オキシデーションディッチ法の省エネ技術に関する共同研究

新研究テーマの 紹介
オキシデーションディッチ法の
省エネ技術に関する共同研究
資源循環研究部 研究員
田村 崇
ネルギーが増大しないような方策が必要となります。
研究の背景
地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温室効
研究の目的
果ガス排出抑制等指針の改正に伴い,下水道部門にお
オキシデーションディッチ法に適用できる曝気装置
ける排出抑制等の措置が追加されましたが,小規模下
等の省エネ機器の情報および運転管理上の方策による
水道の代表的な水処理方式であるオキシデーションデ
省エネ技術を技術資料として取りまとめることを目的
ィッチ法については,エネルギー消費削減の有効な手
とします。
段が示されていないのが実情です。
オキシデーションディッチ法の下水処理場は2,000m3/
日以下の小規模な処理場が多く(図1),流入比率(日
研究の内容
平均処理水量/施設能力)0.5以下が多くを占めていま
共同研究参加企業の有する専門的知見や技術につい
す(図2)
。今後の地方の人口減により,さらに流入水
ての情報を収集し,オキシデーションディッチ法の省
量の減少が予想されており,単位水量当たりの消費エ
エネ技術に関して検討・整理します。主な研究内容は
250
88%
200
100%
94%
60%
51%
50
40%
34%
13%
0%
図1 OD法処理場の日平均処理水量の分布
流入比率0.5以下
200
処理場数
流入比率0.5以上
0.5以下の割合
92%
82%
75%
64%
150
61%
60%
41%
100
備機器に関する調査研究
まとめ
100%
これまでに,共同研究参加企業の提案技術の選定,
80%
研究内容の検討および研究体制の構築を行いました。
60%
今後,上記の研究内容を盛り込んだ技術資料の作成を
40%
13%
よる省エネ技術に関する調査研究
日平均処理水量(m3/日)
250
②オキシデーションディッチ法に関連する省エネ型設
③オキシデーションディッチ法の運転管理上の方策に
20%
0
消費に関する調査研究
80%
72%
①既存オキシデーションディッチ法施設のエネルギー
100%
割合(%)
処理場数
63%
150
100
以下の通りです。
全処理場数に対する割合(累計)
割合(%)
処理場数
行う予定です。なお,本研究は,岡山市,㈱ウォーター
50
20%
エージェンシー,JFEエンジニアリング㈱,住重環境
0
0%
エンジニアリング㈱,㈱中央設計技術研究所,㈱日水
日平均処理水量(m3/日)
図2 OD法処理場の日平均処理水量と流入比率
32 —— 下水道機構情報
コン,㈱フソウ,前澤工業㈱と(公財)日本下水道新
技術機構との共同研究です。
Vol.11 No.23