オープンデータに関する経済産業省の取り組み ~法人インフォメーション

2016年11月24日
G空間WAVE2016
gコンテンツワールド 講演用
オープンデータに関する経済産業省の取り組み
~法人インフォメーションを中心に~
平成28年11月
経済産業省商務情報政策局
情報プロジェクト室
オープンデータについて
オープンデータとは、ビジネスや官民協働のサービスでの利用がしやすいように、政府、独立行政法人、地
方公共団体等が保有する多様で膨大なデータを、機械判読に適したデータ形式で、営利目的も含め
自由な編集・加工等を認める利用ルールの下、インターネットを通じて公開すること。
<オープンデータにより見込まれる効果>
1.民間事業者による新産業・新サービスの創出 :政府保有データによる高付加価値化
2.行政内利活用による業務効率化・施策の高度化 :政府間の情報共有
3.国民に対する透明性・信頼性の向上 :情報公開
4.国民参加・官民協働の推進 :オープンデータに基づく地域課題の可視化
(参考)オープンデータの基本原則(「電子行政オープンデータ戦略(平成24年7月)」より抜粋)
1.政府自ら積極的に公共データを公開すること
2.機械判読可能で二次利用が容易な形式で公開すること
3.営利目的、非営利目的を問わず活用を促進すること
4.取組可能な公共データから速やかに公開等の具体的な取組に着手し、成果を確実に蓄積していくこと。
1
オープンデータに関する経済産業省の取組
2009.10 アイデアボックスの開始
 国民の声を聞く仕組みとして投票機能付き対話型掲示
板を開始。集まった意見をオープンデータ化したことで、再
現したサイト「アイディアボックスその後」が公開された
2010.7 オープンガバメント・ラボの公開
 政府横断で実証用サイトを整備。
経産省の取組
2011.7 節電.go.jp の開始。アプリ
コンテストの実施。
 APIにより電力需給データ公開を行った結果、ユーザー
自身のニーズにあわせたガジェットやデジタルサイネージが自
発的に開発された。
2012.1 復旧・復興支援制度データベースの公開
2013.1 Open Data METI(国内初のデータカタ
ログサイト)の公開
 経済産業省の保有データ170データセットを公開。政府サ
イトに先駆けノウハウを収集。
 それまでバラバラに公開されていた国や自治体の東日本大
震災に対する被災地支援制度をワンストップで簡単に検
索できるデータベースを公開。
2010
2011
2012
 異なるサービス間でのデータ流通を効率化するため、データ
構造や形式といったデータを記述するために必要な共通の
「用語」である共通語彙基盤のコアとなる用語を公開。
2013
 オープンデータを活用した各種イベントの成果集約やビジネ
ス化に向けたマッチング( Knowledge Connectorの構
築、 イベントの実施等)、地域課題の解決に向けた自治
体のオープンデータ推進等を実施
2015.4 地域経済分析支援システム(RESAS)の
公開
2016.4 経済産業省版法人ポータルの公開
2016.7
文字情報基盤データベースの公開
 行政機関として情報処理をするために必要となる文字情
報基盤として、国民生活に必要な最低限の文字について、
各種データ簡単かつ詳細に検索できるオープンデータとして
提供
2012.6 IT融合フォーラムの設置(8
月に公共データwgが開始)
2012.7 電子行政オープンデータ戦
略の公表
2014~2015 オープンデータを活用したビジネス創出
に向けた取組の推進(マッチング、自治体の
データ開放)
2015.2 共通語彙基盤 コア語彙の正式版を公開
政府の取組
 政府が保有する法人情報を法人番号に紐付けた形で公
開する法人ポータル(仮称)の構築に先駆け公開。
2017.1(予定) 法人ポータル(仮称)の開始
 各省庁の法人情報を提供する法人ポータル(仮称)の
構築に向けた取組を推進中
2013.6 新IT戦略「世界最先端I
T国家創造宣言」の公表
2014
2014.10 Data.go.jp(政府全体の
データカタログサイト)の公開
2015
2016
2015.2 地方公共団体オープンデー
タ推進ガイドラインの公表
2015.12 政府標準利用規約第2.0
版の決定(CC-BY互換)
2016.5 オープンデータ2.0の公表
2
オープンデータの取り組み例
行政サービス及び民間ビジネスに寄与する官民連携モデルの実証 (平成25年度)
商品情報等の官民連携モデル
公共インフラ等の官民連携モデル
公共データ加工等の官民連携モデル
浦安市
◆備蓄物資の供給・管理効率化
防災備蓄品(名称)と商品コード
(コード)を連携させ、在庫管理の円滑
化・効率化を実現し、需給の最適化を
実現するモデルを検証
千葉市・浦安市
◆インフラ管理の効率化
各種地下埋設管路情報を電子化し、
同一縮尺・三次元で重畳・可視化する
ことにより、土木工事の調整会議や実
施コストの圧縮を図るモデルを検証
名古屋市
◆NPO法人による公共データ利活用
ローデータとして公共データを取得し、
第三者がデータ加工して「利用しやす
い」データとして公開することで、オープ
ンデータ推進を図るモデルを検証
共通ツールの開発
自治体の現行業務プロセスを大きく変えることなく、オープンデータを推進するための支援ツールを構築し、既存サ
ービスの高度化/新サービス創出を可能にする環境整備に寄与。Gリンク基盤、座標付与基盤、SVG変換ツール
国民の声を聞く対話型掲示板に集まった意見をオープンデータ化 (平成21年度から不定期開催)
アイデアボックス
アイデアボックス2016は、2016年2月~3月に実施。
国民と広く議論し、より質の高い電子行政サービスを実現することが目的。
2016年のテーマと寄せられたアイデア
1.デジタル・サービス
2.オープン・ガバメント
3.社会の情報基盤
4.官民連携の進め方
・・・・オンライン申請の活性化、行政サービスのスマホによる手続き など
・・・・オープンデータを活用した地域活性化、手続きや支援制度の情報公開 など
・・・・WebAPIを社会基盤とし整備、古い規格の補助漢字の使用禁止 など
・・・・ハッカソンやコンテストの優秀なものを行政で使用 など
3
法人インフォメーションについて
4
法人番号の導入と法人活動情報のオープン化
 「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成
25年)」の成立により、法人にも法人番号が付番。法人番号は利用範囲が規定され
ず、原則として公表され、誰でも自由に利用が可能。
 法人番号、名称、所在地は機械可読な形式で、国税庁が提供。法人番号をキーとす
ることで、官民が保有する法人に関する情報を組み合わせて使用することが可能に。
世界最先端IT国家創造宣言(平成28年5月20日閣議決定)工程表
○法人番号の利活用推進
・ 引き続き、国・地方公共団体が法人に係る情報を公開する際の法人番号の併記及び所要の関連手続き
の見直しを進め、平成30年1月以降、原則、法人に係る情報を公開する際には法人番号を併記する。【関係
府省庁】
・ 法人に係るワンストップサービス等を実現するために必要な「法人ポータル(仮称)」の検討・構築を行う。
【内閣官房、総務省、経済産業省及び関係府省庁】
・ 平成29年1月より「法人ポータル(仮称)」の運用を開始し、国・地方公共団体等の既存の法人情報サイ
トとの連携を拡大するとともに、当該サイトのAPIを公開する等、民間事業者等における利活用の促進を図
る。【関係府省庁】
5
法人に関連する情報
 法人に関連する情報は大きく分けて次の二種類
法人の基本的な情報
• すべての法人に共通する組織や事業に関する情報
• 法人番号、法人名、所在地、代表者氏名、電話番号、資本金、代表者情報、従
業員数、設立年月日、など
法人の付加的な情報
• 法人活動に際し取得・付加される法人の付加的な情報
• 調達実績、免許・許認可、処分・勧告、補助金、表彰、リコール届出、決算情報、
財務・金融情報、特許取得、求人等の情報など
特に付加的な情報には、行政機関が保有・公開する
行政特有の法人に関連する情報が多数存在
6
経済産業省版法人ポータル(ベータ版)
[平成28年4月22日より公開]
 法人番号や法人名で検索することで、法人関連情報(所在地、補助金情報等)の一括検索・閲覧・取得が
可能。
 詳細条件(所在地、活動情報による絞り込み)による検索機能も搭載。
 共通語彙基盤によりデータを標準化し、機械可読の高い形式(LoD)で整備。更にAPIを提供。
 経済産業省の所有する法人関連情報を中心に、統一資格情報、金融機関認可情報も掲載。
職員及び国民が法人番号などで検索し、経済産業
省保有の法人情報を閲覧することが可能に。
A課
○○システム
B課
表彰情報等
情報提供
情報提供
※試験的に掲載
総務省保有(統一資格情報):約 75,000件
金融庁保有(金融機関認可情報の一部)
:約 1,300件
経済産業省版法人ポータル(ベータ版)
閲覧
閲覧
他の部署の法人情報を施策の企画
立案等に活用することができる!
閲覧
取得
国民
事業者等
掲載している法人関連情報
・補助金交付情報
経済産業省保有:約 4,000件
・委託契約情報
経済産業省保有:約 3,800件
・表彰情報
経済産業省保有(一部):約 540件
・資格・許認可情報
経済産業省保有(一部):約 65,000件
法人情報の
一括閲覧・取得
が可能
アクセス状況
訪問者数 4月~10月 約
9,500件
PV数
4月~10月 約 160,000件
7
<参考>トップ画面・検索結果画面
トップ画面
法人番号もしくは法人名で検索
詳細条件検索も可能
検索結果画面
ホームページアドレス
http://biz-portal.datameti.go.jp/hojin/TopPage
8
法人インフォメーションの運用開始について
 政府が保有する法人活動情報について、一括検索、閲覧、取得できるシステム「法人インフォメーション(旧:法
人ポータル)」 を平成29年1月より運用開始します。
 取引先等の情報収集や連携先の開拓等の際に、政府からの補助金や表彰等の状況が確認可能です。
 また、機械可読に適した形式で、外部からデータを自動取得可能としており、民間データと組合せたサービス等に
も活用いただけます。
<法人インフォメーションの概要>
民間の
ビッグデータ
民間
データ
と組合
せた
サービ
ス提供
<利用可能となるデータ(※調整中のものを含む)>
地元企業との連携先の
開拓等に活用 etc..
取引先等の他社
の情報収集etc..
事業者
国民
自治体
法人に関する情報の一括検索・参照
法人インフォメーション
 補助金交付情報
:経産省分→全府省に拡大
(平成27年度・28年度上期分、約5.8万件)
 委託契約情報
:経産省分→全府省に拡大
(平成27年度・28年度上期分、約9.2万件)
 行政処分情報
:新規追加(約1,800件)
独占禁止法に関する処分(約50件) 等
 許認可・届出情報
:対象拡大(約19万件)
貨物利用運送事業許可(約2.7万件)等
 表彰情報
:対象拡大 (約5万件)
女性活躍・両立支援取組事業者(約3.9万件)等
法人基本3情報(法人番号、商号・屋号、所在地)
補助金
資格・表彰
許認可
その他
※公開可能なものから実施
各府省庁から法人情報を提供
○○省
○○庁
各府省庁
A企業への許認可等
B企業への補助金
C企業への表彰 etc
<機能の拡充(※調整中のものを含む)>
1.詳細条件の検索
• 市区町村、資本金、従業員数、創業年、営業エリア、
補助金や表彰などを受けた年度、担当府省などを選択し
て、詳細な検索を可能に。
2.スマートフォン対応
• スマートフォン専用画面により、営業先や外出時でも利
用しやすく。
9
法人インフォメーション ~想定利用例~
中小企業
情報サービス業/コンサルタント
国・自治体
 新規取引先の信用調査
契約相手となる法人について、国
からの受託実績や表彰情報、許認
可情報などを確認することで、信用
調査を補完
 訪問先に関する事前調査
訪問先の法人や取引先について
国からの受託実績等を事前に確認
することで、訪問先の状況を踏まえた
打合せを行う
 地域等の先進企業発掘
表彰、補助金情報等を基に、地
域で先進的な取組を行っている企業
等を抽出、政策立案や地域の産業
構造分析に活用
 新規顧客/提携先の開拓
国の事業受託実績より、法人の業
務分野や得意分野を把握し、自社
との取引や提携可能性のある法人
を抽出
 企業の実態把握
企業のHP更新がなされていない
場合に、国からの許認可の有無や
更新状況を確認することで、企業と
しての実態があるかどうかを把握
 表彰等における適格性調査
表彰等の候補法人について、表彰
履歴・処分履歴等を基に、表彰対
象としての適格性を確認
(参考) 経済産業省版法人ポータル(ベータ版)でのアンケート結果(抜粋)
 平成28年4月22日に一般公開した経済産業省版法人ポータル(ベータ版)において、利用者から意見、要望等を集約するた
めアンケートを実施。(アンケート集計期間(H28.5.10~7.21)、アンケート回答数:70件。アンケートは現在も実施中)
想定する使用目的
1.8%
6.5%
5.9%
12.4%
25.4%
34.3%
13.6%
・取引先(候補を含む)の活動状況確認のため(34.5%)
・投資先(候補を含む)の活動情報確認のため(13.6%)
・競合他社の分析(25.4%)
・自社の経営方針検討(12.4%)
・就職・転職先(候補を含む)の活動状況確認(5.9%)
・学術研究(6.5%)、その他(1.8%)
10
法人インフォメーション ~今後の検討課題~
<データの継続的掲載・拡充>
 継続的なデータ更新を可能とする仕組みの検討(クローリングによる情報収集など)
 搭載データの拡充(業法に基づく許認可、間接補助金等の受託企業 等)
 法人情報に関する他の政府系ポータルサイトとの情報連携の検討
<データ利活用の促進>
 民間データと組み合わせたサービス・ビジネス事例の収集と発信
 「政府保有情報の共同利用原則(重複入力排除)」の基盤としての活用可能性の検討
<法人番号の普及・利便性向上>
 関係省庁と連携しつつ、政府への申請書式等への法人番号併記や、法人番号に紐付く基本
情報の拡充を促進(法人名の英語表記等)
11
法人インフォメーション ~目指すべき将来像~
〇
〇
省
データ更新の継続性
機械可読データの提供
データ利活用の促進
(API連携、オープンデー
タサイトのクローリング)
(提供系API、語彙基盤準拠
のデータ構造)
(民間データと組合せた新
サービス創出、情報連携
による手続き簡素化)
●●情報
システム
A
P
I
■
■
庁
■■情報
システム
A
P
I
・資本金 ・事業内容 ・業種 ・従業員数 ・設立年月日 ・役員氏名等
・調達実績 ・免許、許認可 ・処分、勧告 ・表彰 等
≪法人関連の他システム≫
国
税
庁
法人番号システム
民間事業者/政府系システム
A
P
I
○○
サービス
法人基本3情報
データ連携
(自動)
基本3情報
データ
要求・応答
(自動)
(一般公開用)
△△
ポータル
政府系
システム
情報提供、収集
事業者・国民
データ作成
○
省
法人関連
情報
オープン
データ
データ作成
△
省
法人関連
情報
オープン
データ
A
P
I
法人インフォ
メーション 検
索
政府系
システム
・・・・
・・・・
法人インフォ上の
情報の自動入力
(重複入力排除)
行政サービスの
利用、届出等
事業者・国民
12
参考資料
13
〈参考〉経済産業省版法人ポータル(ベータ版)のアンケート結果
平成29年1月の全府省庁版「法人ポータル(仮称)」に向け、平成28年4月22日に一般公開した経済産業省版法
人ポータル(ベータ版)の利用者から意見、要望等を集約するためアンケートを実施し、より使い易い「法人ポータ
ル(仮称)」を作っていくための参考資料とするものである。なお、アンケートは現在も実施中である。
(アンケート集計期間(H28.5.10~7.21)、アンケート回答数:70件、質問数:13問)
アンケート結果(抜粋)
1.想定する使用目的は
・取引先(候補を含む)の活動状況確認のため(34.5%)
・投資先(候補を含む)の活動情報確認のため(13.6%)
・競合他社の分析(25.4%)
・自社の経営方針検討(12.4%)
・就職・転職先(候補を含む)の活動状況確認(5.9%)
・学術研究(6.5%)
・その他(1.8%)
1.8%
6.5%
5.9%
34.3%
12.4%
25.4%
13.6%
法人ポータルの使用目的として、取
引先新規開拓や競合会社の分析を
目的とした使用が70%を越え、H26
年度に実施した調査研究(※1)の
ユースケースと合致している。
(※1)法人関連情報のデータ活用基盤の構築に向けた調査研究(H26年度電子経済産業省構築事業)
2.企業詳細情報ページについて(法人基本情報以外に欲しい情報は)
・現在の内容でよい(3.9%)
5.7%3.9%
・法人登記情報を入れてほしい(16.7%)
7.5%
・主要株主情報を入れてほしい(11.0%)
14.5%
・関連会社情報を入れてほしい(10.5%)
・事業所情報を入れてほしい(14.5%)
・決算公告情報を入れてほしい(15.8%)
15.8%
・企業活動情報の詳細を見られるように(14.5%)
14.5%
・自社情報の追記できるように(7.5%)
・連携して申請している時の連携先を入れてほしい(5.7%)
16.7%
11.0%
10.5%
企業詳細情報は、行政が保有して
いる情報ではなく、法人が保有して
いる情報であり、取引先新規開拓
や競合会社の分析を行う際に、必
要と考える。現在は、法人名、所在
地を表示している。
14
〈参考〉経済産業省版法人ポータル(ベータ版)のアンケート結果
3.法人基本情報のほか、調達、資格・許認可、補助金、行政処分情報、表彰情報の公開を進めていますが、追加してほしい
データがあれば教えてください。(自由記載)
〔追加してほしいデータ〕
・国土交通省などの許認可資格。許認可番号(建設業許可番号など) ・国税、地方税の納税情報
・社会保険・労働関連情報(雇用保険・労災保険加入情報、労働組合の有無など)
・法務局の登記内容、法人設立日、株主情報を詳しく ・事故情報 ・売上高、純利益、配当の推移、決算内容
・他府省庁の補助金情報 ・地方自治体が保有している同種の情報
また、何が追加できるのかを一覧でほしい、今の情報で十分という意見もあった。
平成29年1月の本格版法人ポータル(仮称)には、各府省庁が保有する補助金や表彰、許認可などの情報
を掲載予定であるが、登記、決算公告等の情報は、担当省庁との調整を行っていく。
4.英語サイトの必要の有無。英語サイトの使用場面は?
・必要との回答 82.1%
・使用場面は
・海外の取引先等に自社の法人情報を提供するため 50%
・国内の取引先に自社の法人情報を提供するため 15.7%
・使わない 34.3%
法人ポータル(仮称)の英語版についは、必要性は80%以上と非常に高く、海外の取引先への自社情報提
供に半数が使えるとの回答であった。英語サイトは必要はあるが、実際に使用するかどうかについては、使
わないとの回答が34%あり、今後、英語サイトについて検討が必要である。
15
〈参考〉法人ポータルのユースケース例
ユースケース名
概要
想定効果
1
新規取引先の信用調
査
契約相手となる法人について、事
業受託実績情報や表彰情報、行
政処分情報、許認可情報等を確
認し、信用調査に活用する。
各法人のホームページや行政機関のウェ ブサイトを個別に確
認することなく、効率的に法人の情報を収集することができ る。
取引実績情報と、財務情報や不渡り情報を組み合わせること
ができれば、当該法人の倒産リスクについて、包括的に分析す
ることも期待できる。
表彰情報
許認可情報
処分情報
取引実績情報 等
2
訪問先に関する行政
情報の事前確認
訪問する法人についての行政が
公開する情報を確認することで、
訪問先の状況や性質を踏まえた
打合せを行う。
訪問先に係る行政情報を横断的かつ効率的に確認することが
期待できる。
表彰情報
補助金情報
許認可情報
事業受託実績情報等
自組織に係る賞罰等
の情報の確認
行政が保有する自組織に係る許
認可情報、表彰情報、補助金情
報について、法人情報活用基盤
より信用性のある情報として取得
する。
取得した行政機関が保有する信頼性の高い情報を取引先等に
伝えることで、自社の信用を高めることが期待できる。また、大
規模法人等においては、自社の現在の賞罰等に係る状況を従
業員が効率的に把握することができる。
表彰情報
補助金情報
許認可情報
処分情報
行政情報に基づく自社
実績のアピール
自社に係る表彰情報や事業受託
実績情報等をタイムスタンプ付の
pdf形式で取得する。自社サービ
スの営業時に自社の過去実績の
アピールとして、顧客にメール等
で提供する。
所得した行政機関が保有する信頼性の高い情報を取引先等に
伝えることで、自社の信用を高めることが期待できる。
表彰情報
補助金情報
許認可情報
処分情報
事業受託実績情報
与信判断に有益な行政情報を効率的に収集することが期待で
きる。行政処分を受けるなど取引先として不適切である法人を
あらかじめ取引先候補から除外することで、与信判断業務を効
率化できる。また、財務情報を合わせることで、これまで提出を
求めていた決算書等を削減することが期待できる。
許認可情報
処分情報
事業受託実績情報等
相見積依頼先候補を効率的に収集することができる。行政機
関においては調達の際に、全省庁統一資格情報を合わせるこ
とで、相見積候補の整理をより効率化させることが期待できる。
基本3情報(所在地)
事業受託実績情報
業種情報等
ユースケース
区分
情報収集業務
の効率化
3
4
情報提供業務
の効率化
5
審査業務の高
度化
与信判断としての処分
情報等の参照
新規取引を検討している法人に
ついて、処分情報、許認可情報
等を確認し、与信判断を行う。
6
対象法人の選
定業務の効率
化
発注における相見積
依頼先の抽出
業種、地域、事業受託実績情報
等を条件として検索を行うことで、
相見積を依頼する法人の候補を
リストとして取得する。
情報
16
〈参考〉法人ポータルのユースケース例
ユースケース
区分
7
マスタ更新業
務の効率化
8
ユースケース名
概要
想定効果
情報
基本3情報を活用した
法人マスタの更新
自社が保有している法人マスタの情
報について、法人情報活用基盤より
取得した情報を基に、所在地の移転
や廃業、商号変更等について、保有
するマスタの更新を行う。
現在取引がないために、情報の更新ができなかった法人情
報について、行政機関の信頼できる法人情報を基に更新す
ることができる。
基本3情報
事業受託実績情報等
業種情報等を活用し
た 潜在顧客の抽出
地域や業種等の自社の顧客となり
得る条件に該当する法人の一覧を
取得し、保有する営業先リストと突
合することで、新規の営業先を抽出、
追加する。
ベンチャー企業や中小企業等、営業先が豊富でない企業に
おいて、効率的に営業先リストの拡充ができる。表彰情報等
を併せて取得することで、先進的な取り組みを行う企業や、
優良企業を優先度の高い営業先として抽出することも可能と
な る。
基本3情報(所在地)
表彰情報
補助金情報
事業受託実績情報
業種情報等
提携先候補の抽出
行政機関の事業受託実績情報より
落札事業者の業務分野を把握し、
自社と提携可能性のある法人を抽
出する。
自社と提携してビジネスを行う可能性のある法人を、事業分
野や受賞履歴等の様々な観点から抽出できる。
事業受託実績情報
表彰情報等
財務情報等を活用し
た顧客分析
自社の顧客企業について、財務情
報、表彰情報、事業受託実績情報、
特許情報を基に、成長性や注力して
いる製品分野等を分析し、営業戦略
の策定に役立てる。
自社が保有する顧客との接触状況や自社との取引実績を加
味することで、より具体的な営業戦略の策定が可能となる。
表彰情報
補助金情報
事業受託実績情報
特許情報
財務情報等
事業受託実績情報等
を 用いた競合分析
自社の競合企業について、政府調
達の事業受託実績を取得し、府省
別やテーマ別での受託内容を分析
することで、当該競 合企業がどのよ
うな分野の事業に強いのか、他にど
のような分野での受注が増えてきて
いるのかを分析し、競合対策の検討
に役立てる。
競合がどのような政府調達事業を受託しているのかを効率
的に把握することがで きる。競合企業が力を入れている分
野、 省庁を把握することで、その動きを踏まえた事業戦略を
立案し、効果的な受注活動を行うことができる。
事業受託実績情報等
表彰情報や財務情報
を用いた法人の成長
性分析
表彰事業ごとに、受賞法人の受賞
後の成長率や倒産率を分析し、評
価指標を作成する。調査対象の法
人に受賞歴がある場合、作成した指
標を用いて成長率や倒産可能性を
判断する。
表彰を受賞した法人に関連する情報を一元的に収集するこ
とができる。また、表彰事業ごとにマクロで受賞法人を分析
することで、表彰事業の効果を分析することも期待できる。
表彰情報
マーケティン
グの高度化
9
10
11
12
顧客・競合分
析の効率化・
高度化
顧客・競合分
析の効率化・
高度化
法人の成長性
評価の高度化
17
〈参考〉法人ポータルのユースケース例
ユースケース
区分
13
14
15
16
法人の技術力
評価の高度化
ユースケース名
概要
想定効果
情報
許認可情報や事業受
託情報を活用した技
術力の評価
ある法人が保有する許認可・資格
情報や過去の事業受託実績情報
を取得する。許認可・資格情報や
受託事業の実施内容から法人の
技術力を評価する。
信頼できる行政情報を基に、当該法人の技術力の評価を効
率的に行うことができる。
許認可情報
事業受託実績情報等
温室効果ガス排出量
情報等を活用した県
境効率性の分析・評
価
自社の業種を条件として検索を行
い、自社と同業種の法人の売上高
及び温室効果ガス排出量について
の情報を取得する。同業種の法人
群の温室効果ガス排出量の総計を
売上高の総計で除し、業界の環境
効率性(売上高あたりの温室効果
ガス排出量)の平均値を求め、自
社の環境効率性と比較・評価する。
自社と同業種の法人の法人関連情報を一括に収集すること
が期待できる。
財務情報等
特許情報を活用した
各業界の将来予測
業種を条件として検索することで、
当該業種における特許出願数を取
得する。特許出願数の年度別に比
較することで、当該業種における、
技術革新の進み具合を分析し、そ
の業種の将来成長性を予測する。
また、各業種、各法人における認
可された特許の残存年月を分析す
ることで、各業種や法人の将来展
望を予測する。
特許出願企業の業界別の検索を効率的に行うことができる。
業種情報
特許情報等
中小企業の海外展開
戦略策定の高度化
業種や売上高、海外展開の有無を
条件として検索を行うことで、過去
に同規模同業種の法人が行った海
外展開事例を一覧化する。検索結
果を基に、同規模同業種の法人が
どの地域にどのような形態で展開
しているか等を分析し、自社の海
外展開戦略の検討に活用する。
自社と類似した企業について条件検索を行うことで、効率的
な参考事例の収集を行うことができる。
業種情報
財務情報
海外展開情報等
出典元:H26年度電子経済産業省構築事業「法人関連情報のデータ活用基盤の構築に向けた調査研究」報告書(H27.3.31)
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