貸経営の場合は他産業のよ
フル回転させて売上げ、収益の
相続税の増税と空前の低金利。
たものを選ばれますが、物件が
一部が遊んでいるというのは許
やはり金利を考慮すると、見逃
されないことで、稼働率を高め、多い分、貸し手側の条件は弱含
みとならざるを得なくなります。せない新築のタイミングとなり
が痛いところです。
稼働させたいものです。本来、ビ
環境等を考慮してご自身に合っ
うに仕事がなくて設備が休止し
きな問題もなく、一定の安定感を見せています。
緩やかな景気改善が続いています。賃貸経営におきましては大
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ジネスにおいて保有する設備の
賃貸市場を取り巻く三つの側面
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高めるために、まず何をおいて
物件に入居者を引きつける魅
力を備え、他物件との競争力を
く当たり前になってきました。
は契約促進の有効手段としてご
はもっての外でしたが、今日で
D I Y 型賃貸住宅は、貸主がとくに
また、国土交通省が「個人住宅の
入居者へのサービスメニューとして
手を加えることもなく、現況で貸す
賃貸流通を促進するための指針（ガ
D I Y 型の採用は、必須の項目として
ことができて、借主は D I Y（日曜大
イドライン）」を明確にするなどの環
位置づけられるのではないでしょう
工）で、自分に合った必要とする設
境整備を図ったことが挙げられます。か。
ご相談が順調に進んでこそ成り
賃貸経営は少し理屈っぽくい
えば、「物件力」「仲介力」そし
も日々の連携を強くしたいと思
事実、最終的に決めかねて迷っ
これからの賃貸経営を考えますと、
先生も走る「師走」を迎え
ました。全く月日の経つのは
早いもので、もう年末です。熱
中症に気をつけましょうと、
テレビで散々、注意喚起され
ていたのが、つい先だっての
ようです。ところで月の古
名の師走（しわす）も諸説が
あって、先生だけではなく、僧
侶や仕事が終わる意味から
「しはす」が転じたのではな
いか、といわれているようで
す。確かに単に月というの
ではなく、師走と呼ぶことで、
１年を締めくくる準備に入る
気ぜわしさを一段と感じるも
のです。
貸仲介業にとって月は、来
年の準備を迎える大事な仕事
が控えています。物件の整理
と確認です。年が明けておと
そ気分が薄れる頃にお客様が
多数来店されます。そうした
部屋をお探しの顧客に、間髪
を入れずに最もふさわしいお
部屋をご案内するためにも、
物件リストを整備しておくこ
とが大事です。これから年末
にかけて契約成
約の果実を得る
ために、立地や
家賃など入居条
件別の物件リス
トを完備してお
きます。
いといった層が増えていること。
賃貸住宅入居の契約決定の促進を図る
て「管理」で決まります。物件
う次第です。そこで考えますこ
ている時、決定打となることが
さて、実務に戻りまして、賃
様々な動きがあります。
立つと考えます。
力は賃貸住宅の現況で、物件の
とは、まず物件に何らかの特徴
少なくありません。
に対する理解を深めました。
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っていると前向きなオーナー様まで、ズの多様化と賃貸住宅に長く住みた
今回は、「入居促進の対策」と
して、オーナー様との結びつき
能力、価値そのもの。仲介力は
を持たせ、空室が長引くと気が
のすすめ」を作成したことから D I Y
オーナー様に寄り添った対
｢策の｣実行
その物件をＰＲ・告知して契約
緩みがちになるため物件に緊張
家賃の下げ幅やフリーレント
は、むやみに使うのではく、こ
ったのは、基本的には入居者のニー
についてお話しさせていただき
にもっていく総合的な営業体制
感を持たせます。
壁紙の貼り替えは自由にやってもら
ます。
を指します。管理は契約・入居
例えばタイムリーな家賃設定。こ一番の交渉時に商談がまとま
家賃の下限に幅を持たせます。
る場合、有効な手段として使え
ってのガイドブック「D I Y 型賃貸借
賃貸住宅入居の契約決定の促進を図るために、「入居促進対
策」を確立したいものです。ではどのような「対策」を実行す
後のお世話から退去が発生して
ればとの思いが働きます。
D I Y 型賃貸住宅が広がる弾みとな
仲介商談のタイミングを生かす
次の入居に備えるなど、物件と
ここで５千円値引きすると決ま
ればやっていきたい、何年も前から
れば入居率の向上が実現するか、です。オーナー様との協力で
経営を支える総合力。この３つ
るといった局面がよくあります。
このように仲介商談のタイミ
ングを生かすためにも、日々の
式例」と D I Y 型賃貸借の活用にあた
いった乗り気薄から、今後機会があ
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サービスの多様化が進んでいます。るのが特色です。入居者が自分の金
なら家賃をまけるといった発想
が円滑に稼働すれば鬼に金棒か
このタイミングを逃がさないた
つながりを大事にオーナー様に
賃貸住宅の入居の促進を図るため、備を入れ替えたり、模様替えができ
契約を高めたいと考えております。
もしれません。
めに家賃価格に柔軟な対応をす
さらに、貸主と借主の理解を深める
す。
寄り添った契約促進を図りたい
といっても実際の仲介現場では、からジワジワと広がっているもので
ることです。
わない、従来の賃貸住宅にない様式
仲介、管理分野は私ども不動
産会社側の専門分野ですが、物
が着実な広がりを見せています。
と考えております。
して、退去の際の原状回復義務は問
それと、フリーレント。以前
損害等の補償保
険に加入します。
賃貸住宅入居者
の自殺、犯罪死、
孤独死等により
貸主が被る家賃収入減少等の損
害を補償する保険で、ここ１年
の間に各社から商品化されて、
するスタイルの「D I Y 型賃貸住宅｣
手続きの際に面談を通じて入居
者の人となりをしっかり確認す
ること。勤め先や生活態度で、あ
る程度人物像が判断されます。
このプロセスで入居後、問題が
起きそうな負の要因を退けてお
きます。
次に、建物及び建物敷地周辺
修を自由に行い、部屋を自由に改造
件力に関してはオーナー様との
は正直打つ手がないというのが
実体だと思います。事件も事故
も多くが予測不能な侵入犯や、
社会生活における人間関係のも
つれなどによるいさかいといっ
た、入居者以外の外部要因によ
って引き起こされることから防
ぎようがないのが実情です。
装や設備をある一定の範囲内で変更
仲介・管理力に物件の特徴がプラスさ
れることで入居契約は弾みがつきます
防ぎようがない部分も
「心理的瑕疵物件」に対する最
近の事情を取り上げたところ、
二、三ご質問をいただきました
ので、前月に続いてもう少しこ
の問題を掘り下げてみます。
徐々に普及しています。
また、廊下や建物の角に消火
器を置き、バケツに水を張って
おくのと同様に、事故・事件の
発生の防止対策として上記３項
目を一体化させるなど、日頃か
銭負担で、許されている範囲内の改
入居者へのサービスメニューと
して人気を呼ぶ
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そうした一環として、入居に際し内
ため、｢D I Y 型賃貸借に関する契約書
ガイドブックの作成で理解深まる
ていない、今後もやる予定はないと
の防犯に気を配り、窃盗やスト
ーカー犯罪、のぞき、性犯罪な
らの注意事項の積み重ねが求め
られます。
その上で心理的瑕疵に直面し
た場合、「入居者募集対策」にも
色々方策があります。その際は
弊社におきましてバックアップ
させていただきます。
退去の際に原状回復を問わない
様式から着実な広がりを見せる
１年を締めくくる気ぜわしい師走
来春に備え物件リストを整備する
D I Y への取組みとして、全く手がけ
入居後の事件、事故に対して
では、貸主は不可抗力による
被害者という立場で、なす術も
どの芽を摘んでおきます。隙を
つくって犯罪を呼び込まないよ
うに戸締まり、防犯の備えを厳
重にしておきます。
そして３つ目は、保険をかけ
ておくことです。万一に備えて
心｢理的瑕疵物件化｣を避ける三つの対策
日頃から注意事項を一体化して目を配る
ないのかということですが、基
本的な対応策としておよそ次の
３点が考えられます。
まず第一は、事前に事件・事
故発生に対するガードを固めて
おくという意味合いから、入居
｢D I Y 型賃貸住宅｣

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