参考 使用許諾する技術の概要 【使用許諾する技術(高温蒸気配管の保守に関する技術)のフロー】 ※1 帯状のステンレス鋼板で,厚さ 0.1mm,幅 30mm 程度のもの。 ※2 配管溶接部を覆うように取付け,フランジ(つば)で結合する補強材。 【本技術を適用することによるメリット】 技術 メリット ※3 ① 配管最大損傷部 評価部位として,応力 が高く損傷が発生するおそれのある部位 位の特定技術 を的確に選定できるため,余寿命評価の信頼性が向上します。 ② 高クロム鋼配管 「クリープボイド※4」「ひずみ」「内部き裂」を指標とし,従来は の余寿命診断技 精度の高くなかった 9Cr 鋼※5 配管溶接部の寿命中期からの余寿命 診断を高精度に実施することが可能となります。 術 主に,現場で簡単に施工出来る帯鋼補強技術により,ボイラ配管 ③ 配管補強技術 溶接部の寿命をさらに延長することが可能です。 ※3 物体の内部に生じる力の大きさ。 ※4 もともと金属結晶内部に存在する微小欠陥が,拡散現象によって結晶粒界に集ま り,より大きな空孔を形成したもの。 ※5 鉄に Cr(クロム)を 9%程度含有させた鋼。高温・高圧の蒸気配管で使用される。 【本技術の詳細】 ① 配管最大損傷部位の特定技術 火力発電所ボイラ配管の余寿命評価は,配管表面から採取した金属組織のレプリ カ観察や配管内部の超音波検査等により行いますが,評価部位の選定は過去の評価 結果等に基づいて行っていました。 本技術ではレーザー計測器等を用いて,発電所停止時の蒸気配管の位置と発電所 運転時の蒸気配管の位置から蒸気配管の移動量を計測し,計測した移動量を用いて 数値解析を行うことにより,蒸気配管の系統の中で応力が高く,損傷が発生する 可能性が高い部位を特定します。これにより,従来の方法と比べて損傷部位を特定 する精度が向上しました。 ② 高クロム鋼配管の余寿命診断技術 従来,ボイラ 9Cr 鋼溶接部の高精度な余寿命診断手法は開発されていませんでし た。9Cr 鋼溶接部の損傷メカニズムを解明した結果,溶接部細粒域(溶接熱影響部の うち配管本体に近い組織の細かい部分) に発生するひずみと溶接部の寿命との間に 強い相関があることがわかり,寿命中期から破断に至る期間で余寿命診断可能な 「ひずみ」「クリープボイド」「内部き裂」を指標とした統一的な寿命診断技術を 開発しました。 ③ 配管補強技術 内部に高温・高圧の蒸気が通過する火力発電所ボイラ配管は,蒸気圧力による「内 圧」や,配管の熱膨張による「曲げ力」により,数十年という長い期間運転を行う と,溶接部に損傷が発生するおそれがあります。 配管の寿命を延ばすため,現地で簡単に配管に施工できる技術として,主にボイ ラ配管溶接部に帯鋼またはフランジ型補強材を巻き付けて補強する技術を開発しま した。 以 上
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