平成 28 年度秋季のヤマトシジミ資源量調査結果について 平成 28 年 12 月 5 日 水産技術センター内水面浅海部 島根県水産技術センター内水面浅 浜佐陀地区 秋鹿・大野地区 海部では、平成 28 年 10 月 13、17 日に宍道湖のヤマトシジミ資源量調 37 38 39 40 1 41 2 42 3 43 44 4 Hr1 査を実施し、資源量を推定しました 454647 29 30 31 32 33 34 35 36 平田地区 1 2 3 4 25 26 27 28 21 22 23 24 A 宍道湖 ので報告します。 1 2 図 1 に示す調査地点 126 点で、 調査船「ごず」を使用し、SM 斐川地区 3 4 K Hr2 525354 55 3 2 57 58 1 56 4 62 61 60 59 採泥器により、各地点で 2 回ず 74 73 72 71 S HK 66 65 64 63 4 3 2 1 70 69 68 17 18 19 20 1 2 3 4 M 14 15 16 松江地区 11 12 13 78 77 76 75 4 3 2 1 82 81 80 79 86 85 84 83 4 3 2 1 6 7 8 9 10 43 2 T 484950 51 48 1.調査方法 1 2 3 4 Hm 5 1 90 89 88 87 玉湯地区 67 来待地区 宍道地区 つ(計 0.1 ㎡)底泥サンプルを 図 1 調査地点 採集しました。 採取した底泥サンプルはフルイで選別し、求められたヤマトシジミの生息密度と水深 別の漁場面積から宍道湖全体の資源量を計算しました。 2.調査結果 (1)ヤマトシジミの資源量(表 1、2) 表 1 ヤマトシジミ資源量(単位:トン) 今回の調査におけるヤマトシジミの 未成貝 全資源量は約 5 万 4 千トン、822 億個 成貝 が生息していると推定されました。 成貝は約 4 万 7 千トン、353 億個、こ 殻長 12mm 未満 殻長 12mm 以上 17mm 未満 22,925 殻長 17mm 以上(漁獲対象) 23,959 4 千トン(全資 源量の約 44%) と推定されま した。 54,038 全資源量 のうち漁獲対象となるヤマトシジミ の資源量は 2 万 7,154 表2 ヤマトシジミの水深帯別資源量調査 深度 0~2.0m 2.1~3.0m 3.1~3.5m 3.6~4.0m 計 面積 (km2) 7.69 6.18 4.76 5.33 23.96 標本数 31 31 33 28 123 個体数密度 (個/m2) 2,539 3,608 2,234 1,174 ― 推定個体数 (百万個) 27,339 31,217 14,887 8,760 82,203 重量密度 (g/m2) 1,725 2,285 1,487 776 ― 推定重量 (t) 18,568 19,770 9,910 5,789 54,038 (2)資源量の年変動(図2) 平成 28 年秋季の資源量は、平成 27 年秋季の 6 万 4 千トンから減少しましたが、平 成 9 年以降の秋季平年値(約 5 万 1 千トン)の約 1.1 倍となり、平年並みの資源水 準でした。 宍道湖では通常ヤマトシジミ資源量は春季から秋季にかけて増加が見られますが、平 成 28 年秋季については、ほとんど増加は見られませんでした。 漁獲対象資源は 2 万 4 千トンであり、平成 14 年以降の平均値(1 万 6 千トン)を大 きく上回っており、平成 25 年秋季以降高水準にあります。 1 資源量全体(トン) 成貝(殻長12㎜以上) 漁獲対象貝(殻長17mm以上) 春季(6月) □夏季(8月)平成9年のみ ● 秋季(10月) ○ 8 ( 資 源 量 6 ) 万 ト 4 ン 2 0 夏秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋春秋 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 図2 宍道湖のヤマトシジミ資源量の推移 3.今後の見通し 殻長 17mm 以上の漁獲対象資源は高 水準が継続しており、大きな環境変化が 個/㎡ 1,000 H26秋季 無ない限り、今冬季についても安定した 漁獲が見込まれます。しかしながら来年 春季以降の漁獲動向については注意が必 資源全体 500 漁獲対象 要です。 平成 26~28 年秋季の殻長組成を見る 0 0 と、5mm 及び 10mm 付近に見られるピ 5 10 15 20 ークが、徐々に小さくなっていることが 1,000 分かります。これは新たに資源に加入す る殻長 5mm 以下のヤマトシジミが減少 しており、それに伴って 10mm に成長す 25 30 H27秋季 資源全体 500 漁獲対象 る個体数も減少していることを示してい ます。 0 0 現在漁獲対象になっているのは、主に 5 10 15 20 平成 25 年及び 26 年に資源加入したヤマ 1,000 トシジミです。この 2 年は非常に大きな 30 H28秋季 加入量がありましたが、平成 27 年以降 の加入量は減少傾向にあります。 25 資源全体 500 漁獲対象 平成 28 年度の調査結果より春季の加 入量は平年並み、秋季の加入は平年を下 0 0 回っています。したがって、今後のヤマ トシジミの資源量および漁獲対象資源に 5 10 15 20 殻長(mm) 25 30 図3 平成 26~28 年秋季の宍道湖のヤマトシジミの殻長組成 ついては減少が予測されます。 2
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