2016年11月24日 (No.2,613) 〈マーケットレポートNo.5,122〉 最近の指標から見る米国経済(2016年11月) 堅調に推移する家計支出 雇用は増加基調を維持 家計支出は堅調に推移 ■10月の非農業部門雇用者数は前月比16.1万人 増となりました。市場予想(ブルームバーグ集計) の同17.3万人増を下回りましたが、米南東部沿岸 を襲ったハリケーンの影響などを考慮に入れると、雇 用は見掛けよりも良好と判断されます。 ■同月の小売売上高は前月比0.8%増、自動車を 除いても同0.8%増と良好でした。11月25日に始 まる年末商戦も、堅調な推移が見込まれています。 そのほか、住宅関連の指標も順調でした。 ISM指数はまちまち 製造業は上昇、非製造業は反落 ■景気の先行きを占う際に重視されるISM指数は、 製造業指数が9月の51.5から10月の51.9に小幅 に上昇しました。一方、非製造業指数は同期間に 57.1から54.8に下落しましたが、これは前月に急上 昇(8月:51.4→9月:57.1)した反動と考えら れます。いずれにしても、製造業、非製造業とも好不 況の分岐点となる50を上回っていることから、その活 動は拡大局面にあると判断されます。 利上げ速度は緩慢の見通し ■米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長 が11月17日に行った議会証言や、11月1~2日に 開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議 事録の内容は、12月の利上げを示唆するものでし た。しかし、その後については、緩やかなペースでの利 上げになるとの見方が示されています。景気に対して 中立的な金利水準である「自然利子率」の低下な どが、その理由として挙げられています。 (万人) (%) 【非農業部門雇用者数と失業率】 50 非農業部門雇用者数(前月比、左軸) 同上3カ月移動平均(左軸) 失業率(右軸) 40 9 8 30 7 20 6 10 5 0 4 13 14 15 16 (年) (注)データ期間は2013年1月~2016年10月。 (出所)米労働省のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 (ポイント) 65 【ISM指数】 ISM製造業指数 ISM非製造業指数 60 55 50 45 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 (年/月) (注)データ期間は2013年12月~2016年10月。 (出所)Datastreamのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 (%) 6 4 【政策金利と物価上昇率の推移】 物価上昇率 (PCEコア) FRBの目標 +2% +1.70% (16/9) 2 0 ▲2 政策金利 (FFレート) 現行の誘導レンジ0.25%~0.50% 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注1)FFレートは2007年1月5日~2016年11月23日。 2008年12月以降のFFレートは誘導レンジの上限を表示。 (注2)物価上昇率は2007年1月~2016年9月。PCE(個人消費 支出)コア物価指数の前年同月比。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 2016年11月14日 2017年の 「FOMCメンバー」(米国) 2016年 9月15日 低下した米国の「自然利子率」(米国) ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘 するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、 今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾 者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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