海外展開関連制度の上半期の利用先数・金額ともに

ニュースリリース
平 成 28 年 11 月 25 日
株式会社日本政策金融公庫
海外展開関連制度の上半期の利用先数・金額ともに過去最高
~輸出取引に取り組む中小企業・小規模事業者が増加~
1.海外展開・事業再編資金の実績について
日本政策金融公庫(略称:日本公庫)の平成 28 年度上半期における「海外展開・事業再編資金」
の融資実績は、1,219 先(前年同期比 128%)、231 億円(同 160%)と先数・金額ともに過去最高と
なりました(図表1)。
背景としては、積極的に輸出取引等に取り組む中小企業・小規模事業者が増加していることや、
平成 27 年度から取扱いを開始した外貨(米ドル)貸付の資金ニーズが高いことなどが挙げられま
す。
中小企業者向け融資では、円貨貸付において、国内法人の輸出等を中心とした運転資金の利
用が増えたことや、平成 27 年度から開始した外貨貸付において、引き続き米ドルの資金ニーズが
高く、幅広い国で利用されたこと(中国 16 先、米国 13 先、ベトナム 6 先等)を背景に、融資実績は
堅調に推移しました。特に、外貨貸付の実績は 60 先(前年同期比 115%)、32 億円(139%)と伸長
しています。
小規模事業者向け融資では、越境EC(※)を活用し、アメリカや中国等へ小ロットで輸出を行う企
業が増加していることや、ASEAN 諸国をはじめ、成長著しいアジア等の国々への海外展開を選択
肢に考える小規模事業者が増えてきていること等を背景に、実績が大きく伸長しています。中でも、
新たに海外進出する企業等、海外展開アーリーステージ(海外展開開始後 5 年以内)の先の利用
が全体の約 7 割を占めているのが特徴です。
(※)インターネットを使った海外向け通信販売。アクセサリーや雑貨の他、電子機器、アニメ・漫画グッズ等の玩具・ホビー商品とい
った様々な商品が取り扱われています。
図表1 融資実績の推移
(億円)
350
300
250
先数
1,116
26年度
2,000
融資金額
1,219
265
144
50
441
213
(121%) (106%)
305
(107%)
160
(141%)
円 貨
364
201
360
(99%)
168
(84%)
245
(105%)
128
(142%)
外 貨
-
-
81
45
60
(115%)
32
(139%)
752
37
914
(137%)
70
(227%)
752
37
914
70
1,116
239
1,219
(128%)
231
(160%)
小規模事業者向け
0
0
26年度
27年度
27年度
上半期
28年度
上半期
金額
(前年度比) (前年度比) (前年同期比) (前年同期比)
500
239
先数
201
951
150
金額
364
中小企業者向け
1,000
先数
金額
1,500
231
28年度
(上半期)
27年度
先数
1,541
200
100
(単位:先、億円)
(先)
円 貨
合 計
1,100
51
(146%) (138%)
1,100
51
1,541
265
(138%) (111%)
(注) 金額については、表示単位未満切捨のため、合計値が合わない場合があります。
2.スタンドバイ・クレジット制度の実績について
日本公庫では、中小企業・小規模事業者の海外現地法人等が、日本公庫と提携する海外金
融機関から現地流通通貨建ての借入を行う際、その債務を保証するため、平成 24 年 8 月にス
タンドバイ・クレジット制度の取扱いを開始し、円滑な資金調達を支援しています(図表2)。
平成 28 年度上半期の本制度の利用実績は、42 先(タイ 25 先、韓国 5 先、マレーシア 4 先
等)で、制度開始以降の累計実績は延べ 256 先となっています(図表3)。
平成 28 年 6 月には中国の平安銀行と、11 月にはインドのインドステイト銀行と業務提携契
約を締結し、現在の提携海外金融機関は 11 機関(注)まで拡大しています。
また、日本公庫が有するスタンドバイ・クレジット制度の海外ネットワークを制度インフ
ラとして活用することで、地域金融機関が取引先中小企業の海外における現地流通通貨建て
の資金調達支援を行うことが可能となる連携スキームも設けています(図表2の赤点線箇所)。
本スキームにつきましては、平成 28 年度上半期末時点で、全国 59 の地域金融機関と連携し
ており、信用状発行の累計実績は、延べ 13 先となりました。
(注)平安銀行(中国)、インドステイト銀行(インド)
、バンクネガラインドネシア(インドネシア)
、KB 國民銀行(韓国)
、
CIMB 銀行(マレーシア)
、バノルテ銀行(メキシコ)
、メトロポリタン銀行(フィリピン)
、ユナイテッド・オーバー
シーズ銀行(シンガポール)
、合作金庫銀行(台湾)
、バンコック銀行(タイ)
、ベト・イン・バンク(ベトナム)
《国・地域の英語名のアルファベット順に記載》
図表2 「スタンドバイ・クレジット制度」の仕組み
国
内
の
中
小
企
業
者
(
親
会
社
)
発
行
依
頼
通
貨
建
て
融
資
信
用
状
の
地
域
金
発信 融
行用 機
依状 関
頼の
日
本
公
庫
債
務
保
証
信
用
状
の
発
行
海
外
金
融
機
関
現
地
流
通
図表3 信用状発行実績の推移
100
92
(単位:先)
76
海
外
現
地
法
人
等
融
資
申
込
地域金融機関と連携したスキーム
80
(
子
会
社
)
60
36
40
42
20
0
26年度
27年度
27年度
上半期
28年度
上半期
日本公庫は、今後も政策金融機関として、中小企業・小規模事業者の皆さまの海外展開を
積極的にサポートしていきます。