日本薬学会北陸支部 特 別 講 演 会 講師: 明治薬科大学 分子製剤学研究室 深水 教授 啓朗 先生 演題: 「難溶性薬物の経口製剤化を目的とした医薬品 Cocrystal技術の応用」 日時: 平成28年11月21日(月) 13:00-14:30 場所: 富山大学杉谷キャンパス 薬学部研究棟7F 第8セミナー室 本邦における医療用医薬品の剤形として,錠剤や顆粒剤といった固形製剤のシェ アは販売額ベースで約6割を占めており,最も汎用される剤形ということができる. 近年,固形製剤に含まれる固体の原薬をキャラクタライズし,その品質を保証する 重要性が改めて認識され始めている.現在,医薬品として用いられている物質の多 くは,いわゆる有機化合物であり,その結晶は分子結晶に分類される.従来からフ リー体原薬の結晶化が困難な場合,あるいは物性の改善を目的として,塩(salts) の調製により安定性や取扱いに優れた結晶性粉末が製造されてきた.このとき,塩 形成の概念では酸-塩基反応を利用するため,解離基を有する原薬に適応が限られ ていた.ところが原薬と添加剤(カルボン酸類が多い)の組み合わせによっては, アミド基のような中性の官能基でも水素結合を介して複合化した結晶が生じること から,そのターゲットはすべての医薬品原薬および候補化合物まで拡張されている. 本講では近年新たな結晶形態として注目される共結晶(Cocrystal,コクリスタ ル)について,その調製や評価方法といった基礎から,経口製剤への適用を中心と した製剤学的な応用までについて概説する.また,時間に余裕があれば近年の医薬 品開発に係る動向についても紹介する. ※ 本講演は、大学院の講義 (創剤学特論)を兼ねております。多くの教職員、学生の皆さん のご来聴をお待ちいたします。 連絡先: 大貫 義則 (富山大学大学院医学薬学研究部(薬学)製剤設計学講座) TEL: 076-415-8827
© Copyright 2025 ExpyDoc