平成28年度小田原足柄納税貯蓄組合連合会 中学生の税の作文 南足柄

平成28年度小田原足柄納税貯蓄組合連合会
中学生の税の作文 南足柄市長賞
「酒屋の父に聞いた酒税の事」
南足柄市立南足柄中学校 近藤 拓真
父に税金って何?消費税の事?と聞いたら、消費税も税金だけど、税金には色々な種類が
あって徴収のされかたも様々であると教えてくれた。父が最も身近に感じる税は酒税だと言
っていた。父の仕事は酒屋なので酒税と言ったのだとすぐに分かったが、酒の税金とは何か
と思い調べてみることにした。
酒税は国が直接徴収する税金、つまり国税と呼ばれる税金であるということが分かった。
それから負担する人と納付する人が違う間接税だということも分かった。このことについて
父に尋ねてみると、製造者が、商品の代金に酒税を上乗せして販売し、その商品を消費者が
購入していることになると教えてくれた。また、酒類を四種類十七品目に分け、その品目や
アルコール度数によってそれぞれ違った税率を課せられていることも分かった。
なぜこのように酒から税金をとるようになったのかも調べてみた。日本の酒造りの起源は
平安時代と言われている。課税が始まったのは室町幕府が酒屋の売上に財源を求め、酒の入
った壺を数えて課税したそうだ。明治時代に入ると酒税法が制定され、当時最大の産業であ
った酒造業への課税を強化していく。これにより課税率はどんどん上昇し、日清戦争と日露
戦争の大きな財源となったとも言われている。このように酒税は時代が変わった今も度々改
正されながら、国税の中では五番目に多い税収となっていることが分かった。
父の酒屋でも直接酒税を納めているわけではないのに、毎年販売した酒類の数量報告の義
務があるようだ。今はレジのシステムで割と簡単になったそうだが、昔だと仕入れの帳面と
在庫を数える作業を毎月行っていて、大変な作業だったそうだ。酒税は政府にとって貴重な
財源となっているようだが、これから先、人口の減少や若年層のアルコール離れと言われて
いるように、お酒の消費量そのものが減ることが見込まれ、税収も減るのではないかと思う。
だからといって税率を上げたらお酒の値段も上がり、ますます消費量が減ってしまうのでは
ないかと思った。酒屋もそうだが、製造場がなくなるとそこで働いている人や原料を作って
いる農家さんも困ってしまう。僕にいい案があるわけではないが、今の財源を確保しながら、
お酒を飲む人が楽しくお酒を買えるにはどうすればいいのか考えさせられました。