海外安全対策情報(2016年7月~9月) 1 社会・治安情勢 当地では,カタルーニャ州の独立を巡る動き,景気低迷による雇用や生活に 対する不安等もあり小中規模の抗議活動が各地で行われていることから,デモ や集会には引き続き注意を要する。 2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向 (1)犯罪発生状況(内務省統計2016年1月~9月) ア 国内 犯罪発生件数は1,520,487件と前年同期と比較して1.4% 減である。罪種別では,殺人6.1%増(227件),強盗・脅迫等の暴 行を伴う窃盗1.9%減(47,360件),傷害0.5%減(162, 065件),窃盗(暴力を伴わないもの)0.2%減(540,853件) , 自動車盗(含自動二輪)0.6%減(32,222件),侵入窃盗0.5% 増(85,355件)で全体的に微減傾向にあるものの,罪種によって は増加しており,特に殺人発生件数の増加が目立っている。 イ 管内(カタルーニャ州,バレンシア州,バレアレス州) 犯罪発生件数は,前年同期と比較して2.1%減(536,726件) である。罪種別では,殺人7.5%増(72件),強盗・脅迫等の暴行を 伴う窃盗6.6%減(20,458件),傷害0.8%減(54,139 件),侵入窃盗1.4%減(34,836件),窃盗(暴力を伴わないも の)1.3%減(206,951件),自動車盗(含自動二輪)3.0% 減(10,677件)であり,ここでも殺人発生件数の増加が目立って いる。 ウ カタルーニャ州 犯罪発生状況は,前年同期と比較して2.8%減(306,558件) である。罪種別では,殺人46.4%増(41件),強盗・脅迫等の暴行 を伴う窃盗8.6%減(14,942件),傷害0.4%増(29,40 4件),自動車盗(含自動二輪)7.7%減(5,915件),窃盗(暴 力を伴わないもの)は1.4%減(124,432件),侵入窃盗は1. 9%減(17,696件)であった。 スリ・置き引き等の暴力を伴わない窃盗については,認知件数124, 432件中約83%がバルセロナ県に集中(102,958件)してい る。 (2)邦人犯罪被害者数(当館認知ベース,2016年1月~9月) 当館で認知した今期の邦人に係る犯罪被害者数は181人(前年同期の 264人から31.4%減)であり,昨年比で大幅に減少した。犯罪形態で はスリと置き引きで全体の約74.0%(134件)を占め,ケチャップス リ10.5%(19件),車上狙い3.9%(7件)で,ひったくり4.4% (8件),パンク盗6.6%(12件)等となっている。 主に路上・広場,レストラン・カフェ等の飲食店,観光地,ホテル,地 下鉄・駅等において多数発生しており,ケチャップスリ及びパンク盗の増加 が目立っている。なお,カタルーニャ州警察が認知した日本人被害者に係る 犯罪件数は当館認知件数の倍以上であり,同警察によると日本人観光客が被 害に遭う確率は約0.34%(日本人旅行者1000人中3~4人)という 統計もある。 3 邦人被害事案例 (1)7月中旬,バルセロナ市内において,鳥糞様の液体を衣服にかけられ, 荷物を地面に置いて汚れを拭いていたところ,男に荷物を盗まれた。 (2)7月下旬,バルセロナ市内の高速道路を走行中,タイヤがパンクしてい ることに気づいたことから修理していたところ,男達がパンク修理の手伝 いを装って近づき,目を離した隙に車内から鞄を盗まれていた。 (3)8月上旬,バルセロナ市内のホテル朝食会場において,席取りのため鞄 を椅子の上に置いていたところ,何者かに盗まれた。 (4)9月初旬,サグラダ・ファミリア付近のカフェ店内において,体の横に 鞄を置いていたが,目を離した隙に何者かに鞄を盗まれた。 (5)9月中旬,バルセロナ市内のレストランにおいて,椅子の背にリュック サックを掛けていたところ,気づいたら何者かに盗まれていた。。 4 テロ・爆弾事件発生状況 管内における該当事件の発生は認知していないが,国内のテロ警戒レベルは 「4(高い脅威)」が維持され,テロ警戒及び治安強化が継続されている。また, 「イスラム国」やそのテロ行為をネット上で賞賛していた者, 「イスラム国」へ の勧誘活動を行った者等が多数逮捕されている。 5 誘拐・脅迫事件発生状況 邦人被害の事件は認知していない。 6 日本企業の安全に関する諸問題 特段確認されていない。
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