経⼝投与が可能な豚丹毒菌⽣ワクチンの開発 受賞者 顔写真 略歴 ⼩川 洋介 ⽒(年齢 37歳) 国⽴研究開発法⼈農業・⾷品産業技術総合研究機構 動物衛⽣研究部⾨細菌・寄⽣⾍研究領域 主任研究員 平成19年東京⼤学⼤学院博⼠課程修了。(独)農研機構動物衛⽣研究所 任期付研究員を経て、平成24年より現職。博⼠(獣医学)。 業績概要 背景 家畜⽣産現場では、感染症対策としてワクチンや抗⽣物質が使⽤されてきたが、抗⽣ 物質の世界的な使⽤量削減の動きがある中、ワクチンの重要性が⾼まっている。さら に収益⼒を強化するため、省⼒投与が可能で低コストなワクチンの開発が求められて いる。 研究内容・成果 豚の重要疾病である豚丹毒に対する新規 ワクチンを開発した。本ワクチンは、病原 因⼦を⽋損させているため安全性が⾼く、 経⼝投与で有効性が確認されているため省 ⼒型であり、しかも簡単に培養できるため ⽣産コストが低く抑えられる。 写真 ワクチンを含む ミルクを飲む豚 病原遺伝⼦を⽋損させて 新しいワクチンを開発。 病原性復帰の可能性が低い 野外株との識別が容易 安全性 実験動物であるマウスおよび 感受性の⾼い豚に接種しても 臨床症状を⽰さない。 病原性が低く、安全性⾼い 省⼒的 従来は注射により動物に 接種していたが、経⼝投与に よってもワクチン効果が ⽰された。 豚にとっては接種による ストレスが軽減できる。 ⼈にとっては接種労⼒が⼤幅に 削減できる。 豚丹毒菌は簡単に培養できる。 ⽣産コストが低い 新規ワクチン の特性 低コスト 今後、本ワクチンをベースに、他感染症のワクチン抗原を導⼊した多価ワクチンを開発予定 受賞評価のポイント 豚丹毒菌に効果がある、弱毒化機構が明らかな弱毒⽣ワクチン候補株を開発するとともに、 本候補株は経⼝投与で免疫を誘導できるため、省⼒型ワクチンとしての利⽤が期待される点が ⾼く評価された。 【連絡先】国⽴研究開発法⼈農業・⾷品産業技術総合研究機構 動物衛⽣研究部⾨ (住所:〒305-0856 茨城県つくば市観⾳台3-1-5 TEL:029-838-7713)
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