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高知広域都市計画区域マスタープラン(素案)
みなさまのご意見を募集します!
高知県では、南海トラフ地震の被害想定や人口減少、高齢化の進展など、社会経済情勢の変化に
対応するため、「 高知広域都市計画区域マスタープラン 」の改訂作業を行っています。
改訂にあたっては、地域に暮らすみなさまの 将来こんなまちにしたい という思いを、今後の
まちづくりに活かしていきたいと考えています。多くのご意見をお待ちしています。 高知広域都市計画区域とは…
県都高知市を含む周辺地域において、地形や土地利用などの自然的条件、交通施設の設置状況、
日常生活のつながりなどにおける都市の一体性から、高知市、南国市、香美市、いの町の一部を
高知広域都市計画区域として指定しています。
また、無秩序な市街化を防止し、計画的に市街地を形成するため、区域区分(線引き)を定め
ています。
都市計画区域マスタープランとは…
都市計画の基本的な考え方について、おおむね20年後の都市の姿を展望し、広域的な視点
からまちづくりを進めていくための方向性を示したものが『都市計画区域マスタープラン』です。
用語解説
高知県の都市計画区域
本山町
大川村
大豊町
◆都市計画区域
土佐町
人や物の動き、都市の発展
を見通し、地形などからみて、
一体の都市として捉える区域
のことです。
仁淀川町
佐川町
津野町
土佐市
須崎市
馬路村
香南都市計画区域
東洋都市計画区域
安芸市
香南市
芸西村
日高村
越知都市計画区域
梼原町
南国市
高知市
越知町
高知広域
都市計画区域
土佐都市計画区域
安田町 北川村
東洋町
安芸都市計画区域
田野町 奈半利町
室戸市
須崎都市計画区域
中土佐町
都市計画区域を、計画的に
市街化を図る区域と自然や農
地を保全する区域に区分する
ことです。
中土佐都市計画区域
室戸都市計画区域
四万十町
四万十市
◆用途地域
住居、商業、工業など、
それぞれの環境を守り、効率
的な活動を行うために土地を
合理的に利用するルールを定
めている地域です。
香美市
いの町
佐川都市計画区域
◆区域区分(線引き)
本山都市計画区域
宿毛市
宿毛都市計画区域
大月町
黒潮町
窪川都市計画区域
幡東都市計画区域
中村都市計画区域
三原村
土佐清水市
凡 例
区域区分を行い、用途地域を指定して
いる都市計画区域
土佐清水
都市計画区域
用途地域を指定している都市計画区域
その他の都市計画区域
現状と課題
今後、人口減少や高齢化が進むことによって、これまで多くの人々に支えられてきた中心市街地や
公共交通などが衰退し、日常生活に支障をきたすおそれがあります。
人口減少の進展
50 (万人)
45.9 44.7
人口
人口減少にともない、
まちの活力が低下しています。
38.2
は2
実績値
H12
(
少
30
20
34.1
4%減
老
年
人
口
推計値
H22
H32
H42
H52
人口推移と将来推計
20 (万人)
15
10
5
は上昇
の割合
39%
口
人
34%
老年
32%
25%
13.2 13.2 13.1
20%
11.0
口も増加
老年人
9.2
実績値
H12
H22
推計値
H32
65歳以上の人口(老年人口)
※高知広域都市計画区域を構成する3市1町の行政区域の人口推移
出典:H12-H22 国勢調査(総務省)
H32-H52 日本の地域別将来推計人口(H25.3推計)(国立社会保障・人口問題研究所)
課題1 持続可能なまちの実現
H42
H52
老年人口の割合
50%
老
40% 年
人
30% 口
の
20% 割
合
10%
日常生活や移動な
どに不安を抱える
0%
人が増加します。
※高知広域都市計画区域を構成する3市1町の行政区域の人口推移
出典:H12-H22 国勢調査(総務省)
H32-H52 日本の地域別将来推計人口(H25.3推計)(国立社会保障・人口問題研究所)
課題2 暮らしやすいまちの実現
一定の人口密度の維持や財政コストの低減による
日常的な生活サービスの維持と公共交通の充実に
持続可能なまちの実現が必要です。
よる暮らしやすいまちの実現が必要です。
1 人あたりのごみ収集費負担額
人口減少が
進展すると……
県内の事故件数と高齢者が関わった事故の割合
高齢化が
40%
は増加
進展すると…… 県 6 千件
高
の事故率
15,000
14,000 円 / 人
10,000
行政サービスに
対する一人あた
りの負担が増加
します。
11,000 円 / 人
高齢者が関わる
事故の割合が高
くなる可能性が
あります。
担額が増加
の負
5,000
1 人当たり
現在:H22
将来:H52
※H23高知県一般廃棄物処理事業の概況(高知県)と将来人口推計を基に算出
中心市街地の衰退
1,200
1,000
営
業
店
舗
数
(件)
は減少
800
600
400
20%
店舗数
13%
10%
11%
0
924
H12
852
H14
726
H16
17%
19%
25%
営業店舗数
634
H22
市街化区域においても津波
浸水被害が発生します。
20%
空
店
舗
昇
13%
は上
率
舗
空店
628
H20
30% 事 齢
故者
20% の が
割関
わ
10% 合 っ
た
(2010 年 ) (2014 年 )
出典:H22・H26 交通事故の概況(高知県警察本部 交通企画課)
津波浸水予測区域
15% き
706
H18
者
内 4 千件 高齢
の
事故件
事 2 千件
数は減
故
少
件
数
H22
H26
南海トラフ地震による被害想定
商業は衰退しており、
空き店舗が増加しています。
200
市街化区域の
39%が浸水
10% 率
5%
646
H24
凡 例
0%
津波浸水予測区域
都市計画区域
市街化区域 空店舗率
出典:H12~H24 高知市商工労働行政の概要(高知市商工観光部)
出典:H24(高知県版第2弾)南海トラフ地震の巨大地震による震度分布・津波浸水予測(高知県)
課題3 にぎわいのあるまちの実現
課題4 災害に備えたまちの実現
中心市街地の再生や産業振興によるにぎわいの
河川・海岸堤防の耐震化や液状化対策などの
ハード対策と、避難体制づくりなどのソフト対
策の充実・強化が必要です。
あるまちの実現が必要です。
現在 平均で 370m、11 分
商業施設や医療
施設が減少すると…
津波発生後、長期
浸水が生じると…
買物や通院など、
将来 平均で 420m、13 分
施設までの移動
距離が拡大します。
長期間にわたり
日常生活に支障
をきたします。
※国土数値情報の医療施設分布(H26.9時点)(国土交通省)と将来人口推計を基に算出
1
65
歳
以
上
の
人
口
(
40
41.8
高齢化の進展
高知市では…
発生
長期浸水面積 2,800ha
積 2,800ha
浸水区域内居住人口 13万人
口 13万人
排水に要する期間(高知県試算)
約 67日
・ポンプ車(30t/分)20台を
24時間稼働させた場合
出典:H26南海トラフ地震による超広域災害への備えを強力に進める9県知事会議資料(高知県)
都市計画の目標
目標年(平成 47 年)における高知広域都市計画区域の人口および面積の目標を以下のように
定めます。
人口及び面積の目標
基準年:平成 27 年
(2015 年)
都市計画区域
市街化区域
中間年:平成 37 年
(2025 年)
目標年:平成 47 年
(2035 年)
人口
419 千人
402 千人
387 千人
面積
29,779ha
29,779ha
29,779ha
人口
351 千人
339 千人
328 千人
面積
6,190ha
おおむね 6,190ha
おおむね 6,190ha
また、高知広域都市計画区域の現状と課題を踏まえ、3つの基本理念に基づき、誰もが安全で
安心して暮らしやすいまちづくりを目指します。
基本理念 1
基本理念 2
基本理念 3
まちと緑が
身近に出会う、
次世代につなぐ
まちづくり
安全を確保し、
生活が息づく
まちづくり
共に助けあう、
協働のまちづくり
改訂のポイント
『多極ネットワーク型のコンパクトな都市』イメージ
総合病院
高知県や市町村の
「 まち・ひと・しごと創生総合戦略 」等
を踏まえ…
居住を誘導
中山間・小さな拠点
との連携
公共交通
都市機能を誘導
都市機能を誘導
地域拠点
○○商店
診療所
○○
広域拠点
地域拠点
居住を誘導
◆ 多極ネットワーク型のコンパクトな
地域拠点
都市の形成に向けた方針を示します。
住宅
地域拠点
大型商店
◆ 日常生活の利便性の確保と、だれも
地域拠点
商店
診療所
が移動しやすい交通環境の充実に向
中山間・小さな拠点
との連携
けた方針を示します。
◆ 地産外商の強化や観光振興、新たな産業集積などによる地域活力の向上に向けた方針を示します。
店
○○商店
○○商店
東日本大震災での教訓を南海トラフ地震などの自然災害に活かすため…
◆ 事前・応急・復旧・復興の各段階に備えた「多重防御型まちづくり」の考え方を盛り込みます。
高台移転や既存コミュニティの維持・産業の活性化を図るため…
◆ 市街化調整区域内の開発許可制度の運用の方針を示します。
◆「 自助 」「 共助 」「 公助 」それぞれの役割分担と協働によるまちづくりに向けた方針を示します。
2
区域区分の有無
高知広域都市計画区域では、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街地を形成するために、都市
計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分する『区域区分』(一般には「線引き」とも
いいます。)を定めています。
用語解説
◆市街化区域
…既に市街地を形成している区域及びおおむね 10 年以内
に優先的かつ計画的に市街化を図る区域
◆市街化調整区域 …市街化を抑制すべき区域
Q.
なぜ、これまで区域区分を定めてきたの?
高度経済成長期に市街地が無秩序に拡散し、インフラ整備が追いつかなくなりました。
このため、計画的な市街地の形成を図るとともに、優良な農地や豊かな自然環境を守る
ため、区域区分を定めてきました。
A.
人口の増加や核家族化、自家用車の普及により、日常生活の活動範囲や商業・観光などの
産業における経済活動圏が拡大しました。
これに伴い、無秩序に市街地が拡散し、日常生活に必要な道路や排水施設などのインフラ
整備が追いつかず、後追いでの整備が必要となりました。
また、無秩序な市街地の拡散から農地や自然環境を守ることも必要となりました。
Q.
これからも区域区分が必要なの?
人口減少下においても現在の生活サービスやコミュニティを維持していくためには、
一定の人口密度を維持していくことが必要です。このため、引き続き区域区分を定め、
人口規模に応じたコンパクトなまちづくりを進めていきます!
A.
現在の市街地のまま人口が減少すると、身近な商業施設や公共交通などの利用者も減るため、
生活サービスを維持していくことが困難になります。
また、厳しい財政制約のもとでは、新たなインフラ整備だけでなく、これまで整備してきた
施設の更新も難しくなる可能性がでてきます。
このため、生活サービスを持続できる人口密度を維持するとともに、既存の施設を有効活用
していくためには、引き続き土地利用規制を行い、市街地の拡大を抑制することが必要です。
さらに、農地や自然環境を引き続き保全するとともに、既存コミュニティの維持や産業の
活性化も必要となっています。
市街化区域
高知広域都市計画区域
香美市
南国市
高知市
香南市
いの町
凡 例
土佐市
市街化調整区域
都市計画区域
市街化区域
市街化調整区域 3
須崎市
土地利用の方針
住まいから公共施設や商業施設などが公共交通や徒歩・自転車で移動可能な範囲にあり、日常
生活の利便性や快適性が確保された都市拠点を形成し、拠点間を公共交通を含めた交通ネットワ
−クで結ぶ、多極ネットワーク型の都市の実現に向けた土地利用を進めていきます。
業務地
商業地
高知城周辺は県における中心的
な業務地として、土地の高度利用
を進め、業務サービス機能の更新
や誘導を促進し、機能強化を図り
ます。
南国市、香美市、いの町の中心部
は、地域住民への多様な商業サービ
スを提供する機能を誘導し、にぎわ
いのある商業地の形成を図ります。
住宅地
工業地
日常生活に必要な利便施設など
の誘導、空き地など低・未利用地
の有効活用や空き家の利活用を促
進し、良好な住環境の形成を図り
ます。
新たな産業高度化等の動向に対応
した基盤整備によって、事業所の良
好な操業環境の維持・創出を図りま
す。
流通業務地
市街化調整区域
高規格道路や高知港などの交通
機能を活かしながら、既に施設が
集積している地区やIC周辺など
に流通機能を誘導することにより
機能強化を図ります。
南海トラフ地震へ備えるための高
台移転や既存コミュニティの維持、
産業の活性化を図るなど、市町の実
情に応じた開発許可制度の運用を行
います。
南国IC
香美市
蛍が丘
駅
山田
比江
土佐
香美
讃
線
国分川
一宮
高知IC
駅
自
高知
動車
道
後免
薊野
南国
布師田
JR
土
32
ごめんなは
高知駅
知都心
高知都心
高知
高
知
知都
都心
都
心
伊野IC
り線
56
高須
高知東部自動車道
56
南国市
弘化台
いの
いの町
高知龍馬空港
川
部
物
朝倉
駅
伊野
弥右衛門
高知港
浦戸湾
56
三和琴平
高知市
(なんごく流通団地)
十市
(高知みなみ流通団地)
川
淀
仁
瀬戸
高知港
長浜
広域拠点
地域拠点
生活地域
業務地
商業地
工業地
流通業務地
住宅地
農地
山林
都市計画区域
市街化区域
行政界
自動車専用道
主な幹線道路であり
バス利便性の高い道路
事業中・計画路線
バス利便性の高い道路
(1時間に2便以上)
鉄道
軌道
4
都市施設の方針
放射道路や環状道路で構成する道路ネットワークの形成により、
交通の円滑化を図り、都市活動を支援します。
災害時などの救援および復旧・復興活動が、安全かつ確実に
確保できる道路ネットワークを形成します。
誰もが過度に自動車に依存することなく生活できる、持続可能
で利便性の高い公共交通網を形成します。
下水道は、公共下水道や流域下水道など、地域の実情に応じた
整備を行い、生活環境の向上や河川などの水質保全のための
汚水処理や市街地を浸水から守るための雨水排除を行います。
河川整備では、「 治水 」「 利水 」
「 親水 」
「 生物の多様性」
「 暮らしと文化・景観 」の視点から、地域の暮らしや生態系、
河川環境や景観などに配慮した多自然川づくりを推進します。
都市計画道路の整備
(はりまや町一宮線)
用語解説
◆都市施設 …道路・駐輪場・駅などの交通施設、公園・緑地などの公共空地、上下水道・ごみ焼却場などの
供給・処理施設、その他にも河川、学校、保育所、市場、住宅団地、官公庁施設などが含まれます。
市街地開発事業の方針
都市基盤がぜい弱な地域では、市街地
開発事業の実施や建築物の不燃化・
難燃化、老朽建築物の建て替え促進、
道路の整備や公園・緑地の確保など、
優先的に住環境の改善を進めます。
事業前
事業後
土地区画整理事業の実施事例(高知市潮江西部地区)
都市防災の方針
都市防災については、関係機関が連携し、津波や長期浸水に備えた河川堤防の整備、排水機場
の耐震・耐水化を推進します。
災害時の避難路や避難場所、防災拠点、緊急輸送路の確保・機能強化を図るために、公園や道
路の整備を進め、防災ネットワークを形成します。
県民に対し、防災マップや洪水ハザード
マップなどにより、様々な情報提供を行
い、意識醸成を図ります。
津波避難路
5
津波避難タワー
自然環境の整備又は保全の方針
四国山地に連なる北山や鷲尾山などの県立自然公園や、仁淀川・
物部川および太平洋・浦戸湾などの豊かな自然環境を活かしつつ、
市街地と一体となって良好な都市環境を形成していくために、
自然環境の保全を図ります。
住民ニーズをふまえ、容易に利用できるコミュニティの場として
公園や緑地の整備を進めるとともに、既存施設の適切な維持管理
を行います。
鏡川緑地
福祉のまちづくりの方針
バリアフリー法や人にやさしいまちづくり条例などに基づき、
住宅をはじめ、道路や公園などの都市施設、病院などの公益
施設、バス・電車などの公共交通のバリアフリー化を進める
など、ユニバーサルデザインに対応したすべての人が快適に
暮らせるまちづくりを推進します。
駅構内のフラット化
(とさでん交通高知駅前電停)
都市景観の方針
高知市の中心市街地やJR高知駅周辺においては、森林県と
しての豊富な資源を活用し、高知らしさを前面に出した景観
形成を進めます。
市街地周辺の田園環境や自然環境を保全し、市街地と一体と
なった美しい都市景観を形成します。
JR高知駅
まちづくりには、みなさんの協力が必要です!
これからのまちづくりは、人口減少や高齢化、地域の
つながりの希薄化などに対応していくため、行政主導の
取り組みに加え、「自助」「共助」を強化し、住民が主体
となって取り組むことが重要となります。
まちづくりに住民の意見を反映させるため、「住民」
と「行政」がまちづくりについて計画の段階から共に
検討していけるような仕組みをつくり、行政と住民、
民間の事業者などの専門家、さらに、それらをつなぐ
まちづくりNPOなど、それぞれの役割分担と協働に
よるまちづくりを進めます。
⾃助
共助
要素A
要素B
その他
要素A
要素B
その他
要素A
要素B
その他
要素A
要素B
その他
公助
6
■意見募集
「こんなまちにしたい」「こうすればもっと暮らしやすくなる」など、まちづくりに対して
思っていることや感じていることなどについて、ご意見をお寄せください。
いただいたご意見は、高知広域都市計画区域マスタープランを改訂するにあたって、参考に
させていただきます。
●ご意見は、以下の3つの方法により受け付けています。
①郵送/〒780−8570
高知県高知市丸ノ内1丁目2−20
「高知県土木部都市計画課 マスタープラン意見募集宛て」
②ファックス/088−823−9349
「高知県土木部都市計画課 マスタープラン意見募集宛て」
③メール/171701@ken.pref.kochi.lg.jp
「マスタープラン意見募集宛て」
※お寄せいただいたご意見は、高知県都市計画課ホームページ等で意見の概要を公表します。
なお、意見に対する個別の回答は行いませんので、あらかじめご了承下さい。
高知県 土木部 都市計画課
〒780-8570
高知県高知市丸ノ内 1 丁目 2-20
TEL:088-823-9846 FAX:088-823-9349
E-mail:171701@ken.pref.kochi.lg.jp
ホームページ:http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/171701/