強磁場を用いたセラミックスの微構造制御

強磁場を用いたセラミックスの微構造制御
Keyword : 粒子、分散、スラリー、結晶配向、焼結、異方性
研究の背景
セラミックス等の材料では、その特性に等方的なものはなく、性質が異方的であることを利用
して有用な材料とする場合が多くあります。また、近年、超伝導材や冷凍機等の発達により
強磁場が使いやすい環境となってきています。
研究の狙い
バルクセラミックスにおける結晶配向は、テンプレート粒成長法などが用いられていましたが、
これらの技術では、適用材料、およびその配向方位の選択性が限定されることが問題となり
ます。そのため、強磁場とさらに他のプロセス因子を加えることで、結晶方位制御による特性
の向上を目指します。
最先端研究トピックス
セラミックス粒子をスラリー中に分散し、成形中に磁場を印
加することで配向制御を行うプロセス。
物質の結晶構造が非対称であることを配向原理に用いる
ために、各種セラミックスに適用可能であり、汎用性が高い
ことを実証。
電気泳動堆積と磁場を用いた
配向積層制御
形状異方性粒子と磁場を用いた多軸配向制御
100
20mm
3軸配向制御MgTi2O5 001
文献
010
• T. S. Suzuki, Y. Suzuki, et al, J. Am. Ceram. Soc., 99 [6] 1852–1854 (2016).
• H. Yamada, T. S. Suzuki, et al, APL Materials, 1, 4, 042110-1-042110-5, (2013).
• 鈴木 達,打越 哲郎, 目 義雄,“バルクセラミックスにおける異方性工学の進展と今後の展望”,
セラミックス, 47 [4] 243-248 (2012).
応用分野と今後の展開
実用化へ向けた課題
 圧電体、透光性材料、2次電池電極と電解質、イオン
伝導体(燃料電池電解質など)、また、アルミナ、SiC、
AlN、ZnOなどへの適用が可能
 高分子を含めた種々のマトリックスへのセラミックス
フィラー、短繊維などの一方向分散
 必要となる磁場強度の低減。
 連続プロセスへの拡張。
 特許件数:12
機能性粉体・セラミックス分野 セラミックスプロセッシンググループ
鈴木 達
E-mail: SUZUKI.Tohru●nims.go.jp
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