HPLC・LC/MS 用メタルフリー PEEK カラム もう少しLCの感度を改善させたい方へ… HPLC・LC/MS 用メタルフリー PEEK カラム 「低濃度のサンプルが検出・定量できない」 「キャリーオーバーのために、再現性が得られない」 「マトリックス効果による影響があるが、感度の関係で希釈できない」 というお悩みはありませんか? 装置や前処理は変更しなくても、 カラムのハードウェアを変えるだけで大きく改善することがあります! メタルフリーカラムを使用することによる感度向上 リン酸基を有する ATP などは金属配位性吸着を示す化合物です。 LC/MS 分析において、通常のステンレス製カラムを使用した場合と比べ、接液部の金属を排除したメタルフリーカラ ムを使用した場合はピーク形状や S/N が大きく改善しました。 (x10,000) 3.5 ステンレスカラム (x10,000) 3 .5 3 .0 3.0 2.5 2 .5 2 .0 2.0 1.5 メタルフリーカラム 3 Conditions Column Eluent 1 .0 Flow Rate Col. Temp. Detection Injection Vol. Sample 2 1 .5 3 1.0 1 2 0.5 0.5 1 0.0 0.0 2.0 Time(min) 0.0 0.0 4.0 2.0 Time(min) : InertSustain AQ-C18(3 µm HP, 150 × 2.1 mm I.D) : A) 5 mM Ammonium formate in H2O B) CH3CN * *グラジエント条件 : 0.3 mL/min Time (min) B% : 40 ℃ 0 2 : LC/MS/MS (ESI) , Positive 0.5 2 : 2 µL 3 25 : 1.ATP 500 µg/L 3.01 2 2.ADP 500 µg/L 7 2 3.AMP 500 µg/L 4.0 金属配位性吸着とは? 同じ向きに非共有電子対を持った原子が2つ以上あると、充填剤表面の残存金属に吸着する可能性が高くなります。 これまでは、充填剤表面の残存金属による影響が指摘されていましたが、近年は検出器の感度向上に伴い、カラムハー ドウェアの内壁やフィルターの金属への吸着による影響も無視できなくなってきています。 Metal OH OH OH OH CO Metal N OH OH OH NH R 2 COOH NH O O OH COOH N O N COOH COOH 2 O OH :Fe、Ni、Al・・・・etc 3 OH CO R CH 2 PEEK カラムの弱点を克服したカラムハードウェア 従来の PEEK カラムは使用圧力の上限や耐久性が弱点でした。 →内側は PEEK、外側はステンレスという 2 重構造にすることで物理的強度が改善され、UHPLC でも 安心して使えるカラムとなりました。 充填剤 充填剤 充填剤 PEEK PEEK PEEK ステンレス ステンレス 従来の PEEK カラム 耐圧:20 MPa 高耐圧 UHPLC-PEEK カラム 耐圧:80 MPa カラム断面写真 充填剤の残存金属の少なさも重要 カラムハードウェア内壁の表面積よりも、多孔質シリカを母体としている充填剤の表面積の方がはるかに大きいので、 充填剤表面の残存金属量が少ないことも極めて重要です。下の測定例では、金属配位性を示すことが知られているテト ラサイクリン類を分析した際の感度を比較していますが、このメタルフリーカラムでの性能は、カラムハードウェアが 良いというだけでなく、不活性度に優れた充填剤も持っている弊社ならではのパフォーマンスと言えます。 不活性度の高い充填剤に変更し、かつメタルフリーカラムを使用した場合に一番良好なピーク形状を得られていること が分かります。 食品分析 医薬品分析 ステンレスカラム 他社 ODS カラム 粒子径:1.7 µm ステンレスカラム InertSustainSwift C18 粒子径:1.9 µm メタルフリーカラム InertSustainSwift C18 粒子径:1.9 µm 不活性度の高い カラムを使えば 感度 UP 2 メタルフリー カラムを使えば さらに感度 UP 2 Intensity, CPS Intensity, CPS Intensity, CPS 2 1 1 1 ( Conditions Column Eluent Flow Rate Col.Temp. Detection Injection Vol. Sample ( ) : InertSustainSwift C18 (1.9 µm, 50 × 2.1 mm I.D.) 他社 ODS カラム (1.7 µm, 50 × 2.1 mm I.D.) : A) 0.1 % HCOOH in CH3CN B) 0.1 % HCOOH in H2O A/B = 10/90 – 1.5 min – 10/90 – 2.5 min – 90/10 , v/v : 0.4 mL/min : 40 ℃ : LC/MS/MS (ESI, Positive, MRM) : 10 µL : 1. Oxytetracycline(OTC) 2. Tetracycline(TC) (2 mg/L each) ( ) OH OH H ) N CH 3 N OH H OH OH NH 2 OH O OH OH O O 1. オキシテトラサイクリン NH 2 OH O OH OH O O 2. テトラサイクリン Structures are created using Chemistry 4-D Draw which is provided by ChemInnovation Software, Inc. 3 測定例1 有機リン系農薬の分析 水質管理目標設定項目の別添方法 22 に記載されているグリホサートなどの分析条件にもとづき、ステンレスカラムと メタルフリーカラムの比較を行いました。グリホサートなどもリン酸基を持っているため、メタルフリーカラムを使う ことでピーク形状・感度ともに改善しています。定量結果も安定しますので、頑健性の面でもお薦めです。 環境分析 食品分析 ステンレスカラム メタルフリーカラム 3 2 1 2 感度 UP ピーク形状改善 Conditions Column Eluent : InertSustain C18 (3 µm, 150 × 2.1 mm I.D) : A) 5 mM HCOONH4 in H2O B) CH3CN A/B=95/5 -9.3 min - 37/63,v/v : 0.25 mL/min : 40 ℃ : 10 µL : LC/MS/MS (ESI, Positive, MRM) : 1. FMOC-Glyphosate 2. FMOC-Glufosinate 3. FMOC-AMPA (2 µg/L each ) Flow Rate Col.Temp. Injection Vol. Detection Sample 3 1 ( ) ( ) R: FMOC 1. FMOC- グリホサート 2. FMOC- グリホシネート 測定例2 HILIC モードでのアミノ酸の分析 メタルフリーのカラムハードウェアは、逆相モードの充填剤だけでなく、HILIC モードでも活躍します。下の例では、 窒素原子を 2 つ以上有するアミノ酸の分析において、メタルフリーカラムを使うことで感度の改善が見られました。 ステンレスカラム 食品分析 メタルフリーカラム (×1,000,000) (×1,000,000) 5 感度 UP ピーク形状改善 1 5 2 1 4 3 4 2 6 3 6 7 7 ( Conditions Column Eluent Flow Rate Col.Temp. Detection Injection Vol. ( : Inertsil Amide (3 µm, 150 × 2.1 mm I.D.) : A) 100 mM HCOONH4, 0.1 % HCOOH in 75 % CH3CN B) 100 mM HCOONH4, 0.1 % HCOOH in H2O A/B = 100/0 – 3 min – 100/0 – 5.5 min – 70/30, v/v : 0.3 mL/min : 40 ℃ : LC/MS/MS (ESI, Positive, MRM) : 5 µL 4.4.ヒスチジン 4 ) 5. 5. アルギニン ) Sample: 1. Leucine 2. Isoleucine 3. Valine 4. Histidine 5. Arginine 6. Lysine 7. Cystine (5 µM each ) 6. リシン 測定例3 カビ毒(フモニシン B 類)の分析 フモニシン B1, B2 などはカルボキシル基を複数有しており、金属配位性を示します。 この場合も、メタルフリーカラムを使用することでピーク形状・感度ともに感善しています。 食品分析 ステンレスカラム メタルフリーカラム 2 2100 1800 9000 1200 900 1 6000 600 3000 300 0 感度 UP 2 UP ピーク形状改善 2 12000 1 1 1500 1 15000 0 1 2 3 4 5 6 7 Time (min) 8 9 10 11 0 0 1 2 3 4 5 6 7 Time (min) 8 9 10 11 Conditions Column : InertSustain C18(3 µm, 100 × 2.1 mm I.D.) Eluent : A) 0.1 % HCOOH ,10 mM HCOONH4 B) CH3CN A/B = 60/40,v/v Flow Rate : 0.2 mL/min Col.Temp. : 40 ℃ Detection : LC/MS/MS ( ESI, Positive, MRM ) Sample : 1.Fumonisin B1 2.Fumonisin B2 O O COOH O OH O O OH OH O OH O COOH OH O NH 2 OH OH OH NH 2 COOH O O COOH O O 1. フモニシン B1 OH 2. フモニシン B2 【HPLC システム内の金属の影響について】 厳密には、カラムの接液部だけでなく、HPLC システムの配管やオートサンプラーのニードルの内壁の金属も影響するこ とがあります。下のデータは、弊社メソッドで装置配管の不活性化処理を行った時のピーク強度の変化を示しています。 装置配管の不活性化処理に関する詳細は別途お問い合わせください。 装置 / 配管の不活性化処理前 1 15000 装置 / 配管の不活性化処理後 1 32000 2 12000 2 24000 9000 16000 6000 8000 3000 0 0 1 2 3 4 5 6 7 Time (min) 8 9 10 11 0 0 1 2 3 4 5 6 7 Time (min) 8 9 10 11 Structures are created using Chemistry 4-D Draw which is provided by ChemInnovation Software, Inc. 5 ご注文方法 メタルフリーカラムをご注文の際は、下記の項目を弊社支店・営業所または弊社販売店にご連絡ください。 ①ご希望の充填剤の種類 (例:InertSustain C18) ②充填剤の粒子径 ③内径(mm) ③内径 ④長さ ⑤ ②~④に対応する Cat.No. (例:2 µm、2.1 × 50mm の場合→ 5020-00531) ①充填剤の種類 ②充填剤の粒子径(µm) ④長さ(mm) UHPLC-PEEK カラム 粒子径 2 µm (1.9 µm) * 3 µm 内径(mm) 長さ (mm) 2.1 4.6 価格 50 5020-00531 5020-00527 96,000 100 5020-00532 5020-00528 100,000 150 5020-00533 5020-00529 102,000 250 5020-00534 5020-00530 113,000 50 5020-00539 5020-00535 85,000 100 5020-00540 5020-00536 89,000 150 5020-00541 5020-00537 91,000 250 5020-00542 5020-00538 102,000 注)標準カラムジョイント形式は、UP型です。 *:InertSustainSwift C18、InertSustain AQ-C18を選択された場合は、2 µm ではなく1.9 µmになります。 充填剤 PEEK ステンレス ・材 質 :内側(接液部分)・・PEEK 外側・・・・・・・ステンレス ・対応可能な充填剤 :InertSustain、Inertsil シリーズ ・推奨最大使用圧力 :80 MPa(1.9 µm、2 µm) 50 MPa(3 µm) PEEK カラム 粒子径 4 µm 5 µm 10 µm から選択 長さ (mm) 内径(mm) 2.1 価格 30 5020-00520 ― 61,000 33 5020-00521 5020-00510 61,000 50 5020-00522 5020-00511 61,000 75 ― 5020-00512 67,000 100 5020-00523 5020-00513 78,000 150 5020-00524 5020-00515 78,000 200 ― 5020-00516 88,000 250 5020-00525 5020-00517 88,000 300 5020-00526 5020-00518 99,000 注)標準カラムジョイント形式は、UP型です。 6 4.6 充填剤 PEEK ・材 質 :PEEK ・対応可能な充填剤 :InertSustain、Inertsil シリーズ ・推奨最大使用圧力 :20 MPa メタルフリーカラムとして対応可能な充填剤 〈InertSustain® シリーズ〉 ・InertSustain C18 ・InertSustainSwift C18 ・InertSustain Phenylhexyl ・InertSustain NH2 ・InertSustain AQ-C18 ・InertSustain C8 ・InertSustain Phenyl ・Inertsil ODS-4 ・Inertsil C8-4 ・Inertsil WP300 C4 ・Inertsil NH2 ・Inertsil ODS-3 ・Inertsil C8-3 ・Inertsil Peptides C18 ・Inertsil WP300 Diol ・Inertsil ODS-SP ・Inertsil Ph-3 ・Inertsil HILIC ・Inertsil SIL-100A ・Inertsil ODS-P ・Inertsil WP300 C18 ・Inertsil Amide ・Inertsil WP300 SIL ・Inertsil ODS-EP ・Inertsil WP300 C8 ・Inertsil Diol ・Inertsil CN-3 〈Inertsil® シリーズ〉 注)その他の充填剤も対応可能です。 各充填剤ごとに対応可能な粒子径が異なります。詳細については、別途お問い合わせください。 UHPLC 用配管&フィッティング MarvelX シリーズ MarvelX シリーズの PEEK-Lined Stanless Steel キットのチューブは、接液部が PEEK 製、外側がステンレススチー ルで覆われており、高耐圧条件(最大 160 MPa)でも使用可能です。 手締めで使用できる専用フィッティングがセットになっており、UHPLC における配管接続を簡便に行うことができます。 ・材 質: チューブ :PEEK(接液部)、ステンレススチール(外側) フィッティング:ステンレススチール ・耐 圧 :160 MPa(23,000 psi) MarvelX PEEK-Lined Stainless Steel キット フィッティング 2 個とチューブ 1 本が一緒になったキットです。 品番 チューブ内径 チューブ長さ Cat.No. UPFP-6025150 25 µm 150 mm 6010-73701 価格 38,000 UPFP-6025350 25 µm 350 mm 6010-73702 38,000 UPFP-6100150 100 µm 150 mm 6010-73711 38,000 UPFP-6025350 100 µm 350 mm 6010-73712 38,000 注)上記以外のサイズ(チューブ長さ70、250、500、600 mmなど)も対応可能です。お使いのLCシステムに合わせたチューブの長さを選択して ください。 ※高耐圧ではない一般的な(20 MPaの耐圧程度)のPEEKフィッティングとチューブも用意しています。 ピークプレカラムフィルター 夾雑物による分析カラムの目詰まりを心配される場合は、下記のようなフィルターをカラムの前に接続することをお薦 め致します。 ・材 質:PEEK 製(カートリッジ、フィルター共に) ・耐 圧:34.5 MPa 品名 ピークプレカラムフィルター 2 µm ピークプレカラムフィルター 交換用フィルター 2 µm ピークプレカラムフィルター 0.5 µm ピークプレカラムフィルター 交換用フィルター 材質 Cat.No. PEEK 6010-55300 価格 11,000 - 6010-55310 2,000 PEEK 6010-55400 10,400 - 6010-55410 2,000 ピークプレカラムフィルター 交換用フィルター 7 本冊子に掲載されているアプリケーション以外にも、メタルフリーカラムを使用したデータを揃えています。 ご興味のある方は、弊社ホームページの「テクニカルノート No.152 および No.155」をご参照ください。 http://www.gis.co.jp/technique/ic_technical.note/index.html 【HPLC カラムカタログのご紹介】 ジーエルサイエンスの HPLC カラムに関する情報を詳しく掲載しています。 カラムの上手な使い方などの技術情報も充実した内容になっております。 送付をご希望の場合はお問合せください。 ・分析カラム (逆相・HILIC・順相・SEC・イオン交換など) ・ガードカラム ・分取カラム ・キャピラリーカラム ・HPLC 部品 ・HPLC 技術資料 ・アプリケーション紹介 ●掲載している価格には消費税が含まれていません。 ●改良のため、型式、価格、仕様などにつきましては予告なしに変更 する場合がありますので、あらかじめご了承ください。 ●本カタログに掲載している会社名および製品名は、それぞれ該当 する各社の商標、または登録商標です。 ●本文中にはTMおよび®マークは明記しておりません。 ●データに起因し直接的または間接的に生じたいかなる損害に対し ましても、当社が責任を負うものではありません。また、記載事項 につきましては、予告無しに改訂する場合がありますので、あらか じめご了承ください。 〒461-0004 名 古 屋 市 東 区 葵 3 - 22 - 8 福岡市中央区天神3-10-20 TEL.092(738)6633 FAX.092(738)6636 〒810-0001 〒226-0018 20160810OB3T
© Copyright 2024 ExpyDoc