ファイル名:H28.7 サイズ:124.22KB

 トップマネジメントセミナー「企業の地方拠点強化に向けた環境整備」
概要
≪主催≫ 全国市町村国
際文化研修所
≪セミナーの概要≫
講義 「プラチナ社会における産業振興 ~新規ビジネスモデルの創造~」 株式会社 三菱総研理事
長 小宮山 宏
【内容】これから人口減少時代を向かえ、「日本は課題が山積みだ」という
印象を受けるが、 近隣のアジア諸国から見れば、公害やエネルギー
危機を乗り越えてきたので、課 題を解決してきた国である。この課題解決の実績を基に、これからの
課題を解決し
ていくべきだ。そのためには、エコロジーで、資源の心配がなく、誰
でも参加でき、 自由な選択ができ、雇用がある社会にしていく必要がある。その周
辺のためのビジ ネスモデルの話であった。
講義 「活力あふれる地方経済の実現」 (一社) 日本経済団体連合会 常務理
事 根本 勝則
【内容】「経団連」というと、証券取引所に上場している大きな会社のための
組織というイ
メージが強いと思うが、奨学金などの創設やビジネスマッチングを
地方で行って
いる。経団連では「地域経済活性化委員会」を創設し、各地方の
経済団体との連
携を行っている。その各種取り組みの話があった。
講義 「地方だから出来るベンチャー起業」 サイボウズ株司会社 代表取締
役 青野 慶久
【内容】愛媛県今治市出身で、今治市で「サイボウズ」を起業したが、今は
本社を東京に
おいているという意味では、失格であるという語りだしであった。最初
は離職率が
28%と高く、「ブラック企業」の代表格であったが、6年の育児休業、
サイドビジネス
の自由、退職しても再入社できる制度などで、新しい働き方を追求し
た会社である
という話であった。
講義 「地方への本社機能移転及び海外工場の国内回帰について」
東京大学大学院経済学研究科教授 藤本隆宏
【内容】「歴史観をもって、右往左往するな」という哲学をもって、常に現場を
見ながら経営
しなさい。そのために東京大学で「ものづくり改善ネットワーク」を組
織し全国の人
に経営哲学を現場主義を押しているという話であった。
意見交換・まとめ 前掲 藤本隆宏
立命館大学経営学部教授 善本哲夫
サイボウズ株式会社 デジタルビジネスプロデュー
サー 中村龍太
公益財団法人滋賀県産業支援プラザ
渡辺健司
【内容】立命館の善本先生からの、2日間の話をまとめていただいて、パネ
ラーとの意見
交換がありました。講義をしていただいた前掲の藤本先生がお見え
になりましたの
で、藤本先生のお考えの「現場主義」を中心に意見発表があった。
≪所感≫
人口が東京圏で増え、地方では減っている。そういう意味では東京への一極集中という状況に
変化はない。しかし誰もが東京一極集中はだめで、分散しなければならないと思っているはず。そ
のような中、小宮山先生からはいままで課題を解決してきたので、その延長線上に新しいビジネス
モデルがあるというお話しで、新しいビジネスモデルは地方で振興してくる。そして青野さんからは、
いわゆる「ばか者」(古いコミュニティを破壊し、若い人の感覚で再構築する)が地域起業家になっ
て新しい働き方を推進する制度が整ってきている。それが IT 技術の活用であり、そのための会社
が「サイボウズ」であるとのこと。
この IT 技術とクラウドサービスの発展が地方での企業誘致、起業の核心である。そのための制
度は知らないだけで、たくさんあるはずである。それを使わない手はない。【文責 櫻井】