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鉄骨H形鋼はり 貫通孔補強工法
R
2)6
(財)日本建築センター 一般評定 BCJ評定-STO128-02
freedonut.jp
フリードーナツとは
フリードーナツとは ● フリードーナツは、鉄骨H形鋼はりのウェブ貫通孔補強工法です。
●
はりウェブ貫通孔におねじ加工したスリーブ管(FDスリーブ)を通し、
ウェブの両側からめねじ加工したドーナツ状の平鋼(FDリング)をネジ
接合した後、FDリングの溶接用孔をプラグ溶接して梁貫通孔を補強
します(420φおよび500φの製品はFDリングのみ)。
●
フリードーナツ工法には、貫通孔の径(100φ∼500φ:呼び径)にあ
わせて11種類の製品があります。
FDスリーブ
※420φ・500φ用
FDリング
FDリング
プラグ溶接(4∼12箇所、両面)
免責事項
目 次
4
■フリードーナツの設計 …………… "
■フリードーナツの施工 …………… %
■フリードーナツとは ………………
万一、フリードーナツに問題が発生した場合には、下記の免責事項
をふまえた上で対応させていただきます。
1.このカタログおよび関連資料に記載した製品の取扱い・使用方
法等に反した設計・施工による不具合。
2.標準仕様以外に設計者・施工者の使用者が指示した仕様・施工
方法等に起因する不具合。
3.瑕疵(かし)を発見後、すみやかに届けがされなかった場合。
4.不可抗力(天災、地変、地盤変化、火災、爆発、騒乱など)により
発生した不具合。
5.あらかじめ定めた用途・部位以外に使用し、それにより発生し
た不具合。
フリードーナツの特長 ●独自の補強工法
・外周溶接不要。製品孔をプラグ溶接する独自の工法です。
・溶接量が少ない上、ウェブ両側からの均等な施工なので、
熱の影響(ひずみ・縮み)がほとんど出ません。母材にやさしい補強工法です。
●はり貫通孔部分の性能が明快です。
・(財)日本建築センターの一般評定を取得した工法です(BCJ 評定ーST0128ー02)。
・多くの実大実験、FEM解析に基づいて定められた有孔部耐力による定量的な貫通孔検討が可能です。
実大実験とFEM解析の例
評定書
FD420N・FD500Nの材料認定書
※
●塑性化領域への使用等、合理的な設備設計が可能です。
・はり端部の塑性化領域にも使用が可能です(1ヵ所のみ)。
・はりせいに対する孔径比は、最大で0.62です。
・貫通孔どうしの最小間隔(孔芯間)は、2dです(d:呼び
径の平均)。
・設置高さは、製品がウェブフィレットに干渉しない範囲
で使用可能です。
※別途耐力検討が必要です(P.4∼P.6参照)。
お客様へのお願い
本カタログは建築設計事務所様、
建築施工会社様、鉄骨製作加工
業者様において、フリードーナツを用いた鉄骨梁の設計・施工及び、
施工の管理の際に完全かつ効果的にご使用頂くためのものです。
1.本工法を用いた鉄骨梁の設計・施工、並びにその管理を行う場
合は本カタログを遵守するとともに、建築基準法や関係法規、
基準仕様書等(JASS6:鉄骨工事、労働安全関係法令…)を
遵守して、正しい設計・施工と維持管理に努めてください。
2.建築設計事務所様は関連資料の「フリードーナツ工法標準図」
を必ず設計図書に添付し、建築施工会社様、鉄骨製作加工業者
様にご指示ください。
このカタログの中で特に注意していただきたい事項
については、以下の警告表示を記載してあります。
:一般的な注意を喚起する表示
警告:取扱いを誤った場合に、人の生命又は身体
に危険な状態が生じることが想定される場
合の表示
製品仕様・外観は予告無く変更することがあります
ので、あらかじめご了承ください。
フリードーナツとは
フリードーナツの製品仕様 製品はFDリングとFDスリーブで構成されています(FD420N と FD500N はFDリングのみ)。
FD リング
貫通孔径
(呼び径)
製品記号
100φ
形 状
外径:Dr
(mm)
板厚:tr
(mm)
FD100N
A
181
9
125φ
FD125N
A
207
150φ
FD150N
A
175φ
FD175N
200φ
FD スリーブ
溶接用孔
箇所数×孔径:R1(R2)
(mm)
内径:Ds
(mm)
長さ:L
(mm)
4 × φ20
102
60
9
4 × φ20
127
60
256
9
4 × φ23
151
60
B
300
9
8 × φ23
174
60
FD200N
B
346
9
8 × φ23
200
60
250φ
FD250N
B
397
9
8 × φ23
249
60
300φ
FD300N
B
470
9
8 × φ23
298
60
340φ
FD340N
B
500
9
8 × φ23
337
60
390φ
FD390N
B
570
9
8 × φ23
387
60
420φ
FD420N
C
600
16
12 × φ31(φ42)
−
−
500φ
FD500N
C
700
19
12 × φ37(φ50)
−
−
【FDリング形状】
材質:FD100N ∼ FD390N:SM490A または同等品
FD420N ・ FD500N:SM-FD490A (国土交通大臣認定 MSTL-0238)
Dr
R1
R1
R1
R2
tr
A 形状
Dr
tr
Dr
C 形状
B 形状
【FDスリーブ形状】
tr
【溶接用孔形状】
材質:STK400 または同等品
L
Ds
A・B形状
3
C形状
フリードーナツの設計
フリードーナツのご採用に際しては、必ず適用可否の検討が必要です。検討は、以下のフローに基づきます。
START
貫通孔の必要孔径・孔位置の決定
フリードーナツ工法の検討
①梁の材質・寸法に関する規定
No
Yes
No
②取付け位置に関する規定
Yes
③有孔部耐力のチェック
梁の存在応力がM-Q曲線内で
あることの確認
1.長期耐力の検討
2.短期耐力の検討
3.全塑性耐力の検討
No
Yes
END
警告
注1)梁の端部に使用する貫通孔の数は、端部1箇所につき1箇所までとします。
注2)本工法は、横補剛が必要な梁の横補剛を不要とするものではありません。
注3)梁に軸力が作用する場合は使用不可とします。
注4)梁の材軸に対し鉛直方向(せい方向)に複数の貫通孔設置は不可とします。
① 梁に関する規定は、以下の通りです
構 造・部 位
鉄骨造・はり
断 面 形 状
H形鋼・組立H形鋼
材 質
F値 325N/mm2 以下
せ い
1200mm 以下
ウ ェ ブ 厚
22mm 以下
ウェブ幅厚比
FA ランク、FB ランク
孔 径 比※
0.62以下
※はりせいに対する貫通孔径(呼び径)の比
4
② 取付け位置に関する規定は以下の通りです(図および表参照)
L1:梁端から孔中心までの距離
d以上
L2:ウェブスプライスプレート、ガセットプレート端から
孔中心までの距離
d以上
L3:隣り合う貫通孔(呼び径d1、
d2とする)の中心間距離
d1+d2以上
e1:梁天端から孔中心までの距離
FDリングとH形鋼フィレットが干渉しない範囲
※ d:フリードーナツの呼び径(mm)
e1
L2
e1
D
L3
L1
梁の端部:Max(2D、L/10)
※貫通孔の数は1箇所まで
L2
L
図 孔位置に関する規定
表 おもな梁の偏芯可能範囲(e1min−e1max)
H形鋼
細
幅
系
列
中
幅
系
列
広
幅
系
列
フリードーナツ
H−250×125×6×9
H−300×150×6.5×9
H−350×175×7×11
H−400×200×8×13
H−450×200×9×14
H−500×200×10×16
H−600×200×11×17
H−244×175×7×11
H−294×200×8×12
H−340×250×9×14
H−390×300×10×16
H−440×300×11×18
H−482×300×11×15
H−488×300×11×18
H−582×300×12×17
H−588×300×12×20
H−700×300×13×24
H−800×300×14×26
H−900×300×16×28
H−250×250×9×14
H−300×300×10×15
H−350×350×12×19
H−400×400×13×21
FD100N FD125N FD150N FD175N FD200N FD250N FD300N FD340N FD390N FD420N FD500N
107-143
112-188
114-236
116-284
117-333
119-381
120-480
114-130
115-179
117-223
119-271
121-319
118-364
121-367
120-462
123-465
132-568
134-666
136-764
117-133
118-182
122-228
133-267
120-130
125-175
127-223
129-271
130-320
132-368
133-467
150-150
152-198
154-246
155-295
157-343
158-442
174-176
176-224
177-273
179-321
180-420
199-201
200-250
202-298 227-273
203-397 228-372 265-335 280-320
128-166
130-210
132-258
134-306
131-351
134-354
133-449
136-452
145-555
147-653
149-751
155-185
157-233
159-281
156-326
159-329
158-424
161-427
170-530
172-628
174-726
179-211
181-259
178-304
181-307
180-402
183-405
192-508
194-606
196-704
204-236
201-281
204-284
203-379
206-382
215-485
217-583
219-681
226-256
229-259
228-354
231-357
240-460
242-558
244-656
131-169
135-215 160-190
146-254 171-229 193-207
※上記表以外の梁メンバは別冊「フリードーナツ取付け可能位置早見表」をご覧下さい。
5
単位(mm)
265-317 280-302
268-320 283-305
277-423 292-408 327-373 342-358
279-521 294-506 329-471 344-456
281-619 296-604 331-569 346-554 396-504
フリードーナツの設計
③ 有孔部耐力のチェック(長期・短期・全塑性)
許容応力度設計時
許容応力度設計時に梁有孔部に生ずる曲げモーメント
(M)とせん断力(Q)の関係が、対象となる耐力曲
線図中において、梁有孔部の許容耐力曲線を超えてい
ないことを確認してください。。
保有水平耐力時
メカニズム時に梁有孔部に生ずる曲げモーメント(M)
とせん断力(Q)の関係が、対象となる耐力曲線図中
において、梁有孔部の全塑性耐力曲線を超えていない
ことを確認してください。
耐力曲線例
フリードーナツ耐力曲線図(有孔部耐力のチェック)は、「フリードーナツ検討システム」
(弊社ホームページ:freedonut.jpよりダウンロード可)をご利用下さい。
サポートツール・サービスのご紹介
別冊「フリードーナツ取付け可能位置早見表」
貫通孔位置の応力状態を仮定し、梁メンバ
ごとにフリードーナツ適用可能範囲を図示
した早見表です。
鉄骨H形鋼はり 貫通孔補強工法
(財)日本建築センター 一般評定 BCJ評定-STO128-02
取付け可能位置 早見表
freedonut.jp
フリードーナツ適否検討サービス
スリーブ図に基き貫通孔位置の応力状態を仮定し、弊社スタッフが適否検討を承ります。
その他、個別の検討もご相談ください。
①スリーブ図(伏図)および部材リストをCADデータでお預かりします。
②適用可否を検討し、検討結果を一覧表形式でお返し致します。
サービスの流れ
お客様
①検討依頼
③検討結果
②検討
6
フリードーナツの施工
共通事項
事前ご確認事項
□ 入荷したフリードーナツは、曲がりや変形、ねじ部に傷がつかないように平坦な台上に整理整
頓して保管願います。
警告
□ 溶接材料は、FDリングの基準強度(325N/mm2)を満足するものを使用してください。
□ 鉄骨製作管理技術者2級またはWES2級の資格をお持ちの技術者による管理としてください。
□ JIS Z 3841の半自動溶接技術検定試験の下向き溶接の資格をお持ちの技能者による作業とし
てください。
□ 溶接は、ガスシールドアーク半自動溶接としてください。
□ 溶接ワイヤは、YGW11あるいはYGW18としてください。
□ 溶接ワイヤの径は、1.2mmあるいは1.4mmとしてください。
□ 気温0℃以下の場合は溶接を行わないでください。ただし、溶接部より100mmの範囲の母材
を50℃以上加熱して溶接する場合はこの限りではありません。
警告
施工時の確認事項
□ 溶接姿勢は、下向き溶接としてください。
□ 溶接部は溶接に先立ち、水分、ごみ、さび、油、塗料などの溶接に支障のあるものを取り除いてく
ださい。
□ FDリングと梁ウェブとの隙間(肌すき)は、1mm以下としてください。
□ 溶接の開始位置はとくに定めていませんが、下図のように対角上に行ってください。
&
#
!
"
$
%
□ プラグ溶接は、トーチ角度20∼30°に保ちながら、円を描くように進め、十分な溶け込みを
確保してください。(【プラグ溶接のポイント】参照)
アークスタート点
□ 余盛高さ(⊿h)は、0mm<⊿h≦4mmとしてください。
%
余盛高さ
(⊿h)
0<⊿h≦4mm
【プラグ溶接のポイント】
プラグ溶接は、
トーチ角度を20°
∼30°
に保ちながら、円を描くようにプラグ孔底部からFDリング厚さ方向に
徐々に進んでいきます。層ごとのポイントは以下の通りです。
20∼30°
①
初
層
FDリング
FDリング
初層は、特に注意を
払い、十分な溶け込
みを確保します。
7mm程度
梁ウェブ
②
梁ウェブ
FDリング
FDリング
初層の溶接から休
止せず、連続して行
います。
2
層
∼
梁ウェブ
梁ウェブ
③
最
終
層
クレーター処理の
要領で適切な余盛
を確保します。
FDリング
孔表面
孔縁周辺部
梁ウェブ
A・Bタイプ
Cタイプ
仕上がり例(断面マクロ)
&
施工手順
実際の施工にあたっては、「フリードーナツ施工要領書」もご活用ください。
FD100N∼FD390N
1
2
梁ウェブの孔あけ
フリードーナツの準備
フリードーナツの取り付け位置を確認し、ウェブにケガキ
FDスリーブにセットされているFDリングを1枚外し、
し下孔をあける。
もう片方のFDリングの位置を調節する。
※下孔径は表の寸法とし、寸法許容差は±2mmとする。
警告
※ 下孔まわりのバリをグラインダー等で取り
FDリングの位置は、
ウェブの厚みを考慮しFDスリーブ
の両側の出がほぼ均等になるように調節する。
除き、FDリングとの接触面の浮きさび、ペイント等
を除去する。
3
記号
FD100N
FD125N
FD150N
FD175N
FD200N
FD250N
FD300N
FD340N
FD390N
許容差
117
142
168
193
219
270
321
358
409
±2mm
フリードーナツのセット
用意したフリードーナツをウェブ孔に挿入する。
※FDリングの溶接用孔をけがき線に合わせる。
4
プラグ溶接
FDリングの溶接用孔(全箇所)をプラグ溶接する。
プラグ溶接はFDリングの表面よりP.7に規定する余盛
りを確保するよう行う。
FD420N・FD500N
1
梁ウェブの孔あけ
FD100N∼FD390Nの手
順 z参照。
下孔径は表の寸法とする。
記号
FD420N
FD500N
許容差
'
下孔径(mm)
430
510
±2mm
2.3
フリードーナツの準備とセット
用意したFDリングをシャコ万等を用いてはりウェブに
密着させる。
※FDリングの溶接用孔をけがき線に合わせる。
4
プラグ溶接
FDリングの溶接用孔(全箇所)
をプラグ溶接する。プラグ溶接
は底目地表面よりP.7に規定す
る余盛りを確保するよう行う。
底目地表面
5
6
梁の反転
FDリングのセット
2 で取り外したFDリングをFDスリーブにねじ込み、
梁を反転する。
ウェブと接触するまで締め付ける。溶接用孔を利用し
て追い締めする。
7
8
プラグ溶接
FDリングの溶接用孔(全箇所)をプラグ溶接する。プラグ
溶接はFDリングの表面よりP.7に規定する余盛りを確保
するよう行う。
5
梁の反転
梁を反転する。
6
FDリングのセット
もう片方のFDリングを
シャコ万等を用いてはり
ウェブに密着させる。
※溶接用孔が、梁長さ方向
に直交するようにセット
する。
検査・完成
スラグ・スパッタを除去し、清掃する。
溶接部の検査は、
目視による外観検査とする。
7
プラグ溶接
FDリングの溶接用孔(全箇
所)をプラグ溶接する。プラ
グ溶 接 は 底 目 地 表 面 より
P.7に規定する余盛りを確
保するよう行う。
8
検査・完成
スラグ・スパッタを除去し、
清掃する。溶接部の検査
は、目視による外観検査と
する。
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四 国 〒760−0023 高松市寿町1ー2ー5〈パークウエスト高松〉
TEL 087(822)0305
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2009 01 5,000