電磁石を用いた 自動結合・分離機構 宇宙航空研究開発機構 研究開発部門 宇宙太陽光発電システム(SSPS)研究チーム 上土井 大助 1 背景 宇宙太陽光発電システム(SSPS)を実現するには、 数100m~数kmの大型宇宙構造物を構築する必 要がある。 マイクロ波方式SSPS構想例 国際宇宙ステーションのように、構築にボルト・ ナット機構やラッチ機構を用いると、宇宙飛行士に よる船外活動やロボットアーム操作もしくは高機 能な組立ロボット/装置が必要となるため、構築コ ストが上昇し、時間も掛かるという問題がある。 国際宇宙ステーション 上記の問題を解決するための結合機構が必要! 宇宙飛行士による船外活動 2 本機構の概要(動画) 3 本機構の概要(概観図) 4 本機構の特徴 • 建設作業員や高機能なロボット/装置を必要とせず、 低コスト・短時間での構造物構築を実現可能 • 結合及び分離時のみ通電が必要で、結合を維持する ための通電は不要 • 容易に分離、再結合することが可能 • 結合前はオス側及びメス側の結合面をフラットにする ことが可能 • 結合及び分離のタイミングを容易に制御することが可 能 • 用途に応じて大型化または小型化が可能 5 従来技術との比較 方式 結合作業の 容易さ 結合維持電 力の少なさ 分離作業の 容易さ 意図したタイミ ングでの結合・ 分離の容易さ 構造の単 純さ ボルト・ナット ☓ ○ ☓ △ ○ ラッチ △ ○ ☓ △ △ ピン・ソケット △ ○ △ △ ○ 永久磁石 ○ ○ △ ☓ ○ 電磁石 ○ ☓ ○ ○ △ 本機構 ○ ○ ○ ○ △ ※評価基準 ○:良い、△:普通、☓:悪い 6 想定される用途 • • • • • 結合・分離をコマンド制御できるコネクタ 海底ケーブルの保守を容易にするためのコネクタ 海洋構造物の建設 人が入れない原発事故現場での遮蔽物構築 湖水面へのソーラーパネル等の自動展開 • 高所でのソーラーパネルやサンシェード等の自動 展開・収納 7 適用例(1/4) 初期状態 8 適用例(2/4) 1つ目のモジュールの展開 9 適用例(3/4) 2つ目のモジュールの展開 10 適用例(4/4) 2つ目のモジュールの展開・結合 11 ガイドワイヤによる位置合わせ 12 適用例(動画) 13 実用化に向けた課題 • 現在、本機構について試作モデルによる概 念実証が完了している。 • 今後、本機構について用途に応じた最適化を 行い、適用性を検証する必要がある。 • また、本機構の性能向上には、電磁石の吸 引力向上が有効であるため、その検討を行う。 14 企業への期待 • 本機構をご活用していただくこと。 • 本機構の実用化に向けて、一緒にご検討/研 究していただくこと。 • 本機構の有望な用途をご教授いただくこと。 15 本技術に関する知的財産権 • • • • 発明の名称 :結合装置 出願番号 :特願2015-242338 出願人 :宇宙航空研究開発機構 発明者 :上土井大助 16 お問い合わせ先 宇宙航空研究開発機構 新事業促進部 新事業課 e-mail [email protected] 17
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