11月の米雇用統計について - アセットマネジメントOne

情報提供資料
11月の米雇用統計について
2016年12月5日
 11月の米雇用統計は、12月FOMCでの利上げ実施に十分な内容とみられる
 FRBは2017年も緩慢なペースでの利上げを実施の見通し
11月の雇用統計は12月の利上げに十分な内容
図表1
12月2日、米労働省は11月の雇用統計を公表しまし
た。それによれば、11月の非農業部門雇用者数は前月
比+17.8万人となり、10月実績の同+14.2万人を上回
非農業部門雇用者増減数と失業率
2007年1月~2016年11月:月次
りました。また、失業率も11月には4.6%と2007年8
(前月比、千人)
600
月以来、約9年ぶりの低水準へ改善しました(図表1)。
400
10
ました。しかしながら、労働参加率を前月比横ばいに
200
9
置いた場合でも失業率は4.8%と10月の4.9%から一段
0
8
と低下するなど、11月の雇用統計は米国の労働需給が
-200
7
-400
6
(FRB)のフィッシャー副議長は、「労働参加率が横
-600
5
ばいと仮定すれば、失業率が上昇しないためには12.5
-800
4
11月には労働参加率が幾分低下し、失業率を下押しし
一段と引き締まりつつあることを示唆するものでした。
ちなみに、11 月4 日の講演で、米連邦準備理事会
万人∼17.5万人の雇用増加数が必要」と述べています。
また、FRBのイエレン議長も11月17日の議会証言で、
-1000
07
「今年1月から10月までの月平均雇用増加数は18万人
だった。これは昨年を幾分下回るペースだが、労働市
図表2
今後、米国では12月13日∼14日に連邦公開市場委員
大を示唆するもので、それに続く雇用統計も、上記の
11
12
13
14
15
3
16(年)
失業率(右軸)
米国
時間給上昇率
(前年同月比、%)
3.8
3.4
は、政策金利(FF金利)が2015年12月以来、約1年ぶ
3.0
2.6
FRBは2017年も緩慢なペースの利上げを実施か
もっとも、11月には時間給上昇率が前年比+2.5%と
10月の同+2.8%から鈍化しました(図表2)。今後、
2.2
1.8
労働需給の一層の引き締まりを受け、米国の賃金上昇
1.4
率は徐々に高まるものの、ドル高などの不透明要因が
1.0
企業家心理を抑制し、そのペースは緩やかなものにと
どまる見通しです。このため、FRBは2017年も年2回
程度の緩慢なペースでの利上げを実施するとみていま
す。
(2016年12月5日
10
2007年3月~2016年11月:月次
通り、良好なものでした。このため、12月のFOMCで
りに引き上げられるものとみられます。
09
11
出所:データストリームのデータを基にアセットマネジメントOneが作成
に上回る」と発言しています。
11月の米ISM製造業景況指数は製造業部門の一層の拡
08
非農業部門雇用者増減数(左軸)
場への新規参入者を吸収するのに必要なペースを十分
会(FOMC)が開催されます。12月1日に公表された
(%)
10時執筆)
07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
(年)
出所:データストリームのデータを基にアセットマネジメントOneが作成
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