5章 (サイズ:3.41 MB)

第5章
緑地の保全及び緑化の推進のための施策
■施策展開の方針
基本理念をふまえ、本計画のテーマ及び実現するための基本方針を以下のように設定します。
●施策展開のテーマ●
豊かな自然と共生するため、ともに緑を守り、創り、育もう
●施策の基本方針●
1.市街地をかこむ豊かな自然を守り伝えます
本町の市街地は天王山と桂川の豊かな自然に囲まれています。これらの大きな水と緑は揺るぎ
ない都市の骨格として代々受け継がれてきた自然資産であることから、大切に保全し次世代に継
承するとともに、天王山を中心とする市街地景観を形成していきます。同時に、自然と密着した
レクリエーション活動の場として活用し、見て、体験して、楽しめる緑空間として整備していき
ます。
2.まちなかの緑を活用します
天王山と桂川だけでなく、市街地のなかにも河川や樹林地、農地といった身近な緑が点在して
います。これらは、身近な環境の保全や都市景観の形成に、重要な役割を果たしています。これ
らをレクリエーションの場や緑のネットワークを形成する緑として活用し、緑と人の営みが共生
するまちづくりを進めていきます。
3.まちに緑の基盤をつくります
地域に身近な緑の拠点となる公園について、配置バランスを考慮して整備を進めるとともに、
適正な管理を行います。緑の拠点を結ぶ道路についても緑を増やし、まちの緑化を高めていきま
す。
また、町役場周辺や駅周辺といった人々が多く集まるゾーンや、まちの新たな玄関口となるI
C・JCT周辺は、様々な施策を講じてまちの顔にふさわしい緑の拠点づくりを進めます。
4.小さな緑を増やします
住宅や工場、事業所、公共公益施設といった建物の敷地において、それぞれの特徴に応じた敷
地内緑化など、緑づくりを住民と企業、行政が役割分担して進め、小さな緑を面的に増やして緑
豊かで美しいまちを形成していきます。
5.みんなで緑を育むしくみをつくります
住民と企業、行政といったまちに関わる全ての人々が協力し、緑あふれる快適なまちづくりを
実現を目指し、緑の重要性への認識を高める為の、「大山崎町公園サポーター制度」に代表され
る協働参画制度により、自発的な活動の機会の創出や緑を介してのコミュニティ形成の後押しを
するしくみづくりを今後も進めていきます。
-37-
■施策の体系
施策方針
大切な緑を守り活かします
1. 市街地をかこ
む豊かな自然を
守り伝えます
2.まちなかの緑
を活用します
3.まちに緑の基
盤をつくります
身近な緑を創ります
4.小さな緑を増
やします
みんなで緑を育みます
5.みんなで緑を
育むしくみをつ
くります
基本施策目
具体的施策
1-1.天王山の保
全・活用
①天王山自然環境の保全と回復 ②近郊緑地保全区域、風致
地区、鳥獣保護区指定の継続 ③観光・散策ルートの整備
1-2.天王山と調和
する風景づくり
①高度地区指定を踏まえた眺望
②良好な住宅地環境の維持 ③高架構造物の緑化
1-3.桂川の保全・
活用
①淀川河川公園自然地区の保全 ②淀川河川公園の整備促進
③整備済河川敷公園の維持管理 ④河床整備の促進
2-1.水辺空間の保
全・活用
①小泉川水辺環境整備事業の促進 ②小泉川と京都第二外環
状線が一体化した歩行者空間づくり ③河川敷公園のエント
ランスづくり④管理用道路の活用 ⑤ため池の保全
2-2.身近な樹林・
樹木の保全
①保存樹・保存樹林の指定
②公園・緑地としての保全
2-3.農地の活用
①農地活用による緑化の推進
②遊休農地やあぜ道の修景 ③生産緑地地区の保全
3-1.公園・緑地の
整備
①公園の充実 ②散策空間の整備 ③特徴のある公園づくり
④誰もが利用できる公園づくり ⑤ワークショップによる公
園づくり ⑥防火機能の向上 ⑦維持管理の協働参画
⑧小規模公園の適正管理
3-2.道路の緑化
①道路の緑化 ②国道 171 号の緑化 ③狭幅員道路の緑化
④維持管理の協働参画
3-3.シビックゾー
ンの緑化
①多様な緑化によるまちの顔づくり
②高齢者等とともに進める緑化
3-4.駅周辺の緑化
①JR山崎駅・阪急大山崎駅周辺の緑化
3-5.IC・JCT
周辺の緑化
①まちの顔となる緑化演出 ②歩行者に配慮した緑空間の整
備 ③小泉川と一体化した緑空間の整備
4-1.
住宅地の緑化
①緑地協定等の維持 ②接道部緑化の指導
③小規模住宅の緑化の指導
4-2.工場や事業所
の緑化
①工場の沿道緑化 ②企業のスポーツ施設の開放
③事業所の緑化
4-3.公共公益施設
の緑化
①公共公益施設の緑化目標 ②避難場所の防火機能の向上
③地域住民とともに進める緑化
④教育施設におけるシンボルツリーやビオトープの設置
5-1.緑の活動団体
の育成
①緑化活動の把握と指導 ②緑化活動のPR
③緑化推進リーダーの育成
5-2.緑化の支援体
制づくり
①支援組織等の創設の検討
②緑の窓口づくり
5-3.緑化意識の啓
発
①緑のイベントの実施 ②緑化教育の推進
③広報紙の活用 ④コンクールへの応募
-38-
1.市街地をかこむ豊かな自然を守り伝えます
1-1.天王山の保全・活用
■天王山
①天王山自然環境の保全と回復
 本町は、天王山に対する森林整備及び里山
づくり(回復)については、「天王山周辺
森林整備構想」に基づき、地権者をはじめ
とする町民やボランティア、企業、大学、
行政等が連携して取り組んでおり、引き続
き協働して保全等を図ります。
②近郊緑地保全区域、風致地区、鳥獣保護区指
定の継続
 天王山南東部山裾の住宅地から山頂にかけ
ては西国風致地区に、山腹から西側町界にかけては近郊緑地保全区域、さらに、山地のほぼ
全域が鳥獣保護区の指定により、健全な生態系の維持を図りながら、無秩序な市街化や災害
の防止等を図るとともに、今後も良好な自然的環境の維持を図ります。
■アサヒビール大山崎山荘美術館
③観光・散策ルートの整備
 大山崎町を代表する天王山は、京都・大
阪・丹波路の分岐点にあることから、山崎
の合戦をはじめ古来よりしばしば戦場とな
った所であり、古い歴史やいわれをもつ社
寺や美術館が点在し、山頂へのハイキング
コースは戦国時代のルートとして歴史街道
が設定されています。今後も自然環境、歴
史と文化の融合した新たな観光資源として、
ハイキングコース(歴史街道ルート)や、
史跡大山崎瓦窯等の国指定史跡、また、大山崎山荘美術館のある天王山を活用し、周囲の自
然と調和した散策路、休憩施設、案内サイン等の施設整備を進めます。
1-2.天王山と調和する風景づくり
①高度地区指定を踏まえた眺望
 高度地区規制を踏まえながら、ゆとりある市街地環境の維持を図り、市街地から天王山への
眺望を守っていきます。
-39-
■山裾の住宅地
②良好な住宅地環境の維持
 町内の2ヵ所の住宅地では緑地協定が締結
されるなど、緑豊かで落ちついた住宅地環
境が形成されています。今後も、風致地区
指定を継続し、自然と調和する良好な住宅
地環境を維持していきます。
③高架構造物の緑化
 市街地景観に大きなインパクトを与えてい
る町内を縦横に走る広域交通施設の高架下
空間の垂直緑化や高架際への植栽等を促進
します。
1-3.桂川の保全・活用
■国営淀川河川公園(大山崎地区)
①淀川河川公園自然地区の保全
 桂川の広大な河川敷は、東部の河川敷公園
のエリアと、西部の島本町まで続く自然度
の高いエリアに分けられます。野草が生い
茂り野鳥や昆虫の宝庫でもある西部河川敷
は、淀川河川公園の自然地区として、将来
にわたり自然環境の維持保全に努めます。
②淀川河川公園の整備促進
 「淀川三川合流域地域づくり構想」、「淀
川水系河川整備計画」及び「淀川河川公園
整備計画」を踏まえ、つながりの改善や魅力の向上を図り、河川空間と一体となった新たな
野外レクリエーション空間を創出します。
■町営淀川河川敷公園
③整備済河川敷公園の維持管理
 国営淀川河川公園の開設済み区域や隣接す
る町営桂川河川敷公園は、適切な維持管理
を行っていきます。
④河床整備の促進
 内水被害を防止するため、宇治川・桂川改
修の促進期成同盟による活動を今後とも継
続し、河床整備を要望していきます。
-40-
2.まちなかの緑を活用します
2-1.水辺空間の保全・活用
①小泉川水辺環境整備事業の促進
■小泉川(小泉橋周辺)
 小泉川での京都府による自然河川の復元及
び、オープンスペースや防災空間としての
河川空間の活用を目指した「水辺環境整備
事業」を促進していきます。
②小泉川と京都第二外環状線が一体化した歩行
者空間づくり
 小泉川と並行して京都第二外環状線が通る
区間では、河川と道路の高架下を歩行者空
間に活用できるオープンスペースとしてと
らえ、道・水・緑が一体となったここちよいプロムナードづくりを京都府や国土交通省に要
請していきます。
■小泉川整備イメージ
③河川敷公園のエントランスづくり
 小泉川の河口付近において、京都第二外環状線の高架下などを活用した花と緑によるゲート
空間の形成を促進していきます。
-41-
④管理用道路の活用
■小泉川沿いの管理用道路
 小泉川、小畑川、桂川の堤防上の管理用道
路は、歩行者や自転車、交通弱者等が気持
ちよく散策できるように自動車との共存方
策を検討します。
⑤ため池の保全
 天王山の裾野に広がる水鳥や水生植物が生
息するため池は、貴重な自然資源であると
ともに、貴重な農業水源になっており、今
後も適切な保全に努めます。
2-2.身近な樹林・樹木の保全
①保存樹・保存樹林の指定
■離宮八幡宮の社寺林
 市街地内の貴重な樹林地として残存する離
宮八幡宮等の社寺林や竹林等の保全を図り
ます。
 健全で樹容が美観上特に優れている樹木や
樹林については、保存樹・保存樹林の指定
を検討するとともに、地域ぐるみで緑地の
保全や維持管理を行っていくよう住民に働
きかけます。
②公園・緑地としての保全
 一定規模以上の開発行為予定地内に竹林、
大木がある場合は、公園又は緑地として配
置することを指導し、保存に努めます。
2-3.農地の活用
①農地活用による緑化の推進
 本町の北部に多く残る農地は、都市空間に
残された貴重な緑として位置づけ、農地の
所有者と調整し、農地の有効利用を図りな
がら緑化推進に取り組みます。
-42-
■天王山山麓の竹林
②遊休農地やあぜ道の修景
 耕作されていない農地やあぜ道の端といったちょっとしたスペースや、新設道路の沿道など
に、レンゲやコスモス、ヒガンバナ等花の種をまき、通りがかりの人の目を楽しませるよう
な修景の創設を検討します。
③生産緑地地区の保全
 市街化区域内の営農意向のある良好な農地については、市街地内の貴重なオープンスペース、
緑の資源として都市計画に基づき指定した生産緑地を保全していきます。
3.まちに緑の基盤をつくります
3-1.公園・緑地の整備
■天王山夢ほたる公園
①公園の充実
 天王山夢ほたる公園の整備により、市街化区
域内では、おおむね歩いていける範囲内に公
園が整備された状況になっています。しかし、
町内の公園は小規模な公園が多いため、今後
は、開発行為や市街地再整備の機会をとらえ
て、配置バランスに配慮しながら公園の充実
を図ります。
②散策空間の整備
 広域交通の高架下空間をポケットパークや散
策空間として活用し、レクリエーション空間
の創出と高架の威圧感の払拭を同時に図るよ
う関係機関に要請します。
③特徴のある公園づくり
 河川に隣接させ親水空間を創出するなど、公
園・緑地の具体的整備の際には各公園に特徴
を持たせた整備を行います。
-43-
■高架下にある公園(野鳩公園)
■高架横にある公園(茶屋前公園)
④誰もが利用できる公園づくり
 公園緑地等の整備の際は、手すりやスロープ
を設置し遊具に配慮するなど、子どもから高
齢者、障がい者まで、誰もが不自由なく利用
できるバリアフリーな公園づくりを行います。
⑤ワークショップによる公園づくり
 地域に愛され、コミュニティ醸成の場形成を
目指し、構想・計画段階からワークショップ
による公園づくりを進めます。
⑥防火機能の向上
 公園等において、輻射熱や火の粉による延焼を防ぐため、防火性のある樹種を外周部に植栽
することで、防災上の機能の向上を検討します。
<参考:防火用樹>
最適:イチョウ、ナギ、ラカンマキ、アオキ、カシ類、サカキ、サンゴジュ、シイ、モク
セイ、モチ、ヤツデ、ユズリハ
適:イヌマキ、コウヤマキ、キョウチクトウ、サザンカ、タブ、ツバキ、トベラ、ヒサカ
キ、ヒメユズリハ、マサキ、マテバシイ、モッコク
⑦維持管理への協働参画
 公園の植栽管理や清掃は適切に行う必要があることから、「大山崎公園サポーター制度」や
「大山崎町公園花のアンバサダー制度」などを活用し、近隣住民や事業所と協働の公園管理
を目指します。
⑧小規模公園の適正管理
 利用者の少ない小規模な公園や地権者から借りている借地公園については、維持管理や所有
形態など、その在り方を検討します。
3-2.道路の緑化
①道路の緑化
 道路の新設及び改良整備を実施する際には、地域特性にあった街路樹や花木、低木や地被類
を植栽し、緑豊かで個性的な軸景観を創造します。
②国道 171 号の緑化
 幹線道路の国道 171 号は、災害時には工業地と市街地の緩衝帯や避難・輸送路としても機能
すべき道路であることから、街路樹や緑地帯の整備、及び沿道施設の接道部緑化を要請しま
す。
-44-
③狭幅員道路の緑化
■歩道が設置されていない生活道路
 歩道幅員が狭く街路樹を植栽できない場合は、
ネット状の防護柵につる植物を這わせるとい
った工夫により、目に映る緑の量の増加を促
進します。
 生活幹線道路であるが、道路幅員が狭く歩道
も設置できないような区間においては、沿道
の民有地や公共施設緑化を積極的に進める他、
沿道施設のセットバックについても検討しま
す。
④維持管理への協働参画
 道路の街路樹や植樹帯の近隣住民や事業所と協働の管理を目指します。
 街路樹を自分の木として愛着をもって育てられる街路樹里親制度を検討します。
3-3.シビックゾーンの緑化
■町役場や公民館など行政が集まるシビックゾーン
①多様な緑化によるまちの顔づくり
 町役場、公民館、大山崎小学校、老人福祉
センター等が建ち並ぶ「シビックゾーン」
は、町のモデル緑化地区に位置づけ、植樹
帯の充実、公共施設の敷地内緑化、小学校
の柵の生垣化・壁面緑化・校庭開放、民有
地の沿道緑化、名神高速道路の橋脚緑化と
いった官民における緑化をトータルに推進
し、花と緑あふれるまちの顔づくり、花と
緑のあふれる街の顔づくりを進めます。
②高齢者等とともに進める緑化
 町役場向かいの健康福祉関連施設の集積地においては、車椅子でも近づけるタイプの花壇の
設置や視力の衰えた人でも楽しめる鮮やかな色の花やよい香りのする草花の植栽を進めます。
 草花の植えつけ作業をリハビリトレーニングの一環として行うなど、住民が楽しみながら緑
づくりに関わっていける方策を検討します。
-45-
3-4.駅周辺の緑化
①JR山崎駅・阪急大山崎駅周辺の緑化
 町の玄関になっているJR山崎駅周辺は歴史資産と調和するような和風の樹種や地被類を中
心に緑化するなど、日本情緒あふれるしっとりとした景観づくりを進めます。
 町の玄関ともなっている阪急大山崎駅は鉄道高架と一体化しているために、駅周辺の緑化は
プランターや壁面緑化等の工夫により、目に映る花と緑の増加を図ります。
■阪急大山崎駅
■JR山崎駅
 両駅を結ぶ府道西京高槻線は、道路改良に
■府道 67 号西京高槻線(西国街道)
よる歩道の創出とともに、沿道施設に呼び
かけ接道部緑化を促進する他、駐車場や駐
輪場の整備の際は、生垣やつる植物を利用
した外周部緑化を進めます。
-46-
3-5.IC・JCT周辺の緑化
①まちの顔となる緑化演出
 名神高速道路大山崎ICと京都第二外環状線とのJCT周辺において、新たな町の玄関口を
飾る緑豊かで大山崎町をアピールできる緑化演出を関係機関に要請します。
■大山崎 JCT・IC
■京都第二外環状道路
②歩行者に配慮した緑空間の整備
 市街地と町体育館や大山崎中学校の間に IC・JCT があることから、これらの利用者や生徒が騒
音や大気汚染等の被害を受けたり、高架構造物に威圧感を覚えたりすることのないよう、環
境と景観に特に配慮した緑空間の整備を関係機関に要望します。
③小泉川と一体化した緑空間の整備
 小泉川と並走する区間では、河川と道路空間を一体的に捉え、桂川まで快適に散策できる歩
行者空間としての活用を検討します。
-47-
4.小さな緑を増やします
4-1.住宅地の緑化
■円明寺地区の住宅地
①緑地協定等の維持
 天王山裾野の開発住宅地の2ヵ所では緑地協
定が締結されるなど、緑豊かで落ち付いた住
宅地環境が形成されています。今後も、自然
と調和する良好な住宅地環境を維持していき
ます。
②接道部緑化の指導
 住宅の接道部は、生垣化や竹垣化、フェンス
と植栽の組み合わせ等、道路から敷地内の緑
を楽しめる様な工夫を要請します。
③小規模住宅の緑化の指導
 小規模な住宅については、ベランダからつる植物を垂らさせる、フェンスにつる植物を絡ま
せる、窓際にプランターを設置するといった緑化の工夫により緑の量を増やすよう要請しま
す。
4-2.工場や事業所の緑化
■工場の緑化
①工場の沿道緑化
 一定規模以上の工場については、工場立地法
により植栽地(緑地)面積は敷地の 20%と定
められており、一定の緑は確保されています
が、今後はさらに、国道 171 号沿いをはじめ
とする接道部や河川沿いにおいて、塀をセッ
トバックさせ植え込みスペースを設ける、入
口周りに草花の植栽やプランターを設置する、
道路沿いに耐火性のある樹種を植栽するとい
った、緑による都市景観への貢献と災害時の
安全性の確保を要請します。
②企業のスポーツ施設の開放
 大規模工場敷地内には企業のグランドやテニスコート、体育館といったスポーツ施設がある
ことから、企業と住民の交流空間となるよう、地域住民への施設開放を要請します。
-48-
③事業所の緑化
 大規模な事業所や商業施設など新たな施設が立地する際は、接道部の緑化や駐車場の外周緑
化を要請します。
 既存の事業所においても、明るく活気のあるイメージを演出するよう、プランターやハンギ
ングバスケットを活用した花による修景や、接道部緑化、壁面緑化を要請します。
4-3.公共公益施設の緑化
①公共公益施設の緑化目標
■セットバックでサクラを活かした中央公民館
 公共公益施設の緑は重要な役割を担ってい
ることから、緑の量の増加を図ります。ま
た、多様な桜の植栽などにより、緑の景観
形成に努めます。
 公共公益施設の壁面後退や塀のセットバッ
クによる外周部緑化やフェンスの垂直緑化、
花や実のつく木の使用、低木や地被類との
組み合わせといった様々な緑化の工夫を凝
らし、住民の目に触れる緑の量の増大と緑
の質の向上を図ります。
②避難場所の防火機能の向上
 災害に強い都市づくりの一環として、災害時の避難場所や活動拠点になる学校や公共公益施
設において、外周部に防火性のある樹種を植栽することを検討します。
③地域住民とともに進める緑化
 公園のサポーター制度やアンバサダー制度に代表される協働参画事業を公園以外の公共施設
にまで広げ、公共施設を地域住民の手で育てる空間として活用します。
④教育施設におけるシンボルツリーやビオトープの設置
 教育施設について、学校生活の思い出となるシンボルツリーの植樹や、生態系を観察でき自
然への興味を育む学校ビオトープの設置を検討します。
-49-
5.みんなで緑を育むしくみをつくります
5-1.緑の活動団体の育成
①緑化活動の把握と指導
 天王山や各河川などで活動している各種ボランティア団体と連携し,支援策を検討します。
 協働参画事業の公園サポーター制度やアンバサダー制度を周知し、参加団体の拡充に努めま
す。
②緑化活動のPR
 緑化活動の情報について、広報紙やインターネットを活用したPR活動を積極的に進めます。
③緑化推進リーダーの育成
 緑の講座の開催等を通じて、地域ぐるみで緑化活動を進めるうえで中心となる緑化推進リー
ダーの育成を図っていきます。
5-2.緑化の支援体制づくり
①支援組織等の創設の検討
 民有地緑化において、住民や企業の緑化活動をバックアップするため、地域に根ざした緑化
活動や助成を行う組織の創設を検討します。
②緑の窓口づくり
 緑化活動組織の創設までは行政内や地域に「緑の窓口」を設置し、民間から緑のボランティ
アを募り、官民が協力して緑に関する相談や啓発活動を行うことを検討します。
5-3.緑化意識の啓発
①緑のイベントの実施
 「緑化コンクール」、「花の種等の無料配布」等、人々に緑化や自然の維持管理への興味を
もってもらい、都市緑化について広く町民の理解と協力を得られるようなイベントの実施を
検討します(4~6月の緑化推進月間、10 月の都市緑化月間に実施)。
 夏に開催されている「三川合流ドラマティックまつり」にあわせ、河川の清掃活動をイベン
ト的に行うことを検討します。
 各種イベントの実施について、本町単独では開催が困難で効果も少ないと考えられる場合は、
近隣市町と協力体制をとり広域的に実施することも検討します。
-50-
②緑化教育の推進
 本町のシンボルである天王山は、町民に対する環境学習の役割も担っております。本町では、
小学校・中学校の児童や生徒たちに対して、森林整備や森林保全の活動を通して、森の大切
さを学ぶ機会を提供しており、引き続き機会の充実を図ります
③広報紙の活用
 緑を大切にし、緑を増やす心の育成を図るため、広報紙等を活用し町民の緑化意識を啓発し
ます。
④コンクールへの応募
 地域で良好な緑化活動を行っているグループや企業、個人に呼びかけ、緑や花のまちづくり
に関するコンクールへの応募を促します。
-51-