平成28事業年度事業計画

平成28事業年度
事
業
計
画
( 平 成2 8 年 8 月 1 0 日 大臣 変 更 認 可 )
目
次
Ⅰ.事業概況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1.事業環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.事業概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3.収支予算概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
Ⅱ.個別の事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
Ⅱ.1
確実な業務の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
Ⅱ.1.1
検査、認定等事業・・・・・・・・・・・・・・・・・5
Ⅱ.1.2
教育事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
Ⅱ.1.3
システム審査登録事業・・・・・・・・・・・・・・10
Ⅱ.1.4
LPガス保安対策推進事業・・・・・・・・・・・・11
Ⅱ.1.5
技術基準作成・審査等事業・・・・・・・・・・・・11
Ⅱ.1.6
保安情報の収集、提供・・・・・・・・・・・・・・13
Ⅱ.1.7
法定講習事業(特別勘定1)・・・・・・・・・・・14
Ⅱ.1.8
資格試験等事業(特別勘定2)・・・・・・・・・・14
Ⅱ.2
サービスの向上と積極的な情報提供・・・・・・・・・・・15
Ⅱ.2.1
Ⅱ.3
保安情報の普及、啓発・・・・・・・・・・・・・・15
更なる保安対策に繋がる調査研究の推進・・・・・・・・・17
Ⅱ.3.1
自主研究の着実な推進・・・・・・・・・・・・・・17
Ⅱ.3.2
受託事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
Ⅱ.4
社会的要請を踏まえた体制・基盤の整備・・・・・・・・・22
Ⅱ.4.1
協会運営のガバナンス強化・・・・・・・・・・・・22
Ⅱ.4.2
将来を見据えた基盤の整備・・・・・・・・・・・・23
別紙1
保安講習会種類別受講者数見込み・・・・・・・・・・・・24
別紙2
高圧ガス製造保安責任者試験及び高圧ガス
販売主任者試験並びに液化石油ガス設備士
試験種類別出願者数見込み・・・・・・・・・・・・・・・26
Ⅰ.事業概況
1.事業環境
我が国の経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復に向かうこと
が期待されている。一方で、海外経済で弱さもみられており、中国や資源国等の景
気の下振れや英国の EU 離脱など、我が国の経済が下押しされるリスクも内包して
いる。
高圧ガス関連の産業分野に目を向けると、平成 26 年末に水素を燃料とした燃料電
池自動車が発売され、水素社会実現へ大きく一歩を踏み出す一方、水素ステーショ
ンは、約 40 箇所が運用を開始しており、引き続き整備が見込まれているところであ
る。水素の利用については安全を前提とした取り組みが不可欠であり、水素のみな
らず高圧ガス保安の実働部隊として、当協会も社会へ貢献していく必要がある。
また、本年 4 月には熊本地震が発生したところであるが、未曾有の被害をもたら
した東日本大震災の教訓を踏まえ、特に南海トラフ地震や首都直下型地震といった
大型地震を想定した耐震強化へも引き続き取り組んでいかなければならない。
さらに、産業のグローバル化や少子高齢化といった諸課題を見据えた高圧ガス保
安のあり方を中長期的に考えていく必要も生じてきている。
こうした中、当協会の平成 28 年度の事業環境については、検査事業については、
平成 27 年度と同程度の収入が見込まれるものの、法定義務講習受講者及び認定完
成・保安検査実施者に係る調査数が周期的に減少する年に当たっている。また、支
出の面では、今後の世代交代対応のため、人材の育成及び雇用を促進する必要があ
る。
以上より、当協会における収支状況(引当金等からの受入金を含まず。)は前年
度同様支出の超過が見込まれる。
このほか、平成 28 年度は、築 40 年が経過し老朽化や地盤沈下が進んでいる総合
研究所について、平成 29 年度の完成を目標として、大規模な建て替え工事を実施
する。建て替えに当たっては、工事の安全第一を大前提として、高圧ガス保安によ
り一層貢献できる研究所となるよう、研究環境の整備等に配慮する予定である。
また、高圧ガス保安のスマート化への対応や、海外展開を企図した協会内の人材
育成について、着実に実施することとしている。
- 1 -
2.事業概要
平成 28 年度は、前述のような事業環境の中、効率的かつ確実に事業を実施す
ることを基本として、以下の事業を重点的に行っていくこととする。
2.1
確 実 な業 務 の 実 施
検 査・認 定事 業 、法 定 講 習 (特 別勘 定 1 )、国 家 試 験 (特 別 勘 定 2 )や ISO 審 査
事 業 など 、 協 会 全 体 と し て着 実 か つ 確 実 な 業 務を 引 き 続 き 実 施 す る。
(1) 検査・認定等の合理化推進及び確実な実施
検査・認定等の正確性を維持しつつより効率的に業務を実施するため、業
務の合理化を推進する。加えて、溶接・非破壊に係る研修等、検査等を行う
職員の資質向上を図るための人材教育に係る各種施策を継続し、また、検査
等に係る本支部関係職員の情報の共有化を行い、運用統一を図ることにより、
検査・認定等を確実に行う体制を維持する。
また、法令等の改正を踏まえ、認定指定設備の個別ユニットの交換に
係 る 調査 業 務 を 開 始 す る 。
(2) 講習・試験業務の確実な実施
確実な講習事業・試験事業の実施に向けて、地区ブロック会議での情報の
共有化、講師・事務担当職員等の研修の実施、マニュアルの見直し等を実施
する。
特に講習事業においては、本年 5 月に実施した技術検定問題において誤り
が発生したことを踏まえ、再発防止の徹底を図る。
また、国家試験については、引き続き試験問題の作成及びチェック体制の
強化、手順の徹底を図る。
(3) システム審査登録事業の推進
審査登録業務を着実に展開していくため、改正された審査機関の認定基準
(JIS Q 17021-1)へ円滑な移行を図る。また、各マネジメントシステムの
同時認証に対応した統合審査の展開等に取組む。特に、品質マネジメントシ
ステム及び環境マネジメントシステムについては、平成 27 年に改訂された
改正規格への移行審査が始まるため、これに対応する体制を確実に整える。
さらに、本年秋頃に 予定されている労働安全衛生マネジメントシステムの
ISO 化(ISO45001)への対応も行う。
- 2 -
2.2
サービスの向上と積極的な情報提供
会員を中心として、サービスの向上と積極的な情報提供を行い、もって産業
保 安 の確 保 や ビ ジ ネ ス の 発展 に 寄 与 す る 。
(1) サービスの向上と積極的な情報提供
平成 27 年度に会員サービスとして提供を開始した法令検索システムの定
期的な更新に加え、新たなメニューとして液化石油ガス(LP ガス)関係法
令を追加する。
また、相談窓口(ISO 規格改正対応、水素サポート等)による顧客支援、
販売書籍の電子化の検討を引き続き実施する。
さらに、協会ホームページ、情報機関誌「高圧ガス」及び会員専用メール
マガジンなどを活用し、わかりやすい情報提供を効果的に行うとともに、外
国語教材・英文資料の作成、海外の調査・発信活動の強化など、国際的な情
報の収集及び発信を推進する。
(2) 技術基準の整備とメインテナンス
毎年度改訂する技術基準整備3ヶ年計画に基づき技術基準整備を計画的に
進め、定期的な技術基準の見直し、解釈及び質疑応答の検討等を行う。平成
28 年度は新たな社会のニーズに伴い必要とされる技術基準の整備について
検討する。
2.3
更なる保安対策に繋がる調査研究の推進
これまで蓄積した高圧ガス保安に係る知見を活かし、保安向上に寄与する調
査 研 究を 推 進 す る 。
(1) 保安の一層の充実に資する受託研究の適切な推進
保安の一層の充実に資する受託研究の適切な推進を図る。具体的には、業界
等のニーズを踏まえ、一般高圧ガスや LP ガスに関する規制の見直し、基準策
定等の保安対策や流通の合理化に資するための実践的かつ焦点を絞った調査
研究を進める。また、最新技術の動向の把握に努めるとともに、研究部門が保
有する専門技術を有効活用するための民間等からの受託試験や受託研究の拡
大を図る。
(2) 最新の技術動向に対応した研究所の改修
研究所建屋の建て替え、試験設備の拡充を行い、最新の技術動向特に水素型
社会を見据えた研究環境の整備を進めると共に、企業、大学等との連携強化に
努め、研究成果の発表等を積極的に奨励し、研究者の資質の向上を図る。
- 3 -
2.4
社会的要請を踏まえた体制・基盤の整備
産業保安の実働部隊として求められる社会的要請を踏まえ、体制・基盤整備
を順次行う。
(1) 国際化に対応できる人材の育成
高圧ガス、LP ガスに関する専門性と国際性を兼ね備えた人材の育成を図る。
(2) マイナンバー対応・情報セキュリティ対策の充実
当協会が法令に基づく法人であることを踏まえ、マイナンバー対応、情報セ
キュリティ対策について遺漏無きよう万全を期す。
(3) 高 圧 ガ ス 保 安 の ス マ ート 化 へ の 対 応
産業構造審議会保安分科会高圧ガス小委員会にて取り纏められた高圧ガ
ス保安のスマート化に係る検討事項について、経済産業省と協議しつつ、
協 会 とし て 必 要 な 対 応 を 順次 実 施 す る 。
(4) 最新の技術動向に対応した研究所の改修(Ⅰ.2.3(2)参照)
(5) 協会を取り巻く事業環境の変化への対応
本 年 4 月 に発 生 し た 熊 本地 震 を 受 け 、 各 部 署間 の 横 断 的 な 情 報 共有 を 図
り つ つ 、包 括的 な 対 応 方 針等 の 決 定 を 効 率 良 く行 う べ く 、協 会 内に WG を設
置 し た 。 今 後 も こ う し た 対応 を 適 切 に 実 施 す る。
ま た 、海 外 事業 展 開 を 企 図し て 、本 年 4 月 に 情報 調 査 部 を 情 報・国 際 部 へ
改 組 し 国 際 課 を 創 設 す る な ど 、 時 代 に 即 応 し た 組 織 再 編 を 今 後 も 行 っ てい
く。
3.収支予算概要
一般勘定の収入は、検査事業において平成 27 年度と同程度の収入が見込まれ
るものの、認定完成・保安検査実施者に係る調査数が周期的に少ない年度である
ことから高圧ガス保安審査収入が減収となる。一般勘定の収入(※)は、3,599
百万円を見込んでいる。
特別勘定1の収入(※)は、前年度に引き続き、法定義務講習受講者数が少な
い年度に該当することから前年度並みの 951 百万円を見込んでいる。
特別勘定2の収入(※)は、前年度並みの 575 百万円を見込んでいる。
以上の結果、平成 28 年度の協会の総予算額は、5,125 百万円を見込んでいる。
(※)引当金等からの受入を含む。
- 4 -
Ⅱ.個別の事業
Ⅱ.1
確実な業務の実施
Ⅱ.1.1
検査、認定等事業
(1) 認定調査等
①
[高圧ガス部]
認定完成検査実施者及び認定保安検査実施者となるための調査
第一種製造者等が、自主検査により完成検査又は保安検査(運転中検査、停止中
検査)を実施できる者として、経済産業大臣の認定を受けるための調査を行う。
平成 28 年度は、更新で 17 件(24 件)、認定区分の拡大等による追加で 1 件(2
件)を見込んでいる。
)内は、平成 27 年度における実績値を示す。以下同じ。
(注)(
②
耐震設計プログラムの評定
耐震設計構造物の応力等の計算方法及び計算を行う者について、経済産業大臣の
認定に係る評定及び追跡調査を行う。
平成 28 年度は、プログラムの評定 2 件(1 件)、追跡調査 6 件(11 件)を見込
んでいる。
(2) 完成検査、保安検査 [機器検査事業部、高圧ガス部]
特定施設等について、技術基準に適合又は維持しているかどうかを確認するための
完成検査及び保安検査を行う。
平成 28 年度は、冷凍施設関係の完成検査で 60 件(80 件)、保安検査で 2,000 件
(1,980 件)、コールド・エバポレータ(CE)関係の保安検査で 414 件(319 件)を
見込んでいる。
(3) 容器検査等
①
[機器検査事業部]
容器製造業者の大臣登録に係る調査
容器製造業者が自ら検査を行えるようにするための大臣登録に係る調査を行う。
平成 28 年度は、計画段階において調査の申請は見込まれていない。(0 件)
②
容器型式試験
登録容器製造業者に係る容器の型式試験を行う。
平成 28 年度は、計画段階において試験の申請は見込まれていない。(2 件)
③
容器検査及び容器再検査
容器について検査及び再検査を行う。
平成 28 年度は、200 万本(215 万本)を見込んでいる。
- 5 -
④
容器に充てんする高圧ガスの種類又は圧力の変更
容器に充てんする高圧ガスの種類又は圧力の変更に係る審査を行う。
平成 28 年度は、60,500 本(64,838 本)を見込んでいる。
(4) 附属品検査等
①
[機器検査事業部]
附属品製造業者の大臣登録に係る調査
附属品製造業者が自ら検査を行えるようにするための大臣登録に係る調査を行
う。平成 28 年度は、計画段階において調査の申請は見込まれていない。(0 件)
②
附属品型式試験
登録附属品製造業者に係る附属品の型式試験を行う。
平成 28 年度は、計画段階において試験の申請は見込まれていない。(0 件)
③
附属品検査及び附属品再検査
容器に装置する附属品(バルブ、安全弁及び緊急遮断装置)について検査及び再
検査を行う。
平成 28 年度は、1,021 万個(1,065 万個)を見込んでいる。
(5) 特定設備検査等
①
[機器検査事業部]
特定設備製造業者の大臣登録に係る調査
特定設備製造業者が自ら検査を行えるようにするための大臣登録に係る調査を
行う。
平成 28 年度は、計画段階において調査の申請は見込まれていない。(1 件)
②
特定設備検査等
特定設備(熱交換器、貯槽、蒸発器等)について検査を行うとともに、登録特定
設備製造業者が製造する特定設備に対し、特定設備基準適合証を発行する。
平成 28 年度は、特定設備検査で 14,089 基(14,311 基)、適合証発行で 160 件
(187 件)を見込んでいる。
③
高圧ガス設備担当者会議の開催
特定設備及び高圧ガス設備の製造者等との情報交換を行うとともに、特定設備等
に係る規則等の統一的運用の徹底等を図るため、第 39 回高圧ガス設備担当者会議
を 10 月 21 日(金)に東京で開催する。
(6) 指定設備の認定
①
ユニット型冷凍装置の認定
[高圧ガス部]
政令で指定設備とされている冷凍設備について、指定設備の基準に適合している
場合の認定を行う。
平成 28 年度は、125 件(181 件)を見込んでいる。
- 6 -
②
窒素ガス製造用空気分離装置の認定
[機器検査事業部]
政令で指定設備とされている窒素ガス製造用空気分離装置について、指定設備の
基準に適合している場合の認定を行う。
平成 28 年度は、1 件(0 件)を見込んでいる。
③
認定指定設備の移設に係る調査
[高圧ガス部、機器検査事業部]
認定指定設備の移設を行った場合について、当該認定指定設備が技術基準に適合
しているかどうか調査を行う。
平成 28 年度は、ユニット型冷凍装置で 2 件(5 件)を見込んでいる。窒素ガス製
造用空気分離装置については、計画段階において調査の申請は見込まれていない。
(0 件)
④
認定指定設備の交換に係る調査
[機器検査事業部]
認定指定設備(窒素ガス製造用空気分離装置)の個別ユニットの交換を行った場
合について、当該認定指定設備が技術基準に適合しているかどうか調査を行う。
平成 28 年度は、当該調査に係る業務の認可を受け、新たに業務を開始する。
(7) 大臣特認事前評価等 [機器検査事業部]
①
大臣特認に係る特定案件事前評価
高圧ガス設備等に係る大臣特認のための事前評価を行う。
平成 28 年度は、32 件(34 件)を見込んでいる。
②
詳細基準事前評価
例示基準に基づかずに検査申請、許可申請等する場合の詳細基準について事前評
価を行い、事前評価書を交付する。
事前評価書の交付を受けた者は、本評価書を添付して容器検査・特定設備検査を
受け、又は高圧ガスの製造の許可等を受けることとなる。
平成 28 年度は、180 件(202 件)を見込んでいる。
(8) 高圧ガス設備試験等 [機器検査事業部]
①
大臣認定試験者事前評価等審査
高圧ガス設備(ポンプ、圧縮機等)を製造する事業者の大臣認定に係る事前評価
及び認定された者の3年毎の確認調査を行う。
平成 28 年度は、新規調査で 1 件(0 件)、拡大調査で 3 件(0 件)、確認調査で
43 件(42 件)を見込んでいる。
②
高圧ガス設備試験
高圧ガス設備について試験を行う。
平成 28 年度は、15,281 件(15,578 件)を見込んでいる。
- 7 -
(9) 冷凍検査等
①
[高圧ガス部]
機器の試験
冷凍装置について試験を行う。
平成 28 年度は、390 件(341 件)を見込んでいる。
②
冷凍空調施設工事事業所の認定
冷凍空調施設の保安の確保を図るため、同施設の据付工事を行う事業所について
認定及び更新認定を行う。
平成 28 年度は、700 件(1,575 件)を見込んでいる。
③
冷凍空調情報等の発行
冷凍空調施設工事事業所等との情報及び意見の交換を密にするため、情報提供誌
「冷凍空調情報」及び過去に発行した冷凍空調情報誌に掲載した事故をまとめた
「事故に学ぶ」を発行する。(年間 1 回を予定)
④
冷凍機器溶接士の認定
冷凍用圧力容器等の溶接作業を行う溶接士の認定を行う。
平成 28 年度は、95 件(75 件)を見込んでいる。
⑤
冷凍教育検査事務所ブロック会議の開催等
(イ) 冷凍教育検査事務所ブロック会議の開催
全国の冷凍教育検査事務所との連携を密にし、法改正等の最新の動向及び高圧
ガス保安法の解釈などに関する情報提供のほか、事務所運営、検査員の高齢化、
検査実施上の問題点等について検討を行う。
(ロ) 冷凍保安検査業務の合理化
平成 27 年度に引き続き、冷凍教育検査事務所の適正かつ円滑な業務処理と業
務の省力化を推進する。
⑥
冷凍装置試験に係る制度改正
平成 27 年度に引き続き、制度の改正を行う。
(10) LP ガス用ガス漏れ警報器等の検定
[液化石油ガス部]
LP ガス用ガス漏れ警報器(誤報防止型を含む。)及び LP ガス検知器等の検定を行
う。また、優良な製造事業者に対する検査方法の合理化、検定業務の拡大等の取り組
みを進める。
①
LP ガス用ガス漏れ警報器及び LP ガス検知器の検定
②
不完全燃焼警報器の検定 25,000 個(26,183 個)
③
LP ガス用検知器
1,800 個(2,510 個)
- 8 -
270 万個(274 万個)
(11) その他の検査・認定等
①
10 件(12 件)及び液化石油ガスタンクローリ検
高圧ガスプラント検査事業者
査事業者
3 件(3 件)の認定[機器検査事業部]
0 件(12 件)[機器検査事業部]
②
アセチレン容器多孔質物性能試験
③
液化石油ガスバルク供給用附属機器の型式認定
36 件(21 件)[機器検査事業
部]
④
容器登録、登録更新及び所有者不明容器の発生防止
新規登録 44 件(67 件)、
更新 2,496 件(517 件)[機器検査事業部]
⑤
CE 移設性能検査
⑥
CE 施設保安点検等 0 件(2 件)[機器検査事業部]
⑦
特定ガス工作物使用前検査
⑧
委託検査
⑨
小型高圧ガス容器型式認定
⑩
簡易容器検査
⑪
委託調査(ブレースに係る調査) 4 件(3 件)[高圧ガス部]
Ⅱ.1.2
106 件(125 件)[機器検査事業部]
17 件(23 件)[機器検査事業部]
1,212 件(1,348 件)[機器検査事業部]
教育事業
12 件(14 件)[機器検査事業部]
0 件(1 件)[機器検査事業部]
[教育事業部]
(1) 自主保安講習の実施
平成 28 年度の自主保安に係る各種講習の受講者数は、前年度実績より 342 人少な
い 3,127 人を見込んでいる。(内訳は別紙 1 参照)
(2) 技術講演会等の開催
高圧ガスに関する各種情報の提供を目的とした次のような講演会等を開催する。
①
お客様のニーズに対応した出張講習
②
保安セミナー等(高圧ガスの基礎講習、法令セミナー等の開催)
③
高圧ガス保安実務者向けセミナー等(保安検査事例セミナー等の開催)
④
地域ニーズに対応した各種セミナー・シンポジウム等
(3) ISO 関連研修セミナー等の開催
ISO 規格における品質及び環境に関する認証取得・維持のための研修並びに同シス
テム構築のための集合セミナーを開催する。併せて、平成 27 年度の ISO 規格改正に
伴う情報提供等を引き続き実施する。
- 9 -
(4) 図書等の編集発行
①
高圧ガス関係法令、技術基準
②
講習会テキスト及び問題集
③
保安教育用テキスト
④
その他各種出版物等
Ⅱ.1.3
システム審査登録事業
[ISO 審査センター]
(1) システム審査件数
公益財団法人 日本適合性認定協会(JAB)から認定を受けた審査機関として、着実に
品質マネジメントシステム(QMS、審査総数 910 件(930 件))、環境マネジメント
システム(EMS、審査総数 572 件(592 件))、食品安全マネジメントシステム(FSMS、
審査総数 5 件(4 件))を審査し、適合事業者の登録・公表を行う。
また、本年度より開始する 2015 年版改正規格への移行審査について、QMS は 173
件、EMS は 74 件を見込んでいる。
さらに、OHSAS18001 及び労働安全衛生法に基づく厚生労働省指針に基づき、労
働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS、審査総数 25 件(28 件))を審査し、
適合事業者の登録・公表を行うほか、本年秋頃に予定されている ISO 化(ISO45001)
への対応も行うこととする。
(2) 主な活動項目
①
マネジメントシステムの審査登録に関しては、改正された審査機関の認定基準
(JIS Q 17021-1)への移行を確実にするとともに、ISO 審査センターにおけるマ
ネジメント機能の充実とリスク管理に基づく審査システムの高度化を図る。特に
QMS、EMS に関しては、2015 年版改正規格への移行審査が求められることから、
これに対応する体制を整える。
②
受審組織の要望に対応可能な審査手法(統合審査、多数サイト審査他)の充実強
化を図る。
③
審査員の資質の向上及び多能化を推進するとともに、業務処理の合理化・効率化
の推進に取組む。
④
登録企業との双方向コミュニケーションの充実を図るための施策の展開、業務処
理の合理化・効率化の推進に取組む。
平成 27 年 9 月に発行された改正規格に基づく移行審査に向けた情報提供の機会
として、登録企業等との情報交換会を開催する。
ISO 入門勉強会を(春・秋)期に開催し、ISO 基礎教育の社外研修の場として提
- 10 -
供する。
⑤
営業体制の再構築に努め、新規顧客の獲得推進に取組むとともに、既存顧客の辞
退や他機関への移転を抑制する。
Ⅱ.1.4
LP ガス保安対策推進事業
(1) LP ガス設備等の技術審査
①
[液化石油ガス部、総合研究所]
[液化石油ガス部]
大臣特認に係る事前審査
LP ガス法施行規則に係る大臣特認のための事前審査を行う。
LP ガス器具の安全性審査
②
[液化石油ガス部]
新しく開発された LP ガス器具に係る安全性審査を行う。
(2) LP ガス消費者に対する保安啓発活動の実施
LP ガス安全委員会(LP ガス関連団体 17 名、関連する省庁 4 名、消費者団体 2
名、計 23 名で構成)の事務局を務め、LP ガス保安ガイド、ポスター、雑誌等広告、
ホームページ等により、一般消費者等に対する保安意識の向上、事故防止の保安啓
発を行うとともに、各都道府県 LP ガス協会等が行う LP ガス消費者を対象とした
保安啓発活動の支援事業を実施。10 月に LP ガス消費者保安キャンペーンを展開し、
LP ガス消費者保安推進大会において保安優良 LP ガス販売店等を表彰する。
(3) 技術基準・図書の企画・販売
[液化石油ガス部]
業界ニーズを発掘し、業界で活用される技術基準・図書を作成する。
(4) 説明会等の開催
[液化石油ガス部、総合研究所]
協会が作成した技術基準及び経済産業省等から受託した研究開発等の成果又は最
新の保安情報を広く LP ガス業界等へ普及させるための説明会や技術資料の発行等を
実施する。
Ⅱ.1.5
技術基準作成・審査等事業
[総合企画部、高圧ガス部他]
(1) 経済産業大臣への意見具申等
高圧ガス保安法に基づき、省令改正、例示基準の制定等高圧ガスの保安に関する技
術的事項について、経済産業大臣に対して意見具申等を行う。
- 11 -
(2) 技術委員会・規格委員会の運営
高圧ガス保安において幅広く活用されている KHK 技術基準(KHKS 等)の策定に
ついては、規格委員会が実務を担っており、統括諮問機関として位置付けられている
技術委員会のレビューを経ることとされている。こうした両委員会が適切に機能する
ための着実な運営を行う。
平成 28 年度に予定している主な案件は、以下のとおりである。加えて、耐震設計
基準に関連する規格委員会の新設について引き続き検討を行う。
①
圧力容器規格委員会 [機器検査事業部]
(イ)「ねじ構造の強度設計指針(KHKS 1222)」の見直し・改正
②
移動容器規格委員会 [機器検査事業部]
(イ) 「空気呼吸器用継目なし容器再検査基準(KHKS 0151)」の見直し・改正
(ロ) 「アルミニウム合金製一般継目なし容器再検査基準(KHKS 0152)」の見直し・
改正
③
高圧ガス規格委員会 [高圧ガス部]
(イ)「保安検査基準(液化石油ガス岩盤備蓄基地関係)(KHK/JOGMEC S 0850-8)」、
「定期自主検査指針(液化石油ガス岩盤備蓄基地関係)(KHK/JOGMEC S
1850-8)」の見直し・改正
(ロ)「保安検査基準 (KHKS 0850-1,2,3,5,6,7」)、「定期自主検査指針(KHKS
1805-1,2,3,5,6,7)」
(ハ)「コールド・エバポレータ施設の保安検査基準及び定期自主検査指針」の制定
(ニ)「高圧ガスの配管に関する基準(KHKS 0801)」の見直し・改正
④
冷凍空調規格委員会 [高圧ガス部]
(イ) 「冷凍空調装置の施設基準(KHKS 0302-1,2,3)」の見直し・改正
(ロ)「保安検査基準(KHKS 0850-4)」及び[定期自主検査指針(KHKS 1805-4)」の
見直し・改正
⑤
液化石油ガス規格委員会
[液化石油ガス部]
(イ) 液化石油ガス用マイコン型流量検知式自動ガス遮断装置(SB型)規格(基準)
(KHKS 0737)の見直し・改正
(ロ) 液化石油ガス用マイコン型流量検知式自動ガス遮断装置(S4型)規格(基準)
(KHKS 0742)の見直し・改正
⑥
供用適性評価規格委員会
[高圧ガス部(平成 28 年度より所掌変更)]
(イ) 「高圧ガス設備の供用適性評価に基づく耐圧性能及び強度に係る次回検査時期
設定基準
KHK/PAJ/JPCA S 0851 (2014)」の改正
(ロ) 評価区分Ⅱの減肉評価法の基準化に向けた検討
(ハ) 供用適性評価規格の石油精製・石油化学分野以外の他分野へ適用に向けた検討
- 12 -
(3) 詳細基準の審査
技術基準の性能規定化に伴い、これまで省令等に示されていた詳細な技術的事項は
例示基準として例示されている。協会は、それぞれの基準に応じて設置された高圧ガ
ス容器規格検討委員会等において、各規格委員会及び業界団体等が作成した詳細基準
について審査を行う。この審査の結果は、経済産業大臣に意見具申することにより例
示基準として例示される。
(4) 地域防災協議会との連携
地域防災協議会連合会の全国会議の事務局として、高圧ガスの移動中の事故防止の
ため同協議会と連携し、高圧ガスの移動中の事故防止に貢献する。
(5) 全国一般高圧ガス保安団体連合会(全高連)との連携
一般高圧ガスの事故防止と情報交換を図るため、全高連との連携を図る。
(6) LP ガスタンクローリ事故防止委員会による自主点検活動の推進
日本 LP ガス協会、(一社)全国 LP ガス協会、(一社)日本エルピーガスプラン
ト協会、(公社)全日本トラック協会及び KHK で組織する LP ガスタンクローリ事
故防止委員会の事務局として、LP ガスタンクローリの保安関係機材等の整備状況に
ついての所有者による自主点検活動を推進する。
(7) ASME Delegate 制度への参画
ASME(米国機械学会)規格の制定・改定の最新情報を入手し、かつ、ASME 規格
に日本の意見を反映するため、ASME の Delegate 制度に平成 18 年度より参画してお
り、引き続き、ASME 規格策定作業等を行う。
Ⅱ.1.6
保安情報の収集、提供
(1) 高圧ガス災害の調査 [高圧ガス部、他]
高圧ガス事故災害に対して、必要に応じ現場調査、関係者のヒアリングなどを行い、
情報収集に努めるとともに精度の高い事故解析を実施する。その解析結果に基づき、
事故から得られた教訓、再発防止策などについて積極的に情報発信を行う。
また、行政、事業者が設置する事故調査委員会等に協力、支援を行う。
- 13 -
(2) 「事故の教訓と保安管理技術セミナー」の開催 [高圧ガス部]
高圧ガス製造事業者全般を対象に、高圧ガス製造事業者の保安管理活動、自主保安
活動に対する情報提供等を目的に、自主保安セミナーを開催する。(1 日目の保安管
理技術編、2 日目の事故の教訓と保安対策編から成り、東京、大阪の 2 会場で開催を
予定。)
(3) 調査研究成果の発信 [総合研究所]
経済産業省などから受託した調査研究の成果や総合研究所が自主的に取り組んで
いる高圧ガスの保安確保に関する調査研究の成果を広く発信していくための情報提供
を目的とした研究発表会を開催する。また、外部機関とも連携し、経済産業省や NEDO
などから受託し、高圧ガス部や総合研究所が取り組んでいる水素の保安関連に関する
調査研究の成果を広く発信していくための情報提供を目的とした水素安全技術セミナ
ーを開催する。
Ⅱ.1.7
法定講習事業(特別勘定1)
(1) 法定講習の実施
[教育事業部]
[教育事業部]
講習の総受講者数のうち、義務講習等については平成 9 年の法改正時の規制緩和に
より受講サイクルが 3 年から 5 年に延長されたことから、過去 5 年間の受講者数に基
づいて 38,774 人(39,327 人)を、資格講習については 37,356 人(37,443 人)をそ
れぞれ見込んでいる。この結果、合計で 76,130 人(76,770 人)を見込んでいる。(自
主講習を含めた講習会総計では 79,257 人(80,239 人)、内訳は別紙1参照)
講習内容については、使用されるテキストに関して、平成 28 年度は甲種、乙種、
丙種化学(特別)、第二種販売等について見直しを行うこととする。
Ⅱ.1.8
資格試験等事業(特別勘定2)
[試験センター]
(1) 資格試験
国及び都道府県からの委譲に基づき高圧ガス製造保安責任者試験及び高圧ガス販
売主任者試験並びに液化石油ガス設備士試験を実施する。
①
試験実施日
(イ) 高圧ガス製造保安責任者試験及び高圧ガス販売主任者試験並びに液化石油ガ
ス設備士筆記試験
- 14 -
平成 28 年 11 月 13 日(日)に実施予定
(ロ) 液化石油ガス設備士技能試験
富山会場以外は平成 28 年 12 月 4 日(日)に、富山会場は 12 月 5 日(月)
に実施予定
②
出願者数
大臣試験(甲種化学、甲種機械、第一種冷凍機械)の出願者数及び知事試験(その
他 9 種)の出願者数は、大臣試験で 5,042 人(5,127 人)、知事試験で 55,958 人(57,205
人)、合計で 61,000 人(62,332 人)を見込んでいる。(内訳は別紙 2 参照)
(2) 免状交付事務
経済産業省及び都道府県から、以下の免状交付事務に係る委託事業を受託実施する。
①
高圧ガス製造保安責任者免状交付事務
(経済産業省からの受託)
高圧ガス製造保安責任者試験のうち、大臣試験(甲種化学、甲種機械、第一種冷
凍機械)に合格した者に対して、合格者の交付申請に基づき大臣が発行する免状の
交付事務を実施する。
②
高圧ガス製造保安責任者等免状交付事務
(都道府県からの受託)
高圧ガス製造保安責任者試験等のうち、知事試験(乙種化学、乙種機械、丙種化
学(液石)、丙種化学(特別)、第二種冷凍機械、第三種冷凍機械、第一種販売、
第二種販売及び液化石油ガス設備士)に合格した者に対して、合格者の交付申請に
基づき知事が発行する免状の交付事務を実施する。
Ⅱ.2
サービスの向上と積極的な情報提供
Ⅱ.2.1
保安情報の普及、啓発
(1) 事故事例データベースの提供
[高圧ガス部]
事故事例データベースの提供等事故事例の共有化と教材化を推進する。
(2) 広報活動の推進及び情報提供等
①
[情報・国際部、教育事業部]
ホームページ等による情報提供の推進
KHK 事業活動や高圧ガスの保安に関する各種情報及び行政機関からの周知事項
等について、ホームページ等の活用により、広報活動を積極的に展開し、情報サー
ビスの向上を図る。また、資料室の電子化を推進することにより、情報発信の充実
- 15 -
を図る。
②
会員向け情報発信サービスの充実
(イ) 情報機関誌「高圧ガス」を発行することにより、会員のニーズに沿った高圧ガ
スの保安情報を提供するとともに、協会事業活動に関する情報を発信する。また、
特集記事等について会員専用のホームページで公開していく。
(ロ) KHK 規格の制定・改正情報、事故情報、法令改正動向などホームページに掲
載した開示情報について、その概要を取りまとめた会員専用メールマガジンをタ
イムリーに配信する。
(ハ) 高圧ガス保安法関係省令等を容易に検索可能とする法令検索システムについ
て、情報サービスの向上を図るべく、当該システムの定期的な更新に加え、LP
ガス法関係省令等を追加・構築する。
③
販売書籍の電子化
情報提供の手段を拡充するため、販売書籍について電子化を引き続き検討する。
(3) 水素関連の情報提供
①
水素利用の安全確保に関する情報提供[総合企画部他]
燃料電池自動車の市場投入により水素社会実現に向けた取り組みが大きく前
進する中、今後の普及拡大を見据えて、事業者等からの水素に関連する技術的
な相談等に対して適切に対応するため、組織横断的なKHK水素テクニカルサ
ポートチームにより水素に関連する相談等に対応する。
②
水素安全ポータルサイトの整備[総合研究所]
水素エネルギーに関する情報を広く収集し、提供していくためのポータルサ
イトを整備し、公開を行う。
③
水素安全技術セミナーの開催(Ⅱ.1.6(3)参照)
(4) ISO 審査関連の情報提供
[ISO 審査センター]
ISO letter を年 4 回程度発行して登録企業との情報提供のツールとして活用する。
また、ISO 審査センターホームページを有効活用して情報提供活動の多角化を推進す
る。さらに規格改正に伴う移行審査への相談対応として ISO 審査センター及び支部内
に設置した相談窓口を活用し、移行審査に係る問い合わせに引き続き対応する。
(5) 外国企業向け相談窓口 [情報・国際部]
海外からの高圧ガスに関する問い合わせに対処するための相談窓口を引き続き運
営する。
- 16 -
(6) 海外における高圧ガス関連規制状況調査及び発信活動提供の強化 [情報・国際部]
高圧ガス保安の中枢機関として、海外における高圧ガス関連規制状況の調査を強化
し、積極的に情報発信を行う。
(7) 海外との技術交流等の促進 [情報・国際部]
海外との技術交流等を促進するために、次の技術交流等を積極的に行う。
①
協会業務の国際化に対処するための各国際会議への参加
②
海外諸機関等への技術指導・協力及び研修生の受け入れ
③
韓国ガス安全公社との定期会議の開催(平成 28 年度日本(富山)開催)
(8) 英文資料の発行[情報・国際部]
海外関係機関等に対して我が国の高圧ガス保安対策の状況等に関する情報を発信
していくため、引き続き、KHK の年間事業活動をまとめた英語版報告書を発行する
とともに、事故情報の国際的共有化に資するため、高圧ガス関係及び LP ガス関係事
故年報の概要を取りまとめた英文資料を発行する。
Ⅱ.3
更なる保安対策に繋がる調査研究の推進
Ⅱ.3.1
自主研究の着実な推進
(1) 協会技術基盤の強化[総合研究所]
①
自主基準の策定等、保安対策の合理化に寄与するような実践的な調査研究を自主
的に推進し、基準策定等に必要となる根拠の明確化に重点的に取組む。また、これ
までの研究活動で蓄積した技術知識や専門性を活用して高圧ガスや LP ガスの事故
解析にも積極的に参加する。
さらに、研究員を協会外の研究委員会や学会等に積極的に参加させることによ
り、研究者として活動強化を図ると共に、業界のニーズ及び最新の技術動向を的確
に把握し、先導的な調査研究を実施していく。
②
民間企業等からの各種材料試験、容器の性能試験、FEM 解析等を用いた受託研
究及び受託試験を積極的に行う。
平成 28 年度は 25 件(23 件)を見込んでいる。
平成 19 年に包括連携協定を締結した横浜国立大学と人材交流を推進する等、連
③
携の促進に努める。
- 17 -
(2) 最新の技術動向に対応した研究所の改修[総合研究所]
上記(1)の活動を今後とも積極的に推進し、高圧ガス・LP ガス事故の原因解析、
LP ガス分野の安全研究の推進、水素圧力容器を中心とした高圧ガス分野の安全研究
の推進等に関する活動を積極的に行うための環境を整備するため、築 40 年が経過し
た研究所建屋の改修を行う。改修では、建屋の老朽化・地盤沈下への対応、最新の
技術動向、特に水素型社会に対応した研究設備の更新の他に、液化石油ガス機器検
定室との建屋統合も同時に行う。
(3) その他[高圧ガス部、液化石油ガス部、総合研究所]
高圧ガス・LP ガスの保安のために必要な調査、認定及び助言並びに委託研究を通
じて得られた成果について周知及び普及広報活動を行う。
Ⅱ.3.2
受託事業
経済産業省、民間団体等から、高圧ガスの保安の確保のために必要な業務の受託事業を
実施する。
1.高圧ガス保安対策事業
(経済産業省からの受託)
(1) 事故調査解析[高圧ガス部]
高圧ガスによる事故の統計処理を行う(高圧ガス関係事故年報及び事故事例データ
ベースのとりまとめを含む。)とともに、保安対策上広く展開することが有用と認め
られるものについて、原因及び類型化の調査を行い、再発防止のための効果的な対策
を講じ、教訓を加えてその内容を周知する。
(2) 高圧ガス保安技術基準作成・運用検討[高圧ガス部]
科学技術の進歩、国際整合化の要請、社会的受容性等の観点を踏まえ、安全性の確
保を前提として高圧ガス保安に係る技術基準を不断に見直すべく、以下の検討を行う。
・冷凍設備に使用される自然冷媒の安全性評価及びその規制のあり方
・高圧ガスを利用した新しい製品等に適用すべき技術基準や評価方法等
・高圧ガス保安法の適切な運用・解釈など逐条解説の取り纏め
- 18 -
2.石油精製業保安対策事業
(経済産業省からの受託)
(1) 高圧ガス取扱施設における産業保安のスマート化に関する調査研究
[高圧ガス部、教育事業部]
①
新認定事業所制度
本年 3 月の産業構造審議会保安分科会高圧ガス小委員会の報告書において、新認
定事業所制度について、その要件や優遇措置等が取り決められた。当該報告書を踏
まえ、スーパー認定事業所及び自主保安高度化事業所の審査マニュアルの作成、軽
微変更の拡大の検討など、新認定事業所制度の着実な運用に係る提言等を実施する。
②
リスクアセスメント手法及び保安教育プログラム
非定常時のリスクアセスメントや人為的ミスに起因する事故発生の防止に向けた
人材育成などについて、事業者の取組みを促進すべく、リスクアセスメント実践講
座の開発・実証や体感教育に関する調査、教育プログラムのモデル事例調査を実施
する。
(2) 高圧ガス設備等耐震設計基準の性能規定化に向けた調査研究[高圧ガス部]
平成 27 年度に将来予想される地震動と現行基準の見直し等について検討した結果、
仕様規定である現行の高圧ガス設備等耐震設計基準では、今後想定される大規模地震
に対して大きな損傷を受ける可能性を排除できないことが判明したところ。本事業に
おいては、今後想定される大規模地震に対応できるように、高圧ガス設備等耐震設計
基準の性能規定化に向けた検討を行う。
(3) 石油精製プラント等の事故情報調査[高圧ガス部]
石油精製プラントの安全操業を確保するため、石油精製プラント等における高圧ガ
ス事故(平成26年度以降に発生した事故の内、15 件程度)について調査を行い、再
発防止のための効果的な対策について検討し、事故概要報告書としてとりまとめ、周
知する。
3.非化石エネルギー等導入促進対策調査等事業 (経済産業省からの受託)
新エネルギー技術等の安全な普及のための高圧ガス技術基準策定
[高圧ガス部、機器検査事業部、総合研究所]
水素による新エネルギー利用システムの安全な実用化と普及を推進するためには、
国際的な規制制度との調和等も勘案し、高圧ガス保安法における必要な技術基準策定
のため、以下の検討を行う。
- 19 -
・燃料電池自動車等に関する水素関連技術の安全性の評価・基準の調査検討
・圧縮水素スタンドにおける規制の技術基準解説の検討及び説明会
・水素スタンド立地地方自治体における審査業務等の執行状況調査
・圧縮水素スタンド及び燃料電池自動車における想定外事象への影響度調査
4.石油ガス供給事業安全管理技術開発等事業 (経済産業省からの受託)
(1) 安全技術普及事業
① 指導事業(保安専門技術者指導等事業)[液化石油ガス部]
保安の高度化を目指し、新技術等を地域に普及させるため、保安専門技術者
を養成するための講習を行うとともに、インターネットを活用した保安専門技
術者向けの保安情報提供を実施する。また、保安の高度化を目指す LP ガス販
売事業者等に対し、各地域において実施する地域保安指導事業で用いる教材等
を提供する。
② 事故発生原因分析等調査[液化石油ガス部]
事故再発防止を図るため、高圧ガス保安法に基づき提出される LP ガス事故調査
報告書を基に、事故の原因者等をまとめる。更に、これらの事故が普遍の事故であ
るか、特殊な事故であるか、また、重大な事故か軽微な事故かを類型化し、特に重
大事故に発展する可能性のリスク分析等を活用しながら、予防的対応に資する対策
等の事故再発防止策を検討する。
(2) バルク供給に係る保安基盤高度化調査研究[液化石油ガス部]
法定検査を契機に多数見込まれるバルク貯槽の廃棄に際して、適正かつ効率的な作業
手順・方法等を確立するとともに、回収する残留ガスの確実な再生と品質管理の徹底を
図るガイドラインの作成等を行うことを目的として、残留ガスの取り扱いに関する運用
課題調査等を行う。
(3) マイコンメータを活用する漏えい検知等の高度化調査研究
[総合研究所、液化石油ガス部]
東日本大震災を受けて、経済産業省が作成した「LP ガス災害対策マニュアル」を
踏まえ、災害時におけるマイコンメータの有効活用を図る観点から、以下の調査研究
を実施する。
・マイコンメータの保安機能を利用する漏えい試験方法の高度化
・マイコンメータやガス検知器等を活用した消費設備点検等の高度化
- 20 -
・大規模災害時における二次災害防止のための技術基準等の策定
(4) ガス工作物技術基準適合性調査等
① 都市ガス事故事例の原因等の分析等
[液化石油ガス部]
安全高度化目標達成のため、ガス事業法に基づき提出される事故速報、詳報
を基に、事故事例データを整備し、これらの事故が普遍の事故であるか、特殊な
事故であるか、発生頻度の高い典型的事故例等を類型化し、その原因等について分
析を行う。また、事故事例データを分析し、発生頻度、事故原因等から今後特に注
意を要する事故事例を抽出し、とりまとめる。
② 改正ガス事業法に係る新小売事業者関連調査事業
[液化石油ガス部]
ガス事業法の一部改正により、平成 29 年 4 月に都市ガス事業における小売全面自
由化等が行われることを踏まえて、ガス小売事業者に対し、自主保安の着実な実施
を求めるため、既存のガス事業者の自主保安の望ましい事例をまとめ、ガス小売事
業者の自主保安の取り組み状況を「見える化」し、自主保安の取り組みを評価する
仕組みを検討するとともに、法改正前後におけるガス需要家の保安意識等を調査す
る。
5.水素利用技術研究開発事業/燃料電池自動車及び水素供給インフラの国内
規制適正化、国際基準調和・国際標準化に関する研究開発
(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託)
[総合研究所、高圧ガス部、機器検査事業部、情報・国際部]
(1) 水素ステーション用金属材料の鋼種拡大に関する研究開発
水素社会の到来に備え、材料の選択の幅を広げ、将来に向けた技術基準化に繋げる
ことを目的として、材料評価試験の種類、試験条件、評価基準などの水素ステーショ
ンにおける材料の使用可否に関する判断基準について検討を行う。
※ 本調査研究は、JPEC(一般財団法人石油エネルギー技術センター)及び国立大学法
人九州大学との共同研究である。
(2) 複合圧力容器蓄圧器の基準整備等に関する研究開発
水素ステーションで使用される複合圧力容器蓄圧器について、より実使用条件を考
慮した基準の整備等に活かすことを目的として、以下の検討を行う。
・複合圧力容器蓄圧器の評価方法の高度化
- 21 -
・CFRP の評価方法の高度化
・複合圧力容器蓄圧器の疲労設計方法の高度化
・複合圧力容器蓄圧器の保安検査方法
※ 本調査研究は、JPEC(一般財団法人石油エネルギー技術センター)及び国立大学法
人東京大学との共同研究である。)
6.石油ガス岩盤備蓄基地に係る保安検査等操業実績評価確認検討業務(独立行政法人
石油天然ガス・金属鉱物資源機構からの受託)[高圧ガス部]
石油ガス岩盤備蓄基地は水封など通常の地上基地にない設備や機能を持つという
特徴がある。本業務では、石油ガスの本格的な受入れが始まった当該基地の操業実績
データや高圧ガス保安法に基づき毎年実施される保安検査及び定期自主検査の結果等
をヒアリング中心の実態調査により詳細に把握し、
「保安検査基準」及び「定期自主検
査指針」の趣旨に沿って実検査を実施する上で必要となる補完内容等について検討し、
取り纏めを行う他、保安検査基準の改善等に向けた提案についても実施する。
Ⅱ.4
社会的要請を踏まえた体制・基盤の整備
Ⅱ.4.1
協会運営のガバナンス強化
[コンプライアンス推進室、総務部他]
(1) コンプライアンスの推進
①
協会業務の信頼性を図るために、協会が行う業務活動に対する内部監査を継続す
る。内部監査を通じて、各業務活動に対する協会規程類の整備状況、同規程類及び
関係法令の遵守状況の確認を行う。
②
内部監査は、監査における重点項目、監査対象項目などに対して、経営層の意向
を反映した内部監査実施計画を作成して実施する。
③
内部監査結果及び監査における気付き事項を積極的に関係部署にフィードバック
するとともに、必要に応じて、協会規程類の見直し、業務改善などの提案を行うこ
とにより、協会業務活動において発生する恐れのあるさまざまなリスクの低減に取
り組む。
④
協会役職員のコンプライアンス意識向上を図るためのコンプライアンス推進活動
に取り組む。
(2) 協会の運営に対する不断の見直し
協会の運営、業務の改善、サービスの向上等に資するため、引き続き、外部からの
- 22 -
意見提案等を受け付ける相談窓口を運営するとともに、顧客満足度調査を実施し、業
務への反映を図る。
(3) マイナンバー対応、情報セキュリティ対策
協会内の情報セキュリティの統括を担務させるべく、本年 4 月に総務部に設置した
情報管理課を中心として、職員等に係るマイナンバー、業務実施に伴い発生する情報
等についてセキュリティ対策の充実化を図る。
Ⅱ.4.2
将来を見据えた基盤の整備
[総合企画部、総務部他]
(1) 国際化に対応できる人材の育成等
産業のグローバル化や少子高齢化といった諸課題への対応として、高圧ガス、LP
ガスに関する専門性と国際性を兼ね備えた人材の育成に資するため、職員の海外長期
派遣を行う。
(2) 高圧ガス保安のスマート化への対応
産業構造審議会保安分科会高圧ガス小委員会にて議論されている高圧ガス保安
のスマート化に係る検討事項について、経済産業省と協議しつつ、協会として必
要な対応を順次実施する。
(3) 最新の技術動向に対応した研究所の改修(Ⅱ.3.1(2)参照)
- 23 -
別紙1
保安講習会種類別受講者数見込み
種
類
平成 28 年度
申込者見込
(人)
1.法令に基づく講習等
平成 27 年度
申込者実績
(人)
(イ) 製造講習会(大臣)
甲種化学講習
1,094
(1,100)
甲種機械講習
1,481
(1,445)
1,011
(1,011)
乙種化学講習
2,092
(2,104)
乙種機械講習
5,175
(5,178)
丙種化学液石講習
3,252
(3,240)
丙種化学特別講習
5,027
(5,064)
第2種冷凍機械講習
2,207
(2,203)
第3種冷凍機械講習
2,415
(3,114)
698
(694)
4,728
(4,345)
8,176
(7,945)
高圧ガス製造保安企画推進員講習
128
(125)
高圧ガス製造保安主任者講習
476
(482)
高圧ガス製造保安係員講習
7,199
(7,449)
移動監視者講習
1,729
(1,649)
特定高圧ガス取扱主任者講習
1,258
(1,260)
第1種冷凍機械講習
(ロ) 製造講習会(知事)
(ハ) 販売講習会
第1種販売講習
第2種販売・業務主任者の代理者講習
(ニ) 設備士講習会
液化石油ガス設備士講習(第2・第3・特別)
及び技能試験
(ホ) 義務講習会等(高圧)
- 24 -
(ヘ) 義務講習会等(LP)
7,014
(7,064)
14,903
(15,237)
充てん作業者再講習
1,691
(1,644)
保安業務員講習
3,128
(3,089)
液化石油ガス調査員講習
680
(678)
充てん作業者講習
568
(650)
業務主任者講習
液化石油ガス設備士再講習
資格講習
小計((イ)~(ニ))
37,356
(37,443)
義務講習等
小計((ホ)~(ヘ))
38,774
(39,327)
合計
76,130
(76,770)
454
(466)
1,789
(1,844)
(ハ) CE受入側保安責任者講習
359
(384)
(ニ) 冷凍空調施設工事事業所の認定に係る講習
394
(655)
(ホ) CE保安講習
85
(71)
(ヘ) 特殊材料ガス保安講習
46
(49)
0
(0)
計((イ)~(ト))
3,127
(3,469)
総計(1+2)
79,257
(80,239)
2.自主講習
(イ) ポリエチレン管の施工に係る講習
(ロ) 配管用フレキ管講習等
(ト) 冷凍特別装置検査員
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別紙2
高圧ガス製造保安責任者試験及び高圧ガス販売主任者試験
並びに液化石油ガス設備士試験種類別出願者数見込み
種
平成 28 年度 平成 27 年度
出願者見込 出願者実績
(人)
(人)
類
1.大臣試験
甲種化学
1,264
(1,277)
甲種機械
1,951
(1,988)
第一種冷凍機械
1,827
(1,862)
5,042
(5,127)
乙種化学
3,151
(3,389)
乙種機械
7,290
(7,547)
丙種化学(液石)
5,131
(5,507)
丙種化学(特別)
7,329
(8,146)
第二種冷凍機械
5,777
(5,846)
第三種冷凍機械
13,886
(13,954)
第一種販売
2,868
(2,980)
第二種販売
8,756
(8,123)
液化石油ガス設備士
1,769
(1,713)
小計
55,958
(57,205)
合計(1+2)
61,000
(62,332)
小計
2.知事試験
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