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産業アウトルック 2016年度下期
16年度
下期見通し
13.海運(外航)
コンテナ船・バルカー市況は依然として
低水準、タンカー市況は悪化へ
船種毎の市況動向をみると、コンテナ船
では荷動きはほぼ前年並みに止まったも
のの、各船社が供給量を抑制しつつ値上
げに努めてきたことから運賃は春先をボ
トムに底打ちしています。ただし、今後
も大型船を中心に高水準の供給が続くこ
とから、当面は低水準で推移する見込み
です。
バルカーでは、鉄鉱石の主要輸入国であ
る中国の輸入量が堅調に推移したことに
加え、解撤量が高水準であったことから
需給ギャップが改善、2月に過去最低まで
落ち込んだ運賃はやや持ち直しています。
もっとも、今後も新造船の竣工が多数控
えていることから、本格的な市況回復は
見通し難い状況です。
タンカーについては新造船竣工量の増加
等から、需給ギャップが拡大し、運賃は
ここ数ヵ月で大幅に下落しました。今後
も更に新造船竣工量が増加する見込みで、
市況の一段の悪化が想定されます。
世界第7位の韓進海運が経営破綻、
邦船大手も引き続き厳しい業況が続く
本年8月末、市況低迷等を背景に、コンテ
ナ船社で世界第7位の韓進海運が経営破綻
に追い込まれました。邦船大手3社につい
ても、2016年度第1四半期の合算経常利益
▲317億円(前年同期比▲787億円)と大幅
減益で赤字になった上、通期業績予想も
下方修正を余儀なくされている等、厳し
い業況が続く見込みです。
担当:堀貫 哲平
図表1 アジア発コンテナ荷動き量の推移
図表2 コンテナ船市況推移
~ほぼ前年並みで推移
~過去最低は脱したが依然として低水準
(USD/TEU)
3,000
+15%
北米 前年同期比
北米東岸向け
+10%
2,500
+5%
2,000
+0%
1,500
欧州 前年同期比
-5%
1,000
-10%
500
2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q
13
14
15
13/9
出所:日本海事センター企画研究部作成資料より弊行作成
14/3
14/9
15/3
15/9
16/3
16/9
(年/月)
出所:Clarkson Research Servicesより弊行作成
図表4 大手海運会社3社合算の連結業績推移
図表3 バルカー・タンカー運賃指標の推移
~第1四半期は経常赤字、通期予想も下方修正
~バルカーはやや回復、タンカーは大幅下落
(WS)
大型タンカー運賃指数(右軸)
欧州向け
0
16
(年度)
(BDI)
5,000
北米西岸向け
100
(兆円)
(十億円)
6
1,000
売上高(左軸)
4,000
80
3,000
60
5
800
4
600
3
2,000
400
経常利益(右軸)
40
2
200
20
1
0
バルカー運賃指数(左軸)
1,000
0
0
0
13/9
14/3
14/9
15/3
15/9
出所:Clarkson Research Servicesより弊行作成
16/3
16/9
(年/月)
-200
07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 15 16
(予) 1Q 1Q (年度)
出所:日本郵船、商船三井、川崎汽船の決算短信より弊行作成
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